突然、お隣さんと暮らすことになりました~実は推しの配信者だったなんて!?~

ミズメ

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第三章 めざすは運動会!

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 六時間目、わたしはこっそり希望通りの園芸委員を勝ち取ることができた。
 夏休みにも登校して花の水やりをしないといけないので、実は人気がない。
 でもわたしはお花の水やりは一人で黙々とできるから好きだ。
最初の委員会は来週の火曜日。
これから毎週火曜日は定期的に委員の集まりがある。
――来週、みんなで役職を決めるらしいけど……前に出る係になりませんように!
 人前に出るのはまだ恥ずかしい。
 だけど、猫背はなんとか改善しようと頑張っている。
 まだまだ縮こまってしまうけど。
「ひなちゃん、今日も途中まで帰ろうよぉ~!」
「あ、うん……!」
 帰りの会まで終わったところで結愛ちゃんに誘われて、わたしたちは下駄箱へと移動した。
 帰りの会のあと、千明くんたちは女の子たちに囲まれているみたいだったけど、大丈夫だったのだろうか。
 それに結愛ちゃんも、そのグループの事は気にも留めずにさっさとこうして帰ろうとしている。
 こうして結愛ちゃんが一緒に帰ってくれて、わたし的にはとっても嬉しい。
 レンガ模様の通学路を二人で並んで歩く。
 足元を見て歩いていたら、小さいピンクのお花が咲いていてうれしくなった。
「てゆーか、みんなして千明くんにむらがっちゃってさぁ~。あの子らみんな踊れてたじゃんねぇ、フツーに!」
「そう……だったの、かな。わたし、自分のことでいっぱいいっぱいで分からなくて」
「や、まあ、確かにひなちゃんはできてなかったけど」
「うっ、そうだよね」
 結愛ちゃんの言葉がグサッとささる。
 やっぱりわたしの図体が大きいから目立ってしまうのかな。
 ランドセルの肩紐を掴んでしょんぼりするわたしに、結愛ちゃんは「ねぇ!」と声をかける。
「私、ダンススクールに通ってるからわかるんだけど、ああいう時って恥ずかしがってモジモジしてる方が逆に目立つから」
「えっ、そうなの……?」
「上手い下手とかじゃなくて、あとは表情。笑顔で踊ると印象いいんだよぉ」
「そうなんだ。じゃあわたし、今のままでも目立ってる……?」
「うん」
 結愛ちゃんはキッパリとうなずく。
 そうだったのか。
 身を縮めていたらあんまり目立たないと思っていたけど、大きな身体でもじもじしてると余計にダメだったのかぁ……!
 あれ、でも。
「結愛ちゃん、ダンススクールに通ってるなら、千明くんのレッスンはいらないんじゃ……」
「あっ!! あはは、お姉ちゃんの話、ダンススクールに通ってるオネエチャンから聞いた話ダヨ~!」
 そう言い切ると、結愛ちゃんはアハハと笑いながら「今日は暑いねぇ……」と空をあおいだ。
 真似をしてわたしも空を見上げる。
 カレンダーの上ではまだ春に分類されるはずなのに、日差しがジリジリと暑い。
「本当、暑いねえ」
「……運動会、そんなに暑くないといいな~ゼッタイ日焼けしたくないしっ」
「わたしもそう思う」
「じゃ、バイバイひなちゃん」
「うん、またね」
 あっという間に横断歩道の前だ。
 わたしは結愛ちゃんに手を振って、自宅を目指す。
 ポテポテと歩きながらふと気がつく。
 そういえば、結愛ちゃんと話している間に身長のこと考えなかったな……!
 前は、こういう風にかわいい大きさになりたい、とか。
 かわいいお洋服が着たい、とか。
 わたしの中は羨ましいでいっぱいだったのに。
 もちろん羨ましい気持ちはあるし、いまでも身長の事は気になるけど……!
「……でも、それはそれとしてダンス頑張らないと」
 結愛ちゃんとの話で、頑張って踊ろうが恥ずかしがって縮こまっていようが、結局すごく目立ってしまうということが分かった。
「だったら、上手になりたい……」
 そうと決まれば帰って早速ダンスの練習だ。
 運動会の時にはお母さんも戻ってこれるし、お父さんももしかしたら来ることができるかもって言っていたもん……!
 はやく帰ってがんばろう。
 わたしはなんだかとても前向きな気持ちになって、残りの距離を走って帰った。
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