14 / 512
記念小話やSS
【季節ネタSS】ハッピーハロウィン!《後編》
しおりを挟む
◇
「・・・それで?もう体調は良くなったのかな?サーヤ☆」
「・・・モウダイジョウブデス・・・」
結局、寝室でエルにしっかりと“えっちないたずら”をされたあたしは、ハロウィンパーティーの言い出しっぺにもかかわらず、準備を皆に任せきりでハロウィンパーティーに途中から参加というとても申し訳ない状況になっていた。
もうっ!おねだりしたあたしもあたしだけど、気を失うまで激しくするエルもどうかと思うっ!!
エルは、あたしが眠った後アレク兄様と料理の準備に取り掛かってくれたので、パーティー用の料理は問題なし。
そして、飾りつけはセイルを中心として妖精さん達がカボチャをくり抜いてランタンを作ってくれたり、花で飾りつけしたり魔法でライトアップしたりと素晴らしい働きをしてくれていた。
エルは準備をしている皆に、“サーヤはちょっと体調が悪いようだから眠らせてきた”と伝えてくれたみたい。
・・・それなのに、冒頭のように明らかにナニかを含んだ言い方をしてくるセイル・・・
これは完全にバレてるよね・・・
どうして?
寝室の結界はしっかり機能してるって言ってたのにっ!!!
「サーヤ、別に寝室でのアレコレがわからなくても、昼間と違って襟元まであるシャツを着てる時点で“隠したいモノ”があるのは誰でもわかるよ☆・・・ま、いくつか隠しきれてないみたいだけど♪」
「!!!!」
「あはは☆うそうそ♪ちゃんと隠れてるから安心しなよ。サーヤがわかりやすい反応するからすぐバレるんだよ☆」
「・・・セイルのいじわる・・・」
「あ~あ、妖精達は一番最初にサーヤに完成した飾りを見欲しかったのにねぇ・・・」
「だぁぁぁぁっ!!申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
この後、セイルに通訳してもらいながら妖精さん達に全力で謝罪と感謝の気持ちを伝え、魔法袋に入れてあるエル用の大量に作ったプリンやクッキーを渡した。
セイルには「妖精まで餌付けするのはサーヤくらいだ☆」ってものすごく笑われたけど、別に餌付けをしたいんじゃなくて、あたしがあげれるモノがこういうお菓子しかないだけなのに・・・解せぬ。
◇
妖精さん達による素晴らしい飾り付けがされた庭は、あたしとエルの結婚式の時みたいにテーブルに様々な料理が並べられ、各々好きなモノを好きなだけ食べる立食パーティー形式となっていた。
かぼちゃのグラタンや、エル特製のミートパイ、アレク兄様特製のシチューや、カルステッドさん達が王都で買ってきてくれたオードブルやお酒などがテーブルに所狭しと並べられ、カルステッドさんやリンダやアルマさんが皆に取り分けたりと補助に入ってくれている。
もちろんデザートも、カットした果物やかぼちゃプリン、ケーキやクッキーなどなど充実している。
食べきれなければ持ち帰ってもらうか、魔法袋に入れておけば良いので料理がたくさんあり過ぎて困ることはないのだ。
あたしは妊婦ということで、ウッドデッキにクッションを敷き詰めた場所が定位置となり、手足を冷やさないようブランケットがかけられている。
体調が悪かったという言葉を信じた双子やミナトちゃん達が、料理を持ってきてくれたりあたしのそばで一緒に食べてくれたりと至れり尽くせりなのでものすごく申し訳ない気持ちでいっぱいである。
「あら~ん♡今日は皆可愛い恰好してるじゃないのん♡♡レオン、サクラ、いらっしゃいな♡ぎゅ~してあげるわよん♡♡」
「ふふっ、ミナトは可愛い魔女なのね」
「カイトの海賊も強そうなイイ男に見えるぞ」
マデリーヌさん、ノルンさん、フランさんが転移魔法で庭に現れた。
“ハロウィンという仮装パーティーですよ”と伝えていたため、華美過ぎないドレスに仮面という大人な仮装をしている。
三人共色気が半端ないです・・・
「「リーたんだ~♪ぎゅぅ~~っ」」
「ふふ♪ちゃんとつえもあるのよ~」
「僕は“強そう”じゃなくて、前よりも強くなったよ。・・・フランから見たらまだまだかもしれないけど」
呼ばれるままマデリーヌさんに飛びつくレオンとサクラ、前よりも少しだけ大人っぽくなったミナトちゃんに、この中で完全に“お兄ちゃん”という位置が定着したカイトくん。
双子と一緒に少しずつ見た目も中身も大人になっているのがわかる二人は、本当にレオンやサクラの兄妹みたいで、あたしやエルにとっても家族同然の存在となっている。
・・・本当なら、このメンバーにはもう一人かけがえのない存在がいるんだけど・・・
「・・・ベルナートさん、今日は来れないのかな・・・?」
あたしとエルの結婚式の日に、あたしに告白とプロポーズをしてきた闇の精霊王であるベルナートさん。
以前と変わらず加護は与えてくれているけど、直接面と向かって話す機会はぐっと減ってしまった。
ベルナートさんを受け入れなかったのはあたしだ。仕方ないじゃない・・・
いつもと変わらない皆との賑やかな時間なのに、少しだけ変わってしまったあたしとベルナートさんの関係。
後悔してるわけじゃないけど、やっぱりどこか切なくて、申し訳なくて・・・
気にしてるのはあたしだけかもしれないけど、寂しいなんて思うのはお門違いだけど、やっぱりモヤモヤする気持ちが今でも少しだけ残っていた。
皆で楽しく過ごしている場所なのに、一人で勝手に考えて涙が出そうになる。
幸い、妊娠中はいつもより感情の起伏が激しくて涙腺が緩いから、もし気付かれてもそのせいにできるのはありがたい。
まだ誰にも気づかれてないみたいだから、ブランケットで顔を隠して涙を拭おうとしたらその前に誰かの手があたしの涙を拭った。
「サーヤ、大丈夫?まだ具合悪いんじゃない?」
「・・・ベル、ナートさ・・・」
「ごめんね。仮装って言われてもどんな格好して良いかわからなくて、いつもとあまり変わらない格好になっちゃった。・・・サーヤはウサギなんだね。ふふっ、可愛いなぁ」
「・・・~~~~~~~~~~っ」
目の前にいるベルナートさんが、以前と変わらず優しく微笑みかけてくれたのが嬉しくて、話しかけられただけなのに涙がボロボロ溢れてきた。
「えぇ?!ちょっ、サーヤ??!!」
「あ~~~~~っ!!べう、ままいじめちゃ、めっなのよ!!!」
「へ?サクラ??・・・いや、俺はサーヤをいじめたりなんて・・・」
「わるいこは、おちおきなんだよっ!!ていっ」
「ちょっ!レオンっ、痛いってば!!誤解っ、誤解だからっ!!ほら、サーヤも違うって言ってよ~~~」
ベルナートさんがあたしを泣かせたと勘違いしたレオンとサクラは、ベルナートさんに飛び掛かってポカポカと叩いている。せっかくセットした髪の毛も引っぱってボロボロになってしまい、さすがに申し訳なくなってきた。
「レオン、サクラ、あたしはベルナートさんにいじめられたわけじゃないの。だからもうやめて。そして、ベルナートさんに謝ろうね」
「「・・・ままと、あかちゃん、いたくない?」」
「ん、大丈夫だよ。ままね、ベルナートさんが来てくれたのが嬉しくて泣いちゃったの。・・・心配させてごめんね」
「サーヤ・・・」
少し驚いた顔をしたベルナートさんに、双子が姿勢を正してぺこりと謝罪した。
「「べう・・・ごめちゃい」」
「うん、気にしなくて良いよ。レオンやサクラは、ママを守ろうと思ったんだもんね。えらいえらい」
「えへへ♪」
「あ、べうっ!くーね、おいちーの、もってきてあげゆ♪」
「くー、ぼくもいく!」
双子達はお詫びにと、ベルナートさんのために料理をもらいにててて――――っと仲良く走っていった。
そんな双子を見ていたら、優しい手があたしの涙を拭い、温かい温もりがあたしの身体を包み込んだ。
「サーヤってば、ホントに泣き虫なんだから・・・俺にとってサーヤは特別だって言ったでしょ?」
「ベルナートさん・・・」
「だいじょうぶよ。なにがあっても、あたしたちは、サーヤままがだいすきで、サーヤままのみかたなの」
「ミナト、ちゃ・・・」
「そうだよ。僕達は、おねーさんを中心にした世界が特別で、大好きで、護りたいと思う気持ちに変わりはないんだ」
「カイトくん、まで・・・」
皆がどこまで知ってるのか分からないけど、少なくともこの温かくて優しい皆の気持ちは本物なんだとわかる。
「サーヤがいたから、今俺達はココにいるんだ。皆、サーヤの笑顔が大好きなんだよ。・・・だから、いつもみたいに笑って、可愛い笑顔を見せて?」
「・・・っ」
嬉しくて笑いたいのに、泣き顔じゃなくて笑顔を見せたいのに涙が止まらない。
ベルナートさんも皆も、なんでこんなにあたしに優しいんだろう・・・?
どうして・・・――――――
「俺のために泣いてるなんてサーヤ可愛すぎ。泣き止んでくれないなら、また口付けちゃおうかな♪」
「!!!」
「あ、涙止まったみたいだね。良かった♪」
「・・・」
・・・前言撤回。
ベルナートさんは、以前よりちょっとだけ意地悪になったかもしれない・・・
その後、料理をもらいに行った双子達の元へ向かったベルナートさんと入れ替わりで、エルがあたしのそばに来た。
絶対あたしが泣いてた事を知ってるはずなのに、エルは何も言わずにあたしを包み込むように抱きしめて甘やかしてくれる。
「エル・・・皆が優しすぎるんだけど、あたしはどうしたらいい?」
「ん?そのまま甘えておけば良いではないか」
「・・・」
ダメだ。エルはあたしを誰よりも甘やかす代表格だった。
意見を求める人を間違ってしまった。
「お前の存在に助けられた奴らは、お前が思っている以上にたくさんいる」
「・・・え?」
「お前が何気なくしている行動も、“誰かのため”になっているのだ。そいつらがお返しとしてお前のために行動する事のどこが悪い?」
「エル・・・」
「お前の作る料理が食べたい奴は、喜んで食材を持ってくる。お前が背中を押したから、変なプライドや意地を捨てて結婚出来た奴らがいる。お前という存在がいたから、孤独だった奴に仲間ができた、仲間意識のなかった奴らが仲間を大切に想うようになった。しかも種族を越えてだ」
「そんな、大げさだよ・・・」
「俺は、お前を拾うまでの100年近くをこの森の家で、一人で過ごしていた。なのに、お前と一緒に暮らしてこの数年でこんなにも人が集まるようになった。これがサーヤの影響じゃなければなんだというのだ?」
・・・確かに、言われてみればあたしが来る前はエルもセイルと顔見知りくらいの関係で、誰とも仲が良いという感じはなかったし、カルステッドさん達もあたしとエルの関係にものすごく驚いてた気がする。
「さっきアレだけ愛情を示したつもりだったが、まだ足りなかったようだな。・・・また寝室に行くか?」
「??!!・・・いやいやいやっ、今はエルと二人より、せっかく集まった皆と楽しい時間を過ごしたいですっ!!ほら、今日はかぼちゃプリン作ったから一緒に食べよう!!」
最後は変な方向にいきそうになったけど、さっきのベルナートさん達の言葉とエルの言葉で、あたしの心はだいぶ軽くなった気がする。
あたしこそ皆に感謝の気持ちでいっぱいなのに、周りからそんな風に思われてたなんて知らなかった。
皆の役に立てているなら嬉しい限りだ。
エルと一緒にプリンを食べながら皆を観察してると、ベルナートさんとサクラもかぼちゃプリンを食べてる姿が目に入った。
とても微笑ましい光景だけど、なんとなく二人の親密さが前より増している気がするんだよなぁ。
ま、あたしの気のせいかもしれないけどね・・・
ベルナートさんの膝に乗ったサクラは、かぼちゃプリンを食べさせ合い、食べ終わってからも降りる様子を見せず、そのまま楽しく話していた。
「べう、“とりっく、おあ、とりーと”なの!!」
「ん?とりっくおあ・・・何それ?」
「おかしくえないと、いたずらなのよ!」
「えぇ??お菓子って・・・今かぼちゃプリン食べ終わったから、またもらいに行かないとないよ?」
「んふ~、べう、おちおきなの~♪」
「え、お仕置きって・・・んんっ?!」
「「??!!」」
サクラは身を乗り出して、ベルナートさんの口にちゅっとキスをした。
さすがに周囲のほぼ全員が驚いている。
「・・・サクラ、いたずらでどうしてベルナートにちゅってしたの?」
全員が驚いている中、平然とサクラに質問する勇者ことセイルが、全員が聞きたがっていたことを聞いてくれた。
「んとね、ぱぱが、ままに、“いたずら”って、いっぱいちゅってちてたの」
「「????!!!!」」
「そっか☆ちなみにいつしてたの?」
「ちょっとまえなのよ。にーに、ままよんできてって、ゆったの」
「!!!!」
「ふふ☆だってさ、サーヤ♪」
その後、エルはベルナートさんへの怒りが爆発しそうになったけど、目の前で恥ずかしくて死にそうなあたしを放っておくことができず、思わぬ飛び火をくらったアレク兄様も影を潜めてこっそり帰る準備を始めたりしていた。
カルステッドさんも顔を赤らめながら帰りたそうにしてたけど、それ以外の周囲は“いつものことだね”って空気で変わらず飲食を楽しんでいた。
マデリーヌさん達は、むしろあたし達の話をつまみにアルマさんが作ったお酒を楽しんでる様子だし、リンダの作るジュースを美味しそうに飲んでいるミナトちゃんやカイトくんは何も気にしていない。
そして、身の危険を感じたベルナートさんはなぜかサクラを連れて別の場所へと転移魔法でいなくなってしまった。
「べう・・・ちゅってしちゃ、めだった?」
「そうだね。皆の前ではダメかな。・・・特にエリュシオンがいる場所では絶対ダメだよ」
「う?ぱぱ、めっなの?」
「ん~、エリュシオンに見られると、間違いなく俺は危険だからね・・・はぁ、戻るの怖い」
ベルナートさんがサクラと転移して来たのは、いつも二人で過ごしているお花畑。
夜は夜で、この場所は神秘的な美しさがある素敵な場所だった。
「べう・・・いまはちゅって、ちていい?」
「ん?」
「べう、なきそうだったの。だから、くー、ちゅってちたのよ」
「・・・サクラ・・・」
「くーのげんき、いっぱいあげゆの♪ちゅっ」
「んっ・・・ありがとう、サクラ・・・大好きだよ」
「へへ♪くーも、べう、だぁーいちゅき♡」
◇
「レオたん、しゃがみこんでどうしたの?」
「ミーたん・・・“とりっく、おあ、とりーと”」
「え?あたし、いまおかしもってないのよ。・・・えっと、とってくるの」
(くいっ)
「??・・・レオたん?」
「おかし、ないと、いたずらだよ」
「え?・・・んっ」
「んっ・・・へへ、ミーたんのおくち、やあかいね」
「んふっ、レオたんもやわらかかったのよ。でもね、セイたんがくちにちゅってしちゃめってゆってたの。だから、もうだめなのよ?」
「・・・めっなの?」
「じゃあ、レオたんと、ふたりのときだけね。ふたりだけのひみつなのよ」
「うん!ひみちゅ!」
あたしやエルが幸せで変わらない関係でいる間に、知らない場所で少しずついろんな人が成長している。
それを知るのはまだまだ先の話だけど、一つ一つの出来事で成長する人はものすごい勢いで成長するんだなぁと改めて思いました。
「・・・それで?もう体調は良くなったのかな?サーヤ☆」
「・・・モウダイジョウブデス・・・」
結局、寝室でエルにしっかりと“えっちないたずら”をされたあたしは、ハロウィンパーティーの言い出しっぺにもかかわらず、準備を皆に任せきりでハロウィンパーティーに途中から参加というとても申し訳ない状況になっていた。
もうっ!おねだりしたあたしもあたしだけど、気を失うまで激しくするエルもどうかと思うっ!!
エルは、あたしが眠った後アレク兄様と料理の準備に取り掛かってくれたので、パーティー用の料理は問題なし。
そして、飾りつけはセイルを中心として妖精さん達がカボチャをくり抜いてランタンを作ってくれたり、花で飾りつけしたり魔法でライトアップしたりと素晴らしい働きをしてくれていた。
エルは準備をしている皆に、“サーヤはちょっと体調が悪いようだから眠らせてきた”と伝えてくれたみたい。
・・・それなのに、冒頭のように明らかにナニかを含んだ言い方をしてくるセイル・・・
これは完全にバレてるよね・・・
どうして?
寝室の結界はしっかり機能してるって言ってたのにっ!!!
「サーヤ、別に寝室でのアレコレがわからなくても、昼間と違って襟元まであるシャツを着てる時点で“隠したいモノ”があるのは誰でもわかるよ☆・・・ま、いくつか隠しきれてないみたいだけど♪」
「!!!!」
「あはは☆うそうそ♪ちゃんと隠れてるから安心しなよ。サーヤがわかりやすい反応するからすぐバレるんだよ☆」
「・・・セイルのいじわる・・・」
「あ~あ、妖精達は一番最初にサーヤに完成した飾りを見欲しかったのにねぇ・・・」
「だぁぁぁぁっ!!申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
この後、セイルに通訳してもらいながら妖精さん達に全力で謝罪と感謝の気持ちを伝え、魔法袋に入れてあるエル用の大量に作ったプリンやクッキーを渡した。
セイルには「妖精まで餌付けするのはサーヤくらいだ☆」ってものすごく笑われたけど、別に餌付けをしたいんじゃなくて、あたしがあげれるモノがこういうお菓子しかないだけなのに・・・解せぬ。
◇
妖精さん達による素晴らしい飾り付けがされた庭は、あたしとエルの結婚式の時みたいにテーブルに様々な料理が並べられ、各々好きなモノを好きなだけ食べる立食パーティー形式となっていた。
かぼちゃのグラタンや、エル特製のミートパイ、アレク兄様特製のシチューや、カルステッドさん達が王都で買ってきてくれたオードブルやお酒などがテーブルに所狭しと並べられ、カルステッドさんやリンダやアルマさんが皆に取り分けたりと補助に入ってくれている。
もちろんデザートも、カットした果物やかぼちゃプリン、ケーキやクッキーなどなど充実している。
食べきれなければ持ち帰ってもらうか、魔法袋に入れておけば良いので料理がたくさんあり過ぎて困ることはないのだ。
あたしは妊婦ということで、ウッドデッキにクッションを敷き詰めた場所が定位置となり、手足を冷やさないようブランケットがかけられている。
体調が悪かったという言葉を信じた双子やミナトちゃん達が、料理を持ってきてくれたりあたしのそばで一緒に食べてくれたりと至れり尽くせりなのでものすごく申し訳ない気持ちでいっぱいである。
「あら~ん♡今日は皆可愛い恰好してるじゃないのん♡♡レオン、サクラ、いらっしゃいな♡ぎゅ~してあげるわよん♡♡」
「ふふっ、ミナトは可愛い魔女なのね」
「カイトの海賊も強そうなイイ男に見えるぞ」
マデリーヌさん、ノルンさん、フランさんが転移魔法で庭に現れた。
“ハロウィンという仮装パーティーですよ”と伝えていたため、華美過ぎないドレスに仮面という大人な仮装をしている。
三人共色気が半端ないです・・・
「「リーたんだ~♪ぎゅぅ~~っ」」
「ふふ♪ちゃんとつえもあるのよ~」
「僕は“強そう”じゃなくて、前よりも強くなったよ。・・・フランから見たらまだまだかもしれないけど」
呼ばれるままマデリーヌさんに飛びつくレオンとサクラ、前よりも少しだけ大人っぽくなったミナトちゃんに、この中で完全に“お兄ちゃん”という位置が定着したカイトくん。
双子と一緒に少しずつ見た目も中身も大人になっているのがわかる二人は、本当にレオンやサクラの兄妹みたいで、あたしやエルにとっても家族同然の存在となっている。
・・・本当なら、このメンバーにはもう一人かけがえのない存在がいるんだけど・・・
「・・・ベルナートさん、今日は来れないのかな・・・?」
あたしとエルの結婚式の日に、あたしに告白とプロポーズをしてきた闇の精霊王であるベルナートさん。
以前と変わらず加護は与えてくれているけど、直接面と向かって話す機会はぐっと減ってしまった。
ベルナートさんを受け入れなかったのはあたしだ。仕方ないじゃない・・・
いつもと変わらない皆との賑やかな時間なのに、少しだけ変わってしまったあたしとベルナートさんの関係。
後悔してるわけじゃないけど、やっぱりどこか切なくて、申し訳なくて・・・
気にしてるのはあたしだけかもしれないけど、寂しいなんて思うのはお門違いだけど、やっぱりモヤモヤする気持ちが今でも少しだけ残っていた。
皆で楽しく過ごしている場所なのに、一人で勝手に考えて涙が出そうになる。
幸い、妊娠中はいつもより感情の起伏が激しくて涙腺が緩いから、もし気付かれてもそのせいにできるのはありがたい。
まだ誰にも気づかれてないみたいだから、ブランケットで顔を隠して涙を拭おうとしたらその前に誰かの手があたしの涙を拭った。
「サーヤ、大丈夫?まだ具合悪いんじゃない?」
「・・・ベル、ナートさ・・・」
「ごめんね。仮装って言われてもどんな格好して良いかわからなくて、いつもとあまり変わらない格好になっちゃった。・・・サーヤはウサギなんだね。ふふっ、可愛いなぁ」
「・・・~~~~~~~~~~っ」
目の前にいるベルナートさんが、以前と変わらず優しく微笑みかけてくれたのが嬉しくて、話しかけられただけなのに涙がボロボロ溢れてきた。
「えぇ?!ちょっ、サーヤ??!!」
「あ~~~~~っ!!べう、ままいじめちゃ、めっなのよ!!!」
「へ?サクラ??・・・いや、俺はサーヤをいじめたりなんて・・・」
「わるいこは、おちおきなんだよっ!!ていっ」
「ちょっ!レオンっ、痛いってば!!誤解っ、誤解だからっ!!ほら、サーヤも違うって言ってよ~~~」
ベルナートさんがあたしを泣かせたと勘違いしたレオンとサクラは、ベルナートさんに飛び掛かってポカポカと叩いている。せっかくセットした髪の毛も引っぱってボロボロになってしまい、さすがに申し訳なくなってきた。
「レオン、サクラ、あたしはベルナートさんにいじめられたわけじゃないの。だからもうやめて。そして、ベルナートさんに謝ろうね」
「「・・・ままと、あかちゃん、いたくない?」」
「ん、大丈夫だよ。ままね、ベルナートさんが来てくれたのが嬉しくて泣いちゃったの。・・・心配させてごめんね」
「サーヤ・・・」
少し驚いた顔をしたベルナートさんに、双子が姿勢を正してぺこりと謝罪した。
「「べう・・・ごめちゃい」」
「うん、気にしなくて良いよ。レオンやサクラは、ママを守ろうと思ったんだもんね。えらいえらい」
「えへへ♪」
「あ、べうっ!くーね、おいちーの、もってきてあげゆ♪」
「くー、ぼくもいく!」
双子達はお詫びにと、ベルナートさんのために料理をもらいにててて――――っと仲良く走っていった。
そんな双子を見ていたら、優しい手があたしの涙を拭い、温かい温もりがあたしの身体を包み込んだ。
「サーヤってば、ホントに泣き虫なんだから・・・俺にとってサーヤは特別だって言ったでしょ?」
「ベルナートさん・・・」
「だいじょうぶよ。なにがあっても、あたしたちは、サーヤままがだいすきで、サーヤままのみかたなの」
「ミナト、ちゃ・・・」
「そうだよ。僕達は、おねーさんを中心にした世界が特別で、大好きで、護りたいと思う気持ちに変わりはないんだ」
「カイトくん、まで・・・」
皆がどこまで知ってるのか分からないけど、少なくともこの温かくて優しい皆の気持ちは本物なんだとわかる。
「サーヤがいたから、今俺達はココにいるんだ。皆、サーヤの笑顔が大好きなんだよ。・・・だから、いつもみたいに笑って、可愛い笑顔を見せて?」
「・・・っ」
嬉しくて笑いたいのに、泣き顔じゃなくて笑顔を見せたいのに涙が止まらない。
ベルナートさんも皆も、なんでこんなにあたしに優しいんだろう・・・?
どうして・・・――――――
「俺のために泣いてるなんてサーヤ可愛すぎ。泣き止んでくれないなら、また口付けちゃおうかな♪」
「!!!」
「あ、涙止まったみたいだね。良かった♪」
「・・・」
・・・前言撤回。
ベルナートさんは、以前よりちょっとだけ意地悪になったかもしれない・・・
その後、料理をもらいに行った双子達の元へ向かったベルナートさんと入れ替わりで、エルがあたしのそばに来た。
絶対あたしが泣いてた事を知ってるはずなのに、エルは何も言わずにあたしを包み込むように抱きしめて甘やかしてくれる。
「エル・・・皆が優しすぎるんだけど、あたしはどうしたらいい?」
「ん?そのまま甘えておけば良いではないか」
「・・・」
ダメだ。エルはあたしを誰よりも甘やかす代表格だった。
意見を求める人を間違ってしまった。
「お前の存在に助けられた奴らは、お前が思っている以上にたくさんいる」
「・・・え?」
「お前が何気なくしている行動も、“誰かのため”になっているのだ。そいつらがお返しとしてお前のために行動する事のどこが悪い?」
「エル・・・」
「お前の作る料理が食べたい奴は、喜んで食材を持ってくる。お前が背中を押したから、変なプライドや意地を捨てて結婚出来た奴らがいる。お前という存在がいたから、孤独だった奴に仲間ができた、仲間意識のなかった奴らが仲間を大切に想うようになった。しかも種族を越えてだ」
「そんな、大げさだよ・・・」
「俺は、お前を拾うまでの100年近くをこの森の家で、一人で過ごしていた。なのに、お前と一緒に暮らしてこの数年でこんなにも人が集まるようになった。これがサーヤの影響じゃなければなんだというのだ?」
・・・確かに、言われてみればあたしが来る前はエルもセイルと顔見知りくらいの関係で、誰とも仲が良いという感じはなかったし、カルステッドさん達もあたしとエルの関係にものすごく驚いてた気がする。
「さっきアレだけ愛情を示したつもりだったが、まだ足りなかったようだな。・・・また寝室に行くか?」
「??!!・・・いやいやいやっ、今はエルと二人より、せっかく集まった皆と楽しい時間を過ごしたいですっ!!ほら、今日はかぼちゃプリン作ったから一緒に食べよう!!」
最後は変な方向にいきそうになったけど、さっきのベルナートさん達の言葉とエルの言葉で、あたしの心はだいぶ軽くなった気がする。
あたしこそ皆に感謝の気持ちでいっぱいなのに、周りからそんな風に思われてたなんて知らなかった。
皆の役に立てているなら嬉しい限りだ。
エルと一緒にプリンを食べながら皆を観察してると、ベルナートさんとサクラもかぼちゃプリンを食べてる姿が目に入った。
とても微笑ましい光景だけど、なんとなく二人の親密さが前より増している気がするんだよなぁ。
ま、あたしの気のせいかもしれないけどね・・・
ベルナートさんの膝に乗ったサクラは、かぼちゃプリンを食べさせ合い、食べ終わってからも降りる様子を見せず、そのまま楽しく話していた。
「べう、“とりっく、おあ、とりーと”なの!!」
「ん?とりっくおあ・・・何それ?」
「おかしくえないと、いたずらなのよ!」
「えぇ??お菓子って・・・今かぼちゃプリン食べ終わったから、またもらいに行かないとないよ?」
「んふ~、べう、おちおきなの~♪」
「え、お仕置きって・・・んんっ?!」
「「??!!」」
サクラは身を乗り出して、ベルナートさんの口にちゅっとキスをした。
さすがに周囲のほぼ全員が驚いている。
「・・・サクラ、いたずらでどうしてベルナートにちゅってしたの?」
全員が驚いている中、平然とサクラに質問する勇者ことセイルが、全員が聞きたがっていたことを聞いてくれた。
「んとね、ぱぱが、ままに、“いたずら”って、いっぱいちゅってちてたの」
「「????!!!!」」
「そっか☆ちなみにいつしてたの?」
「ちょっとまえなのよ。にーに、ままよんできてって、ゆったの」
「!!!!」
「ふふ☆だってさ、サーヤ♪」
その後、エルはベルナートさんへの怒りが爆発しそうになったけど、目の前で恥ずかしくて死にそうなあたしを放っておくことができず、思わぬ飛び火をくらったアレク兄様も影を潜めてこっそり帰る準備を始めたりしていた。
カルステッドさんも顔を赤らめながら帰りたそうにしてたけど、それ以外の周囲は“いつものことだね”って空気で変わらず飲食を楽しんでいた。
マデリーヌさん達は、むしろあたし達の話をつまみにアルマさんが作ったお酒を楽しんでる様子だし、リンダの作るジュースを美味しそうに飲んでいるミナトちゃんやカイトくんは何も気にしていない。
そして、身の危険を感じたベルナートさんはなぜかサクラを連れて別の場所へと転移魔法でいなくなってしまった。
「べう・・・ちゅってしちゃ、めだった?」
「そうだね。皆の前ではダメかな。・・・特にエリュシオンがいる場所では絶対ダメだよ」
「う?ぱぱ、めっなの?」
「ん~、エリュシオンに見られると、間違いなく俺は危険だからね・・・はぁ、戻るの怖い」
ベルナートさんがサクラと転移して来たのは、いつも二人で過ごしているお花畑。
夜は夜で、この場所は神秘的な美しさがある素敵な場所だった。
「べう・・・いまはちゅって、ちていい?」
「ん?」
「べう、なきそうだったの。だから、くー、ちゅってちたのよ」
「・・・サクラ・・・」
「くーのげんき、いっぱいあげゆの♪ちゅっ」
「んっ・・・ありがとう、サクラ・・・大好きだよ」
「へへ♪くーも、べう、だぁーいちゅき♡」
◇
「レオたん、しゃがみこんでどうしたの?」
「ミーたん・・・“とりっく、おあ、とりーと”」
「え?あたし、いまおかしもってないのよ。・・・えっと、とってくるの」
(くいっ)
「??・・・レオたん?」
「おかし、ないと、いたずらだよ」
「え?・・・んっ」
「んっ・・・へへ、ミーたんのおくち、やあかいね」
「んふっ、レオたんもやわらかかったのよ。でもね、セイたんがくちにちゅってしちゃめってゆってたの。だから、もうだめなのよ?」
「・・・めっなの?」
「じゃあ、レオたんと、ふたりのときだけね。ふたりだけのひみつなのよ」
「うん!ひみちゅ!」
あたしやエルが幸せで変わらない関係でいる間に、知らない場所で少しずついろんな人が成長している。
それを知るのはまだまだ先の話だけど、一つ一つの出来事で成長する人はものすごい勢いで成長するんだなぁと改めて思いました。
0
あなたにおすすめの小説
借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる
しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。
いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに……
しかしそこに現れたのは幼馴染で……?
兄様達の愛が止まりません!
桜
恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。
そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。
屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。
やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。
無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。
叔父の家には二人の兄がいた。
そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
バッドエンド回避のために結婚相手を探していたら、断罪した本人(お兄様)が求婚してきました
りつ
恋愛
~悪役令嬢のお兄様はヤンデレ溺愛キャラでした~
自分が乙女ゲームの悪役キャラであることを思い出したイザベル。しかも最期は兄のフェリクスに殺されて終わることを知り、絶対に回避したいと攻略キャラの出る学院へ行かず家に引き籠ったり、神頼みに教会へ足を運んだりする。そこで魂の色が見えるという聖職者のシャルルから性行為すればゲームの人格にならずに済むと言われて、イザベルは結婚相手を探して家を出ることを決意する。妹の婚活を知ったフェリクスは自分より強くて金持ちでかっこいい者でなければ認めないと注文をつけてきて、しまいには自分がイザベルの結婚相手になると言い出した。
※兄妹に血の繋がりはありません
※ゲームヒロインは名前のみ登場です
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる