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15.メイベルを迎えに
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トレフィン王の元で新体制がスタートしたが、機能していなかった王宮はやるべきことが山積みで、全く気が抜けない状態であるのは変わらなかった。
ユージーンが昼夜問わず彼を守り目を光らせているが、政務はディオンが主に指揮を取らざるを得ない。
トレフィン王はまだ若く、隠されて生きていたせいもあり、政治の実務にも、国の事情にも疎かった。
「トレフィン様、少しだけ時間を稼いでいてほしい。
メイベルを迎えに行って来ます。」
王の間で僕がそう告げると、彼は玉座に深く腰を下ろし、悔しげに笑った。
「ああ、頼む。
俺も行きたいけれど、王は思う以上に身動きが取れないものだな。」
「はい。
ですから先王も、どれほどあなたと会いたくても、立場が許さなかったんです。」
「今ならわかるよ。
だから、メイベルを頼む。」
「はい、必ず。」
僕は短く答え、愛馬に跨り王宮を出た。
こうしている間にも、メイベルの命が危機に晒されていると思うとたまらない。
森へ向かう途中、無事を繰り返し願いながら、僕は馬を走らせる。
依然メイベルを狙った妹が見つかっておらず、王妃からの書状も手に入れていない。
今も森の中で彼女を狙っているとは考えられないが、王妃が捕えられたと聞いたら、暴走しかねない。
そんな考えが頭をよぎるたび、僕の焦燥はつのるばかりだ。
森の中を進み、聞いていた蔦の絡みつく洞窟にたどり着く。
すると奥に、すでに意識がない彼女が倒れていた。
「メイベル!
頼む、目を開けてくれ。」
駆け寄って抱き起こすが、僕の呼びかけにも彼女は目を覚まさず、氷のように冷たい。
でも微かに息をしている。
僕は無我夢中で彼女を抱え、馬の背に乗り、一心に森の邸を目指す。
とてもこの状態なら、王都へ連れて帰れない。
青白く痩せ細ったその姿に胸が痛む。
待たせてごめん。
その時ふと腕に目をやると、トムが渡したと思われるルビーのついたブレスレットが光っていた。
これは王が唯一の者に渡す愛の証。
彼もまた僕のようにメイベルに執着し、離したくないらしい。
王の子が受け継ぐブレスレットは、命の次に大切な物だ。
彼にとってメイベルは、命の次、もしくは命よりも大切な存在だと示している。
それをわかっているから、彼女はその期待を裏切らないで待ち続けた。
それに、彼女は婚約者と妹に裏切られ、この森で初めて仲間を得て魂で繋がるような喜びを知ってしまったから、もう一人になりたくなかったのかもしれない。
だからこれからも生きて、トムの活躍を見届けるのが、メイベルの役割であるはずだ。
頼む、もう一度僕達にチャンスをくれ。
けれどもし君が、このまま目を覚まさなくても、僕は君しか求めないだろう。
朝の光が差し込み、メイベルはゆっくりとまぶたを開けた。
ここは?
目を凝らすと、いつもの森の邸だと気づく。
見慣れた天井、白い壁、窓辺のカーテン、時が止まったかのような自分の部屋に驚く。
あの日逃げ出して、一人で洞窟に隠れていた時とは対照的な私の癒しの数々。
ベッドの傍らには、ディオン様が椅子に座ったまま眠っている。
乱れた前髪の隙間から覗く横顔が、変わらず素敵ね。
彼の存在に胸が熱くなる。
こうして寝顔を見るのは初めてだわ。
寝ていると、いつもしっかりしている彼が可愛いく思えてしまう。
ふふ、やっぱりディオン様は約束通り私を迎えに来てくれたのね。
どんなに遅くなっても、きっと彼は来てくれるって信じてたし、孤独の中で生きる力になっていた。
こんなに誰かを信じることも、心を許すことももうないだろうと。
だから不安だったけど、最後まで悔いはなかった。
そう言えば、倒れているところを彼に助けられたのは二度目ね。
最初はとても不安な思いで彼を見つめていたことを思い出す。
でも今は彼を見るだけで幸せが溢れる。
やっぱり私は彼が好き。
身分差とか問題は山積みだけど、それでも彼のそばにいたい。
しばらくディオン様の寝顔を見つめていると、ゆっくりとまつ毛の奥に水色の瞳が現れた。
「メイベル!
大丈夫か?
どこか痛むところは?」
「大丈夫よ。
助けに来てくれたのね、ありがとう。」
「信じて待っていてくれたんだね。
…愛してる。」
「ふふ、ありがとう。
トム達は?」
「僕達が駆けつけるまで、王宮で踏ん張っているよ。」
「じゃあ、すぐに行ってあげないと。」
「はは、そうだね。
君はいつでも自分よりトムを気にかける。
少し妬けるよ。」
「わかっているでしょ。
私が好きなのはディオン様だわ。」
「今、何て?」
「もう誤魔化すのはやめたの。
私はあなたが好き。」
「ありがとう。
メイベル、今度こそ一緒になろう。
僕は君なしで幸せになる方法が思いつかないんだ。」
「私もあなたのそばにいたい。」
ディオン様はそっと私の頬に触れた。
指先に感じる温もりが、生きていることを確かめるように優しく包む。
「目を覚まして良かった。
本当に良かった。」
そっと彼は私を抱き寄せ、髪にキスをした。
すると互いの心臓の鼓動が、胸の内で響く。
「待っててすぐに戻るから。」
せっかく抱きしめ合ったのに、ディオン様は慌ててどこかへ行ってしまう。
それをぼんやりと見送りながら、そばにいて欲しいと強く思っていた。
私を置いて行かないで。
すぐ戻るって言ったのに、待てない自分に驚く。
洞窟での時間が私を寂しがりやにさせてしまったみたい。
けれど本当にディオン様は、ワゴンを押しながらすぐに戻って来て、自らお茶をカップに注ぎ、私をベッドから起こして、口元にあてる。
「少しずつ飲んでごらん。」
「はい。」
ディオン様に手伝われて、数日ぶりにお茶を飲み込んだ。
「ゆっくりだよ。」
「美味しい。」
彼は私がほんの一口のお茶を飲むことにすら、不安そうな眼差しで見つめている。
「もう少し飲むかい。」
「はい。」
洞窟では喉が渇いたら湧き水を飲んでいたが、徐々に疲れてそれすらもやめていた。
けれど温かいお茶は、体にスッと馴染むように飲みやすく、すべて飲み干した。
その様子を見守るディオン様は優しく笑う。
「お腹も減ってるだろう?
次はパンがゆだよ。」
「ありがとう。」
ディオン様はパンがゆを人匙すくうと、私の口元に再び差し出した。
「あーん、して。」
「はい。」
すると彼は湯気の立ったパンがゆをふうふうして、ゆっくりと私の口の中に入れる。
私はされるがまま、もぐもぐして飲み込む。
「続けて食べれるね。」
「はい、でも自分でできます。」
「ダメ。
腕にもあまり力が入らないだろ?
遅くなったせめてもの償いに、僕にやらせて。」
「でも、ディオン様のせいではないわ。」
「いいから、いいから。」
彼は笑顔でパンがゆが入ったスプーンを差し出す。
「楽しんでません?」
「うん、楽しい。
僕が食べさせたパンがゆで、君が元気になるんだ。
こんな楽しいことはないよ。」
「そうですか。」
ディオン様がそれで満足してくれるなら、私もなんだか嬉しい。
皿に入ったパンがゆをあらかた食べさせおえると、彼は再び私を抱きしめた。
お腹が一杯になり、こてんと彼に寄りかかる。
けれど同時に、湯あみをしていなかった体が急に気になり、身をよじる。
「ごめんなさい、ディオン様。
私今、臭うと思うの。」
「君の匂いなら、構わないさ。
それに出会った時だって、同じだった。」
「でも前回は、ディオン様は私と距離を取っていたわ。」
「ごめん。
今は匂いもすべて君の生を感じたい。
離れたくないんだ。」
「わかったわ。」
私は彼の胸に再び身を預ける。
そのぬくもりが、過去の痛みをすべて溶かしていくように思えた。
「行きましょう。
トムを支えに。
湯あみをしてからだけど。」
「君は少し休まないと。
それに、もう少しこうしていたい。」
動き出そうとする私を、ディオン様が抱きしめる腕に力を込め、封じようとする。
「ふふ、それはトムのところに行ってからよ。」
「愛を確かめ合っても、どこまでもメイベルなんだな。
少しも僕の腕の中でじっとしていてくれないね。
しょうがない、馬車の中で僕にもたれて休むと約束してくれるなら、旅立とう。
トムが待っているからね。」
「ええ、それでこそ私達だわ。」
歩けると話しても、心配だと告げるディオン様は、浴室まで私を抱き上げ運んでくれた。
そこには、心なし笑顔の老婦人が待っていて、たっぷりの湯で素早く湯あみを済ませる。
そして身支度が整うと、二人は手を繋ぎ王都に向けて旅立った。
ユージーンが昼夜問わず彼を守り目を光らせているが、政務はディオンが主に指揮を取らざるを得ない。
トレフィン王はまだ若く、隠されて生きていたせいもあり、政治の実務にも、国の事情にも疎かった。
「トレフィン様、少しだけ時間を稼いでいてほしい。
メイベルを迎えに行って来ます。」
王の間で僕がそう告げると、彼は玉座に深く腰を下ろし、悔しげに笑った。
「ああ、頼む。
俺も行きたいけれど、王は思う以上に身動きが取れないものだな。」
「はい。
ですから先王も、どれほどあなたと会いたくても、立場が許さなかったんです。」
「今ならわかるよ。
だから、メイベルを頼む。」
「はい、必ず。」
僕は短く答え、愛馬に跨り王宮を出た。
こうしている間にも、メイベルの命が危機に晒されていると思うとたまらない。
森へ向かう途中、無事を繰り返し願いながら、僕は馬を走らせる。
依然メイベルを狙った妹が見つかっておらず、王妃からの書状も手に入れていない。
今も森の中で彼女を狙っているとは考えられないが、王妃が捕えられたと聞いたら、暴走しかねない。
そんな考えが頭をよぎるたび、僕の焦燥はつのるばかりだ。
森の中を進み、聞いていた蔦の絡みつく洞窟にたどり着く。
すると奥に、すでに意識がない彼女が倒れていた。
「メイベル!
頼む、目を開けてくれ。」
駆け寄って抱き起こすが、僕の呼びかけにも彼女は目を覚まさず、氷のように冷たい。
でも微かに息をしている。
僕は無我夢中で彼女を抱え、馬の背に乗り、一心に森の邸を目指す。
とてもこの状態なら、王都へ連れて帰れない。
青白く痩せ細ったその姿に胸が痛む。
待たせてごめん。
その時ふと腕に目をやると、トムが渡したと思われるルビーのついたブレスレットが光っていた。
これは王が唯一の者に渡す愛の証。
彼もまた僕のようにメイベルに執着し、離したくないらしい。
王の子が受け継ぐブレスレットは、命の次に大切な物だ。
彼にとってメイベルは、命の次、もしくは命よりも大切な存在だと示している。
それをわかっているから、彼女はその期待を裏切らないで待ち続けた。
それに、彼女は婚約者と妹に裏切られ、この森で初めて仲間を得て魂で繋がるような喜びを知ってしまったから、もう一人になりたくなかったのかもしれない。
だからこれからも生きて、トムの活躍を見届けるのが、メイベルの役割であるはずだ。
頼む、もう一度僕達にチャンスをくれ。
けれどもし君が、このまま目を覚まさなくても、僕は君しか求めないだろう。
朝の光が差し込み、メイベルはゆっくりとまぶたを開けた。
ここは?
目を凝らすと、いつもの森の邸だと気づく。
見慣れた天井、白い壁、窓辺のカーテン、時が止まったかのような自分の部屋に驚く。
あの日逃げ出して、一人で洞窟に隠れていた時とは対照的な私の癒しの数々。
ベッドの傍らには、ディオン様が椅子に座ったまま眠っている。
乱れた前髪の隙間から覗く横顔が、変わらず素敵ね。
彼の存在に胸が熱くなる。
こうして寝顔を見るのは初めてだわ。
寝ていると、いつもしっかりしている彼が可愛いく思えてしまう。
ふふ、やっぱりディオン様は約束通り私を迎えに来てくれたのね。
どんなに遅くなっても、きっと彼は来てくれるって信じてたし、孤独の中で生きる力になっていた。
こんなに誰かを信じることも、心を許すことももうないだろうと。
だから不安だったけど、最後まで悔いはなかった。
そう言えば、倒れているところを彼に助けられたのは二度目ね。
最初はとても不安な思いで彼を見つめていたことを思い出す。
でも今は彼を見るだけで幸せが溢れる。
やっぱり私は彼が好き。
身分差とか問題は山積みだけど、それでも彼のそばにいたい。
しばらくディオン様の寝顔を見つめていると、ゆっくりとまつ毛の奥に水色の瞳が現れた。
「メイベル!
大丈夫か?
どこか痛むところは?」
「大丈夫よ。
助けに来てくれたのね、ありがとう。」
「信じて待っていてくれたんだね。
…愛してる。」
「ふふ、ありがとう。
トム達は?」
「僕達が駆けつけるまで、王宮で踏ん張っているよ。」
「じゃあ、すぐに行ってあげないと。」
「はは、そうだね。
君はいつでも自分よりトムを気にかける。
少し妬けるよ。」
「わかっているでしょ。
私が好きなのはディオン様だわ。」
「今、何て?」
「もう誤魔化すのはやめたの。
私はあなたが好き。」
「ありがとう。
メイベル、今度こそ一緒になろう。
僕は君なしで幸せになる方法が思いつかないんだ。」
「私もあなたのそばにいたい。」
ディオン様はそっと私の頬に触れた。
指先に感じる温もりが、生きていることを確かめるように優しく包む。
「目を覚まして良かった。
本当に良かった。」
そっと彼は私を抱き寄せ、髪にキスをした。
すると互いの心臓の鼓動が、胸の内で響く。
「待っててすぐに戻るから。」
せっかく抱きしめ合ったのに、ディオン様は慌ててどこかへ行ってしまう。
それをぼんやりと見送りながら、そばにいて欲しいと強く思っていた。
私を置いて行かないで。
すぐ戻るって言ったのに、待てない自分に驚く。
洞窟での時間が私を寂しがりやにさせてしまったみたい。
けれど本当にディオン様は、ワゴンを押しながらすぐに戻って来て、自らお茶をカップに注ぎ、私をベッドから起こして、口元にあてる。
「少しずつ飲んでごらん。」
「はい。」
ディオン様に手伝われて、数日ぶりにお茶を飲み込んだ。
「ゆっくりだよ。」
「美味しい。」
彼は私がほんの一口のお茶を飲むことにすら、不安そうな眼差しで見つめている。
「もう少し飲むかい。」
「はい。」
洞窟では喉が渇いたら湧き水を飲んでいたが、徐々に疲れてそれすらもやめていた。
けれど温かいお茶は、体にスッと馴染むように飲みやすく、すべて飲み干した。
その様子を見守るディオン様は優しく笑う。
「お腹も減ってるだろう?
次はパンがゆだよ。」
「ありがとう。」
ディオン様はパンがゆを人匙すくうと、私の口元に再び差し出した。
「あーん、して。」
「はい。」
すると彼は湯気の立ったパンがゆをふうふうして、ゆっくりと私の口の中に入れる。
私はされるがまま、もぐもぐして飲み込む。
「続けて食べれるね。」
「はい、でも自分でできます。」
「ダメ。
腕にもあまり力が入らないだろ?
遅くなったせめてもの償いに、僕にやらせて。」
「でも、ディオン様のせいではないわ。」
「いいから、いいから。」
彼は笑顔でパンがゆが入ったスプーンを差し出す。
「楽しんでません?」
「うん、楽しい。
僕が食べさせたパンがゆで、君が元気になるんだ。
こんな楽しいことはないよ。」
「そうですか。」
ディオン様がそれで満足してくれるなら、私もなんだか嬉しい。
皿に入ったパンがゆをあらかた食べさせおえると、彼は再び私を抱きしめた。
お腹が一杯になり、こてんと彼に寄りかかる。
けれど同時に、湯あみをしていなかった体が急に気になり、身をよじる。
「ごめんなさい、ディオン様。
私今、臭うと思うの。」
「君の匂いなら、構わないさ。
それに出会った時だって、同じだった。」
「でも前回は、ディオン様は私と距離を取っていたわ。」
「ごめん。
今は匂いもすべて君の生を感じたい。
離れたくないんだ。」
「わかったわ。」
私は彼の胸に再び身を預ける。
そのぬくもりが、過去の痛みをすべて溶かしていくように思えた。
「行きましょう。
トムを支えに。
湯あみをしてからだけど。」
「君は少し休まないと。
それに、もう少しこうしていたい。」
動き出そうとする私を、ディオン様が抱きしめる腕に力を込め、封じようとする。
「ふふ、それはトムのところに行ってからよ。」
「愛を確かめ合っても、どこまでもメイベルなんだな。
少しも僕の腕の中でじっとしていてくれないね。
しょうがない、馬車の中で僕にもたれて休むと約束してくれるなら、旅立とう。
トムが待っているからね。」
「ええ、それでこそ私達だわ。」
歩けると話しても、心配だと告げるディオン様は、浴室まで私を抱き上げ運んでくれた。
そこには、心なし笑顔の老婦人が待っていて、たっぷりの湯で素早く湯あみを済ませる。
そして身支度が整うと、二人は手を繋ぎ王都に向けて旅立った。
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