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299~305 自家発電
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【299.仁王立ちした】
「うひょーっ!」
ハンターは魔法使いの裸に興奮しきりだ。これでも一応、独占欲はある。あるのだけど、隠すのではなくひけらかすタイプなせいで、魔法使いの裸身でも皆と一緒に楽しんでしまうのだ。
「もう、マホったら……」
一方、ヒーラーは自分が裸になったのでもないのに少し猫背で太股を摺り合わせながら胸と股間を服の上から手で隠した。止めるまでもないと思っていた賭ではあったが、見ているだけで恥ずかしくなったのだ。
止めなかったのは、パーティーを組んでいたらお互いに裸を見たり見られたりが少なからずあるためだ。しかし今は止めなかったのを後悔しつつある。
そんな中、魔法使いが言い放つ。
「まだ勝負は終わってないわ!」
誰の目にももう終わっているのだが……。
【300.勝負は終わってない】
「もう脱ぐもの無いだろ」
剣士はラケットで肩を叩きながら呆れ声を出す。
「靴があるわ!」
「そんなの数に入れんな。大体、その格好から靴を脱いだところでな……」
魔法使いは羞恥で顔を赤らめながら自らの身体を見下ろす。そしてまた少し自棄になった。
「だったら一発ヤらせてあげるわよ!」
「ほう……。ほう!」
「おい、こら! 幾ら何でもそこまでは看過でき……、もががっ」
ハンターが抗議の声を上げたが、槍士が途中で遮った。
「もがっ! もががもがが!」
「心配するまでもなかろう」
若干へっぴり腰になっている槍士は同じようにへっぴり腰になっている剣士を見ながら言った。
【301.へっぴり腰の対戦】
試合再開。魔法使いがサーブを放つ。前のセットまでは胸を隠そうとして相手コートに入らなかったりひょろひょろ球だったりしたが、おっぱいも揺れるに任せてボールを打てば、今までが嘘だったかのような鋭さになった。
「フィフティーンラブ」
魔王のコールが響く。サービスエースだ。剣士の動きが前のセットまでとは打って変わって鈍い。ぺっぴり腰だからか。
「どんどん行くわよ!」
「おお……」
魔法使いがボールを投げ上げるだけでおっぱいがぷるんと揺れる。剣士の目は釘付けだ。
パン! バン!
「サーティーラブ」
パン! バン!
「フォーティーラブ」
パン! バン!
「ゲームウォンバイマホ、セットカウント1セットトゥラブ、ゾッケンリーズ」
剣士はますますへっぴり腰である。
【302.ますますへっぴり腰】
「ゲームセットウォンバイマホ、セットカウント2セットトゥラブ、ゾッケンリーズ」
剣士は全く良いところが無いままセットを落とした。
「さあ、脱いでちょうだい」
「しょうがねぇ」
剣士はポロシャツを脱いだ。当然ブラジャーなんて着けてないので、筋骨隆々の素肌が晒される。魔法使いの微妙にねっとりした視線が絡み付く。
そして試合再開。剣士のぺっぴり腰は留まることを知らない。
「ゲームセットウォンバイマホ、セットカウント2セットトゥラブ、ゾッケンリーズ」
剣士はあっと言う間にセットを落とした。
「さあ!」
「くそっ!」
顎をしゃくって脱衣を促す魔法使いに悪態を吐きつつも、剣士はボトムズを威勢良く脱いで胸を張った。
「なっ! なっ! なっ! 何おっ起てたもの剥き出しにしてんのよ!」
パンツもサポーターも穿いてなかったせいでぺっぴり腰だったのだ。脱いでしまえば擦れることもないので堂々としたものである。
【303.堂々としたもの】
「もう相手にしてられないわ! 行きましょ、レンジ!」
魔法使いは胸を押し付けるようにしながらハンターの腕に腕を搦めて引っ張って行く。
途中、チラッと剣士の股間に目をやった。
「……」
取り残された形の剣士は少し切ない。特に股間が。
だからと言うこともないだろうが、ヒーラーに熱い視線を送る。
「わ、わたしはまた銃の練習をしなくては!」
そそくさと逃げるヒーラー。剣士は切なげに槍士を見る。
「キモい」
槍士の一言で、剣士はテニスコートに両手を突いて項垂れた。
【304.剣士は項垂れた】
項垂れたところでイキり立った剣士の剣は容易には鎮まらない。
そんな剣士を憐れに思い、魔王はテニスコートをシアターに造り替える。
「これでも観て自分で何とかしろ」
スクリーンに映し出されたのはアダルトビデオだ。魔王はアダルトグッズもコピーして剣士に使い方を掻い摘んで説明する。
魔王の話もそこそこに、剣士はスクリーンに釘付けだ。自家発電にも余念がない。
「ぐぬ……」
それまで傍観していただけの槍士が呻いた。
魔王は目敏くそれを見咎めて、槍士に歩み寄ってその肩をポンと叩く。
「無理をするな」
アダルトグッズを差し出しながら言った。
「くっ、殺せ……」
周知に堪えかねたようにしながらも、アダルトグッズを引っさらうようにして受け取って自家発電に勤しむ槍士であった。
【305.自家発電後】
「参ったぜ。マホって奴は俺のライフルを放しゃしねぇ」
ハンターがにやけながら居間に出て来た。剣士と槍士はもう居間で寛ぎ中だ。ところがその2人の様子が少しおかしい。
「……って、ゾッケンもヤンリークも何悟りを開いたような顔してんだ?」
「アレは良いものだぁ」
「然り然り。アレは良い」
「何が良いってんだ?」
「女が居る奴には必要の無いものだ」
「然り然り」
「おい! 除けもんにするんじゃねぇよ!」
声を荒らげるハンターに、剣士も槍士も白けた視線を向けた。
「うひょーっ!」
ハンターは魔法使いの裸に興奮しきりだ。これでも一応、独占欲はある。あるのだけど、隠すのではなくひけらかすタイプなせいで、魔法使いの裸身でも皆と一緒に楽しんでしまうのだ。
「もう、マホったら……」
一方、ヒーラーは自分が裸になったのでもないのに少し猫背で太股を摺り合わせながら胸と股間を服の上から手で隠した。止めるまでもないと思っていた賭ではあったが、見ているだけで恥ずかしくなったのだ。
止めなかったのは、パーティーを組んでいたらお互いに裸を見たり見られたりが少なからずあるためだ。しかし今は止めなかったのを後悔しつつある。
そんな中、魔法使いが言い放つ。
「まだ勝負は終わってないわ!」
誰の目にももう終わっているのだが……。
【300.勝負は終わってない】
「もう脱ぐもの無いだろ」
剣士はラケットで肩を叩きながら呆れ声を出す。
「靴があるわ!」
「そんなの数に入れんな。大体、その格好から靴を脱いだところでな……」
魔法使いは羞恥で顔を赤らめながら自らの身体を見下ろす。そしてまた少し自棄になった。
「だったら一発ヤらせてあげるわよ!」
「ほう……。ほう!」
「おい、こら! 幾ら何でもそこまでは看過でき……、もががっ」
ハンターが抗議の声を上げたが、槍士が途中で遮った。
「もがっ! もががもがが!」
「心配するまでもなかろう」
若干へっぴり腰になっている槍士は同じようにへっぴり腰になっている剣士を見ながら言った。
【301.へっぴり腰の対戦】
試合再開。魔法使いがサーブを放つ。前のセットまでは胸を隠そうとして相手コートに入らなかったりひょろひょろ球だったりしたが、おっぱいも揺れるに任せてボールを打てば、今までが嘘だったかのような鋭さになった。
「フィフティーンラブ」
魔王のコールが響く。サービスエースだ。剣士の動きが前のセットまでとは打って変わって鈍い。ぺっぴり腰だからか。
「どんどん行くわよ!」
「おお……」
魔法使いがボールを投げ上げるだけでおっぱいがぷるんと揺れる。剣士の目は釘付けだ。
パン! バン!
「サーティーラブ」
パン! バン!
「フォーティーラブ」
パン! バン!
「ゲームウォンバイマホ、セットカウント1セットトゥラブ、ゾッケンリーズ」
剣士はますますへっぴり腰である。
【302.ますますへっぴり腰】
「ゲームセットウォンバイマホ、セットカウント2セットトゥラブ、ゾッケンリーズ」
剣士は全く良いところが無いままセットを落とした。
「さあ、脱いでちょうだい」
「しょうがねぇ」
剣士はポロシャツを脱いだ。当然ブラジャーなんて着けてないので、筋骨隆々の素肌が晒される。魔法使いの微妙にねっとりした視線が絡み付く。
そして試合再開。剣士のぺっぴり腰は留まることを知らない。
「ゲームセットウォンバイマホ、セットカウント2セットトゥラブ、ゾッケンリーズ」
剣士はあっと言う間にセットを落とした。
「さあ!」
「くそっ!」
顎をしゃくって脱衣を促す魔法使いに悪態を吐きつつも、剣士はボトムズを威勢良く脱いで胸を張った。
「なっ! なっ! なっ! 何おっ起てたもの剥き出しにしてんのよ!」
パンツもサポーターも穿いてなかったせいでぺっぴり腰だったのだ。脱いでしまえば擦れることもないので堂々としたものである。
【303.堂々としたもの】
「もう相手にしてられないわ! 行きましょ、レンジ!」
魔法使いは胸を押し付けるようにしながらハンターの腕に腕を搦めて引っ張って行く。
途中、チラッと剣士の股間に目をやった。
「……」
取り残された形の剣士は少し切ない。特に股間が。
だからと言うこともないだろうが、ヒーラーに熱い視線を送る。
「わ、わたしはまた銃の練習をしなくては!」
そそくさと逃げるヒーラー。剣士は切なげに槍士を見る。
「キモい」
槍士の一言で、剣士はテニスコートに両手を突いて項垂れた。
【304.剣士は項垂れた】
項垂れたところでイキり立った剣士の剣は容易には鎮まらない。
そんな剣士を憐れに思い、魔王はテニスコートをシアターに造り替える。
「これでも観て自分で何とかしろ」
スクリーンに映し出されたのはアダルトビデオだ。魔王はアダルトグッズもコピーして剣士に使い方を掻い摘んで説明する。
魔王の話もそこそこに、剣士はスクリーンに釘付けだ。自家発電にも余念がない。
「ぐぬ……」
それまで傍観していただけの槍士が呻いた。
魔王は目敏くそれを見咎めて、槍士に歩み寄ってその肩をポンと叩く。
「無理をするな」
アダルトグッズを差し出しながら言った。
「くっ、殺せ……」
周知に堪えかねたようにしながらも、アダルトグッズを引っさらうようにして受け取って自家発電に勤しむ槍士であった。
【305.自家発電後】
「参ったぜ。マホって奴は俺のライフルを放しゃしねぇ」
ハンターがにやけながら居間に出て来た。剣士と槍士はもう居間で寛ぎ中だ。ところがその2人の様子が少しおかしい。
「……って、ゾッケンもヤンリークも何悟りを開いたような顔してんだ?」
「アレは良いものだぁ」
「然り然り。アレは良い」
「何が良いってんだ?」
「女が居る奴には必要の無いものだ」
「然り然り」
「おい! 除けもんにするんじゃねぇよ!」
声を荒らげるハンターに、剣士も槍士も白けた視線を向けた。
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