見るだけの簡単なお仕事

浜柔

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‘こんなことだってできるよ。バリアー’

 カナが軽く手を振ると、四人を透明な何かが覆った。
 光の加減で辛うじて見える程度の代物だ。

‘カナがやけにあっさり反対を取り下げると思ったらそんな技を身に付けていたでござるか’
‘そうなのよ。今までトモとタケにお披露目する機会は無かったけどね。だから二人とも心配いらないよ。それにいざとなったらタケが城壁を造れば籠城できるし’
‘ござるなー’
‘トモも安心した?’
‘うん!’
‘ならば出発だ!’

 ケースケが宣言して先頭切って森に繰り出した。
 カナはバリアーを張りっぱなしのようだ。
 森の木の一部が振るって来る蔦が途中で弾かれる音が断続的に続いている。
 そして少し奥に分け入っただけで四方八方が視界を塞ぐ森の木で方向さえも怪しくなる。

‘目印を立てる必要があるでござるな’

 タケは家から一〇〇メートルと離れない位置で森の木より高い塔を建てた。
 中には階段も設けられている。

‘ちょっと上って位置を確かめるでござるよ’
‘俺も行く’
‘トモはどうする? 高いけど’
‘が、頑張るんだよぉ’
‘そう。じゃあ一緒に行きましょ’
‘うん’

 四人が塔を上る。
 やはり最初に息を切らしたのはトモだ。
 一〇階建てのビルの最上階まで上るようなものだから一気に上るのは足に来たらしい。

‘トモ、頑張って!’
‘結構足に来るでござるな’
‘頑張れ! 天辺は直ぐそこだ!’
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