【R18】無能王子の傀儡計画 怠惰に寵姫たちと暮らしたいだけです

白鷺雨月

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第二話 前世の記憶

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 僕の名前はシオン・エルディアという。十六歳の健康な男子だ。
 エルディア王国という大陸南東部を支配領域としている国の第二王子だ。王子ということで小国とはいえ、それなりに裕福な暮らしを送っている。
 専属メイドをつけられるぐらいにはね。銀鱗族のジルは僕のお気に入りのメイドなんだ。僕の身の回りの世話をしてもらっている。もちろん、身の回りとは下半身も含まれる。
 宮廷では僕のことを無能王子だの亜人偏愛者だのぼんくら、穀潰し、バカ殿下とまあ思いつく限りの悪口の通り名で呼ばれている。
 そう呼ばれる大きな原因の一つは亜人のジルを専属メイドとして、なおかつ夜伽をさせているからだ。
 ジルに性欲処理をしてもらっているのはそれなりに意味がある。亜人と人族ひとぞくの間に子供ができる確率はほとんどゼロだということだ。特に竜の血を引くという銀鱗族はゼロと言っても過言ではない。
 前に銀鱗族と人族との間に子供ができたのは千年前だということだ。
 千年前といえば勇者ハヤトが魔王を打ち倒した時代だ。まあ、神話的過去ということだね。
 つまりジルなら中出し仕放題というわけなのさ。

 僕は王子なんで下手に子供が出来たら、色々としがらみが出来るからね。
 それで僕が毎日のようにジルとセックスをするかといえば、それは十年前にさかのぼる。
 僕が六歳のときだ。
 それまでの僕は賢明で利発な少年だった。自分で言うと恥ずかしいな。
 積極的に勉学、剣術、馬術に励んでいた。父王のロバートからも可愛がられていたんだよね。今ではほったらかしだけど。
 兄の第一王子シリウスを差し置いて僕を後継者にと期待される声が貴族たちの間に上がるぐらいには、優秀だと思われていたんだよね。

 それである日の馬術の訓練の日、僕はいつものように護衛の女騎士エルクと馬場にいた。
 いつも乗っている馬が体調が良くないと言うことで、僕は別の馬に乗ることになった。それは誰かの計略だったのかそれとも偶然だったのかは今では分からない。まあ、それはどっちでもいいんだよ。
 僕は乗り慣れない馬に乗り、そしてその馬は突如暴れ出したのだ。そして僕はあっけなく落馬して、頭を強烈に地面に叩きつけた。三日三晩意識を失い、眠っていたそうだ。

 その三日三晩の間に僕は夢を見た。
 僕はニホンという国に住む青年であった。その国はまあ一応は平和で豊かであったが、僕自身はその恩恵を受けているとは感じていなかった。
 早朝から深夜まで働いていても、生活は豊かではなかった。友人もなく、ましてや恋人なんていない。
 そして僕は働き過ぎで死んだ。
 そう、働き過ぎで死んだのだ。
 そんな死に方って信じられるか?
 でも前世の僕は働きすぎで死んだ。
 前世を去ったのだ。
 女性の温かさや柔らかさを知ることなく、死んでしまった。
 僕はこの夢を夢とは思はない。
 僕にとってこれは現実なのだ。
 だから僕は決めたのだ。
 生まれ変わったら働かない。
 可愛い女の子と仲良く暮らすだけの生活を送りたいとだ。

 偶然にも生まれ変わった僕にはその条件が当てはまっていた。
 小国とはいえ、王子であるということ。そして僕には誰もが認める優秀な兄がいるということだ。その二つだ。
 だから僕は頑張らなくともいいのだ。
 面倒な政治や外交は兄と賢王にまかせて、のほほんと暮らしていけるのだ。
 でも王族としての責務は果たそうと思う。
 それはもちろん子作りだ。
 どうやら今の王家を構成する一族は戦乱や病気でその数をかなり減らしているということだ。
 これは封建国家にとっては一大事なのだ。
 僕が知る限り、王族は父ロバートと兄のシリウス、伯父のマキシリアンそして僕だ。
 とうことで僕はいずれどこぞの王家の姫か貴族の令嬢と結婚することになる。
 その時にそなえてジルと夜の特訓を行っているというわけなのだ。
 ちなみにこの世界では一夫一妻制のほうが珍しい。王族や貴族ならば側室の一人や二人はいて当たり前なのだ。
 政略結婚が当たり前なので、本当に好きな人は愛人にするというパターンも珍しくない。
 これも前世の自分の思いを引き継いだ僕にとっては喜ばしいことだ。
 だから僕は責務である王族を増やすということに鋭意邁進していこうと思うのであった。


「それでジル、今日の予定は?」
 怠惰な生活を送りたい僕だけど王族なのでそれなりにやるべきことはあったりする。
 まあ、働き過ぎて死ぬような真似は二度とするつもりはないけどね。
「午前はエルク様との剣術の稽古、午後からはエドワード様との会談が予定されています」
 ジルはたんたんと告げる。夜はあんなに甘えん坊で激しいのに昼間のお仕事モードは冷静沈着なんだよね。そこがよかったりするんだけどね。
 エルクは前述した僕の護衛を担当する女騎士だ。
 あの馬術訓練の事故で責任をとってやめさせられようとしたのを僕がひきとめた。
 貴族の中には死をもって償わせるべきだなんていうやつもいた。
 そんなのはいけない。
 女子とは仲良くエッチなことをするのがこの世界での僕の目的だ。
 死なせるなんてもったいない。

「わかった。じゃあ僕は訓練場に行くよ。ジルもついてくる?」
 一応訊いてみる。まあ、答えは決まっているけどね。
「いえ、わたくしは殿下のお部屋の掃除と昼食の準備をします」
 これまた淡々とジルは答えた。
「そう、じゃあお願い」
 僕は専属メイドのジルにキスをして、自分の部屋を出た。
 

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