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11章 双子、失踪事件
世に放たれた、ちびっこモンスター
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◇
レオンとサクラがいなくなった。
最初に気付いたのはエルだ。
日頃から超過保護なエルは、双子達にもバリア付きのブレスレットを装着させ、外出時には必ず本人の魔力登録をした魔法袋機能のついたウェストポーチを身に付けさせていた。
その魔法袋はあたしが食材をたんまりとストックしている魔法袋と繋がっている。
理由は、誰かに何かあっても他の家族の魔法袋で対処できるようにするためだ。
・・・これは過保護の域を超えてる気がしてたけど、今回はさすがに感謝である。
最近では家の庭で行う修行に限界を感じたらしく、修行と遊びを兼任して森全体を使ったかくれんぼをミナトちゃん達と頻繁にしているため、多少の道に迷ったり魔獣などに遭遇しても対処できてるようになったのだとか。
・・・ホントにどんな5歳児だよ!いくらなんでもおかしいでしょ!!とツッコみたいが、残念ながら我が家にツッコむ人は誰もいない。
むしろ、スポンジのように吸収する双子達に、周りが”いつか役立つと思うから”と言っていろんな事を教えているのを後から聞かされ、毎回あたしだけがビックリしている状態だ。
「どうして誰も気づかなかったんだ?!店の入り口は一か所しかないんだからさすがに誰か気付くだろう?!」
「でも隊長、出入りするお客様は見てましたが、双子の姿はありませんでしたよ?」
「俺が気付いたのは、商談を終えて念のため気配探知をしたときだ。その際双子の気配がや魔力が、店内はおろか周辺でもまったく感じられなかった」
「あの子達にはドアが高すぎて自分達で開けれないはずだよ。お店を出るとしたら、買い物客の後ろについていったとしか考えられないよね?」
「そうだな、それは間違いないと思う。ただ、普通に店を出たのではない・・・恐らく気配や魔力を断って出たんだろう」
「「「「???!!!」」」」
気配や魔力を断つ??
え、そんなこといくらなんでも双子達には・・・―――――――
「すみません、俺がレオンに隠密術を教えました」
「ア、アルマさん?!いつの間に??!!」
「・・・なるほど、それなら納得だ」
「えぇ?!そこ納得しちゃうの??レオンって隠密術使えちゃうの??!!」
音もなくいきなり現れたアルマさんに誰も驚かず、そのアルマさんがレオンに隠密術を教えていて、それを使ってお店を出たこともあたし以外誰も驚いていない。
・・・え、おかしいと思うのあたしだけなの?驚くあたしがおかしいの??
ホントに皆といると何が普通で、何が普通じゃないかわからなくなる。
「アルマ、それ以外にレオンに教えたことはあるか?・・・もしや、暗殺方法まで教えてないだろうな?」
「あっ、暗殺ぅぅ??!!」
「っ、ふにゃぁ~」
「あぁ、ごめんねリリア、いきなり大きな声出してビックリしちゃったね」
「いえ、暗殺はさすがに教えてません。俺が教えたのは、隠密に関する“気配遮断”と“魔力遮断”と“加速”と“鍵開け”と“罠探知・解除”くらいです」
「そうか」
ちょっと待て。今“鍵開け”って言った??
アルマさん、うちのレオンに何やらせる気ですか??なんでそんなこと5歳児に教えてるんですかっ!!!!
どうしよう。もうあたしのツッコみが追い付かない。
お願いだから誰か同じコト思ってくれる人いないの??
泣き出したリリアをあやしながらレオンやサクラがどこに行ったのか心配になるけど、あたしが行動を起こしたところで問題が大きくなるだけだから、エルを中心とした皆に任せるしかない。
でも、どうしても歯がゆい気持ちでいっぱいになってしまう。
「あ、隊長。確か店内で変なことがあったらすぐ対処できるようにって、ベルナート様に黒曜石設置してもらってましたよね?あれでレオンやサクラ動向って確認できませんか?」
「お、そうだな!良く気づいてくれたリンダ。俺やエリュシオン様で内容を確認するから、リンダとアルマは周辺に双子がいないか探して来てくれ」
「わかりました!」
「わかった」
「じゃあ、あたしも知り合いに双子ちゃん達の捜索や情報提供を呼び掛けてくるわねん☆・・・サーヤちゃん、あの子達はそこらの大人よりも強いから無事に決まってるわん♪だから、そんなに気を落とさないでねん♡♡」
「キャロさん・・・」
こうして二手に分かれ、あたしとエルとカルステッドさんはお店の奥の部屋で黒曜石に記憶されていた、お店を出る直前に泣いていた双子達の本音を初めて知ることになった。
映像を見終わった全員が言葉を失ってしまう程、あたし達はショックを受けていた。
「うぅ・・・レオンとサクラ、こんなに傷ついてたなんて・・・あたし、母親失格だよぅ・・・」
「いや、俺だって同じだ。双子やリリアの相手をサーヤに任せすぎて、レオンやサクラの気持ちに気付けなかった」
「俺も、上の兄妹しかいないので、兄や姉となった二人の気持ちには気づけませんでした・・・少なくともサーヤだけのせいじゃないから、自分ばかり責めるんじゃない、サーヤ」
「・・・ッグズ、でもっ、でもぉ・・・」
以前からセイルがリリアの相手ばかりしててあまり遊んでくれないとか、リリアがサクラのお人形を雑に扱ったこととか、一緒にお昼寝しようって約束してたのにリリアが泣き出しちゃってダメになったこととか、双子からの不平や不満を一番そばで聞いていたのは間違いなくあたしだ。
たとえ他の人が気付けなくても、あたしだけは気付いてあげなきゃいけなかったはずなのに・・・
(シュンッ)
「ねぇ、サーヤの心がだいぶ乱れてるみたいだけど、何かあったの?」
「サーヤまま虐める悪い奴いるの?ぷっちんする?」
「ミナト、そういう時はまずは縄でぎゅーしてからだよ。おねーさん、何かあったの?」
あたしの感情に敏感な加護者であるセイルが、ミナトちゃんとカイトくんを連れて転移魔法でやってきた。
泣いているあたしの代わりにリリア抱っこを交代してくれるセイルと、あたしを優しく抱きしめるミナトちゃんとカイトくんは、エルやカルステッドさんから話を聞きながらいなくなった双子の捜索に当然の事のように協力すると言ってくれた。
「レオたんと、サクたんの気持ち、あたしちょっとだけわかるの」
「・・・え?」
「レオたんと、サクたんが、リリたんと同じくらいの時“サーヤまま取られちゃった”って、あたしもちょっと寂しかったのよ」
「ミナトちゃん・・・」
「でもね、カイたんや、セイたんが、そーゆーのを乗り越えて成長するんだって、大人になるんだって教えてくれたの。小さいときは、みんな同じなのよ。レオたんやサクたんも、前よりいっぱい成長したから、これからもっと成長しなきゃなの」
「・・・っ」
「だから、サーヤままが悪いんじゃないの。レオたんやサクたんが、乗り越える試練なのよ」
美少女だけど年上のミナトちゃんは、時折こうしてものすごく大人な考え方であたしを慰めてくれる。
こういう考え方も、セイル達大人の精霊さんや精霊王様達の教育の賜物なんだろうな。
「大丈夫だよ、おねーさん。悪い奴らをぷっちんする方法はミナトが二人に教えてるし、僕もいらないモノを消す方法や魔法や物理攻撃無効のバリアとか教えてるから、何かあっても身を守る術は十分なはずだよ」
双子達がまたとんでもないモノを教えられてる事が判明して、一気に涙が止まる。
どうしてなの?!
皆は双子達をどうしたいの??何を目指させるつもりなの??!!
だんだん双子の身の安全を心配するよりも、小さなモンスターを世に放ってしまった不安の方が大きくなってきた・・・
レオンとサクラがいなくなった。
最初に気付いたのはエルだ。
日頃から超過保護なエルは、双子達にもバリア付きのブレスレットを装着させ、外出時には必ず本人の魔力登録をした魔法袋機能のついたウェストポーチを身に付けさせていた。
その魔法袋はあたしが食材をたんまりとストックしている魔法袋と繋がっている。
理由は、誰かに何かあっても他の家族の魔法袋で対処できるようにするためだ。
・・・これは過保護の域を超えてる気がしてたけど、今回はさすがに感謝である。
最近では家の庭で行う修行に限界を感じたらしく、修行と遊びを兼任して森全体を使ったかくれんぼをミナトちゃん達と頻繁にしているため、多少の道に迷ったり魔獣などに遭遇しても対処できてるようになったのだとか。
・・・ホントにどんな5歳児だよ!いくらなんでもおかしいでしょ!!とツッコみたいが、残念ながら我が家にツッコむ人は誰もいない。
むしろ、スポンジのように吸収する双子達に、周りが”いつか役立つと思うから”と言っていろんな事を教えているのを後から聞かされ、毎回あたしだけがビックリしている状態だ。
「どうして誰も気づかなかったんだ?!店の入り口は一か所しかないんだからさすがに誰か気付くだろう?!」
「でも隊長、出入りするお客様は見てましたが、双子の姿はありませんでしたよ?」
「俺が気付いたのは、商談を終えて念のため気配探知をしたときだ。その際双子の気配がや魔力が、店内はおろか周辺でもまったく感じられなかった」
「あの子達にはドアが高すぎて自分達で開けれないはずだよ。お店を出るとしたら、買い物客の後ろについていったとしか考えられないよね?」
「そうだな、それは間違いないと思う。ただ、普通に店を出たのではない・・・恐らく気配や魔力を断って出たんだろう」
「「「「???!!!」」」」
気配や魔力を断つ??
え、そんなこといくらなんでも双子達には・・・―――――――
「すみません、俺がレオンに隠密術を教えました」
「ア、アルマさん?!いつの間に??!!」
「・・・なるほど、それなら納得だ」
「えぇ?!そこ納得しちゃうの??レオンって隠密術使えちゃうの??!!」
音もなくいきなり現れたアルマさんに誰も驚かず、そのアルマさんがレオンに隠密術を教えていて、それを使ってお店を出たこともあたし以外誰も驚いていない。
・・・え、おかしいと思うのあたしだけなの?驚くあたしがおかしいの??
ホントに皆といると何が普通で、何が普通じゃないかわからなくなる。
「アルマ、それ以外にレオンに教えたことはあるか?・・・もしや、暗殺方法まで教えてないだろうな?」
「あっ、暗殺ぅぅ??!!」
「っ、ふにゃぁ~」
「あぁ、ごめんねリリア、いきなり大きな声出してビックリしちゃったね」
「いえ、暗殺はさすがに教えてません。俺が教えたのは、隠密に関する“気配遮断”と“魔力遮断”と“加速”と“鍵開け”と“罠探知・解除”くらいです」
「そうか」
ちょっと待て。今“鍵開け”って言った??
アルマさん、うちのレオンに何やらせる気ですか??なんでそんなこと5歳児に教えてるんですかっ!!!!
どうしよう。もうあたしのツッコみが追い付かない。
お願いだから誰か同じコト思ってくれる人いないの??
泣き出したリリアをあやしながらレオンやサクラがどこに行ったのか心配になるけど、あたしが行動を起こしたところで問題が大きくなるだけだから、エルを中心とした皆に任せるしかない。
でも、どうしても歯がゆい気持ちでいっぱいになってしまう。
「あ、隊長。確か店内で変なことがあったらすぐ対処できるようにって、ベルナート様に黒曜石設置してもらってましたよね?あれでレオンやサクラ動向って確認できませんか?」
「お、そうだな!良く気づいてくれたリンダ。俺やエリュシオン様で内容を確認するから、リンダとアルマは周辺に双子がいないか探して来てくれ」
「わかりました!」
「わかった」
「じゃあ、あたしも知り合いに双子ちゃん達の捜索や情報提供を呼び掛けてくるわねん☆・・・サーヤちゃん、あの子達はそこらの大人よりも強いから無事に決まってるわん♪だから、そんなに気を落とさないでねん♡♡」
「キャロさん・・・」
こうして二手に分かれ、あたしとエルとカルステッドさんはお店の奥の部屋で黒曜石に記憶されていた、お店を出る直前に泣いていた双子達の本音を初めて知ることになった。
映像を見終わった全員が言葉を失ってしまう程、あたし達はショックを受けていた。
「うぅ・・・レオンとサクラ、こんなに傷ついてたなんて・・・あたし、母親失格だよぅ・・・」
「いや、俺だって同じだ。双子やリリアの相手をサーヤに任せすぎて、レオンやサクラの気持ちに気付けなかった」
「俺も、上の兄妹しかいないので、兄や姉となった二人の気持ちには気づけませんでした・・・少なくともサーヤだけのせいじゃないから、自分ばかり責めるんじゃない、サーヤ」
「・・・ッグズ、でもっ、でもぉ・・・」
以前からセイルがリリアの相手ばかりしててあまり遊んでくれないとか、リリアがサクラのお人形を雑に扱ったこととか、一緒にお昼寝しようって約束してたのにリリアが泣き出しちゃってダメになったこととか、双子からの不平や不満を一番そばで聞いていたのは間違いなくあたしだ。
たとえ他の人が気付けなくても、あたしだけは気付いてあげなきゃいけなかったはずなのに・・・
(シュンッ)
「ねぇ、サーヤの心がだいぶ乱れてるみたいだけど、何かあったの?」
「サーヤまま虐める悪い奴いるの?ぷっちんする?」
「ミナト、そういう時はまずは縄でぎゅーしてからだよ。おねーさん、何かあったの?」
あたしの感情に敏感な加護者であるセイルが、ミナトちゃんとカイトくんを連れて転移魔法でやってきた。
泣いているあたしの代わりにリリア抱っこを交代してくれるセイルと、あたしを優しく抱きしめるミナトちゃんとカイトくんは、エルやカルステッドさんから話を聞きながらいなくなった双子の捜索に当然の事のように協力すると言ってくれた。
「レオたんと、サクたんの気持ち、あたしちょっとだけわかるの」
「・・・え?」
「レオたんと、サクたんが、リリたんと同じくらいの時“サーヤまま取られちゃった”って、あたしもちょっと寂しかったのよ」
「ミナトちゃん・・・」
「でもね、カイたんや、セイたんが、そーゆーのを乗り越えて成長するんだって、大人になるんだって教えてくれたの。小さいときは、みんな同じなのよ。レオたんやサクたんも、前よりいっぱい成長したから、これからもっと成長しなきゃなの」
「・・・っ」
「だから、サーヤままが悪いんじゃないの。レオたんやサクたんが、乗り越える試練なのよ」
美少女だけど年上のミナトちゃんは、時折こうしてものすごく大人な考え方であたしを慰めてくれる。
こういう考え方も、セイル達大人の精霊さんや精霊王様達の教育の賜物なんだろうな。
「大丈夫だよ、おねーさん。悪い奴らをぷっちんする方法はミナトが二人に教えてるし、僕もいらないモノを消す方法や魔法や物理攻撃無効のバリアとか教えてるから、何かあっても身を守る術は十分なはずだよ」
双子達がまたとんでもないモノを教えられてる事が判明して、一気に涙が止まる。
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