俺が聖女で彼女が騎士〜話題の強制tsゲーで遊んでみたら何かに目覚めそうになっている件について~

ぽいづん

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第6話 でちゃう

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 施しの時間が終わるともう太陽が沈みかけている。

 メアリーさんが私に言った。
「さあ、1日の最後、礼拝の時間よ」
「礼拝ですか」
「そう1日の最初と最後は聖堂での礼拝よ」

 聖堂は数百人は入れそうな広さがあり、正面の大きな壁画の前に祭壇が置かれている。その祭壇に年老いた院長がこちらを向いて手を組んで目を閉じている。

 他の聖女たちも続々と聖堂に集まってきており、各々が空いてる所に座って手を組んで瞳を閉じて礼拝を始める。私達も空いてる場所にメアリーさんと並んで座る。

「ちなみにこの礼拝が終わるとこのゲーム内での1日は終了して、強制的に寝室に移動して朝が始まるわ」
「夜中は何もないんですね」
「ええ、基本的には夜中にはなにもないからすっ飛ばされてるわ。たまに突発イベントとかがあるからその時ぐらいね」
「なるほど……」

 このゲームを始めて2時間程が経ったと思う。始めた時は昼過ぎだったのがもう夜になっている。このゲームの中の1日は3時間程で経過するのだ。

「今日は21時から騎士選定があるから、あなたも参加してみるといいわ」
「はい」
「それじゃ私はこれからお夕飯だから一旦、ログアウトするわ。それじゃあね」
 メアリーさんはそう言うと体が半透明になり消えていった。

「あ! そうかそんな時間か……」
 私がそう呟いた瞬間。

「タケシ!! 晩ごはんよーー タケシーーー!!」
 と言う声が脳内に響く。

 VRマシンは外部の音声を拾うことができる。拾った音声を脳内に反映させるのだ。

 私はログアウトをする。視界は真っ暗になるので目を開くと、家の中のベッドの上。

「タケシーーーー!!!」
 母ちゃんの怒鳴り声が聞こえる。

「わかってるわよ!!! 」
 と怒鳴り返すと母ちゃんは静かになる。

 そしてヘルメットを脱いで食卓に向かう。食卓には豚の生姜焼きが用意されているが、母ちゃんが怪訝そうな顔で私のことを見る。

「あんたどうしたの? 変な言葉使って……体調でも悪いの?」
「変な言葉?」
 私は首を傾げる……

 ……あ……

「ちょっとトイレ……」
 わた……いや俺はトイレに行って無理やり用を足す。勿論立ったまま……

 リアルで一人称、私とか思考しちゃってるし、女言葉が勝手に出てる……まだ始めて2時間だぞ……2時間……このままこのゲームを続けていいのか?

 で、でも彼女は欲しい……いや彼氏?いやいや彼女だろ……もうすっかり膀胱の中は空っぽだというのに便器に向かって立ったままの俺。

 俺は男、俺は男と心のなかで念じながら、トイレからわざと昔のヤクザ映画のヤクザのように肩で風を切りながトイレから食卓に向かう。そしてそのまま食卓に座る。

「いただく!!」
と言ってから、食事を摂り始める。

俺の前に座って食事を摂っている母ちゃんが話しかけてくる。
「あんた! ゲームばっかやってないで勉強しなさいよ! 勉強! また成績下がったらまたゲーム機取り上げるわよ! 」
「やってるわよ! 勉強ぐらい! 私だってちゃんとやってるんだからね! 」

 母ちゃんは俺のことを真剣な表情で見つめる。

「あんた……どうしたの? 熱でもあるの?」

 あ……でちゃった……また……


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