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第2章
お茶会
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皇妃主催によるお茶会を開いてみたが、令嬢達の反応は様々だった。
私は寵愛を受けていない皇妃として有名だ。周囲から見た皇帝カルロと皇妃テリアの関係はとても冷え込んでいる。
訳は次の通りだ。
まず私は王宮に皇太子妃候補として招かれ早々に王宮内の奥まった宮殿に押し込められ、初顔合わせは険悪なもの。
カルロは〝ここにいる侍女達の方が田舎子爵家出身なんかよりも俺にとってずっと利益を生み出す〟とまで言っていた。
それ以外で公の場でカルロとの交流はほとんど無かった。
数少ない公の場で顔を合わせた際は、私が王宮の外へアリスティナ姫を連れ出す時で、怒った様子で私に詰め寄っているカルロの姿も目撃されている。
しかも初夜での会話を警護をしていた者達は聞いていたのか、〝いつか離縁する約束をしている〟等々の噂が人の都合の良いように脚色されて広まって、現在皆の私への認識はこうだ。
〝前皇妃様がカルロ殿下を皇帝にしないために用意した力無い妃だから、いつ消えてもおかしくない〟
……これに至っては、噂ではなく真実か。凄いと思う。巡り巡った噂の出した結論がずばり的を射ている。
そんな訳で、此処にお集まり頂いた令嬢達は貴族としてテリア皇妃に対し、失礼な態度は見受けられないまでも、何処か嘲を含ませているか、もしくは哀れみを含ませている。
この2択なら出来れば後者である、哀れんでくれてる人に皇妃を任せたい。
アレン曰く、此処に居る人達は、ある程度の後盾のあるご令嬢。もし聖女が現れても私の妹のように何の盾も無く貶められはしないし、カルロも不当には扱えないだろう…と言う事らしい。
また、私を哀れむ慈悲ある心を持ったご令嬢ならば、私を嵌めることは無いだろうと。
此処までの計画は良いけれど、皆それぞれが話込んで私は初めに会話したきりで話に混れていない…
(……。そう言えば、田舎子爵家ではこう言うのやってなかったな。王都に来るのに日を跨ぐから参加した事ない。貴族との交流と言えば近隣の集まりくらいか。
それすらも、直ぐ脱走してたから…)
つまり貴族令嬢の会話についていけないのは自業自得だ。子爵家にいた頃、私はそうした事を全て放棄して、子爵領の平民達と遊んだり、本を読みふけったりしていた。
だからこそ、前世はきちんと務めを果たしていたフェリミアが召されたのだ。
すっかり忘れてた。
しかし、私も此処に来てから流石にやばすぎて、当時は皇太子妃候補すらも下されそうだった(前皇妃の殺気により死に物狂いで勉強させられた)が今ではすっかり焦りを顔に出さない技術は身についた。
(やばいよー、紅茶のカップ、中身がからなんだけど。話し相手いないし、手持ち無沙汰だよ。どうしたら良いんだっけ?)
そんな時、隣に座っていた令嬢の視線が私の手元にあるのを感じた。
令嬢は視線を侍女達に向けて、表情は涼やかなままだが、叱咤を伝えていた。
侍女達はそこでやっと対応を始めた。
その様子から、侍女達は力のない皇妃よりも、この場に集まっている有力貴族のご令嬢達への対応に集中していた事に気が付いた。
※ユラは令嬢の動向を見るためテリアの後ろで黙って見ている。ユラは皇妃の侍女なので令嬢は叱咤をさけた。
その時私はピンと来た。
(媚びても仕方がないとわかっている私へのこの気配り!
この子、絶対良い子だ。そして出来る子だ!)
そう思った私は、後ろに立っているユラに視線をやると、コクリと頷いていた。
(よし!目ぼしい子見つけた。もう君に決定!)
こうして次はこのご令嬢と一対一でお茶会をする事となった。
私は寵愛を受けていない皇妃として有名だ。周囲から見た皇帝カルロと皇妃テリアの関係はとても冷え込んでいる。
訳は次の通りだ。
まず私は王宮に皇太子妃候補として招かれ早々に王宮内の奥まった宮殿に押し込められ、初顔合わせは険悪なもの。
カルロは〝ここにいる侍女達の方が田舎子爵家出身なんかよりも俺にとってずっと利益を生み出す〟とまで言っていた。
それ以外で公の場でカルロとの交流はほとんど無かった。
数少ない公の場で顔を合わせた際は、私が王宮の外へアリスティナ姫を連れ出す時で、怒った様子で私に詰め寄っているカルロの姿も目撃されている。
しかも初夜での会話を警護をしていた者達は聞いていたのか、〝いつか離縁する約束をしている〟等々の噂が人の都合の良いように脚色されて広まって、現在皆の私への認識はこうだ。
〝前皇妃様がカルロ殿下を皇帝にしないために用意した力無い妃だから、いつ消えてもおかしくない〟
……これに至っては、噂ではなく真実か。凄いと思う。巡り巡った噂の出した結論がずばり的を射ている。
そんな訳で、此処にお集まり頂いた令嬢達は貴族としてテリア皇妃に対し、失礼な態度は見受けられないまでも、何処か嘲を含ませているか、もしくは哀れみを含ませている。
この2択なら出来れば後者である、哀れんでくれてる人に皇妃を任せたい。
アレン曰く、此処に居る人達は、ある程度の後盾のあるご令嬢。もし聖女が現れても私の妹のように何の盾も無く貶められはしないし、カルロも不当には扱えないだろう…と言う事らしい。
また、私を哀れむ慈悲ある心を持ったご令嬢ならば、私を嵌めることは無いだろうと。
此処までの計画は良いけれど、皆それぞれが話込んで私は初めに会話したきりで話に混れていない…
(……。そう言えば、田舎子爵家ではこう言うのやってなかったな。王都に来るのに日を跨ぐから参加した事ない。貴族との交流と言えば近隣の集まりくらいか。
それすらも、直ぐ脱走してたから…)
つまり貴族令嬢の会話についていけないのは自業自得だ。子爵家にいた頃、私はそうした事を全て放棄して、子爵領の平民達と遊んだり、本を読みふけったりしていた。
だからこそ、前世はきちんと務めを果たしていたフェリミアが召されたのだ。
すっかり忘れてた。
しかし、私も此処に来てから流石にやばすぎて、当時は皇太子妃候補すらも下されそうだった(前皇妃の殺気により死に物狂いで勉強させられた)が今ではすっかり焦りを顔に出さない技術は身についた。
(やばいよー、紅茶のカップ、中身がからなんだけど。話し相手いないし、手持ち無沙汰だよ。どうしたら良いんだっけ?)
そんな時、隣に座っていた令嬢の視線が私の手元にあるのを感じた。
令嬢は視線を侍女達に向けて、表情は涼やかなままだが、叱咤を伝えていた。
侍女達はそこでやっと対応を始めた。
その様子から、侍女達は力のない皇妃よりも、この場に集まっている有力貴族のご令嬢達への対応に集中していた事に気が付いた。
※ユラは令嬢の動向を見るためテリアの後ろで黙って見ている。ユラは皇妃の侍女なので令嬢は叱咤をさけた。
その時私はピンと来た。
(媚びても仕方がないとわかっている私へのこの気配り!
この子、絶対良い子だ。そして出来る子だ!)
そう思った私は、後ろに立っているユラに視線をやると、コクリと頷いていた。
(よし!目ぼしい子見つけた。もう君に決定!)
こうして次はこのご令嬢と一対一でお茶会をする事となった。
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