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窓
しおりを挟む暗がりが色づき出す。
夜明け。
窓を開ける。
鼻先に当たって跳ね返っていく冷気と
雨上がりの甘さ。
シルエットだけの鳥が2羽
遠くを横切り
軒の上に消えて見えなくなる。
幻だったかのように
そこには何色でもない空と
頬を染めた雲しか残らない。
風が吹く。
ひゅうと聞こえる気がしたが
気の所為だったかもしれない。
今は何も聞こえない。
静寂。
今この瞬間世界で最も純なものに心奪われて
受ける私もまた
今この瞬間世界で最も純なような錯覚を覚えて。
目を逸らすとなくなってしまいそうだからと
香ったとも言えないほどの風の香りを
確かに香ったと言い張る。
共有できない。
できなくてもいい。
ただ保存しておきたい。
せめて画面上に
似た色味の絵画だけでも。
虚しさ。
その全てを箱に閉じておきたい。
ならばいっそ見せないでくれ。
永遠でないなら。
もどかしい。
いち人間の苦悩を尻目に
風は去り際に微笑みをみせる。
永遠は永遠には宿らないと。
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