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死者の迷宮編
第9話 鍛冶皇帝
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「俺についてこい。リアフレだけどちょっと変わった奴だから面食らうかもしれんけど。根は良いやつだから」
「ロジャーさんのリアフレなら大丈夫ですよ」
「だといいんだけど……ここだ。」
街の外れの工房にたどり着く。
カチンカチンという金属を叩く音が工房から響く。工房の中では真っ赤になった鉄を叩くロロリト族の人間が一人いる。
ロジャーさんがその男に話し掛ける。
「よお!」
ロジャーさんが声を掛けるとその男は手を止め話しかける。
「なんだ、売れない鎧売りか。金のなら貸さんぞ」
「大金持ちの癖にケチだなって、金借りに来たわけじゃねーよ」
「隣りの奴が俺様に用事なんだろ?」
「ああ、俺のフレでエイジってんだ」
「ふーん……ヘパイスだ。よろしく」
「よろしくお願いします」
俺がそういうとヘパイスは
「え?」
とビックリしたような表情をする。
「俺なんかしました?」
「ちょ待てよ。おれはヘ・パ・イ・スだぜ? あのヘ・パ・イ・ス!」
「はいそれが?」
ヘパイスは信じられないというような表情でおでこを手で抑える。
「まじか……このアルターで俺を知らない奴が……ロジャーこいつ大丈夫か?」
そう言われたロジャーさんはヤレヤレといった表情をして
「至って正常だし、お前のこと知らないやつぐらいいっぱいいると思うぞ?」
「は? ありえないし。アルター生産職四天王の一人で、アルター最速で1億Gを稼いだこのヘパイスだぞ?」
とにかく俺の目の前にいるこの鍛冶師は、自称アルター生産職四天王の一人らしい。
「す、すいません。俺最近始めたんで……」
「そっかぁぁ、ならしょうがない。俺がアルター生産職四天王の一人で鍛冶皇帝ことヘパイスだ。よろしく!」
そう言ってヘパイスは右手だす。
自分で自分のことを鍛冶皇帝とか言ってるし……
「よろしくお願いします……」
俺も右手を出して握手をする。
手を話すとヘパイスは俺を値踏みするように見ながら口を開く。
「エイジくんだっけ? 俺に用事があるってことは武器を作って欲しいってことだよね?」
「ええ! お願いします!」
ヘパイスはさっと右手を出す。
「手付金は10万Gね。付加価値の難易度によって10万Gずつ上がっていくよ。レアな付加価値がほしいなら100万Gはいるかな」
「金ですか……」
「そりゃそうだろ」
「金はあんまり持ってないです……かき集めても3万Gぐらいかな……」
そういうとそれまでニコニコしていたヘパイスは呆れたというような表情になり
「それっぽっちの金で俺に武器を作ってもらおうだなんて、俺も甘くみられたもんだ。帰ってくれ」
そう言ってへパイスはシッシッと手で俺を追い払うような仕草をする。
ロジャーさんが見かねて口を開く。
「俺のフレンドってことで安くしてやってくれないか?」
「何いってんだ。商売は商売。そんなんだからお前はいつまで立っても売れない鎧ばっか作ってんだよ」
「ったく、今度のテスト範囲教えてやらねーぞ。お前単位を落としたら留年するんじゃなかったっけ?」
ヘパイスは急に小声になりブツブツと呟く。
「……リアルの世界を持ち出すなよ……それは反則じゃないか……フザケンナ……」
「あー分かったよ。ヨーヘイ! お前留年な」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁ本名だすなよぉぉぉ俺はヘパイスなの!! 」
「だったら3万でエイジに作ってやってくんねぇか?」
「分かったよ! 今回だけな! ただし素材は自分で用意してもらう。素材までは面倒見きれんわ」
ロジャーさんが俺の方をみてウィンクをする。
ヘパイスが俺に話しかけてくる。
「じゃ、お前の欲しい付加価値はなんだ?」
「デバフを……」
「デバフを敵に付与するタイプか……でどんなデバフがいいの?」
「違います……デバフを自分に付与するのが欲しいんです」
そう俺はこのスキルの弱点が薄っすらと見えてきてた。5層での戦い。あれは消えない炎がなければ俺は何もできなかった……
分かっていたことだけど、このスキルは受け身なのだ。それがもし武器によって自身にデバフを付与できるようになれば、俺は更に強くなれることできるんじゃないかって……
「へ? 頭大丈夫? そんな武器あるわけねーじゃねーか」
「俺のスキルなんですけど、自分のデバフをうつすことができるんです」
「へ? そんなスキルあるんだ」
「ええ……感染ってスキルでして……」
「確かに、そんなスキルなら自身にデバフを付与できたらつええわな」
「ですよね!! 」
ヘパイスは腕を組んで何か考えているように見える。
「決めた! お前の武器作ってやる。ただそんなデバフがつくような素材を俺は知らねぇ。だから一緒にお前と素材集めに行く」
「え? いいんですか?」
「そんな武器なんて作ったこともねぇし楽しそうだ! ゲームは楽しんでなんぼだろ? 善は急げだ準備してくる」
ヘパイスはそういうと工房の奥に入っていった。
ロジャーさんは俺の肩を叩きニッコリと笑って話しかける。
「悪いやつじゃないだろ?」
「そうですね」
と俺は頷いた。
「ロジャーさんのリアフレなら大丈夫ですよ」
「だといいんだけど……ここだ。」
街の外れの工房にたどり着く。
カチンカチンという金属を叩く音が工房から響く。工房の中では真っ赤になった鉄を叩くロロリト族の人間が一人いる。
ロジャーさんがその男に話し掛ける。
「よお!」
ロジャーさんが声を掛けるとその男は手を止め話しかける。
「なんだ、売れない鎧売りか。金のなら貸さんぞ」
「大金持ちの癖にケチだなって、金借りに来たわけじゃねーよ」
「隣りの奴が俺様に用事なんだろ?」
「ああ、俺のフレでエイジってんだ」
「ふーん……ヘパイスだ。よろしく」
「よろしくお願いします」
俺がそういうとヘパイスは
「え?」
とビックリしたような表情をする。
「俺なんかしました?」
「ちょ待てよ。おれはヘ・パ・イ・スだぜ? あのヘ・パ・イ・ス!」
「はいそれが?」
ヘパイスは信じられないというような表情でおでこを手で抑える。
「まじか……このアルターで俺を知らない奴が……ロジャーこいつ大丈夫か?」
そう言われたロジャーさんはヤレヤレといった表情をして
「至って正常だし、お前のこと知らないやつぐらいいっぱいいると思うぞ?」
「は? ありえないし。アルター生産職四天王の一人で、アルター最速で1億Gを稼いだこのヘパイスだぞ?」
とにかく俺の目の前にいるこの鍛冶師は、自称アルター生産職四天王の一人らしい。
「す、すいません。俺最近始めたんで……」
「そっかぁぁ、ならしょうがない。俺がアルター生産職四天王の一人で鍛冶皇帝ことヘパイスだ。よろしく!」
そう言ってヘパイスは右手だす。
自分で自分のことを鍛冶皇帝とか言ってるし……
「よろしくお願いします……」
俺も右手を出して握手をする。
手を話すとヘパイスは俺を値踏みするように見ながら口を開く。
「エイジくんだっけ? 俺に用事があるってことは武器を作って欲しいってことだよね?」
「ええ! お願いします!」
ヘパイスはさっと右手を出す。
「手付金は10万Gね。付加価値の難易度によって10万Gずつ上がっていくよ。レアな付加価値がほしいなら100万Gはいるかな」
「金ですか……」
「そりゃそうだろ」
「金はあんまり持ってないです……かき集めても3万Gぐらいかな……」
そういうとそれまでニコニコしていたヘパイスは呆れたというような表情になり
「それっぽっちの金で俺に武器を作ってもらおうだなんて、俺も甘くみられたもんだ。帰ってくれ」
そう言ってへパイスはシッシッと手で俺を追い払うような仕草をする。
ロジャーさんが見かねて口を開く。
「俺のフレンドってことで安くしてやってくれないか?」
「何いってんだ。商売は商売。そんなんだからお前はいつまで立っても売れない鎧ばっか作ってんだよ」
「ったく、今度のテスト範囲教えてやらねーぞ。お前単位を落としたら留年するんじゃなかったっけ?」
ヘパイスは急に小声になりブツブツと呟く。
「……リアルの世界を持ち出すなよ……それは反則じゃないか……フザケンナ……」
「あー分かったよ。ヨーヘイ! お前留年な」
「だぁぁぁぁぁぁぁぁ本名だすなよぉぉぉ俺はヘパイスなの!! 」
「だったら3万でエイジに作ってやってくんねぇか?」
「分かったよ! 今回だけな! ただし素材は自分で用意してもらう。素材までは面倒見きれんわ」
ロジャーさんが俺の方をみてウィンクをする。
ヘパイスが俺に話しかけてくる。
「じゃ、お前の欲しい付加価値はなんだ?」
「デバフを……」
「デバフを敵に付与するタイプか……でどんなデバフがいいの?」
「違います……デバフを自分に付与するのが欲しいんです」
そう俺はこのスキルの弱点が薄っすらと見えてきてた。5層での戦い。あれは消えない炎がなければ俺は何もできなかった……
分かっていたことだけど、このスキルは受け身なのだ。それがもし武器によって自身にデバフを付与できるようになれば、俺は更に強くなれることできるんじゃないかって……
「へ? 頭大丈夫? そんな武器あるわけねーじゃねーか」
「俺のスキルなんですけど、自分のデバフをうつすことができるんです」
「へ? そんなスキルあるんだ」
「ええ……感染ってスキルでして……」
「確かに、そんなスキルなら自身にデバフを付与できたらつええわな」
「ですよね!! 」
ヘパイスは腕を組んで何か考えているように見える。
「決めた! お前の武器作ってやる。ただそんなデバフがつくような素材を俺は知らねぇ。だから一緒にお前と素材集めに行く」
「え? いいんですか?」
「そんな武器なんて作ったこともねぇし楽しそうだ! ゲームは楽しんでなんぼだろ? 善は急げだ準備してくる」
ヘパイスはそういうと工房の奥に入っていった。
ロジャーさんは俺の肩を叩きニッコリと笑って話しかける。
「悪いやつじゃないだろ?」
「そうですね」
と俺は頷いた。
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