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第1部 家出・同居編
21.心労で倒れた!
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4月も終わりごろになり、連休が近づいて来た。午後一番の打ち合わせ中に学校から電話が入った。未希が体育の授業中に倒れたとのことだった。
大事を取って近くの病院に入院したと言うので、すぐに病院に駆けつけた。未希の母親が職場で倒れて急死したことを知っていたので、心配でたまらなかった。未希は病室で寝ていた。
「どうした、心配したぞ」
「ごめんなさい。体育の授業中に急にめまいがして倒れたみたいです。気が付くとここにいました。もう大丈夫です」
「大丈夫じゃない。しばらく安静にしていないと」
暫く病室にいると主治医の女医さんがやってきて説明してくれた。これまでの診察の結果は悪いところが見つかっていないが、これから念のため、精密検査をするという。結果次第だが、何もなければ明日退院できるとのことだった。
一晩の入院が決まったので、とりあえず未希の洗面用具と着替えを取りにアパートに帰った。そして入院が長くなっても大丈夫なように下着も多めに持って来た。病院に着くと精密検査はすべて終わっていた。
明日10時に検査の結果を知らせるから、保護者に立ち会ってほしいとのことだった。それから石田先生が見舞いに来てくれて、入院などの諸費用は学校で入っている保険で支払われるから安心しているように言われたそうだ。未希は検査の結果を気にしていたが、大丈夫だからと励ました。内心、俺も母親のことがあるので心配していた。
次の日、俺は休暇を取って、未希の診断結果を聞きに立ち合った。診断の結果、特に異常は見つからなかった。恐らく父親が亡くなった心労によるのではないかと言われた。
退院しての帰り道で、未希に聞いたが、毎日放課後に父親の家に寄って遅くまで後片付けをしていたそうだ。アパートに帰って来るのは7時ごろだったとか、心身共に疲れていたのだろう。
未希は物心がついた時は、もうあのアパートに暮らしていたそうだ。だから、両親との生活の思い出があって去りがたくて、毎日後片付けに通っていたという。思い出の場所を離れなければならない寂しさは良く分かる。
俺も住み慣れた土地を離れて、大学の卒業と同時に東京へ出てきた。地方では就職先が少ないからしかたがなかった。両親は俺が高校2年の時に自動車事故で他界し、その後は祖父母が面倒を見てくれた。
祖父は定年で年金生活をしていたが、俺のために再就職をして大学へ進学させてくれた。自宅から通学できたので費用も最小限で済んだ。俺もアルバイトをして生活費を補った。大学4年の時に祖父が心筋梗塞で亡くなって、まもなく祖母も後を追った。誰もいなくなった祖父母の家はそのまま残してある。
未希には母親が過労で急死したこともあり、過労にならないようにアルバイトにも気を付けるように強く言っておいた。そして、俺の照れもあって、未希への貸を身体で返してもらえなくなるから困ると言った。未希がいなくなると寂しいとは言えなかった。未希は笑って頷いていた。
4月末までに未希は父親の家の片づけを終えた。それまで未希の身体のことを考えて、俺は夜に未希を可愛がるのを控えた。連休があるからそのときに存分にと思った。
大事を取って近くの病院に入院したと言うので、すぐに病院に駆けつけた。未希の母親が職場で倒れて急死したことを知っていたので、心配でたまらなかった。未希は病室で寝ていた。
「どうした、心配したぞ」
「ごめんなさい。体育の授業中に急にめまいがして倒れたみたいです。気が付くとここにいました。もう大丈夫です」
「大丈夫じゃない。しばらく安静にしていないと」
暫く病室にいると主治医の女医さんがやってきて説明してくれた。これまでの診察の結果は悪いところが見つかっていないが、これから念のため、精密検査をするという。結果次第だが、何もなければ明日退院できるとのことだった。
一晩の入院が決まったので、とりあえず未希の洗面用具と着替えを取りにアパートに帰った。そして入院が長くなっても大丈夫なように下着も多めに持って来た。病院に着くと精密検査はすべて終わっていた。
明日10時に検査の結果を知らせるから、保護者に立ち会ってほしいとのことだった。それから石田先生が見舞いに来てくれて、入院などの諸費用は学校で入っている保険で支払われるから安心しているように言われたそうだ。未希は検査の結果を気にしていたが、大丈夫だからと励ました。内心、俺も母親のことがあるので心配していた。
次の日、俺は休暇を取って、未希の診断結果を聞きに立ち合った。診断の結果、特に異常は見つからなかった。恐らく父親が亡くなった心労によるのではないかと言われた。
退院しての帰り道で、未希に聞いたが、毎日放課後に父親の家に寄って遅くまで後片付けをしていたそうだ。アパートに帰って来るのは7時ごろだったとか、心身共に疲れていたのだろう。
未希は物心がついた時は、もうあのアパートに暮らしていたそうだ。だから、両親との生活の思い出があって去りがたくて、毎日後片付けに通っていたという。思い出の場所を離れなければならない寂しさは良く分かる。
俺も住み慣れた土地を離れて、大学の卒業と同時に東京へ出てきた。地方では就職先が少ないからしかたがなかった。両親は俺が高校2年の時に自動車事故で他界し、その後は祖父母が面倒を見てくれた。
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未希には母親が過労で急死したこともあり、過労にならないようにアルバイトにも気を付けるように強く言っておいた。そして、俺の照れもあって、未希への貸を身体で返してもらえなくなるから困ると言った。未希がいなくなると寂しいとは言えなかった。未希は笑って頷いていた。
4月末までに未希は父親の家の片づけを終えた。それまで未希の身体のことを考えて、俺は夜に未希を可愛がるのを控えた。連休があるからそのときに存分にと思った。
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