デバフの王〜スキルガチャでハズレスキル【感染】を手に入れたのでこれから無双したいと思います。〜

ぽいづん

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スキルを使って生き残れバトロワ編

第16話 最終安全地帯

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 救急箱も取られ、狩人も何にも持ってない。結果ただデバフを貰いに行っただけという事になってしまった。

 結局この教会の2階で安全地帯の縮小まで待つこととする。窓の外をのぞくと走っている人を見かけたり、「うわああああ」と叫んだりしている人の声が聞こえたりと、身近に人の存在を感じられるようになる。

 それだけ範囲が狭くなってきているということだろう。

 そして範囲が完全に縮小し最終の安全地帯が表示される。それはこの街の北部。たしか温泉が有名なところだったと思う。

 さっさと移動していい場所を取っておこう……

 数分で最終安全地帯に辿り着く。多分一番乗り、そして俺の眼の前に広がる光景はゴツゴツと岩が転がり草一本生えてない土地。

 そして
 ドドド……と地鳴りの様な音が響く。そしてその音が静かになると……ドカーーーーン!!! 目の前で水のようなものがぶち上がる。

「な、なにこれ……ふ、噴水?」

 湯気がでてるから多分噴水じゃない……間欠泉っていうやつだな……と、とりあえず、どこかに隠れる?……あった! 岩と岩の隙間に人ひとりがはいれるような隙間がある。と、取り敢えずここに隠れてと……っていうかここモンスター居なくないか……

 ◇◆◇

「さあ! 最終の安全地帯が表示されました!! この前の範囲からこの範囲に至るまで、プレイヤーの数は10人に絞られました!」
 フルスイング大田の声が集会場に響く、集会場には数百人のプレイヤー達が固唾を呑んで結果を見守っている。
「さあこの10名に待ち受ける運命は! バッコスさんの言った有力プレイヤーも勝ち残っていますね」
「ええ、そうですね…しかしここまで来たら誰が勝ってもおかしくないです。ここまで勝ち残れるプレイヤースキルを持っているということですからね」

「ええ、私もここまで実況してきまして、

「しかし、最終安全地帯はユーステリア温泉地ですか……運営もなかなか面白いところを最終決戦の舞台にもってきました」
「ユーステリア温泉地とはどんな場所なんでしょうか?」

「数分に1度間欠泉が数十メートル上がります。そして草木一本も生えて無く岩山が広がっています。ということは隠れる場所が少ないんです。そしてモンスターが生息していません。つまりプレイヤー同士の戦いに水をさすものがいないということです。ですが数分おきに噴射される間欠泉に注意を払う必要があるということです」

「ちなみに間欠泉を浴びるとどうなるんですか?」
「灼熱というデバフが付与されます。このデバフ、10秒行動をすると10秒間行動不能になるというデバフで罹ってしまうと致命的な結果が待ち受けてるといってもいいでしょう」

 ◇◆◇

 またドドドドドという音が聞こえる……ドカーーーン。
「うそだーーーー!!」
 という声が聞こえ、そちらをみると間欠泉によって人が打ち上げられている。そのまま地面に叩きつけられるが、パッと立ち上がってキョロキョロと周囲を伺って動き出すが……数秒後動かなくなる。

 そして動かなくなったところに背後からドクロマスクが近寄り首を掻っ切るところが見える。

 ……あいつ……ショーグンまだ生き残って……

 岩から顔だしてショーグンの姿を追う……ショーグンは次々とやって来るプレイヤーを倒していく。まるで俺のことを探しているように……そして数人のプレイヤーを倒すのが見えた。俺はショーグンに見つかる前に、顔を引っ込めてそのまま隠れる。

 ショーグンに俺が勝つにはあの反転というスキルをどうにかしないと……ショーグンは俺に絶対デバフを使ってくる……それを感染させたら俺に勝ち目はない……ただでさえデバフを喰らって不利になってるのに感染が使えない……それに残りのHPはあと50……

 カチャカチャと岩の上を歩く音が近づいて来る音が聞こえる。

「ふーふー」
 ショーグンの息遣いが聞こえてくるほどの距離……

 するとふっと足音とさっきまでしていた呼吸の音が聞こえなくなる……

 そっかまた誰かが来たからそいつを倒しに行ったのか……そう思った瞬間。

 目の前に突然ドクロマスクの男が上から降ってきた……そして

 腹痛という表示がされる。WS使用不可のデバフ腹痛……

「やっと見つけたエイジ2525……もう邪魔は入らねーな……お前がここに居るってことはキングはもう居ないってことだ」

 ゆっくりと盾を構えながらゆっくりと後ろに下がり岩の間から出る。
「さあ! 俺にスキルを使え!! エイジ2525! さあ!!」

 ショーグンはそう言って両手を広げ、俺に近寄ってくる……



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