見るだけの簡単なお仕事

浜柔

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 酒場は食事を済ませた後、早々に出る。

「すみません。ぼくのせいで聞き込みが中途半端になってしまって……」
「だいじょぶだいじょぶ。ラカシヤ王国の方から攻めるなんて話になっててプローゼン語のあたし達が何の反応もしないのもおかしな話だからー」
「だと助かります。あ、でもマスターはライナーダ語だったのにどうしてプローゼン語で答えたのですか?」
「ライナーダじゃ勇者くんとルーナが解らないでしょ? あたしも喋る方はカタコトになっちゃうしねー」
「えーと、ぼくはライナーダ語話せますよ」
「わたしも聞き取りは可能」
「ええっ!? あ、そっか、勇者くんは元々そっち方面だったかー。ルーナちゃんはやっぱり仕事の関係?」
「うん」
「それなら意外とあたしより喋れるかもねー」

 ルーナは首を傾げるだけで応えた。

「まずは勇者くんがお手本に喋ってみせてよ」
「は、はあ……『これはペンです』」
「ちょ、もっと実用的なのにしてよ!」
「そう言われても……挨拶でもします?」
「それは『やあ』か『どうも』でいいかな……」
「ですよね」
「うーん、今話してるようなことをライナーダ語縛りで話してみる?」
『いいですよ。やってみましょう。ところで次はどこに行きます?』
「……」
『テムハさん?』
「ふあっ! いっけない、気絶してた」
『何でやねん』

 ルーナが何故かライナーダ語でツッコミを入れた。
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