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14.作戦
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トムとユージーンは、メイベルの声で逃げたのはいいが、中々追っ手を振り切れずに苦戦していた。
森の中に敵を撒くための数々の仕掛けを施しており、もう少し彼らとの距離に余裕ができるはずだったのに、思うようにいかない。
「くそっ。
メイベルは大丈夫か?」
「トム焦るな、信じるしかない。」
俺はメイベルの向かった洞窟の方を見据える。
ユージーンの言葉は冷静だが、俺は彼女が心配で気が狂いそうだった。
少し前からちょっとずつ洞窟に食料を運び、メイベルが隠れている間に、食べれるような干し肉や保存食を準備していた。
あえて湧き水が近くにあるところを選んだのも、すべて彼女のためだった。
少しでも長く迎えに行く俺達を待てると良いけれど、一人なら心細くて、生きる気力をなくしてしまうのが人間だ。
だから、どうしても彼女の無事が気にかかる。
「ここら辺でどうだ?
打ち上げるか。」
「ああ、いいだろう。」
俺達は数日かけて邸から離れると、青い空に火薬を打ち上げた。
これがディオンへの合図となり、俺達の緊急事態が知らされ、森の外に待機していた家臣が一足先に王都に向かい、彼が受け入れの準備をすることになっている。
追っ手はそれを見て一斉にこちらへ向かうだろう。
彼らが追った先を重点的に捜す間に、俺たちは王都へ向かって一直線に進み、その先でディオンと合流する計画だ。
「よし、これで良いな。
一気に行くぞ。」
「ああ、ユージーンこそ足手纏いになるなよ。」
俺達は森を抜けた先に準備している馬が待つところまで、脇目もふらず走り出した。
もう何日も食べ物を口にしていないし、逃げ続けている今、疲労で体はボロボロだ。
けれど不思議とメイベルのことを除けば、俺の心は凪いていた。
いつか俺はこうなるのもわかっていたし、王である父を失った今、王妃が俺を狙うならやることは一つだ。
王妃を倒すか、自分がやられるか、もうそれ以外に選択肢などない。
だから覚悟を決めて、一気にかたをつけてやる。
不遇な境遇だけなら、ある意味仕方ないと思っていた。
自分は正当な血筋じゃないことも、自分が弾圧されるのも仕方がないと。
だが、国王である父を私利私欲のために葬るのは、許されることではない。
だから俺は、何もない自分を信じてくれる者と共に立ち上がる。
そのための知恵をつけてくれたのが、メイベルだった。
自分にも生きる権利はある。
この王国のためにできることがあるはずだと。
彼女との出会いが無ければ、俺は戦うための準備も気力すら持てなかっただろう。
きっと今頃、後悔しながら人生を終えていたはずだ。
だから彼女だけには誠実に向き合いたいし、俺を認めてほしい。
本当は愛し合いたいし、いつもそばにいたいけれど、メイベルにはディオンがいる。
彼は俺よりも先に彼女と出会い、最初から彼女に対する並々ならぬ執着を見せていた。
そもそもここに連れて来たのも、自分のものにするつもりだからだろうし、俺がどんなにメイベルを望んでも、彼女を決して手放さないだろう。
もし自分が王になったら、強引にでも彼女を手に入れることができるのだろうか?
でも、ディオンには恩があるし、メイベルが望まないことを無理矢理することが俺にはできない。
それに出会った頃から、彼女だけには、誰よりも幸せになってほしいと願っていた。
お人好しで、笑顔が絶えない少し鈍感な彼女が、いつの間にか心の真ん中にいた。
「この先を超えたら、馬房があるはずだ。
王都を目指すぞ。」
「おう。」
俺は遥かに見える王都の街並みに目をやりながら、こんな時はユージーンがいて本当に良かったとしみじみ思う。
自分はあの森にいたから、一歩外に出たら知らないことばかりだ。
でも怯まない。
俺は最後まで戦いぬく。
「ついに来たか、待っていたぞ。」
「ありがとう。」
馬で駆け、辿りついた王都の外れには、ディオンが待っていた。
「王妃が動いたのか?
メイベルは?」
「彼女の妹が王妃の手先となって邸に来た。
メイベルは危険を察して、俺を逃した。
だから俺は捕まらずに済んだんだ。
でも彼女を最後に見たのはその時で、自分が必死に逃げたから、その後の彼女の足取りは全くわからない。」
「そうか、メイベルもうまく逃げてくれてれば良いが。
正直、すべてを投げ打ってでも、彼女を探しに行きたいよ。」
「俺だって。」
「なら、とっとと片付けてメイベルを迎えに行こうぜ。」
「そうだな。」
俺達は顔を突き合わすと、微かに頷き王宮を目指した。
それから数日後、王宮の奥、静まり返った王の間では、いつになく異様な空気が張り詰めていた。
扉が重く開かれ、その中に黒い外套をまとった俺が歩み入る。
その瞳には、かつてこの国の王が持っていた赤い瞳と、熱い怒りを帯びていた。
俺こそ王の血を引きながら、身を隠していたトレフィン王子。
今、王の仇を取ってやる。
玉座の前には、赤い炎のようなドレスを纏った王妃が立つ。
不敵な笑みで、俺が現れるのを待っていた。
王は赤い瞳だからどんな衣装も纏うが、王妃の場合は瞳の色が違うので、赤いドレスを着るのが、この王国の絶対王者である証。
「やはり…生きていたのね、王の子。
追っ手をやったのに自ら現れるとは、手間が省ける。」
王妃が嘲笑う。
「決着をつけに来たよ。
王に手をかけたな?」
「何の証拠があって言ってるんだか。
背信罪で処刑してやるわ。」
だがその瞬間、背後の柱の陰から現れたディオンが、捕えた王妃の側近や兵士達をずらりと並べた。
「この者達を見ても、まだ笑えるか?」
ディオンの声は低く、しかし確信に満ちていた。
側近達の表情には疲労と後悔が滲み、もう彼女に従う意志はないと示していて、王妃が見つめても、誰一人として彼女に目を向ける者はいない。
その事実を知った王妃は、瞬く間に微笑を崩し、白い指先を震わせた。
「裏切り者!
私じゃない、その者達が勝手にやったのよ!」
「いや、違う。
あなたからの指示を受け取ったライト伯爵の娘のダリア嬢が、トムと呼ばれる少年を連れて来いと書いてあるあなたの印章付きの書状を持っているそうだ。
それが確固たる証拠だ。
それにさっき自ら追っ手をやったって、言っていたな。
俺にありもしない罪をきせて、父のように始末するつもりだったんだろう?」
「何を言う。
私じゃない。
兵達が私をはめようとしている。」
「違うな。
ことの重大さを知ったオルコット子爵令息が、その書状の存在を証言したんだ。
それと王妃から王と俺の暗殺の勅命を受けたという、この兵達の証言が付合している。
彼らはあなたに従い、共に最後を迎えるのは嫌だと訴えているよ。
それに王を蔑ろにしたあげく、亡くなると同時に王国を荒廃させた姿を見ていた王族達や貴族も、あなたをもう支持しないと表明した。」
そう話す俺の指には赤く輝くルビーの指輪が光っている。
それは、亡き王の涙のようだった。
「王妃、これが皆の総意だ。」
その声には怒りよりも、固い決意があった。
「待って!」
王妃が叫ぶ。
「今更何を言いたい?
父の死の真相を、ようやく知ったんだ。
あなたが王に手をかけず、仲睦まじく暮らしていたら、俺は一生秘された存在で良いと思っていた。
だが、王に手をかけた以上、あなたをここから引きずり下ろす。」
「ただ赤い瞳を継いだだけのお前に何ができる!」
王妃は目をぎらつかせて、嘲るように舌打ちする。
「あなたよりは良い国をつくると、ここに約束しよう。
王妃を捕えよ!」
その瞬間、命を受けた近衛兵が王妃の両腕を押さえつけ、引きずるように牢へ連れて行った。
それを見届けると、集うすべての者が新王である俺に深く礼をとり、忠誠を誓う。
それはまるで、若く力があった頃の亡き王が甦ったように、トレフィン王に従う家臣が王宮に揃った瞬間だった。
森の中に敵を撒くための数々の仕掛けを施しており、もう少し彼らとの距離に余裕ができるはずだったのに、思うようにいかない。
「くそっ。
メイベルは大丈夫か?」
「トム焦るな、信じるしかない。」
俺はメイベルの向かった洞窟の方を見据える。
ユージーンの言葉は冷静だが、俺は彼女が心配で気が狂いそうだった。
少し前からちょっとずつ洞窟に食料を運び、メイベルが隠れている間に、食べれるような干し肉や保存食を準備していた。
あえて湧き水が近くにあるところを選んだのも、すべて彼女のためだった。
少しでも長く迎えに行く俺達を待てると良いけれど、一人なら心細くて、生きる気力をなくしてしまうのが人間だ。
だから、どうしても彼女の無事が気にかかる。
「ここら辺でどうだ?
打ち上げるか。」
「ああ、いいだろう。」
俺達は数日かけて邸から離れると、青い空に火薬を打ち上げた。
これがディオンへの合図となり、俺達の緊急事態が知らされ、森の外に待機していた家臣が一足先に王都に向かい、彼が受け入れの準備をすることになっている。
追っ手はそれを見て一斉にこちらへ向かうだろう。
彼らが追った先を重点的に捜す間に、俺たちは王都へ向かって一直線に進み、その先でディオンと合流する計画だ。
「よし、これで良いな。
一気に行くぞ。」
「ああ、ユージーンこそ足手纏いになるなよ。」
俺達は森を抜けた先に準備している馬が待つところまで、脇目もふらず走り出した。
もう何日も食べ物を口にしていないし、逃げ続けている今、疲労で体はボロボロだ。
けれど不思議とメイベルのことを除けば、俺の心は凪いていた。
いつか俺はこうなるのもわかっていたし、王である父を失った今、王妃が俺を狙うならやることは一つだ。
王妃を倒すか、自分がやられるか、もうそれ以外に選択肢などない。
だから覚悟を決めて、一気にかたをつけてやる。
不遇な境遇だけなら、ある意味仕方ないと思っていた。
自分は正当な血筋じゃないことも、自分が弾圧されるのも仕方がないと。
だが、国王である父を私利私欲のために葬るのは、許されることではない。
だから俺は、何もない自分を信じてくれる者と共に立ち上がる。
そのための知恵をつけてくれたのが、メイベルだった。
自分にも生きる権利はある。
この王国のためにできることがあるはずだと。
彼女との出会いが無ければ、俺は戦うための準備も気力すら持てなかっただろう。
きっと今頃、後悔しながら人生を終えていたはずだ。
だから彼女だけには誠実に向き合いたいし、俺を認めてほしい。
本当は愛し合いたいし、いつもそばにいたいけれど、メイベルにはディオンがいる。
彼は俺よりも先に彼女と出会い、最初から彼女に対する並々ならぬ執着を見せていた。
そもそもここに連れて来たのも、自分のものにするつもりだからだろうし、俺がどんなにメイベルを望んでも、彼女を決して手放さないだろう。
もし自分が王になったら、強引にでも彼女を手に入れることができるのだろうか?
でも、ディオンには恩があるし、メイベルが望まないことを無理矢理することが俺にはできない。
それに出会った頃から、彼女だけには、誰よりも幸せになってほしいと願っていた。
お人好しで、笑顔が絶えない少し鈍感な彼女が、いつの間にか心の真ん中にいた。
「この先を超えたら、馬房があるはずだ。
王都を目指すぞ。」
「おう。」
俺は遥かに見える王都の街並みに目をやりながら、こんな時はユージーンがいて本当に良かったとしみじみ思う。
自分はあの森にいたから、一歩外に出たら知らないことばかりだ。
でも怯まない。
俺は最後まで戦いぬく。
「ついに来たか、待っていたぞ。」
「ありがとう。」
馬で駆け、辿りついた王都の外れには、ディオンが待っていた。
「王妃が動いたのか?
メイベルは?」
「彼女の妹が王妃の手先となって邸に来た。
メイベルは危険を察して、俺を逃した。
だから俺は捕まらずに済んだんだ。
でも彼女を最後に見たのはその時で、自分が必死に逃げたから、その後の彼女の足取りは全くわからない。」
「そうか、メイベルもうまく逃げてくれてれば良いが。
正直、すべてを投げ打ってでも、彼女を探しに行きたいよ。」
「俺だって。」
「なら、とっとと片付けてメイベルを迎えに行こうぜ。」
「そうだな。」
俺達は顔を突き合わすと、微かに頷き王宮を目指した。
それから数日後、王宮の奥、静まり返った王の間では、いつになく異様な空気が張り詰めていた。
扉が重く開かれ、その中に黒い外套をまとった俺が歩み入る。
その瞳には、かつてこの国の王が持っていた赤い瞳と、熱い怒りを帯びていた。
俺こそ王の血を引きながら、身を隠していたトレフィン王子。
今、王の仇を取ってやる。
玉座の前には、赤い炎のようなドレスを纏った王妃が立つ。
不敵な笑みで、俺が現れるのを待っていた。
王は赤い瞳だからどんな衣装も纏うが、王妃の場合は瞳の色が違うので、赤いドレスを着るのが、この王国の絶対王者である証。
「やはり…生きていたのね、王の子。
追っ手をやったのに自ら現れるとは、手間が省ける。」
王妃が嘲笑う。
「決着をつけに来たよ。
王に手をかけたな?」
「何の証拠があって言ってるんだか。
背信罪で処刑してやるわ。」
だがその瞬間、背後の柱の陰から現れたディオンが、捕えた王妃の側近や兵士達をずらりと並べた。
「この者達を見ても、まだ笑えるか?」
ディオンの声は低く、しかし確信に満ちていた。
側近達の表情には疲労と後悔が滲み、もう彼女に従う意志はないと示していて、王妃が見つめても、誰一人として彼女に目を向ける者はいない。
その事実を知った王妃は、瞬く間に微笑を崩し、白い指先を震わせた。
「裏切り者!
私じゃない、その者達が勝手にやったのよ!」
「いや、違う。
あなたからの指示を受け取ったライト伯爵の娘のダリア嬢が、トムと呼ばれる少年を連れて来いと書いてあるあなたの印章付きの書状を持っているそうだ。
それが確固たる証拠だ。
それにさっき自ら追っ手をやったって、言っていたな。
俺にありもしない罪をきせて、父のように始末するつもりだったんだろう?」
「何を言う。
私じゃない。
兵達が私をはめようとしている。」
「違うな。
ことの重大さを知ったオルコット子爵令息が、その書状の存在を証言したんだ。
それと王妃から王と俺の暗殺の勅命を受けたという、この兵達の証言が付合している。
彼らはあなたに従い、共に最後を迎えるのは嫌だと訴えているよ。
それに王を蔑ろにしたあげく、亡くなると同時に王国を荒廃させた姿を見ていた王族達や貴族も、あなたをもう支持しないと表明した。」
そう話す俺の指には赤く輝くルビーの指輪が光っている。
それは、亡き王の涙のようだった。
「王妃、これが皆の総意だ。」
その声には怒りよりも、固い決意があった。
「待って!」
王妃が叫ぶ。
「今更何を言いたい?
父の死の真相を、ようやく知ったんだ。
あなたが王に手をかけず、仲睦まじく暮らしていたら、俺は一生秘された存在で良いと思っていた。
だが、王に手をかけた以上、あなたをここから引きずり下ろす。」
「ただ赤い瞳を継いだだけのお前に何ができる!」
王妃は目をぎらつかせて、嘲るように舌打ちする。
「あなたよりは良い国をつくると、ここに約束しよう。
王妃を捕えよ!」
その瞬間、命を受けた近衛兵が王妃の両腕を押さえつけ、引きずるように牢へ連れて行った。
それを見届けると、集うすべての者が新王である俺に深く礼をとり、忠誠を誓う。
それはまるで、若く力があった頃の亡き王が甦ったように、トレフィン王に従う家臣が王宮に揃った瞬間だった。
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