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「―――エル! ダニエル!」
どこか遠くの方から聞こえてきた幾度となく呼ぶ声が、ダニエルの頭の中を木霊する。
「んっ……うんん………。」
「……っ! 気が付いたのか!?」
呻くばかりで一向に目を開けないダニエルの頬をエイデンはペチペチと手の平で叩き、意識を取り戻させようとしていた。
「イツ……キ?」
「あぁ。良かった……。」
エイデンのおかげでやっと目を覚ましたものの体中がひどい痛みに襲われ、少ししか動かせないダニエルは眼球だけを左右にキョロキョロと動かして周りの状況を確認した。
「僕、は……。」
「何があったんだ? お前は確かフェラー二等曹長の天幕に居たはずだろう……。それがなんで………。」
エイデンは心配そうな面持ちで寝ているダニエルの顔を上から覗き込み、訊ねた。
戦場の野営地でいつも使う簡易ベッドの上に寝かされ、寝返りも打てない中で視界の中にはエイデンしか映らず、ここには二人きりなのだとダニエルは安堵した。
こんな状況下ではあってもオロオロと取り乱している伍長であるエイデンの姿を、誰かに見られやしまいかとダニエルはダニエルで心配していたのだ。
幼い頃からの古い馴染であり、今では一糸纏わぬ嘘偽りのない恰好で愛を確かめ合った特別な仲であるエイデンはダニエルのことだけを普段からも甘やかしていた。
そしてまだ伍長程度の地位であるので関わる人間も少なく周囲へそこまでの影響があるということはないものの、他の者に対しては厳しく接していて自分に対してとの態度の差をダニエルは感じていたのだ。
そういった風に気を許しているダニエル以外には弱みを見せない様にと常に気を張り、頑張っているのをダニエルは知っているが故に、こんな状況であっても人目を心配したのだろう。
「君らしくもない……そんなに慌てて。」
「だって、お前………。」
もしや死んだのではないかと危惧するほどの有様から漸く目を覚まし、微笑を浮かべて話しかけるダニエルの顔に少し気が緩んだのか、エイデンは目からジワリと涙を浮かべてダニエルの頭を抱える様にしてガバリと抱き着いた。
「ちょ……痛いよ。」
「すまん………。」
その一言に「生きていて良かった」という強い思いと安心感を感じた。
「ダニー……。」
「………。」
「その怪我は誰に……? もしや―――フェラー二等曹長なのか?」
「……うん。」
エイデンの耳元でだけ聞こえる様な小さな声で口から出た返事に、悔しいという思いからかダニエルの背中に廻していた手をグーにして握り締めた。
「上官からの求めにダニーが逆らったが故の事なのか?」
「―――違う。」
「じゃあ何で……。」
「僕の体を見て、無垢ではないからと………それが許せなかったみたいだよ。」
「そんなっ!!」
「忘却都市育ちで、軍人にまでなれた年頃なのに……ね。」
ダニエルがそう溢すには理由があった。
乳児期に行われた遺伝子検査で欠陥ありと認められた者は忘却都市に放り込まれるわけだが、女は少し事情が違っていた所為というのがあるからだ。
それというのも女の場合はある程度育てられ、器量好しとされた者に限っては避妊手術をした後に人格テストをして問題なければ特級国民らに性のオモチャ、奴隷として自由都市に売られていくので忘却都市で普段目にできるほど女は暮らしていない。
だから忘却都市にいるのはその殆どが男であり、生きていく為に街に来た軍人らに幼い子供のうちから体を売って見返りに食べ物を得ようと性の発芽もしてない身で男娼になった者だって多く存在する世の中なのだ。
「お前はキレイな顔をしていたが運よく悪い大人にも捕まらなかったから『売る』ことを覚えなかったし、俺たちのグループに入って隠れて皆で協力して住んでたからな……。」
「うん……。本当に運が良かった………。ギリギリではあったけど、何とか命を繋げるだけの食べ物は盗んだりして、手に入れることができてたから僕はこの年齢まで『知らなかった』し―――。」
「そんな……そんなまだ純粋なダニーを―――よくもっ……!」
「樹……。仕方ない。仕方ないよ……。僕らは軍人で、ここは戦場だ。どんなにねじくれた奴であっても、上官の命令には絶対なんだから――。」
「フェラー二等曹長にダニーが呼び出しを受けたと知った時は、気に入れられればもしや早くも昇進かと期待をして喜んでいた自分が許せないっ……!」
そう言ってエイデンはグッと力を入れて目を閉じた。
「もう忘れよう……忘れようよ、樹。下っ端の僕たちには何もできない。抗えないことなんだから。」
「すまん……。」
「体だってさ、暫く寝ていればそれなりに回復して動ける様にはなるだろうし……。それに上官と閨を共にして気に入れられなければ昇進できることはどの道ないんだから……これで良かったんだよ。」
「えっ……?」
「僕はね、どんなに酷いことをされようとも、やっぱり樹以外には抱かれたくないなって実感したんだ……。命令には絶対に逆らってはいけないんだって何も考えない様にしていたけども………こんな目にあった後にだけど僕には心を殺すことは無理だと分かったよ。」
「ダニー―――!」
その告白に樹は抱きしめていた腕を緩めてダニエルの名前を愛おし気に呼ぶと、告白にこたえるが如く自然と唇はダニエルの唇に吸い込まれてゆく。
樹も最初は軽いキスだけで終わるつもりであった。
しかし自然と重ねられた唇は互いを燃え上がらせ、戦場という場所である背景と怒りで昂って不安定となった精神が拠り所を求めて興奮度合を高め、濃厚に求め合った。
「エイデン伍長。ダニエルの様子はどうですか? 目は覚ましましたか?」
キスに夢中になっている最中、天幕の入り口からエイデンを呼ぶ声が聞こえて二人はハッとなって顔を離し、現実に引き戻された。
「あっ、あぁ。今目を覚ました所だ。怪我の状態が酷くて暫く動けそうもないが……寝ていればその内に治るだろうと本人が言っているから心配はなさそうだ。」
「良かったぁ! とりあえず今日はもう寝るだけなんで、何か用事があったら呼んでくださいね。エイデン伍長と同じこの天幕で寝るはずだった他の伍長らは他の天幕に移動したのでご安心ください。では………。」
大怪我で意識を失って倒れていたダニエルを心配して様子を窺いにきた同期の隊員は天幕の外からそれだけ報告すると、ザッザッザッと遠ざかっていく足音が聞こえた。
「行った……みたいだね。」
「あぁ……うん。そうだな。」
二人は顔を赤くして目をそらし、照れからか間には暫しの沈黙と気まずい空気が流れた。
その中でふいにチラリと互いが互いを盗み見る様に目をやると偶然にも目が合い、それを皮切りにエイデンから口を開いた。
「その……すまんかったな。お前が大怪我をしているのにちょっと暴走しちまった。」
頭の後ろを片手でポリポリと掻き、樹は申し訳なさそうな表情をダニエルに向けてタハハと笑いかけた。
「いや、僕も……。」
「続きは今度……なっ。怪我が治るか落ち着いてからにするか―――。」
「そうだね。でも―――我慢、できるかな?」
ダニエルはそう言ってフフッと悪戯っ子の様に笑って返した。
「今日は一先ず寝よう。戦場だからゆっくりとはいかんが……。」
「おやすみ。」
「おやすみ。ダニー―。」
樹はダニエルに毛布を掛けると額にキスをして挨拶を返し、隣に置かれたもう一つの簡易ベッドに体を横たえて顔をダニエルの方に向けたまま眠りについた。
翌日、陽が昇ると共に戦端は開かれた。
エイデンは今は動けずに野営地に留まるしかないダニエルの身を気にかけ、ダニエルは正に戦いの場に立ち命を賭けて敵軍と剣を交えているエイデンの身を案じており、互いに互いを心に抱き、離れていても心は一つの所にあった。
エイデンはダニエルの分もと、いつもより多くの戦果を挙げる為に前へ前へと敵陣の方へと歩みを進める。
「ダニー……必ず俺が―――。」
この時代に置いての戦争は火薬武器を使うものではない。
火薬武器……つまりは銃や大砲などでは弾という資源が無限に必要であり、分厚い氷と触れれば一瞬で凍りつくとされるブリザードによって人間の活動領域が狭められ、食料だけでなくその他の様々な資源さえも乏しくなってきたこの時代においては現実的な物では既になくなっていた。
世の為政者たちや特権階級である者らは何よりもこれ以上は無下に自然を壊したくはないという思いで全世界が一致していた。
故に旧時代にあった戦争の如くに手に剣を持ち、槍を持ち……馬に跨いで駆けたり、低位の兵であれば自分の足を使って走り回り、自らの肉体を敵に直接ぶつけて戦うのだった。
エイデンも戦争を生き抜く為に鍛え上げた己の肉体で敵と対峙していた。
誰にも討たれまいと大剣の柄を強く握り締め、更に支給品である冷気から守る為に分厚く作られた軍服はかなり動きにくく動きが制限されるがそれをものともせずに、軽やかに大剣を振るって次々と敵を倒すエイデンの姿にはダニエルへの強い愛が込められていた。
今回が初陣であるにも拘わらず初日に少し参加しただけであり、その夜に閨に呼ばれた先で上官の不興を買って大怪我を負わされ、寝たきりとなってしまったダニエル……。
このままでは今回の戦争が終了するまでほぼ寝たきりの状態となることが想像に難くなく、何の戦果も挙げれず、また上官を閨で満足させることもできず、何の結果も出せないまま終わるという事は配給品の食料も僅かばかりの金も何も手に入れることができないという事を示唆していた。
そんなダニエルを想って二人分の稼ぎを出そうとエイデンは奮闘する。
ダニエルよりも上の階級ではあるが、それでもまだまだ下っ端である伍長という地位では一人二人倒したぐらいじゃ全然稼ぎにならず、より多くより地位の高い者を討とうと真っ直ぐに猛進していくのだった。
どこか遠くの方から聞こえてきた幾度となく呼ぶ声が、ダニエルの頭の中を木霊する。
「んっ……うんん………。」
「……っ! 気が付いたのか!?」
呻くばかりで一向に目を開けないダニエルの頬をエイデンはペチペチと手の平で叩き、意識を取り戻させようとしていた。
「イツ……キ?」
「あぁ。良かった……。」
エイデンのおかげでやっと目を覚ましたものの体中がひどい痛みに襲われ、少ししか動かせないダニエルは眼球だけを左右にキョロキョロと動かして周りの状況を確認した。
「僕、は……。」
「何があったんだ? お前は確かフェラー二等曹長の天幕に居たはずだろう……。それがなんで………。」
エイデンは心配そうな面持ちで寝ているダニエルの顔を上から覗き込み、訊ねた。
戦場の野営地でいつも使う簡易ベッドの上に寝かされ、寝返りも打てない中で視界の中にはエイデンしか映らず、ここには二人きりなのだとダニエルは安堵した。
こんな状況下ではあってもオロオロと取り乱している伍長であるエイデンの姿を、誰かに見られやしまいかとダニエルはダニエルで心配していたのだ。
幼い頃からの古い馴染であり、今では一糸纏わぬ嘘偽りのない恰好で愛を確かめ合った特別な仲であるエイデンはダニエルのことだけを普段からも甘やかしていた。
そしてまだ伍長程度の地位であるので関わる人間も少なく周囲へそこまでの影響があるということはないものの、他の者に対しては厳しく接していて自分に対してとの態度の差をダニエルは感じていたのだ。
そういった風に気を許しているダニエル以外には弱みを見せない様にと常に気を張り、頑張っているのをダニエルは知っているが故に、こんな状況であっても人目を心配したのだろう。
「君らしくもない……そんなに慌てて。」
「だって、お前………。」
もしや死んだのではないかと危惧するほどの有様から漸く目を覚まし、微笑を浮かべて話しかけるダニエルの顔に少し気が緩んだのか、エイデンは目からジワリと涙を浮かべてダニエルの頭を抱える様にしてガバリと抱き着いた。
「ちょ……痛いよ。」
「すまん………。」
その一言に「生きていて良かった」という強い思いと安心感を感じた。
「ダニー……。」
「………。」
「その怪我は誰に……? もしや―――フェラー二等曹長なのか?」
「……うん。」
エイデンの耳元でだけ聞こえる様な小さな声で口から出た返事に、悔しいという思いからかダニエルの背中に廻していた手をグーにして握り締めた。
「上官からの求めにダニーが逆らったが故の事なのか?」
「―――違う。」
「じゃあ何で……。」
「僕の体を見て、無垢ではないからと………それが許せなかったみたいだよ。」
「そんなっ!!」
「忘却都市育ちで、軍人にまでなれた年頃なのに……ね。」
ダニエルがそう溢すには理由があった。
乳児期に行われた遺伝子検査で欠陥ありと認められた者は忘却都市に放り込まれるわけだが、女は少し事情が違っていた所為というのがあるからだ。
それというのも女の場合はある程度育てられ、器量好しとされた者に限っては避妊手術をした後に人格テストをして問題なければ特級国民らに性のオモチャ、奴隷として自由都市に売られていくので忘却都市で普段目にできるほど女は暮らしていない。
だから忘却都市にいるのはその殆どが男であり、生きていく為に街に来た軍人らに幼い子供のうちから体を売って見返りに食べ物を得ようと性の発芽もしてない身で男娼になった者だって多く存在する世の中なのだ。
「お前はキレイな顔をしていたが運よく悪い大人にも捕まらなかったから『売る』ことを覚えなかったし、俺たちのグループに入って隠れて皆で協力して住んでたからな……。」
「うん……。本当に運が良かった………。ギリギリではあったけど、何とか命を繋げるだけの食べ物は盗んだりして、手に入れることができてたから僕はこの年齢まで『知らなかった』し―――。」
「そんな……そんなまだ純粋なダニーを―――よくもっ……!」
「樹……。仕方ない。仕方ないよ……。僕らは軍人で、ここは戦場だ。どんなにねじくれた奴であっても、上官の命令には絶対なんだから――。」
「フェラー二等曹長にダニーが呼び出しを受けたと知った時は、気に入れられればもしや早くも昇進かと期待をして喜んでいた自分が許せないっ……!」
そう言ってエイデンはグッと力を入れて目を閉じた。
「もう忘れよう……忘れようよ、樹。下っ端の僕たちには何もできない。抗えないことなんだから。」
「すまん……。」
「体だってさ、暫く寝ていればそれなりに回復して動ける様にはなるだろうし……。それに上官と閨を共にして気に入れられなければ昇進できることはどの道ないんだから……これで良かったんだよ。」
「えっ……?」
「僕はね、どんなに酷いことをされようとも、やっぱり樹以外には抱かれたくないなって実感したんだ……。命令には絶対に逆らってはいけないんだって何も考えない様にしていたけども………こんな目にあった後にだけど僕には心を殺すことは無理だと分かったよ。」
「ダニー―――!」
その告白に樹は抱きしめていた腕を緩めてダニエルの名前を愛おし気に呼ぶと、告白にこたえるが如く自然と唇はダニエルの唇に吸い込まれてゆく。
樹も最初は軽いキスだけで終わるつもりであった。
しかし自然と重ねられた唇は互いを燃え上がらせ、戦場という場所である背景と怒りで昂って不安定となった精神が拠り所を求めて興奮度合を高め、濃厚に求め合った。
「エイデン伍長。ダニエルの様子はどうですか? 目は覚ましましたか?」
キスに夢中になっている最中、天幕の入り口からエイデンを呼ぶ声が聞こえて二人はハッとなって顔を離し、現実に引き戻された。
「あっ、あぁ。今目を覚ました所だ。怪我の状態が酷くて暫く動けそうもないが……寝ていればその内に治るだろうと本人が言っているから心配はなさそうだ。」
「良かったぁ! とりあえず今日はもう寝るだけなんで、何か用事があったら呼んでくださいね。エイデン伍長と同じこの天幕で寝るはずだった他の伍長らは他の天幕に移動したのでご安心ください。では………。」
大怪我で意識を失って倒れていたダニエルを心配して様子を窺いにきた同期の隊員は天幕の外からそれだけ報告すると、ザッザッザッと遠ざかっていく足音が聞こえた。
「行った……みたいだね。」
「あぁ……うん。そうだな。」
二人は顔を赤くして目をそらし、照れからか間には暫しの沈黙と気まずい空気が流れた。
その中でふいにチラリと互いが互いを盗み見る様に目をやると偶然にも目が合い、それを皮切りにエイデンから口を開いた。
「その……すまんかったな。お前が大怪我をしているのにちょっと暴走しちまった。」
頭の後ろを片手でポリポリと掻き、樹は申し訳なさそうな表情をダニエルに向けてタハハと笑いかけた。
「いや、僕も……。」
「続きは今度……なっ。怪我が治るか落ち着いてからにするか―――。」
「そうだね。でも―――我慢、できるかな?」
ダニエルはそう言ってフフッと悪戯っ子の様に笑って返した。
「今日は一先ず寝よう。戦場だからゆっくりとはいかんが……。」
「おやすみ。」
「おやすみ。ダニー―。」
樹はダニエルに毛布を掛けると額にキスをして挨拶を返し、隣に置かれたもう一つの簡易ベッドに体を横たえて顔をダニエルの方に向けたまま眠りについた。
翌日、陽が昇ると共に戦端は開かれた。
エイデンは今は動けずに野営地に留まるしかないダニエルの身を気にかけ、ダニエルは正に戦いの場に立ち命を賭けて敵軍と剣を交えているエイデンの身を案じており、互いに互いを心に抱き、離れていても心は一つの所にあった。
エイデンはダニエルの分もと、いつもより多くの戦果を挙げる為に前へ前へと敵陣の方へと歩みを進める。
「ダニー……必ず俺が―――。」
この時代に置いての戦争は火薬武器を使うものではない。
火薬武器……つまりは銃や大砲などでは弾という資源が無限に必要であり、分厚い氷と触れれば一瞬で凍りつくとされるブリザードによって人間の活動領域が狭められ、食料だけでなくその他の様々な資源さえも乏しくなってきたこの時代においては現実的な物では既になくなっていた。
世の為政者たちや特権階級である者らは何よりもこれ以上は無下に自然を壊したくはないという思いで全世界が一致していた。
故に旧時代にあった戦争の如くに手に剣を持ち、槍を持ち……馬に跨いで駆けたり、低位の兵であれば自分の足を使って走り回り、自らの肉体を敵に直接ぶつけて戦うのだった。
エイデンも戦争を生き抜く為に鍛え上げた己の肉体で敵と対峙していた。
誰にも討たれまいと大剣の柄を強く握り締め、更に支給品である冷気から守る為に分厚く作られた軍服はかなり動きにくく動きが制限されるがそれをものともせずに、軽やかに大剣を振るって次々と敵を倒すエイデンの姿にはダニエルへの強い愛が込められていた。
今回が初陣であるにも拘わらず初日に少し参加しただけであり、その夜に閨に呼ばれた先で上官の不興を買って大怪我を負わされ、寝たきりとなってしまったダニエル……。
このままでは今回の戦争が終了するまでほぼ寝たきりの状態となることが想像に難くなく、何の戦果も挙げれず、また上官を閨で満足させることもできず、何の結果も出せないまま終わるという事は配給品の食料も僅かばかりの金も何も手に入れることができないという事を示唆していた。
そんなダニエルを想って二人分の稼ぎを出そうとエイデンは奮闘する。
ダニエルよりも上の階級ではあるが、それでもまだまだ下っ端である伍長という地位では一人二人倒したぐらいじゃ全然稼ぎにならず、より多くより地位の高い者を討とうと真っ直ぐに猛進していくのだった。
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