【完結】身代わり皇妃は処刑を逃れたい

マロン株式

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第2章

今度こそ皇帝の婚活に励みます!

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ー次の日ー








「カルロ陛下、いまどう?暇?」

「ああ、丁度今、休もうとしていた所だ。入って良いぞ。」


ーカチャッ



   この会話がデジャヴだと分かった方も居るだろう。
 私達は今朝、これからの方向性を決めた。とにかく何を置いても、皇太子…いえ、皇太子改め皇帝陛下の婚活を再開する事にした。私達の意見は其処にまとまったのだ。※私達=テリア・ユラ・アレン

 ここまではデジャヴ感じる方も居るかも知れないけれど、此処から先はあの時とは一味違う。

 何せ今は皇帝になり実権を握り、選びたい放題の状況をわかってるはずだから、カルロの気持ちもあの時よりもゴロリと前向きに反転しているはずだ。


 皇帝陛下になったばかりで忙しいかもしれいけれど、これも急務の仕事だ。

 より盤石で安定した王宮をつくるにはやはり身分のしっかりした正室がいるに越したことはないのだから。

 そしてあわよくばー…

(異世界の聖女がいつくるかわかんないから、その前には離縁したい。)※テリアの本音。




「何かあったか?」

「そろそろ本格的に動こうと思って。初夜で約束した件について。」

  テリアがそう言うと、前回同様スピアが気を利かせて「お飲み物お持ちしますね。」と言って部屋を出て行った。

「おまえ、〝初夜で約束した〟って言い回しそろそろやめろ。」

(何か赤くなってる…?何でだろう。)

「?ん、わかった。
まぁとにかく、これを見て。」


   前回同様…いや、今回は家柄もだが、外見等々も加味してプランA・B・Cの令嬢写真を持ってきた。つまりバージョンアップして来たのだ。

 今手渡したのは前回同様、家柄重視のプランA。
 それを見て。前回と同じくカルロはため息をついて資料を返して来ようとする。

「だから、こう言うのは時間が…「何言ってるの、これ皇帝なら尚更急務な問題でしょ!」

 (やはり、この中にいる御令嬢はカルロ陛下の好みじゃないんだわ。)

「こっち見て!これは自信あるよ!」

(ふふふ、前回と同じでは無いのよ。)

 テリアはニヤリと笑ってプランBの写真を数枚渡した。

 家柄はAより落ちるが、外見、人柄、家柄のバランスが非常に良い。
 私達の一押しはプランBだ。

(これなら文句はないでしょう。プランBは男であれば万人受け間違いなしと自負しても良い。)

「…あのさ。」

「ん?」

「おまえは新しい宮殿を見たのか?」

「いやまだ。と言うか良く考えると新しいところって移らなくて良いのでは?と思ってて。
今の場所気に入ってるし。」

「それは…。」


「私はそのうち、居なくなるでしょ?
次の人の住みやすさ考えたらさ。離縁したとは言え、前妻の使ってた宮なんて嫌じゃない。」

   テリアがそう言うと、カルロは手に持っていた資料を伏せて置いた。

「この際はっきり言うけど、俺はもう、家柄の良い令嬢に拘る気はない。」

「…その線も、考えていたのよ。やっぱり家柄が良過ぎると向こうの家に気を使うじゃない。でもある程度はね、最低限は満たしてる所でないとカルロ陛下が今後大変でしょ?

だから、これ。そのある程度を満たしたプランCなんだけど…」


   スッとカルロの手元にプランCを置いた。
 すると今度は目を通すことをせずに、カルロは資料を置いたテリアの手を掴んだ。


 
「そう言うことじゃなくて、俺は誰とも再婚をする気はないんだ。」


「再婚しないって…そんな訳にいかないでしょ?
皇帝の正妃不在と言う状況は流石に駄目でしょう?」

   「だからー…ーコンコン「お飲み物お持ちしました」


 何か言いかけて、飲み物を持ってきたスピアの声に、カルロは慌てて握っていた手をすかさず離した。


「テリア様紅茶で良かったでー…ん?」

  頬に赤みを残しながらスピアを睨むカルロと、普段通り返事をしてくるテリアを見て、何かあった事を悟り〝来るタイミングミスったな〟と分かりつつも、スピアは何食わぬ顔で紅茶をテリアの為に入れた。









 
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