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死者の迷宮編
第12話 デバフにはデバフ
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――7層攻略開始前
噴水広場に先に3人が集まっているのが見える。
よーし! ここは明るく行こう!
「じゃーん!! 俺、武器変えました! 」
俺は納刀していた真・呪いの剣を抜く。そしてよく見えるように持ちあげると赤黒い剣身が太陽の光に照らされて禍々しく光る。
3人は一様に絶句し、ホムホムさんがきょどりながら口を開く。
「……そ、そうね……素敵な武器ね……ねアランくん……」
「あ、あああ、いい具合に呪われ……い、いや何でもない」
「雰囲気凄いっすね……」
こんなことには無関心なリューネくんも息を呑んでいる。
「実はこの武器、防御力DOWN(大)が付与されます。自分に」
ホムホムさんはハッとした表情をする。
「そっか! 敵にデバフをもらわなくても、自分で付けられるということね! 」
「そういうことです! 」
「でも、エイジさんタンクっすよね。大丈夫なんすか? 防御力DOWN(大)なんて付けて」
「そこなんだよね……ホムホムさんに負担を掛けることになるかも……」
「私に任せて! エイジくん。私がしっかりすればなんとかなるわ」
そういって幼女アバターの平らな胸を叩く。
ホムホムさん頼もしい……これならなんとかなるか?
「とりあえず7層行きましょう! 」
――死者の迷宮7層
目の前に骸骨姿の剣を持った雑魚が3体ほど立っている。
「それじゃ。行きます! 」
俺がその雑魚に斬りつける! 攻撃が当たった瞬間、俺に防御力DOWN(大)のデバフが付与される。雑魚3体に感染を使用。
剣での攻撃を盾で受けた。すると、ポンッと10という数字が体から飛び出る。もう一体の攻撃が体に当たりそうになると俺を中心としたバリアのようなものが現れ、その攻撃を弾く。
ホムホムさんが光の加護という1回限りの絶対防御魔法を使ったのだ。
ってこんな雑魚で使うの? 用心深いなぁ……
アランとリューネくんの攻撃ですぐに雑魚は倒れた。
「凄いっす!! 俺の攻撃でこんなにダメージ入ったこと無かったす!!」
リューネくんは興奮気味に話す。
「そうだな……俺の弓もこれほどダメージが出たことはない」
うんうん二人喜んでくれてるな。良かったいいデバフだよ。
「ちょっとまったーーーー! 一旦帰ろ! 」
ホムホムさんが慌てている。
「大丈夫でしょ! ダメージも10ぐらいだしイケるっしょ? 」
俺がそういうと
「エイジくん。盾のダメージカット率っていくらか知ってる? 知ってるよねぇもちろんタンクだもんねぇ」
あ……
「9割……」
「あの時、私が光の加護使ってなかったらエイジくんはどうなっていたでしょうか?」
「……はい。一旦帰ります」
そうして噴水広場に戻ってくる。
アランが目を三角にして俺に突っかかってくる。
「ホムちゃんの手を煩わすな! すぐその剣を捨ててこいエイジ! 」
「アランくんそれは言いすぎ……でもあれはちょっとしんどいなぁ。一撃で死にかねないよ雑魚相手でも……」
「そうだね……俺タンクだもんね……」
リューネくんは腕を組んで何か考え事をしている。
「でも、あのダメージは魅力的っす。なんとか使える方法を考えないっすか? 」
「確かにそうね……火力が伸びるのは良いことよね……」
「そうだぞ! エイジ早く考えろ!」
アランうるせぇぇぇ
リューネくんは何かを閃いたようで手を叩く。
「あっ! そうだ! 薬っす薬! 防御力が上がる薬を使えばいいっす」
「そっか! デバフにはバフで対抗するってわけか! 」
「そうね……上手く行けばいいけれど……」
ホムホムさんの顔は冴えない。
それは少し気になったけど早速買いに行く。
薬屋と書かれた色とりどりな液体が入った小瓶が並ぶ店に入る。
「いらっしゃい」
白衣を着た長い黒髪を後ろ手一つにまとめたヒューマン族の綺麗な女の人がいる。
「防御力が上がる薬ってありますかね? 」
「あるよ。強化2倍から5倍まであるけどどれにする?」
「じゃあ……5倍で……」
「1万Gね」
「たっか!!! 」
「いくらなら持ってんのよ? 」
「300Gぐらい……」
その女の人は、ヤレヤレというような表情で小瓶をカウンターに出す。
「その金だったら2倍だな、おまけで1本付けてやるよ」
俺は300Gを渡し防御力2倍アップの薬を2つ手に入れた。
「あ、ありがとうございます!」
俺がそういうと女の人は右手を上げて答えてくれた。
3人の待つもとへ戻ってくる。
「金なくても2倍強化しか買えなかったよ」
俺がそういうと
「まっ! 2倍でも大丈夫っしょ! 」
リューネくんは楽観的に答えた。
とりあえずフィールドの雑魚を相手にしてみる。攻撃し自分にデバフを付与させてからゴクリと薬を一気飲みする。
盾のマークのアイコンが右上に表示される。
「さあ! こい俺の防御力は2倍だぜ!!」
攻撃を受けた瞬間ポンッと99のダメージが出てくる。
「は? 薬は飲んだのに……」
「エイジくんステータス画面見て」
ホムホムさんに言われてステータス画面を見てみる。
DEFの値を見ればいいんだよな……
エイジ2525 アバターレベル22 剣士レベル16
HP136
MP47
ATK 57(35)
DEF 2(40) 防御力DOWN(大)
VIT68
STR63
DEX39
SPD31
INT31
MND31
SPスキル:感染
装備効果:デバフ耐性DOWN(大) デバフ効果時間延長 攻撃時自身に防御力DOWN(大)を付与
「へ? DEFが2しか無いんだけど……」
「だって1に2を掛けても2でしょ?」
あ……
「だったらデバフを掛ける前に使えば……」
「1になるだけよ」
確かにあのダイアゴーレムが豆腐みたいな柔らかさになるぐらいだからな……2倍になったところでだよなぁぁぁぁ……
また噴水広場に戻ってくる。
アランが早速ホムホムさんに話しかけている。
「さっすがホムちゃん! 掛け算も完璧だね! 」
「アランくんそれ流石に褒めてないよ……」
「ごめんホムちゃん!! 全部エイジの所為だぞ!!」
クソッ 今度こいつにデバフを使ってやる!
って……あれ?
「でももうやりようがないっすね。バフを使っても変わらないとなったら……」
「そうね……残念だけど。別の装備買ってもらうしかないわね……」
デバフを人に使う……俺にデバフを掛ける……
「あっ!! そうだ!! ホムホムさんってどんなデバフ使えますか? 」
「そうねぇ敵の攻撃力を下げたりとか……命中率を下げたりとかかしらね……でもダンジョンの敵には効果がないのよ……」
「俺のスキルはデバフが掛からない敵にも掛かります」
そういうとホムホムさんあっ!!っというような表情をする。
「そっか!! エイジくんに私のデバフを掛ければいいんだ!」
俺は力強くうなずいた
◇◆◇
ホムホムさんが使えたデバフは攻撃力DOWN(中)命中率DOWN(小)だったが俺への被ダメージ半分ほどまで低下させることができた。そして7層、8層、9層を難なく攻略することに成功! 今俺達の目の前には10層のボス部屋の扉がある。
噴水広場に先に3人が集まっているのが見える。
よーし! ここは明るく行こう!
「じゃーん!! 俺、武器変えました! 」
俺は納刀していた真・呪いの剣を抜く。そしてよく見えるように持ちあげると赤黒い剣身が太陽の光に照らされて禍々しく光る。
3人は一様に絶句し、ホムホムさんがきょどりながら口を開く。
「……そ、そうね……素敵な武器ね……ねアランくん……」
「あ、あああ、いい具合に呪われ……い、いや何でもない」
「雰囲気凄いっすね……」
こんなことには無関心なリューネくんも息を呑んでいる。
「実はこの武器、防御力DOWN(大)が付与されます。自分に」
ホムホムさんはハッとした表情をする。
「そっか! 敵にデバフをもらわなくても、自分で付けられるということね! 」
「そういうことです! 」
「でも、エイジさんタンクっすよね。大丈夫なんすか? 防御力DOWN(大)なんて付けて」
「そこなんだよね……ホムホムさんに負担を掛けることになるかも……」
「私に任せて! エイジくん。私がしっかりすればなんとかなるわ」
そういって幼女アバターの平らな胸を叩く。
ホムホムさん頼もしい……これならなんとかなるか?
「とりあえず7層行きましょう! 」
――死者の迷宮7層
目の前に骸骨姿の剣を持った雑魚が3体ほど立っている。
「それじゃ。行きます! 」
俺がその雑魚に斬りつける! 攻撃が当たった瞬間、俺に防御力DOWN(大)のデバフが付与される。雑魚3体に感染を使用。
剣での攻撃を盾で受けた。すると、ポンッと10という数字が体から飛び出る。もう一体の攻撃が体に当たりそうになると俺を中心としたバリアのようなものが現れ、その攻撃を弾く。
ホムホムさんが光の加護という1回限りの絶対防御魔法を使ったのだ。
ってこんな雑魚で使うの? 用心深いなぁ……
アランとリューネくんの攻撃ですぐに雑魚は倒れた。
「凄いっす!! 俺の攻撃でこんなにダメージ入ったこと無かったす!!」
リューネくんは興奮気味に話す。
「そうだな……俺の弓もこれほどダメージが出たことはない」
うんうん二人喜んでくれてるな。良かったいいデバフだよ。
「ちょっとまったーーーー! 一旦帰ろ! 」
ホムホムさんが慌てている。
「大丈夫でしょ! ダメージも10ぐらいだしイケるっしょ? 」
俺がそういうと
「エイジくん。盾のダメージカット率っていくらか知ってる? 知ってるよねぇもちろんタンクだもんねぇ」
あ……
「9割……」
「あの時、私が光の加護使ってなかったらエイジくんはどうなっていたでしょうか?」
「……はい。一旦帰ります」
そうして噴水広場に戻ってくる。
アランが目を三角にして俺に突っかかってくる。
「ホムちゃんの手を煩わすな! すぐその剣を捨ててこいエイジ! 」
「アランくんそれは言いすぎ……でもあれはちょっとしんどいなぁ。一撃で死にかねないよ雑魚相手でも……」
「そうだね……俺タンクだもんね……」
リューネくんは腕を組んで何か考え事をしている。
「でも、あのダメージは魅力的っす。なんとか使える方法を考えないっすか? 」
「確かにそうね……火力が伸びるのは良いことよね……」
「そうだぞ! エイジ早く考えろ!」
アランうるせぇぇぇ
リューネくんは何かを閃いたようで手を叩く。
「あっ! そうだ! 薬っす薬! 防御力が上がる薬を使えばいいっす」
「そっか! デバフにはバフで対抗するってわけか! 」
「そうね……上手く行けばいいけれど……」
ホムホムさんの顔は冴えない。
それは少し気になったけど早速買いに行く。
薬屋と書かれた色とりどりな液体が入った小瓶が並ぶ店に入る。
「いらっしゃい」
白衣を着た長い黒髪を後ろ手一つにまとめたヒューマン族の綺麗な女の人がいる。
「防御力が上がる薬ってありますかね? 」
「あるよ。強化2倍から5倍まであるけどどれにする?」
「じゃあ……5倍で……」
「1万Gね」
「たっか!!! 」
「いくらなら持ってんのよ? 」
「300Gぐらい……」
その女の人は、ヤレヤレというような表情で小瓶をカウンターに出す。
「その金だったら2倍だな、おまけで1本付けてやるよ」
俺は300Gを渡し防御力2倍アップの薬を2つ手に入れた。
「あ、ありがとうございます!」
俺がそういうと女の人は右手を上げて答えてくれた。
3人の待つもとへ戻ってくる。
「金なくても2倍強化しか買えなかったよ」
俺がそういうと
「まっ! 2倍でも大丈夫っしょ! 」
リューネくんは楽観的に答えた。
とりあえずフィールドの雑魚を相手にしてみる。攻撃し自分にデバフを付与させてからゴクリと薬を一気飲みする。
盾のマークのアイコンが右上に表示される。
「さあ! こい俺の防御力は2倍だぜ!!」
攻撃を受けた瞬間ポンッと99のダメージが出てくる。
「は? 薬は飲んだのに……」
「エイジくんステータス画面見て」
ホムホムさんに言われてステータス画面を見てみる。
DEFの値を見ればいいんだよな……
エイジ2525 アバターレベル22 剣士レベル16
HP136
MP47
ATK 57(35)
DEF 2(40) 防御力DOWN(大)
VIT68
STR63
DEX39
SPD31
INT31
MND31
SPスキル:感染
装備効果:デバフ耐性DOWN(大) デバフ効果時間延長 攻撃時自身に防御力DOWN(大)を付与
「へ? DEFが2しか無いんだけど……」
「だって1に2を掛けても2でしょ?」
あ……
「だったらデバフを掛ける前に使えば……」
「1になるだけよ」
確かにあのダイアゴーレムが豆腐みたいな柔らかさになるぐらいだからな……2倍になったところでだよなぁぁぁぁ……
また噴水広場に戻ってくる。
アランが早速ホムホムさんに話しかけている。
「さっすがホムちゃん! 掛け算も完璧だね! 」
「アランくんそれ流石に褒めてないよ……」
「ごめんホムちゃん!! 全部エイジの所為だぞ!!」
クソッ 今度こいつにデバフを使ってやる!
って……あれ?
「でももうやりようがないっすね。バフを使っても変わらないとなったら……」
「そうね……残念だけど。別の装備買ってもらうしかないわね……」
デバフを人に使う……俺にデバフを掛ける……
「あっ!! そうだ!! ホムホムさんってどんなデバフ使えますか? 」
「そうねぇ敵の攻撃力を下げたりとか……命中率を下げたりとかかしらね……でもダンジョンの敵には効果がないのよ……」
「俺のスキルはデバフが掛からない敵にも掛かります」
そういうとホムホムさんあっ!!っというような表情をする。
「そっか!! エイジくんに私のデバフを掛ければいいんだ!」
俺は力強くうなずいた
◇◆◇
ホムホムさんが使えたデバフは攻撃力DOWN(中)命中率DOWN(小)だったが俺への被ダメージ半分ほどまで低下させることができた。そして7層、8層、9層を難なく攻略することに成功! 今俺達の目の前には10層のボス部屋の扉がある。
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