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ボクのサンタの正体は
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クリスマスは冬休みに入ってすぐだから、新学期のワダイはお年玉。だからクリスマスのジョウホウコウカンなんてしないよ。
だからジョウホウ社会の今、テレビ、ラジオ(は、ボクは聴かないけれどパパはよく聞いているよ)、ネットや動画なんかの、目や耳から入ってくるジョウホウがたよりだ。
そしてそのジョウホウから、なんとなくうたがってはいたんだ。
だけどボクは見てしまった・・・クローゼットのおくの方にあった緑と赤のつつみ紙のハコを。
ボクはうたがっていたけど、サンタさんをしんじてもいたんだ・・・そのハコがクリスマスツリーの前にならべられたプレゼントの中ではなく、朝おきたボクのまくら元においてあるのを見るまでは。
やっぱりあの「ママがサンタにキッスした」の歌は”せんじんのおしえ”だったんだ。
サンタクロースはパパだったんだ。
ママが「サンタさんも世界中のお友達のプレゼントを用意するのが大変だから早めにお願いしないといけない」とか、「ゲームはママがサンタさんにお願いしてるからもらえないよ」とかいっていたナゾがとけたよ。
でもパパがサンタさんだってボクが知ったことがバレたらどうなるんだろう。
プレゼントがひとつへる?
ボクはそれはとてもヤバいことだということに気がついた。今日のボクはさえている。
このまま知らないふりをしよう。
「てんちゃん、今年のサンタさんに頼むプレゼントは決めたの?」
ママがボクにサグリを入れてきた。
ボクのよそうでは、ボクから聞き出したじょうほうを元にして、ママがボクが学校に行っている間にかいに行くんだ。
ママとサンタさんの話をするたびに、ボクはザイアクカンでどうしようもなくなってきた。
ボクがよろこぶプレゼントをさぐってくるママを見ているとなんだかもうしわけないキモチになってくるんだ。
たえられなくなったボクは、ある日ママにぎゃくにサグリを入れてみた。
「このあいだ動画を見ていたら、サンタさんがパパかもしれないって言ってたんだけど、もしそれが本当だったら、サンタさんの正体をしってしまったボクはどうなるの?」
「サンタさんは信じてくれる子のところにしか来ないから、プレゼントが1個減ることになるかな」
やっぱりそうか。
ママはわらっていうけれど、それはボクにとってはオオゴトだよ。
「てんちゃん、サンタさんはいないって分かったんでしょう?」
「だって、せかい中の子どものプレゼントをかうなんてお金がたりないだろうし、クリスマスの夜だけでくばるなんて、できっこないもん」
「そういうのが気になる年になったら『サンタクロース』は終わりね」
ああ、ママにボクがサンタさんの正体に気がついたことがばれてしまった。ボクはドジってゆうどうじんもんにひっかかってしまった。
「でもね」
ママはいった。
「クリスマスの夜にプレゼント用意してを枕元に置いてくれる人がサンタさんなのよ。だからサンタさんはいないんじゃないのよ」
そっか、だからボクのサンタさんはパパでいいんだね。赤いぼうしに白いおひげのおじいさんは、サンタクロースの”ぐうぞう”なんだね。
ちなみにママのサンタさんの正体はパパとママとおじいちゃんとおばあちゃん、とおくのおじさんとおばさんと、きんじょのおばちゃんだったんだって。朝おきたらヤマモリのプレゼントがまくら元においてあったそうだよ。
大きくなってからわかったから、大きくなってからサンタさんにおれいをいったんだって。
ちょっとさみしく思っていた今年のクリスマスの朝、まくら元を見るとプレゼントがおいてあったよ。
そのかわりクリスマスツリーの下に並んでるプレゼントがひとつへっていたけどね。
ボクは小さいときにサンタさんの正体をしったから、あとでパパサンタに「ありがとう」っていおうと思うよ。
らい年のプレゼントはぜんぶクリスマスツリーの下にならべてあるのかな。
あとからきいたら、サンタさんからのプレゼントはママがかいに行くのではなく、ネットショッピングでたのんでとどけてもらっていたらしいよ。
ボクのよそうははずれていたね。
ボクのサンタさんは”たくはいのお兄さん”もかもしれないね。
だからジョウホウ社会の今、テレビ、ラジオ(は、ボクは聴かないけれどパパはよく聞いているよ)、ネットや動画なんかの、目や耳から入ってくるジョウホウがたよりだ。
そしてそのジョウホウから、なんとなくうたがってはいたんだ。
だけどボクは見てしまった・・・クローゼットのおくの方にあった緑と赤のつつみ紙のハコを。
ボクはうたがっていたけど、サンタさんをしんじてもいたんだ・・・そのハコがクリスマスツリーの前にならべられたプレゼントの中ではなく、朝おきたボクのまくら元においてあるのを見るまでは。
やっぱりあの「ママがサンタにキッスした」の歌は”せんじんのおしえ”だったんだ。
サンタクロースはパパだったんだ。
ママが「サンタさんも世界中のお友達のプレゼントを用意するのが大変だから早めにお願いしないといけない」とか、「ゲームはママがサンタさんにお願いしてるからもらえないよ」とかいっていたナゾがとけたよ。
でもパパがサンタさんだってボクが知ったことがバレたらどうなるんだろう。
プレゼントがひとつへる?
ボクはそれはとてもヤバいことだということに気がついた。今日のボクはさえている。
このまま知らないふりをしよう。
「てんちゃん、今年のサンタさんに頼むプレゼントは決めたの?」
ママがボクにサグリを入れてきた。
ボクのよそうでは、ボクから聞き出したじょうほうを元にして、ママがボクが学校に行っている間にかいに行くんだ。
ママとサンタさんの話をするたびに、ボクはザイアクカンでどうしようもなくなってきた。
ボクがよろこぶプレゼントをさぐってくるママを見ているとなんだかもうしわけないキモチになってくるんだ。
たえられなくなったボクは、ある日ママにぎゃくにサグリを入れてみた。
「このあいだ動画を見ていたら、サンタさんがパパかもしれないって言ってたんだけど、もしそれが本当だったら、サンタさんの正体をしってしまったボクはどうなるの?」
「サンタさんは信じてくれる子のところにしか来ないから、プレゼントが1個減ることになるかな」
やっぱりそうか。
ママはわらっていうけれど、それはボクにとってはオオゴトだよ。
「てんちゃん、サンタさんはいないって分かったんでしょう?」
「だって、せかい中の子どものプレゼントをかうなんてお金がたりないだろうし、クリスマスの夜だけでくばるなんて、できっこないもん」
「そういうのが気になる年になったら『サンタクロース』は終わりね」
ああ、ママにボクがサンタさんの正体に気がついたことがばれてしまった。ボクはドジってゆうどうじんもんにひっかかってしまった。
「でもね」
ママはいった。
「クリスマスの夜にプレゼント用意してを枕元に置いてくれる人がサンタさんなのよ。だからサンタさんはいないんじゃないのよ」
そっか、だからボクのサンタさんはパパでいいんだね。赤いぼうしに白いおひげのおじいさんは、サンタクロースの”ぐうぞう”なんだね。
ちなみにママのサンタさんの正体はパパとママとおじいちゃんとおばあちゃん、とおくのおじさんとおばさんと、きんじょのおばちゃんだったんだって。朝おきたらヤマモリのプレゼントがまくら元においてあったそうだよ。
大きくなってからわかったから、大きくなってからサンタさんにおれいをいったんだって。
ちょっとさみしく思っていた今年のクリスマスの朝、まくら元を見るとプレゼントがおいてあったよ。
そのかわりクリスマスツリーの下に並んでるプレゼントがひとつへっていたけどね。
ボクは小さいときにサンタさんの正体をしったから、あとでパパサンタに「ありがとう」っていおうと思うよ。
らい年のプレゼントはぜんぶクリスマスツリーの下にならべてあるのかな。
あとからきいたら、サンタさんからのプレゼントはママがかいに行くのではなく、ネットショッピングでたのんでとどけてもらっていたらしいよ。
ボクのよそうははずれていたね。
ボクのサンタさんは”たくはいのお兄さん”もかもしれないね。
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