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身体測定ー2
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――翌日、早朝5時過ぎ。
宮廷オルキデーア城の最上階――4階にある、国王の寝室のベッドで目を覚ましたベル。
目前にある、国王フラヴィオ・マストランジェロ(満34歳)の胸に抱き付き、転がって、仰臥したその上に寝そべった。
「あーさーでーすーよー」
「うーん……?」
とフラヴィオは瞼を閉じたまま、ベルの栗色の頭を撫でる。夢現でも、まるっとしてお気に入りの後頭部はしっかり撫でる。
「なんか早くないか……? 今何時だ?」
「5時20分です」
それはいつもの起床より40分近く早く、フラヴィオは何故かと夢現の頭で黙考する。
結論が出たら急速に覚醒して、「ふふふ」とデレて転がり、ベルの上になる。まずは『おはようのキス』をした。
「昨夜もあんなに愛でたのに、まだ足りないのか? そうだな、危険日だから最後まで出来ないもんな。そりゃ物足りな――」
「身体測定です」
とベルに言葉を遮られると、「うん?」と一瞬小首を傾げたフラヴィオ。思い出した。
「私は昨日、申し上げたはずです。本日は朝餉前に身体測定を行いますと」
「そうだった、早めに朝餉前の鍛錬を始めねばならぬのだった。ああ、しかし困ったな……」
と言ったら、ベルがまたぐるんと回転して上になった。
「2分で出します」
と、布団の中に潜っていく。言わずとも、お見通しらしい。
布団の中を覗くと、下半身の方に栗色の頭が見えた。敏感なところが刺激される。
「あの、アモーレ? 2分はちょっと恥ずかしいのだ……」
「朝餉前に天使軍も身体測定を終わらせなければならぬため、急いでいるのです」
「ス、スィー。素直に出すのだ」
それから少しすると、ふと忙しそうだったベルの口と手が止まった。
「あ、あれ? アモーレ?」
「申し訳ございません、少々お訊ねしたいことが。先日、オルランド様が、アヤメ殿下の危険日を気にしていらしたのをお見かけしたのですが」
「ああ、そのことか。結婚したと言っても、アヤメはまだ16だろう? いくら治癒魔法があると言っても、まだ身体が未熟で、子を産むには負担が大きすぎるからな。なるべくなら20歳を超えたくらいが望ましいのだ」
「やはりそういうことでしたか。では、コラード様の方が先になりそうですね」
と、ベルの口と手がまたせっせと仕事をする。
「なぁ、アモーレ……それと同じ理由からだぞ?」
ベルの栗色の瞳がフラヴィオの顔を見た。
「余がそなたの危険日に、そなたを抱くことをしない理由だ。そなたは初潮が来てから間もないのだから、尚のことだ。身体だって小さいし、最低でも20歳を超えることは絶対条件だ。そなたに何かあったらと考えると、余が怖いのだ。そなたとのあいだに子を作る気が無いとか、そういう理由からではない」
ベルの笑顔が見えた。
「愛している、アモーレ。余だって、本当はすぐにでも……って、あっ……アモモモモモモ――」
1分54秒だった。
――『力の王』が朝餉前の鍛錬を行うため4階の寝室から廊下に出ると、そこに自身と瓜二つの顔をしている弟――『力の王弟』と謳われる大公フェデリコ(満33歳)と、見た目からその力まで、もはや『人間卒業生』と囁かれる黒の巨人――親友のクエルチア侯アドルフォ(満33歳)の姿が見えた。
アドルフォの陰には、よく見たら常備軍――オルキデーア軍とプリームラ軍の内、前者に所属する大将アラブ(満29歳)もいた。
祖母に人型猫耳モストロのガット・ティグラートを持つ混血で、この国ではまだまだ貴重な魔法を使うことが出来る。
特徴は、父親がヴィルジネ国の人間で、それから譲り受けたらしい、一度見たら忘れられない濃い顔をしている。
「おはようございます」
と3人揃ってフラヴィオに会釈した後、アラブが問う。
「何をアモモモ騒いでいたんです?」
ガット・ティグラートは大変耳が利くもので、その血を引いているアラブは普通の人間よりも、遥かに耳が良い。
寝静まった夜間や、まだ将兵が中庭に軍事訓練に来ていない早朝には、ちょっと声が大きくなるとその耳に届いてしまう。
「アモーレが玄人過ぎて余は恥ずかしい。たしか百戦錬磨の酒池肉林王なのに」
「えと……」
興奮する度にそうであるように、アラブから鼻血が噴出する。
「おい」と、フラヴィオの拳がその頭上に降り注いだ。
「おまえ、何を想像している。ベルは国王の女だぞ」
「す、すみません、凄いものを想像しましたっ……!」
とアラブが自身の鼻に治癒魔法グワリーレを掛けて、破れた毛細血管を修復する。
「早くしろアラブ」
と、フェデリコとアドルフォの声がハモると、アラブはもう一度「すみません」と言った。
「では、本日はお時間も無いことですし、1階の浴場まで自分のテレトラスポルトで行きましょう」
と、テレトラスポルト――瞬間移動魔法で、1階の将兵・使用人たちの利用する浴場へ。
子供たち――王子とその従兄弟たち――がもう揃っていた。ほぼ毎朝そうであるように、ここで顔を洗い、歯を磨いている。
フラヴィオたちの姿に気付くと、洗顔中でも歯磨き中でも、浴槽に沈んで寝ぐせ直し中でも一旦中断。
「おはようございます!」
とフラヴィオに向かい、揃って頭を下げる。他3人とは、先ほど4階の廊下で挨拶を終えていた。
基本的にこの時間帯は、今ここにいる合計12人がこの浴場を使う。
しかし昼から夜にかけては、沢山の将兵や使用人も使うため、浴室には沢山の浴槽が並べられている。
その内のひとつをフラヴィオが指差して、一言「ぬるめ」と言うと、アラブが「スィー」と承知した。
すぐに魔法で、浴槽に『ぬるめ』の湯を溜めてやると、フラヴィオはさっきベルに着せてもらったばかりの寝間着をポイと投げ捨てる。
宙を舞った寝間着はフェデリコが受け止め、フラヴィオは豪快に浴槽に飛び込む。
湯の中で寝癖が取れ、洗顔を終えたら、金の髪を掻き上げながら「ぷはーっ」と顔を出す。
濡れた顔を手で拭い、あーんと口を開けると、今度は口の中に歯ブラシが入って来る。
「自分で磨いてくださいよ、まったく!」
とフェデリコが自身の歯を左手で、フラヴィオの歯を右手で磨く。
フラヴィオが愉快そうに笑った。
「ほまえはほんほーにひほうららぁ(おまえは本当に器用だなぁ)」
隣の浴槽では、王太子オルランド(満15歳)と第二王子コラード(満14歳)が同じことをやっている。
ただしこっちは反対で、フェデリコ似の性格をしている兄オルランドが、フラヴィオ似の性格をしている弟コラードの歯を磨いている。
「おまえもだ、馬鹿! いい加減に自分で磨け! 身体ばっかりデカくなって、中身はいつまでも幼児のままだな!」
「えー? ほれおほららよー(オレ大人だよー)?」
さらにその隣でも、第三王子レンツォ(満9歳)と第四王子ティート(満7歳)が同じことをやっている。
「もう、ティート! そろそろ自分でやってよぅ! ボクだって、まだ顔洗ってないんだよー?」
「れんとふへー(めんどくせー)」
また――今日はもう準備を終えたが――フェデリコの長男リナルド(満12歳)もフラヴィオ似の性格をしていて、フェデリコ似の弟2人――次男ガルテリオ(満10歳)と、三男エルネスト(満6歳)がよく2人掛かりで世話をしている。
毎朝穏やかな一家は、ガリバルディ親子――アドルフォとムサシ――だけだった。
アドルフォの長男であるムサシ(満10歳)は、王太子妃アヤメの弟で――つまり友好国レオーネ出身で、アドルフォの血の繋がっていない息子(養子)だ。
レオーネ人のペチャ可愛い顔に糸のように細い目、華奢な身体をしていて、バケモノじみて容貌魁偉のアドルフォとは誰が見ても親子には見えない。
でもその関係は、誰が何と言おうと親子だ。
「楽しみだな、身体測定」
「え? おとんは、まだ大きくなってるでござりまするか?」
「ああ、俺は鍛えれば鍛えるほど永遠にデカくなるだろうが、そうじゃない。俺は、おまえの成長が楽しみなのさ」
「拙者の? でも…拙者は、王子殿下たちに比べたら、小さいでござるから……」
「なんだ、気にしてるのか? おまえはおまえだ、気にするなムサシ。おまえはすでに、ここにいる誰よりも弓矢の腕を持っているだろう。俺はそれを自慢に想ってるんだ。おまえは将来、強い将軍になる。体格なんて気にするな」
「スィー、おとん!」
と嬉しそうな笑顔を見せたムサシを、アドルフォが片腕でひょいと抱き上げる。
「俺も格好良い父親でいるために、もっともっと鍛えてデカくなるからな」
「わー、拙者も楽しみでござる! おとんの成長!」
近くにいたアラブの口から、ぽーんと歯ブラシが飛んでいった。
「いや、ちょ……」
と突っ込みたいことを突っ込めないでいるうちに、国王から号令が掛かった。
「よーし、行くぞー」
宮廷オルキデーア城の最上階――4階にある、国王の寝室のベッドで目を覚ましたベル。
目前にある、国王フラヴィオ・マストランジェロ(満34歳)の胸に抱き付き、転がって、仰臥したその上に寝そべった。
「あーさーでーすーよー」
「うーん……?」
とフラヴィオは瞼を閉じたまま、ベルの栗色の頭を撫でる。夢現でも、まるっとしてお気に入りの後頭部はしっかり撫でる。
「なんか早くないか……? 今何時だ?」
「5時20分です」
それはいつもの起床より40分近く早く、フラヴィオは何故かと夢現の頭で黙考する。
結論が出たら急速に覚醒して、「ふふふ」とデレて転がり、ベルの上になる。まずは『おはようのキス』をした。
「昨夜もあんなに愛でたのに、まだ足りないのか? そうだな、危険日だから最後まで出来ないもんな。そりゃ物足りな――」
「身体測定です」
とベルに言葉を遮られると、「うん?」と一瞬小首を傾げたフラヴィオ。思い出した。
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「そうだった、早めに朝餉前の鍛錬を始めねばならぬのだった。ああ、しかし困ったな……」
と言ったら、ベルがまたぐるんと回転して上になった。
「2分で出します」
と、布団の中に潜っていく。言わずとも、お見通しらしい。
布団の中を覗くと、下半身の方に栗色の頭が見えた。敏感なところが刺激される。
「あの、アモーレ? 2分はちょっと恥ずかしいのだ……」
「朝餉前に天使軍も身体測定を終わらせなければならぬため、急いでいるのです」
「ス、スィー。素直に出すのだ」
それから少しすると、ふと忙しそうだったベルの口と手が止まった。
「あ、あれ? アモーレ?」
「申し訳ございません、少々お訊ねしたいことが。先日、オルランド様が、アヤメ殿下の危険日を気にしていらしたのをお見かけしたのですが」
「ああ、そのことか。結婚したと言っても、アヤメはまだ16だろう? いくら治癒魔法があると言っても、まだ身体が未熟で、子を産むには負担が大きすぎるからな。なるべくなら20歳を超えたくらいが望ましいのだ」
「やはりそういうことでしたか。では、コラード様の方が先になりそうですね」
と、ベルの口と手がまたせっせと仕事をする。
「なぁ、アモーレ……それと同じ理由からだぞ?」
ベルの栗色の瞳がフラヴィオの顔を見た。
「余がそなたの危険日に、そなたを抱くことをしない理由だ。そなたは初潮が来てから間もないのだから、尚のことだ。身体だって小さいし、最低でも20歳を超えることは絶対条件だ。そなたに何かあったらと考えると、余が怖いのだ。そなたとのあいだに子を作る気が無いとか、そういう理由からではない」
ベルの笑顔が見えた。
「愛している、アモーレ。余だって、本当はすぐにでも……って、あっ……アモモモモモモ――」
1分54秒だった。
――『力の王』が朝餉前の鍛錬を行うため4階の寝室から廊下に出ると、そこに自身と瓜二つの顔をしている弟――『力の王弟』と謳われる大公フェデリコ(満33歳)と、見た目からその力まで、もはや『人間卒業生』と囁かれる黒の巨人――親友のクエルチア侯アドルフォ(満33歳)の姿が見えた。
アドルフォの陰には、よく見たら常備軍――オルキデーア軍とプリームラ軍の内、前者に所属する大将アラブ(満29歳)もいた。
祖母に人型猫耳モストロのガット・ティグラートを持つ混血で、この国ではまだまだ貴重な魔法を使うことが出来る。
特徴は、父親がヴィルジネ国の人間で、それから譲り受けたらしい、一度見たら忘れられない濃い顔をしている。
「おはようございます」
と3人揃ってフラヴィオに会釈した後、アラブが問う。
「何をアモモモ騒いでいたんです?」
ガット・ティグラートは大変耳が利くもので、その血を引いているアラブは普通の人間よりも、遥かに耳が良い。
寝静まった夜間や、まだ将兵が中庭に軍事訓練に来ていない早朝には、ちょっと声が大きくなるとその耳に届いてしまう。
「アモーレが玄人過ぎて余は恥ずかしい。たしか百戦錬磨の酒池肉林王なのに」
「えと……」
興奮する度にそうであるように、アラブから鼻血が噴出する。
「おい」と、フラヴィオの拳がその頭上に降り注いだ。
「おまえ、何を想像している。ベルは国王の女だぞ」
「す、すみません、凄いものを想像しましたっ……!」
とアラブが自身の鼻に治癒魔法グワリーレを掛けて、破れた毛細血管を修復する。
「早くしろアラブ」
と、フェデリコとアドルフォの声がハモると、アラブはもう一度「すみません」と言った。
「では、本日はお時間も無いことですし、1階の浴場まで自分のテレトラスポルトで行きましょう」
と、テレトラスポルト――瞬間移動魔法で、1階の将兵・使用人たちの利用する浴場へ。
子供たち――王子とその従兄弟たち――がもう揃っていた。ほぼ毎朝そうであるように、ここで顔を洗い、歯を磨いている。
フラヴィオたちの姿に気付くと、洗顔中でも歯磨き中でも、浴槽に沈んで寝ぐせ直し中でも一旦中断。
「おはようございます!」
とフラヴィオに向かい、揃って頭を下げる。他3人とは、先ほど4階の廊下で挨拶を終えていた。
基本的にこの時間帯は、今ここにいる合計12人がこの浴場を使う。
しかし昼から夜にかけては、沢山の将兵や使用人も使うため、浴室には沢山の浴槽が並べられている。
その内のひとつをフラヴィオが指差して、一言「ぬるめ」と言うと、アラブが「スィー」と承知した。
すぐに魔法で、浴槽に『ぬるめ』の湯を溜めてやると、フラヴィオはさっきベルに着せてもらったばかりの寝間着をポイと投げ捨てる。
宙を舞った寝間着はフェデリコが受け止め、フラヴィオは豪快に浴槽に飛び込む。
湯の中で寝癖が取れ、洗顔を終えたら、金の髪を掻き上げながら「ぷはーっ」と顔を出す。
濡れた顔を手で拭い、あーんと口を開けると、今度は口の中に歯ブラシが入って来る。
「自分で磨いてくださいよ、まったく!」
とフェデリコが自身の歯を左手で、フラヴィオの歯を右手で磨く。
フラヴィオが愉快そうに笑った。
「ほまえはほんほーにひほうららぁ(おまえは本当に器用だなぁ)」
隣の浴槽では、王太子オルランド(満15歳)と第二王子コラード(満14歳)が同じことをやっている。
ただしこっちは反対で、フェデリコ似の性格をしている兄オルランドが、フラヴィオ似の性格をしている弟コラードの歯を磨いている。
「おまえもだ、馬鹿! いい加減に自分で磨け! 身体ばっかりデカくなって、中身はいつまでも幼児のままだな!」
「えー? ほれおほららよー(オレ大人だよー)?」
さらにその隣でも、第三王子レンツォ(満9歳)と第四王子ティート(満7歳)が同じことをやっている。
「もう、ティート! そろそろ自分でやってよぅ! ボクだって、まだ顔洗ってないんだよー?」
「れんとふへー(めんどくせー)」
また――今日はもう準備を終えたが――フェデリコの長男リナルド(満12歳)もフラヴィオ似の性格をしていて、フェデリコ似の弟2人――次男ガルテリオ(満10歳)と、三男エルネスト(満6歳)がよく2人掛かりで世話をしている。
毎朝穏やかな一家は、ガリバルディ親子――アドルフォとムサシ――だけだった。
アドルフォの長男であるムサシ(満10歳)は、王太子妃アヤメの弟で――つまり友好国レオーネ出身で、アドルフォの血の繋がっていない息子(養子)だ。
レオーネ人のペチャ可愛い顔に糸のように細い目、華奢な身体をしていて、バケモノじみて容貌魁偉のアドルフォとは誰が見ても親子には見えない。
でもその関係は、誰が何と言おうと親子だ。
「楽しみだな、身体測定」
「え? おとんは、まだ大きくなってるでござりまするか?」
「ああ、俺は鍛えれば鍛えるほど永遠にデカくなるだろうが、そうじゃない。俺は、おまえの成長が楽しみなのさ」
「拙者の? でも…拙者は、王子殿下たちに比べたら、小さいでござるから……」
「なんだ、気にしてるのか? おまえはおまえだ、気にするなムサシ。おまえはすでに、ここにいる誰よりも弓矢の腕を持っているだろう。俺はそれを自慢に想ってるんだ。おまえは将来、強い将軍になる。体格なんて気にするな」
「スィー、おとん!」
と嬉しそうな笑顔を見せたムサシを、アドルフォが片腕でひょいと抱き上げる。
「俺も格好良い父親でいるために、もっともっと鍛えてデカくなるからな」
「わー、拙者も楽しみでござる! おとんの成長!」
近くにいたアラブの口から、ぽーんと歯ブラシが飛んでいった。
「いや、ちょ……」
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