星降る真夏の夜に、妖精の森で迷子になる。

折原ミフク

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頭痛

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「大丈夫か?!」
 リロイの声が聞こえる。すぐそこに居るのに凄く遠くに感じる。透明な何か遮る物の向こうに居るみたいだ。

 一時期なかった頭痛が再び始まって、日に日に強くなっていき。元々頭痛になる事が稀だった俺には殊更こたえて、今日は一日ベッドから起き上がれなかった。今まで頭痛持ちで薬を手放せない人の気持ちなんて分からなかったが、頭痛いのがこんなに辛いのを俺は初めて知った。それでも食事の前後には痛みはなくなって軽いものなら口にする事が出来たのだが、夕食を終えた後で、俺たちはある事に気付いた。

「何故こんな簡単な事に気付かなかった」
 皆んなの後悔をグエンが口にする。
 俺たちはもっと早く気付くべきだった。
 食事の前後、と、真夜中。
 この共通点に。
 俺の頭痛はある人物が居ないときに起こる、という事に。

「クライヴは何処に居る」

 頭が痛い。
 頭痛がどんどん酷くなる。

「ダメだ」
 一人で雑事をこなしている筈の執事を探しに行こうとする二人をキールが止めた。
「どうして」
「今日は満月だ」

 吹雪で空は、昼も夜も真っ暗で何も見えない日が続いていた。

「どういう事だ」
「リョウが現れたのも、満月だった」
「……リョウを帰そうと? いや違うな」
 俺たちは多分同じ事を考えた。その答えは雇主であるリロイが知ってた。
「クライヴの婚約者は昔ここで亡くなってる」
「亡くなってる?」
「行方不明じゃなくて?」
「その筈だが。あいつの中では、亡くなってるのが行方不明になってるという事か……」

 皆んなの声が響いて頭に刺さる。

「兎に角、止めないと」
「それはダメです」
 キールが同じ事を繰り返す。
「私は何で今頃気付くかな。途中で止めたら拙い事になるかも」
 噛みしめる様に彼は言った。
「召喚の成功例は非常に少ないんです」

 彼の言葉に、以前話してくれた“召喚の失敗例”がよぎる。
 途中で止めたら何か酷い事が起こりそうな気がする。

「リョウのやって来たのは満月。今日も満月」
「婚約者を甦らそうと?」
「死者を甦らせる事なんて出来ませんよ。ただ彼はそうするつもりなんでしょう」
「誰かをまた喚び出そうとしてるのか」
「召喚しようとしてるとしか私には思えませんが、彼はその意識はないのかも」

 酷い頭痛の向こうで皆んなが騒いでる。

「でもこのままではリョウが」
「何か影響を受けているだけなんじゃないか」
「そうだと良いが」
「結界を?」
「そうだな。間に合うか」

 結果間に合わなかった。でもそれが良かった。俺の頭痛はますます酷くなり。

##>ーー>//ーー>>ー×ーー£#
#ーー>≠ー>>>ーーーー>≠<<リ
ーーリ#ーー>≠ー>>>ーーーー>≠<<リ
ョーーーー£ーー≠ーーリ/ーウーー≠<


ーーリョウーー

 愛しい人の声がして。

 その瞬間、俺は空間を飛んだ。
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