タンクなのに、パーティ追放されました。~パーティ追放からのレイド、ワールドファーストクリアへの道~

ぽいづん

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1章 追放からの仲間集め編

ナカタデス

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「タナカさんですか?」
女が俺に問いかけてきた。
「違います、ナカタデス」
「あれ?でもおうちにタナカの家って書いてませんか?」
「見間違えです。」
 俺はダッシュで女の横を走り抜ける。

 ああいう手合いに関わるとろくなことはないと、俺の第六感が告げている。ここは逃げるべき

「タナカさーーーーん、逃げないでーーー」
 女優のガッチーに似て、かなりかわいく、俺好みのアバターだったが、所詮アバターにすぎない、一農民の俺に用事があるとか、そんなのものは絶対に罠だ

「タナカさんだから逃げるんですよねーーー」
 女はまだ追ってきている。ああ俺はタナカだ、ナカタなどではない、追ってくるから逃げるのだ。
 しかし女の足は速い、レイド鍛えた俺の足についてこられるとは、あの女やるな

「俺はナカタだーーー」

「だってアバターにTANAKAって表示されてますよーーーー」
 しまった、アバターの表示をオフにしてなかった。
「そうやって書いてナカタって読むんだよ!」

 追いかけっこをしてるうちに、森を抜け、背後に崖を背負う型になってしまった。

「はぁはぁ、もう逃げられませんね。」
「いや、まだだ。」
 ニヤリと俺は笑う。

「俺の勝ちだ!テレポート!」
 詰めが甘いのぉ

「させませーん」
 そう言って女は飛びついてきた。

 2人でどこかに飛ばされる。

 気がつくと手に柔らかな感触がある。

 なんだ?これは、とりあえず気持ちのよい感触だったので、揉みほぐしてみる。

「タナカさん、私の胸揉まないでください。」

「へ?」
 目をあけると、追いかけてきた女の胸を揉みほぐしていた。

 バッ!と飛び上がり、女から離れる。

「ナカタだけど、ゴメン」

「いいですよ、中身男だし…」
「え?」
「まあ、そんなことはどうでもいいんです!」

「あれ?タナカさんじゃん」
 どこかで聞いた声がする。

「可愛い女の子連れちゃってーやりますねタナカさん」

 あっ!ヨッシーだ…
 周りを見ると、ここはレイド突入の入り口だった。
 そっか、テレポートの一番上にくるように設定してたんだった。

「俺たち今から、4層クリアしてくるから応援してね、タナカさん」
「あ、ああ」

「昨日は残り1%まで行ったんだよねー」
「が、頑張ってね」

 もう1人知らない顔のやつがテレポートしてくる。
「ごめん、ごめん、まった?」
 眩しいレイド産の鎧を纏い、長身で浅黒い肌に金髪のテンプレタイプのイケメンだ、おそらくは俺の代わりに入ったメインタンクであろう人物

「遅刻は、ダメだぞぉ」
 アズさんが嬉しそうに絡んでいる。
「あの人だれ?あー前のMTの人か、あの灰色の人ね」
「前のMTののタナカです」

「現MTののシュバだ、ヨロ」
「んじゃいくよ」
 ヨッシーがそういうと8人の姿が消えた。

 ※FGlogsではDPS上位10%以内にはいるとオレンジ色で表記される。

「なんなの?あの嫌味なやつら」
 女の子が、ベーっと舌をだし怒っていた。

「前のパーティの連中さ」
「タナカさんパーティ組んでたんですね」

「ナカタだけどな」
「もうやめましょう」
「ああ」
「前のパーティでなんかあったんですね」

「なんにもないよ」
「タナカさんあの人たちに会ってから、急に元気がなくなりました」

「前のパーティ俺が下手ってことでクビになったってこと」

「タナカさんをクビにするとはホントいやな連中ですね」

「俺、前君にあったことあるっけ?」
「ええええ忘れたんですか?」
「あの一晩のアバンチュールを」

「へ?それは人違いでしょ、俺レイド一直線だったし」
「冗談ですよ、冗談、ってでもほんとに忘れてるんですね」
「ああ、全くもって記憶にない」

「3ヶ月前にインスタンスダンジョンでお世話になった、初心者のニコです」
「3ヶ月前…」
「…」

「あああああ!!思い出した!!あの初心者、格闘家の?」
「そうです、初心者、格闘家です」
 たしかに3ヶ月前、俺は確かに彼女に会っていた。彼女はまだほんの初心者だったが、初心者もやらないようなプレイをしていた。

 ◇

 3ヶ月前のインスタンスダンジョン

 なんだ?あの格闘家初心者か?それとも嫌がらせプレイか?タンクの前を走って、先に攻撃してやがる。一応注意しておくか…
「格闘家さん、タンクの前を走らないで下さい。」
「え?タンクってなんですか?戦車?」

 そのやりとりをみてヒーラーさんが口を開く
「用事を思い出したので抜けていいですか?」
「用事を思い出すってなんですか?今、深夜の2時ですよ!!」
 格闘家さんが、くって掛かっている。

「まあ、まあ、用事だったら仕方ないので、抜けちゃってください」
「はいーお疲れ様ー」

「なんなんですか、さっき人は!」
「君、チュートリアルやってる?」
「そんなものはやってません」
「あー、ならインスタンスダンジョンの基本的な動きを教えて上げるから、次からその通りに動いてね」

 まあここのダンジョンならヒーラーさん抜きでもちょっとは進めるか…
「基本的に、タンクの後ろを走る」
「だから、タンクってのが分からないんですけれども」
 そこからか…
「盾とかでかい剣を持ってる人」
「了解!」

「タンクより先に殴らない」
「なんでですか?」
「タンクが敵を引きつけて攻撃を受けるのです。そうすれば回復もタンクの回復だけでいいでしょ?」
「なるほどー」

「タンクはほかの職業より防御力も高いのでダメージも少ないのです」
「そうなんですね!」
「そうなんです」

「じゃあちょっと進んでみよう」

 ちょっと進むと人間サイズの蟻のようなモンスターが3匹現れた。
「よし、じゃあ攻撃するね」
「はい」

 先頭のビッグアントにシールドスルーで盾を投げつける。

 ベコンという音が響く、盾がビッグアントの頭に当たり、怒り狂ってこっちにシャカシャカ走ってきている。ほかの2匹も俺の方に走ってくる。盾はすでに腕に戻っており、剣を抜き、盾を構える。

 ガコン

 先頭のビッグアントが盾にぶつかる、俺は剣で殴りつける。
「はーい、いまですーこいつを殴ってー」
「はい!」
 ニコは俺を攻撃しているビッグアントを殴り始める。

 ほかの2匹も追いついてくる

「大地の精霊よ、力を貸したまえ、グラウンドブレード」
 地面からオレンジ色の無数の剣が突き出している。

 俺は範囲攻撃で敵視効果の高い、グランウドブレードというアビリティを使いほかの2匹のタゲをとると、すかさずとある魔法詠唱を開始する
「聖なる光よ、我を守り給え、ホーリーブライト!!」
 聖なる眩い光があたりを包み込む。

 この魔法は、眩い光を使うことで敵の視覚を数十秒間奪うことができるという技だ。

 ビッグアント達は俺を見失い攻撃の手を止めている。

「格闘家さん、アビリティ使ってますか?」
 必死に攻撃はしているが、アビリティを使っている様子はなかった

「なんですか、アビリティって、こっちは今忙しいんですけど」
「技ですよ、技、視界の下にいろんなアイコンがでてるでしょ」
「あったしかに…」

「それ使っちゃって早く倒して、俺もHP持たないから」
「了解!」

「疾風怒涛の空裂斬!!」
 初心者格闘家さんの鋭い蹴りがビッグアントに一撃を加える。
 先頭だったビッグアントがゴロンとよこに倒れ、砂のようになり消えていった。

「やりました!!」
「そうそうそのいき、あと2匹ね」

 そうしてなんとか2匹を倒した。

「ふーー、やっぱヒーラーいないときっついな」
 俺のHPはゲージはギリギリになっていた。

「やりました!勝てました!」
「次に行くインスタンスダンジョンの時はこの動きしたら、誰も抜ける人はいないと思うから、それじゃダンジョン抜けようか」

「ダンジョンクリアまでは無理ですか?」
「ヒーラーさんいないし、この時間には補充呼びかけ機能使ってもこないでしょ」
「そうですね…今日はありがとうございました!」

「はーい。じゃあリタイアするね」
「はい」

 ◇

「あの時はお世話になりました」
「いやぁ初心者みるとほっておけないたちで、まあ、ダンジョンファインダーじゃよくあることだから気にしないで」

 ※ダンジョンファインダーとは、申請をするとパーティを勝手にマッチングしてくれる便利機能

「いえ、今日はそのお礼に来たわけではなく、私、タナカさんとレイドパーティを組みたいと思って訪ねてきました!」

「はい、お断りします」
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