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第13話 命は一つ
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リヤカーを引いて歩く私とその隣を歩くクレアさん。
「この森を抜けると村だよ」
私達の視線の先、道の先には太陽の光を遮って薄暗く不気味な森が広がっている。その森の真ん中を貫くように道が続いている。
「なんか不気味な森ですね」
私が話しかけるとクレアさんが頷く。
「そうなの。この森は運が悪いとオオカミがでるのよ」
「へぇぇ。そんなイベントもあるんですね……ってそれまずいですよね? このゲームの修道院編って確か……」
「そう死んだらお終いだよ」
このゲーム修道院時代に死ぬようなことがあるとアカウントデリートされて最初からやり直しになるのだ。そしてこの修道院には戻ってこれるかどうか分からない。
「だからみんな買い出し嫌がるんだよね……」
せっかく積んだ徳がおじゃんになってしまう……そんなのはみんな嫌に決まってるわ……
「オオカミイベント自体低確率だし、まず当たらないよ。僕だって当たったことないから」
「そ、そうなんですね……でもクレアさんは徳を沢山積んでるのに無くすのは惜しくないんですか?」
「僕は徳なんて別に失ってもいいし、新しい修道院に行ったら新しい出会いもあるしね。アンドレア様に会えなくなるのは悲しいけれど」
そうだったこの人……本来の目的を忘れちゃってるある意味、無敵の人だったわ……
「アレクシアちゃんはまだそんなに徳積めてないでしょ?」
「はい。私はまだ500ぐらいなんで」
「新人さんぐらいしか一緒に行ってくれる人いないんだよね。買い出しも結構徳積めるんだけどね」
そんなこんなで森を抜けるとコーネルの街と立て札のある街にたどり着く。
「この街で揃うから行きましょ」
メモを片手にクレアさんが呟く。
1人の5歳ぐらいの少女が私達に気がついて
「わーいせいじょさまー」
と駆け寄ってくる。そしてドテッと転ぶ。
「いたいよおおおおお」
少女は膝を押さえて泣き始める。クレアさんはそれをみて少女に駆け寄る。
「あー膝擦りむいちゃったかぁー」
泣きながら少女が頷く。クレアさんは頭をヨシヨシとなでながら声を掛ける。
「お姉ちゃんが治してあげるからね」
そう言うとクレアさんはその膝を触る、すると手が光り輝きだす。そして
「奇跡、ヒールの使用」
と呟き手を離すと膝を擦りむいて血が流れていた少女の膝は綺麗に治っている。
「わああ、せいじょんのおねぇちゃんのおかげでいたいのなくなったよぉぉぉ」
喜んで見せる少女。
「走ったら危ないからね。気をつけてね」
クレアさんそう声を掛けると少女は「うん」と頷いて走って行く。
それを見送ったクレアさんが話しかけてくる。
「あれが少女の怪我イベント」
「あっそっかNPCですもんね。あの少女も」
「騎士と聖女以外は全員NPC、だから話しかけてきたりしてくれば、それは何かしらのイベントフラグってこと」
「なるほどーー」
「ってこれはメアリーさんの受け売りだけどね」
私は一つのことが気になる。
「奇跡って使えるんですね。修道院編は使えないと思ってました」
「修道院の外へ出ると積んだ徳に応じて使えるようになるのよ」
「なるほど……」
「ステータス開いてみて」
言われた通りにステータスを開いてみると、修道院では徳しか表示されていなかったがパラメーターのようなものが表示されている。
名前:アレクシア
HP30
奇跡取得なし
「私まだ奇跡覚えてないですね……」
「まあね。まだ500だしねぇぇ」
そして店に行きメモに書かれた物を買ったり、街の人の怪我の治療などを行っているとすっかり太陽が西の空を赤く染めカラスがカーカーと鳴き始めている。
「もう帰らなくちゃだね。アレクシアちゃん」
「ですね」
私は荷物でいっぱいになったリヤカーを引きながら歩く。荷物がある分来た時より歩く速度が遅いと感じる。
森が見えてくる。陽が傾いているせいか、森の中は来た時よりも暗い。そしてより不気味な感じを醸し出している。
だからといって迂回路があるわけでもなく、森の中に入って行くしか無い。意をけっして森の中に入っていき、ちょうど真ん中を通り掛かった頃……
ザワザワと気配が変わったということに気がつく。少しだけ先を行くクレアさんに話しかける。
「クレアさん気がついてますか?」
「うん……なんか様子がおかしい……」
クレアさんが口を開いた直後に森の闇の中からグルルルルルと犬が怒ったときに出す声が聞こえて来た。
「この森を抜けると村だよ」
私達の視線の先、道の先には太陽の光を遮って薄暗く不気味な森が広がっている。その森の真ん中を貫くように道が続いている。
「なんか不気味な森ですね」
私が話しかけるとクレアさんが頷く。
「そうなの。この森は運が悪いとオオカミがでるのよ」
「へぇぇ。そんなイベントもあるんですね……ってそれまずいですよね? このゲームの修道院編って確か……」
「そう死んだらお終いだよ」
このゲーム修道院時代に死ぬようなことがあるとアカウントデリートされて最初からやり直しになるのだ。そしてこの修道院には戻ってこれるかどうか分からない。
「だからみんな買い出し嫌がるんだよね……」
せっかく積んだ徳がおじゃんになってしまう……そんなのはみんな嫌に決まってるわ……
「オオカミイベント自体低確率だし、まず当たらないよ。僕だって当たったことないから」
「そ、そうなんですね……でもクレアさんは徳を沢山積んでるのに無くすのは惜しくないんですか?」
「僕は徳なんて別に失ってもいいし、新しい修道院に行ったら新しい出会いもあるしね。アンドレア様に会えなくなるのは悲しいけれど」
そうだったこの人……本来の目的を忘れちゃってるある意味、無敵の人だったわ……
「アレクシアちゃんはまだそんなに徳積めてないでしょ?」
「はい。私はまだ500ぐらいなんで」
「新人さんぐらいしか一緒に行ってくれる人いないんだよね。買い出しも結構徳積めるんだけどね」
そんなこんなで森を抜けるとコーネルの街と立て札のある街にたどり着く。
「この街で揃うから行きましょ」
メモを片手にクレアさんが呟く。
1人の5歳ぐらいの少女が私達に気がついて
「わーいせいじょさまー」
と駆け寄ってくる。そしてドテッと転ぶ。
「いたいよおおおおお」
少女は膝を押さえて泣き始める。クレアさんはそれをみて少女に駆け寄る。
「あー膝擦りむいちゃったかぁー」
泣きながら少女が頷く。クレアさんは頭をヨシヨシとなでながら声を掛ける。
「お姉ちゃんが治してあげるからね」
そう言うとクレアさんはその膝を触る、すると手が光り輝きだす。そして
「奇跡、ヒールの使用」
と呟き手を離すと膝を擦りむいて血が流れていた少女の膝は綺麗に治っている。
「わああ、せいじょんのおねぇちゃんのおかげでいたいのなくなったよぉぉぉ」
喜んで見せる少女。
「走ったら危ないからね。気をつけてね」
クレアさんそう声を掛けると少女は「うん」と頷いて走って行く。
それを見送ったクレアさんが話しかけてくる。
「あれが少女の怪我イベント」
「あっそっかNPCですもんね。あの少女も」
「騎士と聖女以外は全員NPC、だから話しかけてきたりしてくれば、それは何かしらのイベントフラグってこと」
「なるほどーー」
「ってこれはメアリーさんの受け売りだけどね」
私は一つのことが気になる。
「奇跡って使えるんですね。修道院編は使えないと思ってました」
「修道院の外へ出ると積んだ徳に応じて使えるようになるのよ」
「なるほど……」
「ステータス開いてみて」
言われた通りにステータスを開いてみると、修道院では徳しか表示されていなかったがパラメーターのようなものが表示されている。
名前:アレクシア
HP30
奇跡取得なし
「私まだ奇跡覚えてないですね……」
「まあね。まだ500だしねぇぇ」
そして店に行きメモに書かれた物を買ったり、街の人の怪我の治療などを行っているとすっかり太陽が西の空を赤く染めカラスがカーカーと鳴き始めている。
「もう帰らなくちゃだね。アレクシアちゃん」
「ですね」
私は荷物でいっぱいになったリヤカーを引きながら歩く。荷物がある分来た時より歩く速度が遅いと感じる。
森が見えてくる。陽が傾いているせいか、森の中は来た時よりも暗い。そしてより不気味な感じを醸し出している。
だからといって迂回路があるわけでもなく、森の中に入って行くしか無い。意をけっして森の中に入っていき、ちょうど真ん中を通り掛かった頃……
ザワザワと気配が変わったということに気がつく。少しだけ先を行くクレアさんに話しかける。
「クレアさん気がついてますか?」
「うん……なんか様子がおかしい……」
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