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第2章
本殿での初夜7 カルロside
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本殿での初夜は、テリアが皇妃になった時の最悪な初夜をリセットして、正式な夫婦として俺達の関係をスタートさせる為に自分の気持ちを伝えることを決めていた。
どう見ても離縁を心待ちに準備しているテリアに、俺の都合を押し付ける。そんな初夜での告白が上手くいくとは最初から思って居なかった。
俺の想いを伝えたところで、何とも思われていないことを再確認するだけだろうと身構えていた。
ー・けれど、俺が想像していた反応とテリアの実際の反応は違っていて、ほんの一瞬だけれど、潤んだ瞳が歓喜の光を宿して頬が桃色に染まる姿を見たら…、普通に脈ありだと思うだろう。
告白してから、あんな紛らわしい反応された上に、目の前で目を閉じられたらキス待ちかと、普通は思うだろ。
だがキスをしている最中に、異変に気が付いて身を離してみたら、テリアはいつの間にか、やや青ざめた顔色をしてハラハラと泣いていた。
それが嬉し泣きでないことはわかる。だけど俺を拒絶している訳でもなく、瞬きもせず、ただ涙を流していた。
何処か辛そうに、眉根を寄せて、雫が溢れ出した黄金色の瞳が。静かに何処か遠くを見据えているようだった。
ーー初めて見るテリアの姿に内心かなり動揺した。
「おい、どうした?」と、問いかければ、我に返ったように自らの袖口で涙を拭ながら「びっくりして涙が出てきた」と言ったあと、何処か無理している様にも見える笑みを浮かべていた。
「嫌だったか?」と、問いかければ。
テリアは、一瞬表情を堅くして、ポツリと「嫌では、なかった」、そう答えた。
だが、そう呟いてからテリアは俺から離れて、「おやすみなさい」とだけ言って隣に用意したテリアの部屋に帰って行った。
あいつが皇妃になった時の初夜の反省を含めて、本殿での初夜では俺達の夫婦生活をやり直そうと思っていた俺は、内心、かなり戸惑い、部屋に帰ろうとするテリアの背中に手を伸ばそうとした。
だけど、テリアの涙を見た直ぐ後だったせいか、結局は引き止められ無かった。
ーー途中まで良い感じだと思ったんだが。何が不味かったのかは検討もつかない。
恐らく、テリアは恋愛した事がなさそうだから、俺からの急な告白に戸惑っているだけなんだろう。
無理もない。離縁が出来ないと伝えられてからの、急な告白だ。今までテリアが頑張ろうとしてきた方向と180℃違う内容だ。
考えが纏まらなくても仕方がない。あいつ、そもそも恋愛とかした事なさそうだしな。
「キスとか、ちょっと早過ぎたか?いや、でもこれくらいしないと、俺を夫として意識しないだろうし。チンタラしてる間に、またアネス子爵みたいなのに目をつけられたらたまったもんじゃねーし…さっさと夫婦感、出してかねーとさ」
…まぁ、でも焦るのは良くないか。〝嫌ではなかった〟と言っていたし、告白した時の反応的に、俺の告白を喜んでたよな?
てことはテリアも俺のこと満更でもないんだよな??
じゃあ、少なくとも離縁の話は無くなったと良いうことで良いよな?
取り敢えず、あの瞬間感じた手応えは勘違いでは無いと思いたい。
最後のテリアが泣いてたのが、どうにもひっかかるけど…ー、いや、うんあれはただキスに驚いただけだ。
「……これから一生夫婦やるってんだから、なんとかなるだろ」
当初予想したよりも、思いの外手応えを感じたと言うのに、予想していた時には抱かなかった一抹の不安に、何故か胸が漣だつ。
カルロは一抹の不安を吹き飛ばすように、テリアから借りたままになっていたペンダントを右手でかたく握りしめて、ベッドの中で独り言を呟いて、目を閉じた。
その夜。
一抹の不安が拭えないまま、カルロは眠りについのだったー…
どう見ても離縁を心待ちに準備しているテリアに、俺の都合を押し付ける。そんな初夜での告白が上手くいくとは最初から思って居なかった。
俺の想いを伝えたところで、何とも思われていないことを再確認するだけだろうと身構えていた。
ー・けれど、俺が想像していた反応とテリアの実際の反応は違っていて、ほんの一瞬だけれど、潤んだ瞳が歓喜の光を宿して頬が桃色に染まる姿を見たら…、普通に脈ありだと思うだろう。
告白してから、あんな紛らわしい反応された上に、目の前で目を閉じられたらキス待ちかと、普通は思うだろ。
だがキスをしている最中に、異変に気が付いて身を離してみたら、テリアはいつの間にか、やや青ざめた顔色をしてハラハラと泣いていた。
それが嬉し泣きでないことはわかる。だけど俺を拒絶している訳でもなく、瞬きもせず、ただ涙を流していた。
何処か辛そうに、眉根を寄せて、雫が溢れ出した黄金色の瞳が。静かに何処か遠くを見据えているようだった。
ーー初めて見るテリアの姿に内心かなり動揺した。
「おい、どうした?」と、問いかければ、我に返ったように自らの袖口で涙を拭ながら「びっくりして涙が出てきた」と言ったあと、何処か無理している様にも見える笑みを浮かべていた。
「嫌だったか?」と、問いかければ。
テリアは、一瞬表情を堅くして、ポツリと「嫌では、なかった」、そう答えた。
だが、そう呟いてからテリアは俺から離れて、「おやすみなさい」とだけ言って隣に用意したテリアの部屋に帰って行った。
あいつが皇妃になった時の初夜の反省を含めて、本殿での初夜では俺達の夫婦生活をやり直そうと思っていた俺は、内心、かなり戸惑い、部屋に帰ろうとするテリアの背中に手を伸ばそうとした。
だけど、テリアの涙を見た直ぐ後だったせいか、結局は引き止められ無かった。
ーー途中まで良い感じだと思ったんだが。何が不味かったのかは検討もつかない。
恐らく、テリアは恋愛した事がなさそうだから、俺からの急な告白に戸惑っているだけなんだろう。
無理もない。離縁が出来ないと伝えられてからの、急な告白だ。今までテリアが頑張ろうとしてきた方向と180℃違う内容だ。
考えが纏まらなくても仕方がない。あいつ、そもそも恋愛とかした事なさそうだしな。
「キスとか、ちょっと早過ぎたか?いや、でもこれくらいしないと、俺を夫として意識しないだろうし。チンタラしてる間に、またアネス子爵みたいなのに目をつけられたらたまったもんじゃねーし…さっさと夫婦感、出してかねーとさ」
…まぁ、でも焦るのは良くないか。〝嫌ではなかった〟と言っていたし、告白した時の反応的に、俺の告白を喜んでたよな?
てことはテリアも俺のこと満更でもないんだよな??
じゃあ、少なくとも離縁の話は無くなったと良いうことで良いよな?
取り敢えず、あの瞬間感じた手応えは勘違いでは無いと思いたい。
最後のテリアが泣いてたのが、どうにもひっかかるけど…ー、いや、うんあれはただキスに驚いただけだ。
「……これから一生夫婦やるってんだから、なんとかなるだろ」
当初予想したよりも、思いの外手応えを感じたと言うのに、予想していた時には抱かなかった一抹の不安に、何故か胸が漣だつ。
カルロは一抹の不安を吹き飛ばすように、テリアから借りたままになっていたペンダントを右手でかたく握りしめて、ベッドの中で独り言を呟いて、目を閉じた。
その夜。
一抹の不安が拭えないまま、カルロは眠りについのだったー…
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