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‘む、無理。ぜーったい無理! それに今時って丸のまま捌くなんてしないから’
カナは両腕で大きくバッテンを作った。
‘確かにスーパーでは切り身でござるね’
‘でしょ。トモって意外と尖ってるのよ’
少し視界が動いて上下に狭まった先ではカナが腕を組んで頷いていた。
トモは何も言わずに作業を続ける。
それから小一時間。
‘ふぅ、こんなものなんだよぉ’
二〇頭余りの魔物は肉とその他に分けられた。
‘もう遅くなっちゃったから早く寝ましょ!’
肉に氷を被せ終えたカナは言った。
しかしトモは首を横に振ってカナに手を合わせる。
‘カナちゃん、もう一頑張りお願いなんだよぉ’
‘な、何? あれに何かあるの?’
カナは魔物の残骸――肉を取った残り――を見ないようにしながら指差した。
‘うん! 残りを乾燥させて欲しいんだよぉ’
‘あ、確かに放置してたら臭くなるよな!’
‘別の肉食獣でも襲って来かねないでござるな’
‘ええ……’
カナは顔を蒼くした。
‘見るのが駄目だったらタケが土で囲えばいいんじゃないか? それならカナも中を見ずに魔法を使えるだろ?’
‘おお、その手があったでござるな’
タケは残骸を囲う塀を構築した。
地面から塀がニョキニョキ伸びる様子はいっそ不気味だ。
一方でカナは残骸は見えなくなったことでホッとした様子。
‘じゃあ、やるわ。ドライ’
カナが塀に手を添えて魔法名を言うと、塀の中から少し湯気が上がった。
原理が真空乾燥なのか温風乾燥なのかは感覚の無いオレには判らない。
ただカナが作業を終えてタケが塀を崩せば、残骸が見事に乾いていた。
‘カナちゃんありがとうだよぉ。わたしも肥料作りを頑張るんだよぉ’
トモが右腕を力瘤を作るかのように動かすが、手首が反っているので全く迫力が無い。
‘うん、まあ、とにかく休憩しましょ。何だか疲れたわ’
‘そうだね。頑張って休憩するんだよぉ!’
‘いやいや休憩に頑張るも何も無いから’
パタパタと手を振るカナは本当に疲れているようだった。
カナは両腕で大きくバッテンを作った。
‘確かにスーパーでは切り身でござるね’
‘でしょ。トモって意外と尖ってるのよ’
少し視界が動いて上下に狭まった先ではカナが腕を組んで頷いていた。
トモは何も言わずに作業を続ける。
それから小一時間。
‘ふぅ、こんなものなんだよぉ’
二〇頭余りの魔物は肉とその他に分けられた。
‘もう遅くなっちゃったから早く寝ましょ!’
肉に氷を被せ終えたカナは言った。
しかしトモは首を横に振ってカナに手を合わせる。
‘カナちゃん、もう一頑張りお願いなんだよぉ’
‘な、何? あれに何かあるの?’
カナは魔物の残骸――肉を取った残り――を見ないようにしながら指差した。
‘うん! 残りを乾燥させて欲しいんだよぉ’
‘あ、確かに放置してたら臭くなるよな!’
‘別の肉食獣でも襲って来かねないでござるな’
‘ええ……’
カナは顔を蒼くした。
‘見るのが駄目だったらタケが土で囲えばいいんじゃないか? それならカナも中を見ずに魔法を使えるだろ?’
‘おお、その手があったでござるな’
タケは残骸を囲う塀を構築した。
地面から塀がニョキニョキ伸びる様子はいっそ不気味だ。
一方でカナは残骸は見えなくなったことでホッとした様子。
‘じゃあ、やるわ。ドライ’
カナが塀に手を添えて魔法名を言うと、塀の中から少し湯気が上がった。
原理が真空乾燥なのか温風乾燥なのかは感覚の無いオレには判らない。
ただカナが作業を終えてタケが塀を崩せば、残骸が見事に乾いていた。
‘カナちゃんありがとうだよぉ。わたしも肥料作りを頑張るんだよぉ’
トモが右腕を力瘤を作るかのように動かすが、手首が反っているので全く迫力が無い。
‘うん、まあ、とにかく休憩しましょ。何だか疲れたわ’
‘そうだね。頑張って休憩するんだよぉ!’
‘いやいや休憩に頑張るも何も無いから’
パタパタと手を振るカナは本当に疲れているようだった。
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