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カプセル大王
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「明斗(あきと)はここで待っててね。お買い物すぐすむから」
お母さんは明斗に百円玉二つにぎらせると、弟の海斗(かいと)のバギーを押して行ってしまいました。
土曜日の午後ですが 、ショッピングモールのゲームコーナーはひっそりとしています。
「ちえっ、またか」
半年前に弟の海斗が産まれてから、 お父さんもお母さんも弟だけかわいがって、明斗はしかられてばかりです。海斗なんて、ちょっとおすわりしただけで手をたたいてもらえます。
「ぶーぶー」
そう言いながら、ふわふわボールをぽいっと落としただけで、頭をなでてもらえます。それを片付けるのは、明斗です。
海斗は、ちょっと泣いたらすぐだっこしてもらいます。
お父さんも会社から帰ってくると、まず海斗をだっこします。明斗が、幼稚園の大きい組でかいてきた絵を見せても、前みたいにほめてくれません。一番好きなカプセルヒーローのテレビだって、海斗が寝てると、ボリュームを小さくして静かに見ないといけないのです。
「赤ちゃんはいいよなあ」
明斗は、そう言いながら、カプセルヒーローのマシンの前で、レッドの変身ポーズを決めました。さびしい時やくやしい時は、これで元気になります。大きくなったら、絶対弱い者を守るヒーローになると決めています。
「よし、一番強いレッドを出すぞ。月曜日、幼稚園でけんちゃんに見せびらかすんだ」
「カプセルレッド出ろ!」
大きな声で言うと、明斗はカプセルマシンのレバーを思い切り回しました。
ウイ~ングワ~ン
「あれ?」
いつもの半分透明のカプセルと違って、虹色に光るカプセルが出てきました。
「ひょっとしてレアアイテムかも!」
明斗は、わくわくしてカプセルを開けようとしました。でも、固くて開きません。汗が出るほど力を入れました。突然、まぶしい光とバーンという音と同時に、カプセルが開きました。
「ムキャキャキャ~!わしがカプセル大王じゃ~!」
二つに割れたカプセルの片側に、明斗の親指くらいのネコのようなものが動いています。それは、二本足で立って大きな赤いマントをつけて、ふんぞりかえっています。
「えっ、しゃべるの?電池?でも、カプセルヒーローにこんなキャラいたかなぁ」
明斗は、あっけにとられて、そのチビネコをつまもうとしました
「ムキャ~!無礼者め、わしは、おもちゃじゃないわい!」
チビネコは、ぴょんぴょん跳びはねましたが、ハッと我に返って咳ばらいをすると、前よりももっとふんぞりかえって言いました。
「コホン。礼を言うぞ、地球人の子供よ」
「生きてるの?」
明斗は、それを自分の手の平に乗せると、じっくり見つめました。
「わしはカプセル星のカプセル王国の大王じゃ。宇宙探索に出ておったら、この機械の中に紛れ込んでしまい、困り果てておったところじゃ」
カプセル大王と名乗るそれは、明斗の肩に飛び乗ると、いばって言いました。
「礼として願いを一つかなえてやろう。なんなりと申せ。ただし十数える間じゃ。ムキャキャキャ~!」
「何でも!?え~っ!」
「十、九、八、」
「え、え、え~っと 、海斗とかわりたい」
明斗は、大声で叫びました。
「ムキャキャ~!お安いご用じゃ」
カプセル大王が、小さな、毛むくじゃらのうでを一回転させると、虹色のうずまきの光りが押し寄せてきて、明斗はそれに飲み込まれました。
明斗が、バギーの上に座っている自分に気がついたのは、しばらくしてからでした。
「あら海斗ちゃん、どうしたのかな?」
お母さんが、バギーの上からにっこり笑って頭をなでてくれました。こんなにやさしいお母さんを見たのは、初めてのような気さえします。
「海斗とかわったんだ!すごい!カプセル大王が願いをかなえてくれたんだ。すごい」
明斗は、うれしくてバギーの中で手と足をバタバタさせました。
お母さんと買い物を済ませてゲームセンターのところまで戻ってくると、激しい鳴き声が聞こえました。カプセルマシンの前で、あおむけにひっくりかえった海斗が泣き叫んでいます。
「明斗!どうしたの?」
お母さんが、顔色を変えて駈け寄ると
「うわ~ん、ぼくなんだかわからないけど、お兄ちゃんになっちゃったよ~、うわ~ん」
聞き取りにくい言葉で、海斗は叫びました。
「何ばかばかしいこと言ってるの!明斗はずっと海斗のお兄ちゃんでしょ。つまらないこと言ってるんだったら、ほって帰るわよ」
お母さんは、さっさとバギーを押して行ってしまいます。海斗は、ふらふらとやっとのことで立ちあがると、お母さんの上着をつかまえました。明斗は
「いい気味だ。今まで海斗ばかりかわいがられてたんだからな」
バギーに乗った明斗は、大笑いしたい気分でした。
「明斗、ごはんよ。元気がないけど、大好きなハンバーグよ、おあがりなさい」
海斗は、キッチンのテーブルの前にすわりましたが、おはしをグーににぎって、つきたてているだけです。
「何やってるの!おぎょうぎの悪いことするんじゃありません。いらないのなら食べなくっていいわ」
お母さんは、ぷりぷりしてお皿をさげてしまいました。
海斗は、べそべそ泣きながらベビーベッドのそばまで来ると、そのまま寝てしまいました。
「いい気味だなあ、ぼくの気持がわかるだろう」
明斗は笑おうとしましたが、おなかがすいて力が出ません。
「オギャーフギャー」
「海斗もおなかすいたのね、はいはい」
お母さんは、明斗をだっこすると哺乳瓶を口に入れました。
「ま・ま・まずー、ぼくもハンバーグが食べたいよ」
しかたがないので、明斗は涙を浮かべながらミルクを飲みました。おしっこもしたのですが、オムツの中で気もち悪くてたまりません。首の後ろがかゆいのに、お母さんに分かってもらえません。
夜遅く、帰ってきたお父さんにだっこされました。せっかくぐっすり眠っていたのに、起こされてお酒の匂いもくさくていやでした。
次の日、朝八時です。海斗はまだ寝ています。
「明斗、日曜日よ。カプセルヒーロー始まるわよ、見ないの?」
お母さんは、テレビのリモコンを海斗に渡そうとしましたが、海斗はだまって、いやいやをしました。
「ばかっ、一番たのしみなテレビなのに!今日はいよいよ敵との決戦なんだぞ」
でも、テレビのスイッチは入れられることはなく、時間が過ぎていきました。明斗のすることは何もなく、ただまずいミルクとうすい果汁とか飲んで、寝ているだけです。
月曜日の朝、海斗は着替えが遅いと、またしかられています。
「おにいちゃんのせいだ」
海斗はそう言うと、ベビーべッドの明斗の頭をぽかっとたたきました。でも、明斗は泣かずにがまんしました。お兄ちゃんになってしまった海斗が、かわいそうになってきたのです。
お昼前、電話がなりました。
受話器を取ったお母さんは、真っ青になり、 明斗をおぶって飛び出しました。タクシーの中で、お父さんに携帯電話しています。
「明斗が幼稚園のジャングルジムから落ちたんですって。けんちゃんと変身ごっこをしてて。いつも遊んでるのにね。今病院に向かってるの。おもらしとかもして、大変だったみたい。もうどうしちゃったのかしら?何かあったらどうしたらいいの」
お母さんは、顔をくしゃくししゃにして泣いています。
車椅子に乗った海斗の右足には、ギブスがはめらています。
明斗をおぶったお母さんは、海斗の車椅子を押して病院を出ました。
明斗は、弟がかわいそうでたまらなくなりました。
「ごめんね、海斗は小さくて弱くて何もできないんだ。ぼくが守ってあげなくちゃいけないんだ。ぼくこんなんじゃ、ヒーローになれないや。なんとか元にもどさなければ!どうしたらいいんだろう。そうだ!」
通りかかったのは、ちょうどあのショッピングモールの前です。
明斗は、お母さんの背中から必死で
「あぶぶ~ぶぶ~」
海斗に合図を送りました。手をモールの方へ向けました。ぽかんとしていた海斗は、やっと分かったようです。
「お母さん、 ぼくゲームセンターに行きたい!」
海斗は、叫びました。お母さんは、びっくりして
「こんな時に何言ってるの」
そう言って、にらみましたが 、明斗のあまりにも真剣な様子に
「わかったわ。あの時から何か変だもの。行きましょう」
そうきっぱりと言うと、車椅子を向けてくれました。
海斗は、あのカプセルマシンの前に立ちました。二百円を入れて深呼吸をすると、ありったけの力を出してレバーを回しました。お母さんの背中から、明斗も念を込めました。
「ムキャキャキャ~!わしがカプセル大王じゃ~!」
おしまい
お母さんは明斗に百円玉二つにぎらせると、弟の海斗(かいと)のバギーを押して行ってしまいました。
土曜日の午後ですが 、ショッピングモールのゲームコーナーはひっそりとしています。
「ちえっ、またか」
半年前に弟の海斗が産まれてから、 お父さんもお母さんも弟だけかわいがって、明斗はしかられてばかりです。海斗なんて、ちょっとおすわりしただけで手をたたいてもらえます。
「ぶーぶー」
そう言いながら、ふわふわボールをぽいっと落としただけで、頭をなでてもらえます。それを片付けるのは、明斗です。
海斗は、ちょっと泣いたらすぐだっこしてもらいます。
お父さんも会社から帰ってくると、まず海斗をだっこします。明斗が、幼稚園の大きい組でかいてきた絵を見せても、前みたいにほめてくれません。一番好きなカプセルヒーローのテレビだって、海斗が寝てると、ボリュームを小さくして静かに見ないといけないのです。
「赤ちゃんはいいよなあ」
明斗は、そう言いながら、カプセルヒーローのマシンの前で、レッドの変身ポーズを決めました。さびしい時やくやしい時は、これで元気になります。大きくなったら、絶対弱い者を守るヒーローになると決めています。
「よし、一番強いレッドを出すぞ。月曜日、幼稚園でけんちゃんに見せびらかすんだ」
「カプセルレッド出ろ!」
大きな声で言うと、明斗はカプセルマシンのレバーを思い切り回しました。
ウイ~ングワ~ン
「あれ?」
いつもの半分透明のカプセルと違って、虹色に光るカプセルが出てきました。
「ひょっとしてレアアイテムかも!」
明斗は、わくわくしてカプセルを開けようとしました。でも、固くて開きません。汗が出るほど力を入れました。突然、まぶしい光とバーンという音と同時に、カプセルが開きました。
「ムキャキャキャ~!わしがカプセル大王じゃ~!」
二つに割れたカプセルの片側に、明斗の親指くらいのネコのようなものが動いています。それは、二本足で立って大きな赤いマントをつけて、ふんぞりかえっています。
「えっ、しゃべるの?電池?でも、カプセルヒーローにこんなキャラいたかなぁ」
明斗は、あっけにとられて、そのチビネコをつまもうとしました
「ムキャ~!無礼者め、わしは、おもちゃじゃないわい!」
チビネコは、ぴょんぴょん跳びはねましたが、ハッと我に返って咳ばらいをすると、前よりももっとふんぞりかえって言いました。
「コホン。礼を言うぞ、地球人の子供よ」
「生きてるの?」
明斗は、それを自分の手の平に乗せると、じっくり見つめました。
「わしはカプセル星のカプセル王国の大王じゃ。宇宙探索に出ておったら、この機械の中に紛れ込んでしまい、困り果てておったところじゃ」
カプセル大王と名乗るそれは、明斗の肩に飛び乗ると、いばって言いました。
「礼として願いを一つかなえてやろう。なんなりと申せ。ただし十数える間じゃ。ムキャキャキャ~!」
「何でも!?え~っ!」
「十、九、八、」
「え、え、え~っと 、海斗とかわりたい」
明斗は、大声で叫びました。
「ムキャキャ~!お安いご用じゃ」
カプセル大王が、小さな、毛むくじゃらのうでを一回転させると、虹色のうずまきの光りが押し寄せてきて、明斗はそれに飲み込まれました。
明斗が、バギーの上に座っている自分に気がついたのは、しばらくしてからでした。
「あら海斗ちゃん、どうしたのかな?」
お母さんが、バギーの上からにっこり笑って頭をなでてくれました。こんなにやさしいお母さんを見たのは、初めてのような気さえします。
「海斗とかわったんだ!すごい!カプセル大王が願いをかなえてくれたんだ。すごい」
明斗は、うれしくてバギーの中で手と足をバタバタさせました。
お母さんと買い物を済ませてゲームセンターのところまで戻ってくると、激しい鳴き声が聞こえました。カプセルマシンの前で、あおむけにひっくりかえった海斗が泣き叫んでいます。
「明斗!どうしたの?」
お母さんが、顔色を変えて駈け寄ると
「うわ~ん、ぼくなんだかわからないけど、お兄ちゃんになっちゃったよ~、うわ~ん」
聞き取りにくい言葉で、海斗は叫びました。
「何ばかばかしいこと言ってるの!明斗はずっと海斗のお兄ちゃんでしょ。つまらないこと言ってるんだったら、ほって帰るわよ」
お母さんは、さっさとバギーを押して行ってしまいます。海斗は、ふらふらとやっとのことで立ちあがると、お母さんの上着をつかまえました。明斗は
「いい気味だ。今まで海斗ばかりかわいがられてたんだからな」
バギーに乗った明斗は、大笑いしたい気分でした。
「明斗、ごはんよ。元気がないけど、大好きなハンバーグよ、おあがりなさい」
海斗は、キッチンのテーブルの前にすわりましたが、おはしをグーににぎって、つきたてているだけです。
「何やってるの!おぎょうぎの悪いことするんじゃありません。いらないのなら食べなくっていいわ」
お母さんは、ぷりぷりしてお皿をさげてしまいました。
海斗は、べそべそ泣きながらベビーベッドのそばまで来ると、そのまま寝てしまいました。
「いい気味だなあ、ぼくの気持がわかるだろう」
明斗は笑おうとしましたが、おなかがすいて力が出ません。
「オギャーフギャー」
「海斗もおなかすいたのね、はいはい」
お母さんは、明斗をだっこすると哺乳瓶を口に入れました。
「ま・ま・まずー、ぼくもハンバーグが食べたいよ」
しかたがないので、明斗は涙を浮かべながらミルクを飲みました。おしっこもしたのですが、オムツの中で気もち悪くてたまりません。首の後ろがかゆいのに、お母さんに分かってもらえません。
夜遅く、帰ってきたお父さんにだっこされました。せっかくぐっすり眠っていたのに、起こされてお酒の匂いもくさくていやでした。
次の日、朝八時です。海斗はまだ寝ています。
「明斗、日曜日よ。カプセルヒーロー始まるわよ、見ないの?」
お母さんは、テレビのリモコンを海斗に渡そうとしましたが、海斗はだまって、いやいやをしました。
「ばかっ、一番たのしみなテレビなのに!今日はいよいよ敵との決戦なんだぞ」
でも、テレビのスイッチは入れられることはなく、時間が過ぎていきました。明斗のすることは何もなく、ただまずいミルクとうすい果汁とか飲んで、寝ているだけです。
月曜日の朝、海斗は着替えが遅いと、またしかられています。
「おにいちゃんのせいだ」
海斗はそう言うと、ベビーべッドの明斗の頭をぽかっとたたきました。でも、明斗は泣かずにがまんしました。お兄ちゃんになってしまった海斗が、かわいそうになってきたのです。
お昼前、電話がなりました。
受話器を取ったお母さんは、真っ青になり、 明斗をおぶって飛び出しました。タクシーの中で、お父さんに携帯電話しています。
「明斗が幼稚園のジャングルジムから落ちたんですって。けんちゃんと変身ごっこをしてて。いつも遊んでるのにね。今病院に向かってるの。おもらしとかもして、大変だったみたい。もうどうしちゃったのかしら?何かあったらどうしたらいいの」
お母さんは、顔をくしゃくししゃにして泣いています。
車椅子に乗った海斗の右足には、ギブスがはめらています。
明斗をおぶったお母さんは、海斗の車椅子を押して病院を出ました。
明斗は、弟がかわいそうでたまらなくなりました。
「ごめんね、海斗は小さくて弱くて何もできないんだ。ぼくが守ってあげなくちゃいけないんだ。ぼくこんなんじゃ、ヒーローになれないや。なんとか元にもどさなければ!どうしたらいいんだろう。そうだ!」
通りかかったのは、ちょうどあのショッピングモールの前です。
明斗は、お母さんの背中から必死で
「あぶぶ~ぶぶ~」
海斗に合図を送りました。手をモールの方へ向けました。ぽかんとしていた海斗は、やっと分かったようです。
「お母さん、 ぼくゲームセンターに行きたい!」
海斗は、叫びました。お母さんは、びっくりして
「こんな時に何言ってるの」
そう言って、にらみましたが 、明斗のあまりにも真剣な様子に
「わかったわ。あの時から何か変だもの。行きましょう」
そうきっぱりと言うと、車椅子を向けてくれました。
海斗は、あのカプセルマシンの前に立ちました。二百円を入れて深呼吸をすると、ありったけの力を出してレバーを回しました。お母さんの背中から、明斗も念を込めました。
「ムキャキャキャ~!わしがカプセル大王じゃ~!」
おしまい
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