見るだけの簡単なお仕事

浜柔

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 十六夜月あたりの明るい月が出ているものの、遺跡を探し当てるのに数時間を要してしまった。
 当然ながら遺跡は静まり返って人っ子一人居ない。
 変わった部分は無いものか。
 ……。
 屋敷跡の柱の面影を残した部分に妙に綺麗な横穴が在った。
 隠し金庫っぽい四角い穴だ。
 ! 覗き込んだら何故か一瞬ゾワッとした。
 覗き直しても何も感じない。
 さっきのは何だったんだ?
 考えても結論は出ないか。
 ともあれ穴は特筆するものでもなかった。
 ただ奇妙なことに穴の中は風化が進んでなかった。
 つい最近開けられたかのように見える。
 不思議なこともあったものだ。
 しかしそれ以外この遺跡に見るべきものは無かった。
 地下室みたいなものは場所が場所だけに発掘だか盗掘だかで何も残ってない。
 夜が明けるまで探索を続けたのが無駄だった。
 日の出だ。
 そろそろ勇者も起きる時間だな。
 ゆっくり昇る太陽でも見てみるか。
 今のオレなら太陽を直接見ても目に影響は無い。
 目が無いからな。
 大好物ってことじゃなくて物理的にな。
 ……目は無いのに何故か見える。
 考えてみると不思議なものだ。
 太陽は完全に地平線から出た。
 ……少し妙だ。
 勇者はまだ起きないのか?
 お寝坊さんだな。
 ……。
 ……。
 いやいやもう太陽は中程まで上がってるぞ?
 勇者はまだ起きないのか?
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