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110 気付かれた
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ルキアスがホーンラビットを探して歩く。その後をザネク、エリリース、リュミアは追う。
「居た。あそこ」
ルキアスは指差した。『望遠』を使えば見える距離だ。
「どこだ?」
ザネクも肉眼では見えない。『望遠』を使って確かめる。
「あれか」
「居たわ……ね」
リュミアもまた『望遠』を使って見付けていた。エリリースは『望遠』を学んでいないせいで所在なさそうにする。今この場で教わる訳にも行かない。
「気付かれたか?」
ザネクは凝視されている気配を感じた。ホーンラビットがこちらを向いている。
「みたいだね。他を探そう」
ルキアスもまた気付かれたと感じた。こうなったらもう逃げられるだけだから、このホーンラビットは狙わない。ここを押しても徒労に終わるだけだと、少ない経験の中でさえ理解させられている。
ところがいつもとホーンラビットの動きが違った。いつもなら狙われているのが判るのか、ルキアスに気付いたホーンラビットは逃げて行く。けして全速力で走って向かって来たりはしない。
肉眼で見える距離まで近付いて来た。走る速度は緩まない。こうなってはルキアスにも判る。攻撃を仕掛けられつつあるのだ。
「逃げて!」
ルキアスは即決した。銃を撃つ前から逃げなくてはならなくなったのは初めてだが、理由を考えている場合ではない。エリリースを促して反対方向へと走り出す。
「ザネクと先生も早く!」
「ホーンラビットくらい俺が片付けてやるよ!」
ザネクは剣を抜いて構えた。しかしその手をリュミアが抑える。
「今はルキアスくんの指示通りに……ね」
「……判ったよ」
ザネクは面白く無さそうに、リュミアと共にルキアスの跡を追った。
二分間も走ればホーンラビットは諦めたらしく、どこかへ行った。
仕切り直しだ。ルキアスはホーンラビット探しに戻る。
しかしそれから数分も歩いた頃のこと。
「来た!」
突然のザネクの声。ルキアスはでビクッとなって振り向いた。
目に映るのは今将にザネクがホーンラビットに向けて剣を振り下ろす場面である。
「居た。あそこ」
ルキアスは指差した。『望遠』を使えば見える距離だ。
「どこだ?」
ザネクも肉眼では見えない。『望遠』を使って確かめる。
「あれか」
「居たわ……ね」
リュミアもまた『望遠』を使って見付けていた。エリリースは『望遠』を学んでいないせいで所在なさそうにする。今この場で教わる訳にも行かない。
「気付かれたか?」
ザネクは凝視されている気配を感じた。ホーンラビットがこちらを向いている。
「みたいだね。他を探そう」
ルキアスもまた気付かれたと感じた。こうなったらもう逃げられるだけだから、このホーンラビットは狙わない。ここを押しても徒労に終わるだけだと、少ない経験の中でさえ理解させられている。
ところがいつもとホーンラビットの動きが違った。いつもなら狙われているのが判るのか、ルキアスに気付いたホーンラビットは逃げて行く。けして全速力で走って向かって来たりはしない。
肉眼で見える距離まで近付いて来た。走る速度は緩まない。こうなってはルキアスにも判る。攻撃を仕掛けられつつあるのだ。
「逃げて!」
ルキアスは即決した。銃を撃つ前から逃げなくてはならなくなったのは初めてだが、理由を考えている場合ではない。エリリースを促して反対方向へと走り出す。
「ザネクと先生も早く!」
「ホーンラビットくらい俺が片付けてやるよ!」
ザネクは剣を抜いて構えた。しかしその手をリュミアが抑える。
「今はルキアスくんの指示通りに……ね」
「……判ったよ」
ザネクは面白く無さそうに、リュミアと共にルキアスの跡を追った。
二分間も走ればホーンラビットは諦めたらしく、どこかへ行った。
仕切り直しだ。ルキアスはホーンラビット探しに戻る。
しかしそれから数分も歩いた頃のこと。
「来た!」
突然のザネクの声。ルキアスはでビクッとなって振り向いた。
目に映るのは今将にザネクがホーンラビットに向けて剣を振り下ろす場面である。
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