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第4話 莉菜子 優月ちゃんと殴り合いの大喧嘩に発展の巻
しおりを挟む「はぁ? 何それ?」
鹿取莉菜子は、スマホの画面を睨みながら呟いた。学校のグループLINEには、信じられない内容のメッセージが流れていた。
《ねえ、莉菜子ってさ、バイトでおっさんたちと飲んでるんでしょ?》
その一文に、心臓がドクンと跳ねた。
(誰が言いふらしてんの?)
そんなこと、クラスの誰にも話していないはずだった。そもそも昨日でラウンジは辞めたし、たいしたことじゃない。でも、一度広まれば"真実"として扱われるのが女子高生社会だ。
莉菜子はLINEのメッセージを辿っていった。そして、ある名前で指が止まる。
《優月が言ってたよ》
「……は?」
目を疑った。優月(ゆづき)。莉菜子の唯一の"友達"と言える存在だった。
翌日、学校の廊下で莉菜子は優月を捕まえた。
「優月、ちょっと」
「え、なに?」
優月は驚いた顔をしながらも、すぐに"やばい"と気づいたようだった。
「ねえ、あんた、なんか言った?」
「……何の話?」
とぼける態度に、莉菜子の怒りが一気に沸騰する。
「とぼけんなよ。ラウンジのこと、誰に話した?」
「え、別に大したことじゃなくない?」
「は?」
「だって、あんた何でもない顔してたけど、結局そういうとこで働いてたんでしょ? みんなも気になってたし、ちょっと話しただけでしょ」
莉菜子のこめかみに血がのぼる。
「ちょっと? 何それ、私のこと売ったって自覚ある?」
「はぁ? 売った? 大げさじゃない?」
「私が誰にも話してなかったことを、勝手にバラしといて、大げさ?」
莉菜子の目がギラリと光った。周りの生徒たちも、二人の様子に気づき始めた。
「なに、マジギレ? 怖っ」
優月が冷たい笑いを浮かべる。その態度が決定打だった。
バチンッ!!!
音が廊下に響く。莉菜子の右手が、優月の頬を思いきり打ったのだ。
「……っ!」
一瞬、空気が凍りついた。優月が目を見開いたまま、頬を押さえる。
次の瞬間、
「この……!」
優月も殴り返した。莉菜子の髪を掴み、引き倒そうとする。
「お前、調子乗ってんじゃねーよ!!」
「裏切ったくせに何言ってんのよ!!」
二人は取っ組み合い、バランスを崩して床に倒れ込む。周りの生徒たちが「やばっ!」「マジで殴り合ってる!」と騒ぎ出した。
「お前ら、いい加減にしろ!」
先生の怒鳴り声とともに、二人は無理やり引き剥がされた。
「はぁ……最悪」
放課後、職員室で説教を受けた後、莉菜子は溜め息をつきながら廊下を歩いていた。
もう、優月とは終わりだろう。
でも、どこかスッキリしている自分もいた。
(まあ……いいや。友達なんて、最初から必要なかったし)
そう思いながら、莉菜子は前を向いて歩き出した。
【続く】
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