デバフの王〜スキルガチャでハズレスキル【感染】を手に入れたのでこれから無双したいと思います。〜

ぽいづん

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スキルを使って生き残れバトロワ編

第15話 芋砂

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 エルフ族の男は弓を引いていつでも射ることができるように構えている。
 その視線の先には救急箱が置かれている。

 この男バトロワ開始時からこの場所にいる。運が良くずっと安全地帯に選ばれつづけたため、この場所でずっと芋ってると言う訳だ。

「カモン……カモン……カモーーーンヌ」
 狩人の男は一人で呟いている。

 この日のために、俺はDEXが優遇されるエルフ族にし、DEXUPの防具にDEXUPの弓を調達した。そして俺のスキルはワンショット・ワンキル!一発の威力の限界突破……つまりどんな相手もワンパンで倒せる。

 そして今頃、俺は20キル、30キルと重ねて……伝説のスナイパー13じゅうさんとよばれるはずだったのに……今の俺のキル数は0……

 俺の作戦はこうだ……見渡しの良い場所にレアなアイテムのハズの救急箱を置く。あの場所ならば絶対にプレイヤーが気がつくはず。そして俺の場所は教会の2階。最高のの狙撃ポイントそこに現れる野うさぎそれを俺がこの弓で射抜くということだ。イージーだろ?

 そうイージーだ……焦るな、落ち着け……落ち着け……さっきまでは範囲広くて他のプレイヤーはここに来てなかっただけなんだ……そうこれからが俺の時間ということだ!

 ◇◆◇

 考えろ……考えろ……HPが減らないデバフで手軽にデバフを付与してくれるモンスターか場所を……湿地帯に戻って蚊に刺される?……ありえない。視界を奪われるのは今は得策じゃない。敵の位置を探らないといけないという状況だし……ほかにないか?

 この街の近く……ノエルブリューデンの近くにあるデバフをもらえるモンスター……あ……あった!! しかも!HPが減らないデバフを付与するモンスターがいた!! そうジャイアントワームだ!! この近くで、ジャイアントワームっていう芋虫みたいな奴から酸をうけることで貰えるデバフに防御力低下があった!!

 ここにきてバトロワの前にやったデバフの予習が役に立つとは……早速、ジャイアントワームの生息地に向かわないと! あの救急箱の持ち主がどこかに行く前に。

 街を挟んで湿地帯の逆側に広がる荒涼とした赤い土地。ここにジャイアントワームがいる。

 まあすぐに見つかるんだよな。赤い土地に一際目立つ白く巨大な芋虫、これがジャイアントワーム。温厚な性格で、こっちから攻撃しないと向こうから攻撃するなんてことは絶対にない。

 そしてあいつの先制攻撃は酸による攻撃! 防御力低下のデバフをいれてから攻撃をし始めるということ、それならば攻撃をしてデバフを貰ってフン逃げればいい!!

「おりゃああああああ」
 コツンとジャイアントワームに俺の攻撃が当たる。

 こっちを向くジャイアントワームどっちが顔なのかわからないが、こっちを向いた方が顔なのだろう。人2,3人が入れるほどの大きな穴の周りに鋭い歯がが見えそれが口だという事がわかる。

 その穴からブシャーーーっと黄色の液体が吹き付けられ、防具破壊! という表示ががされ右上のアイコンは鎧のマークに×の字。そしてそのアイコンの下に360という数字が書かれる。

 ここから俺がとるべき行動は唯一つ……

 ゆっくりと体を反転させ手を思いっきり振りながら、全力で逃げる!! そうこのジャイアントワーム、なりはデカイがその移動速度はプレイヤーより遅い!!


 ◇◆◇

「イージー、イージーオッケェイ……そのまま……そのまま…まっすぐ……」
 エルフの狩人は先程の呟きと違い微妙に興奮している口調で呟く。

 彼の視線の先には周囲を伺いながらゆっくりと救急箱に向かうロロリタ族の女の子の姿がある。
 狩人のもつ弓を持つ手にグッと力が入る。

 視線の先の女の子は確実に救急箱に近づいている。罠かと思っているのかやたら周囲を伺ってはいるが……救急箱が欲しいのだろう

「そうだ……そうだ……かわいこちゃん……そうだまっすぐそのアイテムを屈んで拾うんだ」
 男の呟きは激しくなる……

 そしてその女の子が救急箱の前に立ち拾う為に屈もうするのが見える。

「オーケィ……オーケィ……スキル発動、ワンショット・ワンキル……」
 そして男が弓から矢を放そうとした時、すぐ背後から誰かこう呟いた。

「ターゲットインフェクション……」

 ん?誰の声……そう思った瞬間、狩人の視界の真ん中に防具破壊! という表示が現れる。そしてパラディンのWSであるエンドオブハートと呟く声が聞こえる。

 男が振り返った瞬間、目の前に見知らぬ男が剣を振りかぶって立っている。そしてそのまま斬られたエルフの男はその場で倒れ……世界がゆっくりと暗転していく中、俺を斬った男が窓際に立つ。そして……

「あ!! 救急箱がない!!」
 という声が聞こえた瞬間、狩人の視界は暗闇に包まれた。


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