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109 パーティー
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ザネクにとって「どうしてここに?」の問いに答えるのは難しくない。
「ルキアスが誰かと組むんだったら、最初の一人目は俺に決まってるからな!」
ザネクがいつぞやに決心したのはこの事だ。切り捨てられないならとことん付き合ってやると。
ただ、ルキアスが誰かと組むことを考えるようになるまで待つつもりだった。ところがそこにエリリースが割り込んで来たのだ。指を咥えてこれを見ていてはルキアスの友人第一号として面目丸潰れになる。……とまで自覚している訳でもないが、面白くはない。そっちがそう来るならこっちもと、ちょっとばかり考えてしまったのだった。
「ありがとう!」
ルキアスは単純にザネクの言葉を喜んだ。誰かと一緒に狩りに出掛けるなんてあり得ないと思っていたから一入だ。ザネクがお礼を言われて「止せやい」と照れるのもルキアス的には好感度が高い。
何にせよメンバーは集まった。しかしルキアスには少し悩ましい。
「ところでパーティーでの狩りってどうやれば?」
ルキアスは『天職無し』のせいで誰ともパーティーを組めず、ずっと独りでの活動になると考えていた。だからパーティーでの役割なんて一考すらしていなかった。
「そりゃ、お前……」
ザネクは答えようとして口籠もった。今のところ兄ガノスのパーティーに付いて回っているようなもののため、予め分担された役割をこなすだけなのだ。自分で采配したことなど無い。だからイメージが漠然としてしまう。
それでも大まかには判る。前衛と後衛に分かれて……と考えたところでやっぱりリュミアに助けを求める視線を投げた。
リュミアは苦笑する。しかしこの場は致し方ないと、口を出すことにした。
「役割分担や隊列を決めるのだけど、ルキアスくんに何ができるのか判らないと決められないわ……ね」
リュミアはエリリースについては何ができるか把握しているので、問題になるのはルキアスだけだ。手にする武器や天職である程度予想できるものだが、『天職無し』で自作の銃を使うとなると海の物とも山の物とも想像が付かない。
「最初にルキアスくんが普段している様子を見せて貰ってから決めましょう……か」
そうしてパーティーとして活動する初日、ルキアスは人に見られながらの狩りを経験することになった。
「ルキアスが誰かと組むんだったら、最初の一人目は俺に決まってるからな!」
ザネクがいつぞやに決心したのはこの事だ。切り捨てられないならとことん付き合ってやると。
ただ、ルキアスが誰かと組むことを考えるようになるまで待つつもりだった。ところがそこにエリリースが割り込んで来たのだ。指を咥えてこれを見ていてはルキアスの友人第一号として面目丸潰れになる。……とまで自覚している訳でもないが、面白くはない。そっちがそう来るならこっちもと、ちょっとばかり考えてしまったのだった。
「ありがとう!」
ルキアスは単純にザネクの言葉を喜んだ。誰かと一緒に狩りに出掛けるなんてあり得ないと思っていたから一入だ。ザネクがお礼を言われて「止せやい」と照れるのもルキアス的には好感度が高い。
何にせよメンバーは集まった。しかしルキアスには少し悩ましい。
「ところでパーティーでの狩りってどうやれば?」
ルキアスは『天職無し』のせいで誰ともパーティーを組めず、ずっと独りでの活動になると考えていた。だからパーティーでの役割なんて一考すらしていなかった。
「そりゃ、お前……」
ザネクは答えようとして口籠もった。今のところ兄ガノスのパーティーに付いて回っているようなもののため、予め分担された役割をこなすだけなのだ。自分で采配したことなど無い。だからイメージが漠然としてしまう。
それでも大まかには判る。前衛と後衛に分かれて……と考えたところでやっぱりリュミアに助けを求める視線を投げた。
リュミアは苦笑する。しかしこの場は致し方ないと、口を出すことにした。
「役割分担や隊列を決めるのだけど、ルキアスくんに何ができるのか判らないと決められないわ……ね」
リュミアはエリリースについては何ができるか把握しているので、問題になるのはルキアスだけだ。手にする武器や天職である程度予想できるものだが、『天職無し』で自作の銃を使うとなると海の物とも山の物とも想像が付かない。
「最初にルキアスくんが普段している様子を見せて貰ってから決めましょう……か」
そうしてパーティーとして活動する初日、ルキアスは人に見られながらの狩りを経験することになった。
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