デバフの王〜スキルガチャでハズレスキル【感染】を手に入れたのでこれから無双したいと思います。〜

ぽいづん

文字の大きさ
84 / 85
第2部 美少女天才ゲーマー編

第8話 クラン立ち上げ

しおりを挟む
 ――マナと釣りをして1週間がたった。
 俺はあれ以来釣りにハマってのんびりとて港の堤防に座って一人釣り糸を垂らしている。

 のんびり遊ぼうと提案したが、結局彼女は1週間でメイン垢、サブ垢のレベルをカンストさせた。

 まあその理由も「早くエイジ達と一緒にいろんなコンテンツで遊びたい! 」というものだったので手伝える範囲でレベル上げは手伝った。

「釣れてる?」
 マナの声が聞こえ、振り向くとメイン垢のマッチョマナがいる。

「全然」
 というとマッチョマナは横に座って釣りを始める。
「メインでも釣りするの?」
「釣りなんてメインでもサブでもどっちでもいいでしょ」
「そりゃそうだ……」

 特に話すこともなく沈黙が流れる。

「しっかし釣れませんなぁ」
 と沈黙破るようにマナが話しかけてくる。

「釣れないのがいいんだよ。ぼーっと考え事ができるから」
「エイジも考えることあるんだ」
 そう言ってマッチョマナはニコッと笑う。その笑った様子がボディビルダーが大会でポージングを決めたときにするような笑顔に見えてちょっと笑いそうになる。

 それを見たマナは
「あんたらの所為でこのアバターなのに笑うってなによ! 」
 と語気を強める。

「ごめんごめん。でも強いスキルだからレベル上げ楽だったろ?」
「まっ確かに強いスキルだけどねぇぇ」
 マナは機嫌が直っているように見える。

「あのさー本題なんだけど」
 マナが少しに言いにくいそうにモジモジしながら話しかけてくる。

「ん? マナことだからなんか用事があるとは思ったんだけど……」

 俺がそう言うと、スッキリとした表情になって
「私、クラン作りたいんだけど……そのクランに入って欲しいんだよね……エイジに……でも、あんたクラン入ってるでしょ、ムカデ団だっけ?」

「あーなるほど、だからしおらしくなってたんだ。別に気にしなくていいよ。あのクランは入ろうが抜けようが別に自由だし、洞窟で対人してるだけのクランだから、クランメンバー以外もいるし」
「へ、へぇぇ」

 マナのことだから悩んだ私が馬鹿じゃないって思ってそう。

「ま、まあ良いわ。クラン結成の条件はクランメンバーを2人とリーダー、そして10万Gが必要なの」
「それであと一人必要ってわけか」
「そうなのよ。エイジだれか知り合いいない?」

 ……タケシは……いないし……シゲゾーもいないなぁ……キングがいるけど時間大丈夫かな?

「ちょっと知り合いがログインしてるから聞いてみるね」
 マナはうんと頷く。

 キングにTELをしてみる。するとログインしたばっかだから大丈夫とのことでソフィアの街に向かった。
「この人がキング」
 とマナに説明する。

「はじめましてマナです」
 マナの声を聞いてびっくりするキング。

「ええ、この人達に騙されたんです」
 そう言って笑うマナ。

「でもマナさんもそんなに嫌がってなさそう」
 キングがそう言うと
「うふふ」
 と言ってマッチョが笑う。

 そういやキングってムカデ団抜けていいのかな? 二つ返事でこっちに来たけど……キングはムカデ団の象徴みたいなもんだし……

「キングほんとにいいの? キングがムカデ団抜けても」
「ん? 大丈夫だよ。僕、リーダーじゃないし。リーダーの権限はシゲゾーだしね」
「あーなるほど……」
「ほら、僕1時間しかゲームできないから」
 それを黙って聞いていたマナが口を挟む。

「1時間ってもしかしてうどん県?」
「うん。そうだよ」
「ほんとに、馬鹿なことをするとこよね。いとこがうどん県に住んでるけど、私の家にゲーム機もってきて徹夜でよく遊んでたわよ。私のことなんか無視して、高校に入ってからはあんまりこなくなったけど」
「ほんとになんとかしてもらいです……」

 俺とキングはムカデ団を抜ける。まあキングはクラン結成後に抜けて、またムカデ団に戻るということにはなる。

 ソフィアの街にあるお役所と呼ばれるクランを作ったりするような場所に行く。

 マナが申請をすると自分の視界にクラン『汝隣人をビンタ』の申請を受け付けますよろしいですか?という表示が現れる。

 すごく攻撃的なクラン名だ……まあ拒否する理由もないからYESを選択する。

 するとクラン『汝隣人をビンタ』を結成しましたと表示される。
「それじゃ僕抜けるから」
 キングがクランを抜けて、俺とマナ2人だけのクランが出来上がってしまった。



しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

勇者辞めます

緑川
ファンタジー
俺勇者だけど、今日で辞めるわ。幼馴染から手紙も来たし、せっかくなんで懐かしの故郷に必ず帰省します。探さないでください。 追伸、路銀の仕送りは忘れずに。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

処理中です...