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記念小話やSS
【季節ネタSS】ハッピーハロウィン!《後編》
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◇
「・・・それで?もう体調は良くなったのかな?サーヤ☆」
「・・・モウダイジョウブデス・・・」
結局、寝室でエルにしっかりと“えっちないたずら”をされたあたしは、ハロウィンパーティーの言い出しっぺにもかかわらず、準備を皆に任せきりでハロウィンパーティーに途中から参加というとても申し訳ない状況になっていた。
もうっ!おねだりしたあたしもあたしだけど、気を失うまで激しくするエルもどうかと思うっ!!
エルは、あたしが眠った後アレク兄様と料理の準備に取り掛かってくれたので、パーティー用の料理は問題なし。
そして、飾りつけはセイルを中心として妖精さん達がカボチャをくり抜いてランタンを作ってくれたり、花で飾りつけしたり魔法でライトアップしたりと素晴らしい働きをしてくれていた。
エルは準備をしている皆に、“サーヤはちょっと体調が悪いようだから眠らせてきた”と伝えてくれたみたい。
・・・それなのに、冒頭のように明らかにナニかを含んだ言い方をしてくるセイル・・・
これは完全にバレてるよね・・・
どうして?
寝室の結界はしっかり機能してるって言ってたのにっ!!!
「サーヤ、別に寝室でのアレコレがわからなくても、昼間と違って襟元まであるシャツを着てる時点で“隠したいモノ”があるのは誰でもわかるよ☆・・・ま、いくつか隠しきれてないみたいだけど♪」
「!!!!」
「あはは☆うそうそ♪ちゃんと隠れてるから安心しなよ。サーヤがわかりやすい反応するからすぐバレるんだよ☆」
「・・・セイルのいじわる・・・」
「あ~あ、妖精達は一番最初にサーヤに完成した飾りを見欲しかったのにねぇ・・・」
「だぁぁぁぁっ!!申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
この後、セイルに通訳してもらいながら妖精さん達に全力で謝罪と感謝の気持ちを伝え、魔法袋に入れてあるエル用の大量に作ったプリンやクッキーを渡した。
セイルには「妖精まで餌付けするのはサーヤくらいだ☆」ってものすごく笑われたけど、別に餌付けをしたいんじゃなくて、あたしがあげれるモノがこういうお菓子しかないだけなのに・・・解せぬ。
◇
妖精さん達による素晴らしい飾り付けがされた庭は、あたしとエルの結婚式の時みたいにテーブルに様々な料理が並べられ、各々好きなモノを好きなだけ食べる立食パーティー形式となっていた。
かぼちゃのグラタンや、エル特製のミートパイ、アレク兄様特製のシチューや、カルステッドさん達が王都で買ってきてくれたオードブルやお酒などがテーブルに所狭しと並べられ、カルステッドさんやリンダやアルマさんが皆に取り分けたりと補助に入ってくれている。
もちろんデザートも、カットした果物やかぼちゃプリン、ケーキやクッキーなどなど充実している。
食べきれなければ持ち帰ってもらうか、魔法袋に入れておけば良いので料理がたくさんあり過ぎて困ることはないのだ。
あたしは妊婦ということで、ウッドデッキにクッションを敷き詰めた場所が定位置となり、手足を冷やさないようブランケットがかけられている。
体調が悪かったという言葉を信じた双子やミナトちゃん達が、料理を持ってきてくれたりあたしのそばで一緒に食べてくれたりと至れり尽くせりなのでものすごく申し訳ない気持ちでいっぱいである。
「あら~ん♡今日は皆可愛い恰好してるじゃないのん♡♡レオン、サクラ、いらっしゃいな♡ぎゅ~してあげるわよん♡♡」
「ふふっ、ミナトは可愛い魔女なのね」
「カイトの海賊も強そうなイイ男に見えるぞ」
マデリーヌさん、ノルンさん、フランさんが転移魔法で庭に現れた。
“ハロウィンという仮装パーティーですよ”と伝えていたため、華美過ぎないドレスに仮面という大人な仮装をしている。
三人共色気が半端ないです・・・
「「リーたんだ~♪ぎゅぅ~~っ」」
「ふふ♪ちゃんとつえもあるのよ~」
「僕は“強そう”じゃなくて、前よりも強くなったよ。・・・フランから見たらまだまだかもしれないけど」
呼ばれるままマデリーヌさんに飛びつくレオンとサクラ、前よりも少しだけ大人っぽくなったミナトちゃんに、この中で完全に“お兄ちゃん”という位置が定着したカイトくん。
双子と一緒に少しずつ見た目も中身も大人になっているのがわかる二人は、本当にレオンやサクラの兄妹みたいで、あたしやエルにとっても家族同然の存在となっている。
・・・本当なら、このメンバーにはもう一人かけがえのない存在がいるんだけど・・・
「・・・ベルナートさん、今日は来れないのかな・・・?」
あたしとエルの結婚式の日に、あたしに告白とプロポーズをしてきた闇の精霊王であるベルナートさん。
以前と変わらず加護は与えてくれているけど、直接面と向かって話す機会はぐっと減ってしまった。
ベルナートさんを受け入れなかったのはあたしだ。仕方ないじゃない・・・
いつもと変わらない皆との賑やかな時間なのに、少しだけ変わってしまったあたしとベルナートさんの関係。
後悔してるわけじゃないけど、やっぱりどこか切なくて、申し訳なくて・・・
気にしてるのはあたしだけかもしれないけど、寂しいなんて思うのはお門違いだけど、やっぱりモヤモヤする気持ちが今でも少しだけ残っていた。
皆で楽しく過ごしている場所なのに、一人で勝手に考えて涙が出そうになる。
幸い、妊娠中はいつもより感情の起伏が激しくて涙腺が緩いから、もし気付かれてもそのせいにできるのはありがたい。
まだ誰にも気づかれてないみたいだから、ブランケットで顔を隠して涙を拭おうとしたらその前に誰かの手があたしの涙を拭った。
「サーヤ、大丈夫?まだ具合悪いんじゃない?」
「・・・ベル、ナートさ・・・」
「ごめんね。仮装って言われてもどんな格好して良いかわからなくて、いつもとあまり変わらない格好になっちゃった。・・・サーヤはウサギなんだね。ふふっ、可愛いなぁ」
「・・・~~~~~~~~~~っ」
目の前にいるベルナートさんが、以前と変わらず優しく微笑みかけてくれたのが嬉しくて、話しかけられただけなのに涙がボロボロ溢れてきた。
「えぇ?!ちょっ、サーヤ??!!」
「あ~~~~~っ!!べう、ままいじめちゃ、めっなのよ!!!」
「へ?サクラ??・・・いや、俺はサーヤをいじめたりなんて・・・」
「わるいこは、おちおきなんだよっ!!ていっ」
「ちょっ!レオンっ、痛いってば!!誤解っ、誤解だからっ!!ほら、サーヤも違うって言ってよ~~~」
ベルナートさんがあたしを泣かせたと勘違いしたレオンとサクラは、ベルナートさんに飛び掛かってポカポカと叩いている。せっかくセットした髪の毛も引っぱってボロボロになってしまい、さすがに申し訳なくなってきた。
「レオン、サクラ、あたしはベルナートさんにいじめられたわけじゃないの。だからもうやめて。そして、ベルナートさんに謝ろうね」
「「・・・ままと、あかちゃん、いたくない?」」
「ん、大丈夫だよ。ままね、ベルナートさんが来てくれたのが嬉しくて泣いちゃったの。・・・心配させてごめんね」
「サーヤ・・・」
少し驚いた顔をしたベルナートさんに、双子が姿勢を正してぺこりと謝罪した。
「「べう・・・ごめちゃい」」
「うん、気にしなくて良いよ。レオンやサクラは、ママを守ろうと思ったんだもんね。えらいえらい」
「えへへ♪」
「あ、べうっ!くーね、おいちーの、もってきてあげゆ♪」
「くー、ぼくもいく!」
双子達はお詫びにと、ベルナートさんのために料理をもらいにててて――――っと仲良く走っていった。
そんな双子を見ていたら、優しい手があたしの涙を拭い、温かい温もりがあたしの身体を包み込んだ。
「サーヤってば、ホントに泣き虫なんだから・・・俺にとってサーヤは特別だって言ったでしょ?」
「ベルナートさん・・・」
「だいじょうぶよ。なにがあっても、あたしたちは、サーヤままがだいすきで、サーヤままのみかたなの」
「ミナト、ちゃ・・・」
「そうだよ。僕達は、おねーさんを中心にした世界が特別で、大好きで、護りたいと思う気持ちに変わりはないんだ」
「カイトくん、まで・・・」
皆がどこまで知ってるのか分からないけど、少なくともこの温かくて優しい皆の気持ちは本物なんだとわかる。
「サーヤがいたから、今俺達はココにいるんだ。皆、サーヤの笑顔が大好きなんだよ。・・・だから、いつもみたいに笑って、可愛い笑顔を見せて?」
「・・・っ」
嬉しくて笑いたいのに、泣き顔じゃなくて笑顔を見せたいのに涙が止まらない。
ベルナートさんも皆も、なんでこんなにあたしに優しいんだろう・・・?
どうして・・・――――――
「俺のために泣いてるなんてサーヤ可愛すぎ。泣き止んでくれないなら、また口付けちゃおうかな♪」
「!!!」
「あ、涙止まったみたいだね。良かった♪」
「・・・」
・・・前言撤回。
ベルナートさんは、以前よりちょっとだけ意地悪になったかもしれない・・・
その後、料理をもらいに行った双子達の元へ向かったベルナートさんと入れ替わりで、エルがあたしのそばに来た。
絶対あたしが泣いてた事を知ってるはずなのに、エルは何も言わずにあたしを包み込むように抱きしめて甘やかしてくれる。
「エル・・・皆が優しすぎるんだけど、あたしはどうしたらいい?」
「ん?そのまま甘えておけば良いではないか」
「・・・」
ダメだ。エルはあたしを誰よりも甘やかす代表格だった。
意見を求める人を間違ってしまった。
「お前の存在に助けられた奴らは、お前が思っている以上にたくさんいる」
「・・・え?」
「お前が何気なくしている行動も、“誰かのため”になっているのだ。そいつらがお返しとしてお前のために行動する事のどこが悪い?」
「エル・・・」
「お前の作る料理が食べたい奴は、喜んで食材を持ってくる。お前が背中を押したから、変なプライドや意地を捨てて結婚出来た奴らがいる。お前という存在がいたから、孤独だった奴に仲間ができた、仲間意識のなかった奴らが仲間を大切に想うようになった。しかも種族を越えてだ」
「そんな、大げさだよ・・・」
「俺は、お前を拾うまでの100年近くをこの森の家で、一人で過ごしていた。なのに、お前と一緒に暮らしてこの数年でこんなにも人が集まるようになった。これがサーヤの影響じゃなければなんだというのだ?」
・・・確かに、言われてみればあたしが来る前はエルもセイルと顔見知りくらいの関係で、誰とも仲が良いという感じはなかったし、カルステッドさん達もあたしとエルの関係にものすごく驚いてた気がする。
「さっきアレだけ愛情を示したつもりだったが、まだ足りなかったようだな。・・・また寝室に行くか?」
「??!!・・・いやいやいやっ、今はエルと二人より、せっかく集まった皆と楽しい時間を過ごしたいですっ!!ほら、今日はかぼちゃプリン作ったから一緒に食べよう!!」
最後は変な方向にいきそうになったけど、さっきのベルナートさん達の言葉とエルの言葉で、あたしの心はだいぶ軽くなった気がする。
あたしこそ皆に感謝の気持ちでいっぱいなのに、周りからそんな風に思われてたなんて知らなかった。
皆の役に立てているなら嬉しい限りだ。
エルと一緒にプリンを食べながら皆を観察してると、ベルナートさんとサクラもかぼちゃプリンを食べてる姿が目に入った。
とても微笑ましい光景だけど、なんとなく二人の親密さが前より増している気がするんだよなぁ。
ま、あたしの気のせいかもしれないけどね・・・
ベルナートさんの膝に乗ったサクラは、かぼちゃプリンを食べさせ合い、食べ終わってからも降りる様子を見せず、そのまま楽しく話していた。
「べう、“とりっく、おあ、とりーと”なの!!」
「ん?とりっくおあ・・・何それ?」
「おかしくえないと、いたずらなのよ!」
「えぇ??お菓子って・・・今かぼちゃプリン食べ終わったから、またもらいに行かないとないよ?」
「んふ~、べう、おちおきなの~♪」
「え、お仕置きって・・・んんっ?!」
「「??!!」」
サクラは身を乗り出して、ベルナートさんの口にちゅっとキスをした。
さすがに周囲のほぼ全員が驚いている。
「・・・サクラ、いたずらでどうしてベルナートにちゅってしたの?」
全員が驚いている中、平然とサクラに質問する勇者ことセイルが、全員が聞きたがっていたことを聞いてくれた。
「んとね、ぱぱが、ままに、“いたずら”って、いっぱいちゅってちてたの」
「「????!!!!」」
「そっか☆ちなみにいつしてたの?」
「ちょっとまえなのよ。にーに、ままよんできてって、ゆったの」
「!!!!」
「ふふ☆だってさ、サーヤ♪」
その後、エルはベルナートさんへの怒りが爆発しそうになったけど、目の前で恥ずかしくて死にそうなあたしを放っておくことができず、思わぬ飛び火をくらったアレク兄様も影を潜めてこっそり帰る準備を始めたりしていた。
カルステッドさんも顔を赤らめながら帰りたそうにしてたけど、それ以外の周囲は“いつものことだね”って空気で変わらず飲食を楽しんでいた。
マデリーヌさん達は、むしろあたし達の話をつまみにアルマさんが作ったお酒を楽しんでる様子だし、リンダの作るジュースを美味しそうに飲んでいるミナトちゃんやカイトくんは何も気にしていない。
そして、身の危険を感じたベルナートさんはなぜかサクラを連れて別の場所へと転移魔法でいなくなってしまった。
「べう・・・ちゅってしちゃ、めだった?」
「そうだね。皆の前ではダメかな。・・・特にエリュシオンがいる場所では絶対ダメだよ」
「う?ぱぱ、めっなの?」
「ん~、エリュシオンに見られると、間違いなく俺は危険だからね・・・はぁ、戻るの怖い」
ベルナートさんがサクラと転移して来たのは、いつも二人で過ごしているお花畑。
夜は夜で、この場所は神秘的な美しさがある素敵な場所だった。
「べう・・・いまはちゅって、ちていい?」
「ん?」
「べう、なきそうだったの。だから、くー、ちゅってちたのよ」
「・・・サクラ・・・」
「くーのげんき、いっぱいあげゆの♪ちゅっ」
「んっ・・・ありがとう、サクラ・・・大好きだよ」
「へへ♪くーも、べう、だぁーいちゅき♡」
◇
「レオたん、しゃがみこんでどうしたの?」
「ミーたん・・・“とりっく、おあ、とりーと”」
「え?あたし、いまおかしもってないのよ。・・・えっと、とってくるの」
(くいっ)
「??・・・レオたん?」
「おかし、ないと、いたずらだよ」
「え?・・・んっ」
「んっ・・・へへ、ミーたんのおくち、やあかいね」
「んふっ、レオたんもやわらかかったのよ。でもね、セイたんがくちにちゅってしちゃめってゆってたの。だから、もうだめなのよ?」
「・・・めっなの?」
「じゃあ、レオたんと、ふたりのときだけね。ふたりだけのひみつなのよ」
「うん!ひみちゅ!」
あたしやエルが幸せで変わらない関係でいる間に、知らない場所で少しずついろんな人が成長している。
それを知るのはまだまだ先の話だけど、一つ一つの出来事で成長する人はものすごい勢いで成長するんだなぁと改めて思いました。
「・・・それで?もう体調は良くなったのかな?サーヤ☆」
「・・・モウダイジョウブデス・・・」
結局、寝室でエルにしっかりと“えっちないたずら”をされたあたしは、ハロウィンパーティーの言い出しっぺにもかかわらず、準備を皆に任せきりでハロウィンパーティーに途中から参加というとても申し訳ない状況になっていた。
もうっ!おねだりしたあたしもあたしだけど、気を失うまで激しくするエルもどうかと思うっ!!
エルは、あたしが眠った後アレク兄様と料理の準備に取り掛かってくれたので、パーティー用の料理は問題なし。
そして、飾りつけはセイルを中心として妖精さん達がカボチャをくり抜いてランタンを作ってくれたり、花で飾りつけしたり魔法でライトアップしたりと素晴らしい働きをしてくれていた。
エルは準備をしている皆に、“サーヤはちょっと体調が悪いようだから眠らせてきた”と伝えてくれたみたい。
・・・それなのに、冒頭のように明らかにナニかを含んだ言い方をしてくるセイル・・・
これは完全にバレてるよね・・・
どうして?
寝室の結界はしっかり機能してるって言ってたのにっ!!!
「サーヤ、別に寝室でのアレコレがわからなくても、昼間と違って襟元まであるシャツを着てる時点で“隠したいモノ”があるのは誰でもわかるよ☆・・・ま、いくつか隠しきれてないみたいだけど♪」
「!!!!」
「あはは☆うそうそ♪ちゃんと隠れてるから安心しなよ。サーヤがわかりやすい反応するからすぐバレるんだよ☆」
「・・・セイルのいじわる・・・」
「あ~あ、妖精達は一番最初にサーヤに完成した飾りを見欲しかったのにねぇ・・・」
「だぁぁぁぁっ!!申し訳ございませんでしたぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
この後、セイルに通訳してもらいながら妖精さん達に全力で謝罪と感謝の気持ちを伝え、魔法袋に入れてあるエル用の大量に作ったプリンやクッキーを渡した。
セイルには「妖精まで餌付けするのはサーヤくらいだ☆」ってものすごく笑われたけど、別に餌付けをしたいんじゃなくて、あたしがあげれるモノがこういうお菓子しかないだけなのに・・・解せぬ。
◇
妖精さん達による素晴らしい飾り付けがされた庭は、あたしとエルの結婚式の時みたいにテーブルに様々な料理が並べられ、各々好きなモノを好きなだけ食べる立食パーティー形式となっていた。
かぼちゃのグラタンや、エル特製のミートパイ、アレク兄様特製のシチューや、カルステッドさん達が王都で買ってきてくれたオードブルやお酒などがテーブルに所狭しと並べられ、カルステッドさんやリンダやアルマさんが皆に取り分けたりと補助に入ってくれている。
もちろんデザートも、カットした果物やかぼちゃプリン、ケーキやクッキーなどなど充実している。
食べきれなければ持ち帰ってもらうか、魔法袋に入れておけば良いので料理がたくさんあり過ぎて困ることはないのだ。
あたしは妊婦ということで、ウッドデッキにクッションを敷き詰めた場所が定位置となり、手足を冷やさないようブランケットがかけられている。
体調が悪かったという言葉を信じた双子やミナトちゃん達が、料理を持ってきてくれたりあたしのそばで一緒に食べてくれたりと至れり尽くせりなのでものすごく申し訳ない気持ちでいっぱいである。
「あら~ん♡今日は皆可愛い恰好してるじゃないのん♡♡レオン、サクラ、いらっしゃいな♡ぎゅ~してあげるわよん♡♡」
「ふふっ、ミナトは可愛い魔女なのね」
「カイトの海賊も強そうなイイ男に見えるぞ」
マデリーヌさん、ノルンさん、フランさんが転移魔法で庭に現れた。
“ハロウィンという仮装パーティーですよ”と伝えていたため、華美過ぎないドレスに仮面という大人な仮装をしている。
三人共色気が半端ないです・・・
「「リーたんだ~♪ぎゅぅ~~っ」」
「ふふ♪ちゃんとつえもあるのよ~」
「僕は“強そう”じゃなくて、前よりも強くなったよ。・・・フランから見たらまだまだかもしれないけど」
呼ばれるままマデリーヌさんに飛びつくレオンとサクラ、前よりも少しだけ大人っぽくなったミナトちゃんに、この中で完全に“お兄ちゃん”という位置が定着したカイトくん。
双子と一緒に少しずつ見た目も中身も大人になっているのがわかる二人は、本当にレオンやサクラの兄妹みたいで、あたしやエルにとっても家族同然の存在となっている。
・・・本当なら、このメンバーにはもう一人かけがえのない存在がいるんだけど・・・
「・・・ベルナートさん、今日は来れないのかな・・・?」
あたしとエルの結婚式の日に、あたしに告白とプロポーズをしてきた闇の精霊王であるベルナートさん。
以前と変わらず加護は与えてくれているけど、直接面と向かって話す機会はぐっと減ってしまった。
ベルナートさんを受け入れなかったのはあたしだ。仕方ないじゃない・・・
いつもと変わらない皆との賑やかな時間なのに、少しだけ変わってしまったあたしとベルナートさんの関係。
後悔してるわけじゃないけど、やっぱりどこか切なくて、申し訳なくて・・・
気にしてるのはあたしだけかもしれないけど、寂しいなんて思うのはお門違いだけど、やっぱりモヤモヤする気持ちが今でも少しだけ残っていた。
皆で楽しく過ごしている場所なのに、一人で勝手に考えて涙が出そうになる。
幸い、妊娠中はいつもより感情の起伏が激しくて涙腺が緩いから、もし気付かれてもそのせいにできるのはありがたい。
まだ誰にも気づかれてないみたいだから、ブランケットで顔を隠して涙を拭おうとしたらその前に誰かの手があたしの涙を拭った。
「サーヤ、大丈夫?まだ具合悪いんじゃない?」
「・・・ベル、ナートさ・・・」
「ごめんね。仮装って言われてもどんな格好して良いかわからなくて、いつもとあまり変わらない格好になっちゃった。・・・サーヤはウサギなんだね。ふふっ、可愛いなぁ」
「・・・~~~~~~~~~~っ」
目の前にいるベルナートさんが、以前と変わらず優しく微笑みかけてくれたのが嬉しくて、話しかけられただけなのに涙がボロボロ溢れてきた。
「えぇ?!ちょっ、サーヤ??!!」
「あ~~~~~っ!!べう、ままいじめちゃ、めっなのよ!!!」
「へ?サクラ??・・・いや、俺はサーヤをいじめたりなんて・・・」
「わるいこは、おちおきなんだよっ!!ていっ」
「ちょっ!レオンっ、痛いってば!!誤解っ、誤解だからっ!!ほら、サーヤも違うって言ってよ~~~」
ベルナートさんがあたしを泣かせたと勘違いしたレオンとサクラは、ベルナートさんに飛び掛かってポカポカと叩いている。せっかくセットした髪の毛も引っぱってボロボロになってしまい、さすがに申し訳なくなってきた。
「レオン、サクラ、あたしはベルナートさんにいじめられたわけじゃないの。だからもうやめて。そして、ベルナートさんに謝ろうね」
「「・・・ままと、あかちゃん、いたくない?」」
「ん、大丈夫だよ。ままね、ベルナートさんが来てくれたのが嬉しくて泣いちゃったの。・・・心配させてごめんね」
「サーヤ・・・」
少し驚いた顔をしたベルナートさんに、双子が姿勢を正してぺこりと謝罪した。
「「べう・・・ごめちゃい」」
「うん、気にしなくて良いよ。レオンやサクラは、ママを守ろうと思ったんだもんね。えらいえらい」
「えへへ♪」
「あ、べうっ!くーね、おいちーの、もってきてあげゆ♪」
「くー、ぼくもいく!」
双子達はお詫びにと、ベルナートさんのために料理をもらいにててて――――っと仲良く走っていった。
そんな双子を見ていたら、優しい手があたしの涙を拭い、温かい温もりがあたしの身体を包み込んだ。
「サーヤってば、ホントに泣き虫なんだから・・・俺にとってサーヤは特別だって言ったでしょ?」
「ベルナートさん・・・」
「だいじょうぶよ。なにがあっても、あたしたちは、サーヤままがだいすきで、サーヤままのみかたなの」
「ミナト、ちゃ・・・」
「そうだよ。僕達は、おねーさんを中心にした世界が特別で、大好きで、護りたいと思う気持ちに変わりはないんだ」
「カイトくん、まで・・・」
皆がどこまで知ってるのか分からないけど、少なくともこの温かくて優しい皆の気持ちは本物なんだとわかる。
「サーヤがいたから、今俺達はココにいるんだ。皆、サーヤの笑顔が大好きなんだよ。・・・だから、いつもみたいに笑って、可愛い笑顔を見せて?」
「・・・っ」
嬉しくて笑いたいのに、泣き顔じゃなくて笑顔を見せたいのに涙が止まらない。
ベルナートさんも皆も、なんでこんなにあたしに優しいんだろう・・・?
どうして・・・――――――
「俺のために泣いてるなんてサーヤ可愛すぎ。泣き止んでくれないなら、また口付けちゃおうかな♪」
「!!!」
「あ、涙止まったみたいだね。良かった♪」
「・・・」
・・・前言撤回。
ベルナートさんは、以前よりちょっとだけ意地悪になったかもしれない・・・
その後、料理をもらいに行った双子達の元へ向かったベルナートさんと入れ替わりで、エルがあたしのそばに来た。
絶対あたしが泣いてた事を知ってるはずなのに、エルは何も言わずにあたしを包み込むように抱きしめて甘やかしてくれる。
「エル・・・皆が優しすぎるんだけど、あたしはどうしたらいい?」
「ん?そのまま甘えておけば良いではないか」
「・・・」
ダメだ。エルはあたしを誰よりも甘やかす代表格だった。
意見を求める人を間違ってしまった。
「お前の存在に助けられた奴らは、お前が思っている以上にたくさんいる」
「・・・え?」
「お前が何気なくしている行動も、“誰かのため”になっているのだ。そいつらがお返しとしてお前のために行動する事のどこが悪い?」
「エル・・・」
「お前の作る料理が食べたい奴は、喜んで食材を持ってくる。お前が背中を押したから、変なプライドや意地を捨てて結婚出来た奴らがいる。お前という存在がいたから、孤独だった奴に仲間ができた、仲間意識のなかった奴らが仲間を大切に想うようになった。しかも種族を越えてだ」
「そんな、大げさだよ・・・」
「俺は、お前を拾うまでの100年近くをこの森の家で、一人で過ごしていた。なのに、お前と一緒に暮らしてこの数年でこんなにも人が集まるようになった。これがサーヤの影響じゃなければなんだというのだ?」
・・・確かに、言われてみればあたしが来る前はエルもセイルと顔見知りくらいの関係で、誰とも仲が良いという感じはなかったし、カルステッドさん達もあたしとエルの関係にものすごく驚いてた気がする。
「さっきアレだけ愛情を示したつもりだったが、まだ足りなかったようだな。・・・また寝室に行くか?」
「??!!・・・いやいやいやっ、今はエルと二人より、せっかく集まった皆と楽しい時間を過ごしたいですっ!!ほら、今日はかぼちゃプリン作ったから一緒に食べよう!!」
最後は変な方向にいきそうになったけど、さっきのベルナートさん達の言葉とエルの言葉で、あたしの心はだいぶ軽くなった気がする。
あたしこそ皆に感謝の気持ちでいっぱいなのに、周りからそんな風に思われてたなんて知らなかった。
皆の役に立てているなら嬉しい限りだ。
エルと一緒にプリンを食べながら皆を観察してると、ベルナートさんとサクラもかぼちゃプリンを食べてる姿が目に入った。
とても微笑ましい光景だけど、なんとなく二人の親密さが前より増している気がするんだよなぁ。
ま、あたしの気のせいかもしれないけどね・・・
ベルナートさんの膝に乗ったサクラは、かぼちゃプリンを食べさせ合い、食べ終わってからも降りる様子を見せず、そのまま楽しく話していた。
「べう、“とりっく、おあ、とりーと”なの!!」
「ん?とりっくおあ・・・何それ?」
「おかしくえないと、いたずらなのよ!」
「えぇ??お菓子って・・・今かぼちゃプリン食べ終わったから、またもらいに行かないとないよ?」
「んふ~、べう、おちおきなの~♪」
「え、お仕置きって・・・んんっ?!」
「「??!!」」
サクラは身を乗り出して、ベルナートさんの口にちゅっとキスをした。
さすがに周囲のほぼ全員が驚いている。
「・・・サクラ、いたずらでどうしてベルナートにちゅってしたの?」
全員が驚いている中、平然とサクラに質問する勇者ことセイルが、全員が聞きたがっていたことを聞いてくれた。
「んとね、ぱぱが、ままに、“いたずら”って、いっぱいちゅってちてたの」
「「????!!!!」」
「そっか☆ちなみにいつしてたの?」
「ちょっとまえなのよ。にーに、ままよんできてって、ゆったの」
「!!!!」
「ふふ☆だってさ、サーヤ♪」
その後、エルはベルナートさんへの怒りが爆発しそうになったけど、目の前で恥ずかしくて死にそうなあたしを放っておくことができず、思わぬ飛び火をくらったアレク兄様も影を潜めてこっそり帰る準備を始めたりしていた。
カルステッドさんも顔を赤らめながら帰りたそうにしてたけど、それ以外の周囲は“いつものことだね”って空気で変わらず飲食を楽しんでいた。
マデリーヌさん達は、むしろあたし達の話をつまみにアルマさんが作ったお酒を楽しんでる様子だし、リンダの作るジュースを美味しそうに飲んでいるミナトちゃんやカイトくんは何も気にしていない。
そして、身の危険を感じたベルナートさんはなぜかサクラを連れて別の場所へと転移魔法でいなくなってしまった。
「べう・・・ちゅってしちゃ、めだった?」
「そうだね。皆の前ではダメかな。・・・特にエリュシオンがいる場所では絶対ダメだよ」
「う?ぱぱ、めっなの?」
「ん~、エリュシオンに見られると、間違いなく俺は危険だからね・・・はぁ、戻るの怖い」
ベルナートさんがサクラと転移して来たのは、いつも二人で過ごしているお花畑。
夜は夜で、この場所は神秘的な美しさがある素敵な場所だった。
「べう・・・いまはちゅって、ちていい?」
「ん?」
「べう、なきそうだったの。だから、くー、ちゅってちたのよ」
「・・・サクラ・・・」
「くーのげんき、いっぱいあげゆの♪ちゅっ」
「んっ・・・ありがとう、サクラ・・・大好きだよ」
「へへ♪くーも、べう、だぁーいちゅき♡」
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「レオたん、しゃがみこんでどうしたの?」
「ミーたん・・・“とりっく、おあ、とりーと”」
「え?あたし、いまおかしもってないのよ。・・・えっと、とってくるの」
(くいっ)
「??・・・レオたん?」
「おかし、ないと、いたずらだよ」
「え?・・・んっ」
「んっ・・・へへ、ミーたんのおくち、やあかいね」
「んふっ、レオたんもやわらかかったのよ。でもね、セイたんがくちにちゅってしちゃめってゆってたの。だから、もうだめなのよ?」
「・・・めっなの?」
「じゃあ、レオたんと、ふたりのときだけね。ふたりだけのひみつなのよ」
「うん!ひみちゅ!」
あたしやエルが幸せで変わらない関係でいる間に、知らない場所で少しずついろんな人が成長している。
それを知るのはまだまだ先の話だけど、一つ一つの出来事で成長する人はものすごい勢いで成長するんだなぁと改めて思いました。
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