神は絶対に手放さない

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神は絶対に手放さない

7、自分に足りないものを見た時、手に入れたいと思うのは当然だろう

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 六月に暖かい日が続いていたせいだろうか、七月に入った途端、それまでの分を取り返すかのように雨が多くなった。
 雨の中をわざわざ街に遊びに行くのも億劫で、放課後になると教室で志摩宮と雑談しながらスマホゲームくらいしかすることが無い。
 本当は寮の自室に戻ってベッドでゴロゴロしながらやりたいのだが、志摩宮も当然のようについて来ようとする。先日は用事があるからと入れて貰えたようだが──驚くことに、志摩宮は寮母にちゃんと了解をとってから入ってきていた──、寮生でない人間が入り浸るのは良くないと寮母に言われてしまったので、こうして教室に居残っているのだった。

「志摩宮さー、飯どうしてんの?」
「飯ですか? 食べてますけど。あ、次の即死攻撃、タゲ取って覚醒避けします」
「おっけ任せた。……えーと、そうじゃなくて。ほら、こないだラーメン屋初めてだって言ってたじゃん。一人暮らしなのに外食とかしねーのかなと思って」
「コンビニの弁当が多いっスかねー。出歩くとケーサツにパスポート見せろって絡まれるんで、あんまり街中出ないんで」
「あー、なーる。イベアイテムあと何個?」
「黒砂三個と赤砂十二個で終わりです」

 蛍吾は用事があるとかで本部の方に出向いてしまっていて、だから教室に残っている女子達も話しかけてこない。たまにこちらを見てコソコソ話しをしているようだが、それもいつものことだ。
 教師を殴って以降は志摩宮が誰かに喧嘩をふっかけている所は見たことがないが、まぁ一度でもそんな事をした奴と積極的に仲良くなろうという者もあまりいないだろう。
 普通にしてれば、普通の奴なんだけどな。
 俺の机を挟んで対面に座る志摩宮の顔を盗み見る。
 彫りの深いアラブ顔に、今はもう見慣れてしまった。それでも、その緑の瞳はいつ見ても綺麗で、たまに志摩宮にバレないように眺めるのが好きだった。

「先輩は蛍先輩とよく行くんでしたっけ」
「だなー。まあ九割ラーメン屋だけどな」

 それか、揚げ物屋で唐揚げとコロッケ。寮の食堂で出る料理はバランス良く美味いが、ジャンキーな物を食べたい気分の時は物足りないから。
 俺が答えると、志摩宮は不意にスマホから目線を上げて、

「次、俺も誘って下さい」

 と、聞こえるか聞こえないか、ギリギリの小さな声で言った。俺が志摩宮の瞳を見ていなくて、ゲームに熱中していたら聞き逃していただろう。

「おう」

 どうやら、ラーメン屋のラーメンはお気に召していたようだ。目が合ったので当然と頷くと、志摩宮はすぐにスマホに視線を落とした。

「……先輩は、あと何周くらいですか」
「ん、二周かな」
「それ終ったら帰りますね」

 何だか一瞬、志摩宮が泣き出しそうな気がしたが、気のせいだったようだ。スマホを弄る志摩宮は、ロード中に鞄をごそごそと漁りながら何でもない顔をしている。
 そのままイベントマップを二周して、アイテムが集まったのを確認してから、志摩宮はスマホの画面を俺に向けた。

「これ、俺のIDです」

 はたしてその画面は、スマホ所持者の九割が利用しているだろうトークアプリが表示されていた。志摩宮の連絡先を知らなかったのに今更気付く。
 志摩宮のスマホを見ながら連絡先の登録を済ませて、『よろしく!』という吹き出しの付いたネコの絵のスタンプを送った。

「……文字以外も送れるんですね」

 志摩宮はそれを見つめて初めて知ったように言うので、スタンプと画像の送り方、それから通話の仕方も教えてやる。

「あんま使ってないのか?」
「女とヤる時の連絡くらいでしか使ってなかったんで」

 なるほど、と納得して頷くと、「ほら、文字ばっかでしょ?」と嘘をついていないのを証明したいみたいにズラッと女の名前ばかりのトーク履歴を見せつけられた。

「見せなくていいから」
「まあ、先輩と出来るから、もうこいつら要らないけど」

 言うが早いか、志摩宮はその女の子の名前達を削除していく。

「え、勿体無い……」
「紹介してほしいならしますけど、先輩より美人はいないっスよ」
「そういう意味じゃなくてな」

 誰がお前と兄弟になりたいもんか、と言うと、不思議そうに目を瞬かせた。下ネタが通じなかったらしい。

「つーか、俺だけじゃ足らねぇんじゃねーの」

 次のバイトが何時かも分かんねぇのに。スマホをズボンのポケットに仕舞い、さて帰るかと席から立ち上がると、志摩宮も同じく席を立つ。

「放課後とか、こうやって先輩と遊ぶ方が楽しいですし。わざわざ時間作るつもりも無いし、だからもう要らないです」
「……あっそ」

 どうでもいい風を装いながら、内心の喜びが出ないように努めた。
 志摩宮が女とえっちしなくなるとか、そんなのはどうだっていい。志摩宮も、俺と遊ぶ放課後が楽しいと思ってくれている。それが単純に、だがものすごく嬉しかった。

「明日時間空けとけ、俺の一番好きなラーメン屋連れてってやるから」
「了解です」

 一歩後ろをついてくる志摩宮から、明るい返事が返ってきた。
 仕事の事も組織の事も知っていて、何を話しちゃいけないだとかの気兼ねなく会話出来る、蛍吾以外の友人は初めてだ。
 楽しい。自然と笑みすら浮かんでくる。
 明日の店がどんなラーメン屋なのか、志摩宮に話しながら教室を出ようとすると、それを阻むように女子生徒が俺の前に歩み出てきた。

「ごめん、俺達帰るからちょっとどい……」
「静汰くん、ちょっといいかな」
「リサがね、話あるんだって」

 瞬時に、楽しい気持ちが消し飛ぶ。
 二人の女子生徒は、一人の女子の背を押して、俺の前へ一歩近寄らせた。

「静汰くん、ちょっと二人で話がしたくて……」

 俯き気味で顔を赤らめるリサという女子も、その他の二人も、同じクラスの人間だ。俺が珍しく上機嫌だから、今日ならばいけると思ったのかもしれない。

「いいよ。……志摩宮、悪いけど先に帰って」
「……」

 志摩宮は返事をしなかった。が、俺に無言で会釈だけして先に教室を出て行く。

「あの、渡り廊下の方、もう人いないから」

 リサの後から、ついて行く。頸の見える黒髪のショートカット。なんとなく見覚えがあるが、しかしクラスメイトとして以上に話した記憶も無かった。
 北校舎と南校舎を繋ぐ渡り廊下は、放課後でも一階は運動部がよく行き来するが、二階の方は人気がない。だから人目を憚る話は大抵ここで行なわれていると知っていた。

「あの、静汰くん」
「先に言っておくけど、俺、誰とも付き合う気ないから。ごめんね」

 先手を打っておく。違う話題だったら赤っ恥だが、生憎そこまで鈍くない。

「知ってる。……覚えてないかもしれないけど、私、静汰くん呼び出すの、二回目なんだよ」
「そっか。でも、何度言われても、……嬉しいけど、無理だから」
「分かってるってば」

 リサは少し怒ったように、でも笑った顔のままで俺に向き直って、話を続けた。

「付き合ってほしいとか言わないから、一回だけ、今年の文化祭だけ、一緒に回ってほしいの」

 文化祭。確かこの学校では九月にあるはずだ。夏休み明けから準備して、後夜祭で盆踊りを踊る、不思議な文化祭。去年は当日になって急に蛍吾が女の子と回ると言い出して、一人で遊んでいたんだっけと思い出す。
 蛍吾のことだ、今年もそうなる可能性はある。
 だが、と志摩宮の存在を思い出した。志摩宮はどうだろうか。彼も女子と回ったり……無いか。

「全く脈の無い相手より、友達といたほうが楽しいと思うよ? 俺、蛍吾みたいに女の子楽しませようと思わないし」
「そんなの、知ってるよ。好きだもん」
「……そ」

 リサがじっと見つめてくるのが、やけに居心地悪い。応えられないと言っているのに、何故こんなに強情なのだろう。

「一回でいいから、二人きりで話がしてみたい。ダメかな」

 可愛らしい声で、リサはいじらしい事を言う。
 もし、俺が神子じゃなかったら、きっと大喜びしていただろう。
 でも、もし、は無い。俺は神子だ。再来年の高校卒業と同時に、蛍吾以外の外界との繋がり全てを切らなければならない。彼女なんて作って、もし離れがたくなってしまったら。
 蛍吾は、「そんな深く考えずに遊べばいいじゃん」と言うが、それができたら苦労しない。俺は持ち物ですら長く持てば持つほど愛着を持ってしまう性質で、だからそれが人間だった時、簡単に忘れるなんて無理だと思う。

「話しても、面白くないよ」
「面白くなくていいよ。そうしたら、諦めつくもん。ね、私の為だと思って」

 リサは健気にも、笑顔で言い募る。面倒だな、と思いかけた時、彼女の握り締めた手が微かに震えているのに気が付いてしまった。
 震えるほど緊張して、それでも必死に話しかける人間を、無碍にできる人がどれだけいるだろう。

「……午前か、午後だけなら」
「じゃあ午後!」

 出来れば短くて済む午前中を選んで欲しかったが、リサはそれはもう喜んで、今までの笑顔が作った笑顔だったみたいな満開の笑顔を見せた。
 可愛い、という思いと、それでも応えてやれない胸の痛み。

「約束だよ。忘れないでね」
「うん」

 指切りして、と小指を出されて、俺も小指を出して組み交わす。
 リサの顔が赤くなる。この子、本当に俺が好きなんだな。すぐに指を離した。俺は、リサの体温に何も感じない。
 じゃあね、と走って行く後ろ姿をぼんやり見送って、見えなくなってから彼女が行った方向とは別の廊下を通って帰る事にした。
 スマホが震えたのでポケットから出して画面を点けると、蛍吾から『こないだの続き。除霊の準備が出来たから今から行くぞ』とメッセージが入っていた。










 仕 蛍吾は、本部の自室で書類を読んでいた。
 先日の依頼についての調査報告書と、志摩宮についての身辺調査書だ。志摩宮については、静汰と接触があった直後から調べるよう指示しておいたのに、提出されたのはつい先程だ。
 革張りのリクライニングチェアの上で腰を伸ばしながら、蛍吾は一呼吸ついて冷めたコーヒーに口をつける。
 志摩宮。
 本名『志摩宮 消』。旧姓『隻谷 消』。
 指定暴力団『四代目桜滝会』の代表、隻谷 内海の息子。と、戸籍上は記載されていたが、血の繋がりは無く、内海の妻で実の母親である隻谷 実愛が不倫の末に作った婚外子である模様。実の父親は不明。
 父親どころか母親の実愛すらも産まれた黒い肌の子を疎み、消は六才程度まで桜滝会の構成員の愛人の所を転々と世話をされていたらしい。
 小学校に上がる年齢になり、言葉が分かるようになった消は内海の元へ引き戻されたが、直後に消は対立していた暴力団施設へ銃を所持して単身乗り込み、警察に補導された。所謂、鉄砲玉にされたのだ。
 対立組織で殺されれば、代表の息子を殺したという大義名分が出来る。殺されても惜しくなく、しかし鉄砲玉にするのにこれほど向いた駒はなかったのだろう。誰一人殺すことなく捕まった消の事を、内海は「そんなガキ知らない」と言い張った。
 小学一年生だった消は、補導後の警察の聴取で「誰か一人でも殺してくれば、ご飯をやると言われた」と供述したという。
 その後、母親の親戚筋の代議士が醜聞を恐れて彼の保護責任者となり、以後はその家の志摩宮姓を名乗って生活しているが、保護者と呼べる人間はおらず、送金だけして一人暮らしさせていたというのが実態である。
 そして最後に、手書きで注釈が入っていた。

「消が乗り込んだ先が早馬組、か。巡り合わせは怖ぇな」

 早馬組。暴力団としては浅からぬ歴史のある組織であるが、滝桜会とは違って古き良き人情こそを重んじる、普通のレールを外れてしまった人間の受け皿のような組だ。地元の祭りでテキ屋を出し、飲食店からのみかじめ料で生計を立てる。その代わり、揉め事があれば顔を出してやり、火事があれば総出で消防団を組織する。地元との繋がりを重んじ、薬には手を出さない。
 そういう古い組だったからこそ、消は生きて警察に引き渡されたのだろう。
 代表は李 耕雑。──静汰の母方の祖父である。
 消の、志摩宮の戸籍が巧妙かつ複雑に履歴を消されていたのも、恐らくは耕雑が手を回したものと思われる。調査書はそう締めくくられていた。
 志摩宮の名前が名札どころか生徒名簿にすら記載されていないのは、初対面の誰もが不思議に思うはずだ。けれど、教師すらもそれに触れない。だから、何か事情があるのだろう。誰もがそう思い、それに触れない。
 だから、志摩宮が『志摩宮』であることは疑われない。下衆な人間がどれだけ志摩宮を調べようとも、とうてい『隻谷 消』には辿り着かない。……通常であれば。
 トナリグミのルートを使っても、三ヶ月近くかかるとは思わなかった。
 志摩宮は耕雑の間諜だろうか。しかし、気の短いあの爺さんならば、静汰と知り合いになった時点で連れて来させるだろう。志摩宮の態度からしても、考え辛い。
 志摩宮の書類を脇に置き、大きくため息を吐いた。
 志摩宮も静汰も、淋しかったのだろう。
 彼らの境遇は全く違うが、しかし孤独であるという点で似ていた。
 静汰には蛍吾が居た。が、蛍吾がどんなに友人面で親身にしようと、組織側の人間である事は変えられない。
 彼らは初めて、親しく付き合える友人が出来たのだ。
 うざったがりながらも志摩宮を側に置き続けた静汰の心の内を、志摩宮の力に気付く前に察するべきだった。
 蛍吾はコーヒーを口に含む。砂糖の入っていないそれは、酷く苦い。噛んで、噛んで、飲み下す。
 志摩宮の力は、おそらく組織にとって必要のないものだ。今はまだ俺が判断中としているが、志摩宮が必要無いと結論付けられた時は、彼の記憶を消す事になる。当然、静汰との事も含めてだ。
 そうなった時、どれだけ静汰が傷付くかを想像して、苦しくてたまらなくなった。
 妹が神子としてこの組織に連れて行かれた時、霊が視える体質だった蛍吾は妹の無事を傍で見続ける為に自らも組織に入った。それから馬鹿みたいに辛くて阿呆みたいに効果の薄い修行をし続け、組織の中では上から数えた方が早い程度の能力を身に付けた。
 そして中学に上がる歳の頃に与えられたのが、静汰の監視役だ。
 静汰の祖父である耕雑は組織の大口スポンサーで、だから適当に扱えず、しかし静汰自身に本部に置くほどの力も認められず。困った本部が提示したのが、この役を引き受ければゆくゆくは本部入りの幹部となり、妹の近くで働けるという条件だったのだ。
 蛍吾は静汰と共に生活しながら、静汰が諦めかけていた除霊や成仏の方法を教えた。覚えは悪かったが、静汰は素直で扱い易く、そしてとても蛍吾を信用した。
 四年も寝食を共にしていれば、情が移ってしまうのも無理はないだろう。蛍吾は、今や妹の次に静汰を大事にしている。
 だからこそ、静汰から志摩宮を奪うことは、蛍吾自身をも傷付ける。最近の静汰が志摩宮の前でどれだけ笑うようになったか。蛍吾は唇を噛んだ。
 組織の本部に自室を持てる身分になっても、まだ人事権を掌握するには足りない。
 もっと上にいかなくては。
 蛍吾は暫し嘆息し、そして先の依頼についての調査書の束を掴んだ。もっともっと仕事をこなし、昇進する。そして、大事な人を守れる立場までのし上がる。
 蛍吾は決意を新たに書類を読み込み、そして準備が整っている事を確認してスマホで静汰に連絡を入れた。

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