55 / 75
第五十四話 教皇との密約
しおりを挟む
アヴァロン王国ではじめて行われた武術大会は、アヤメ・ランスロットの優勝で幕を閉じた。
優勝者であるアヤメに軍旗が授けられた。
アヴァロン王家の紋章である方舟がデザインされたものだ。それは約五百年前にはじめてこの地に降りたった百人の女性たちが乗っていた宇宙船がデフォルメされたものだ。
さらにアヤメには王家の秘宝でおるロンゴミニアドの槍が与えられることになった。
だが、アヤメはその槍を受けとることを断った。
「なぜですか?」
僕の手を握り、アヤメの前に立つギネビア女王は静かに尋ねた。
「わたくしにはすでに魔剣アロンダイトを所持しています。これ以上伝説の武器を持つのは正直荷が重いのです。アルタイル・パーシバルならばきっとその神槍ロンゴミニアドを使いこなすでしょう」
アヤメはそう言い、アルタイルの手を取る。
「さあ、貴君ならばいずれわたくしをも凌駕する騎士になるでしょう。この神槍ロンゴミニアドの持ち主にふさわしいのはあなたです」
さらにアヤメは言った。
「そんな私は負けた身です。このようなものを受けとる資格はありません……」
アルタイルは恐縮している。
「アルタイル、君はよく戦った。君にはこれを受けとる資格は十分にあると思うよ」
僕が言うと観客席から割れんばかりの拍手がおこった。
背後ではうんうんと頷きながら教皇モルガンが泣いていた。
この武術大会を楽しんでもらえたならなによりだ。
「我が君がそう言われるならば……」
アルタイルはうやうやしくギネビア女王から神槍ロンゴミニアドを受け取った。
これよりアルタイルは槍のパーシバルという異名を持つことになる。
武術大会のあと、円卓の騎士たちの戦いをねぎらうために、盛大な宴が行われた。
王宮の大広間のテーブルには豪華な料理が並べられ、ワインやエール酒もふるまわれた。
文武の高官や高位の貴族、モルガン教皇とその側近たちも招待された。
楽団が優雅な音楽をかきならしている。
クロネは二日酔いになることなど気にせずにガバガバとワインを飲んでいる。
アルコールが主食のベアトリクスはぷはーっと気持ちよさそうにエール酒をあおっていた。
僕はアルタイルをダンスに誘った。
皆が楽しそうなので、踊りたい気分だ。
「踊りなんて私には……」
アルタイルが断ろとしたが、僕は無理に彼女の手をひく。
「僕もダンスなんてできないよ。楽しかったらそれで良いじゃないか」
なんてったって僕は学生時代の体育の成績は一だからね。特技で補正しているけど元の僕は運動音痴なんだ。
でも運動とかスポーツって楽しむためにするものだろう。
僕はアルタイルの手を握り、くるくると回り社交ダンスまがいを踊る。
アルタイルは身体能力が高いので、適当に音楽にあわせるだけで様になった。
僕はそれについていくのに精一杯だったけど、楽しかった。
「我が君、とても楽しいですね」
にこりとアルタイルは微笑む。
「そうだろう」
僕は答えた。
ちらりと横を見るとモードレッドとシーアが踊っていた。こちらはプロ並みだ。めちゃくちゃ絵になる。
まあ、僕たちは気にせずに楽しむだけだ。
「ロンゴミニアドを授けられたことよりも、我が君とこうしていられる方が私には最大の褒美です」
アルタイルは言った。
喜んでもらえてなによりだ。
この後、ギネビアに頼まれて、一曲踊った。さらにリリィとユリコとヒメノ姉さんとも踊った。
かなり疲れたので、僕はバルコニーで休むことにした。
バルコニーで夜風に当たっていると誰かが僕の横に立った。
その横顔はギネビア女王に似ている。ギネビアよりはふっくらしている。
モルガン教皇だ。
モルガン教皇はバルコニーの手すりにもたれかかる。彼女の巨乳が手すりにのっているので良い眺めだ。
僕はその横に立つ。
「今日はとても楽しかったぞよ。アーサー褒めてつかわす」
にこりとモルガン教皇は微笑む。
「ありがたき幸せ」
僕は下手な役者みたいなセリフを言う。
それを聞き、モルガン教皇はふふっと微笑む。
「少し酔った。夜風に当たり余の話しを聞け、アーサー」
モルガン教皇がそう言うので僕は「ははあっ」と時代劇みたいに返事した。
「実はのう、我らが秘宝聖杯の寿命はもって後百年もないのじゃ。女だけで人の世を繋ぐのはどんなに長く見積もっても百年が限界と賢者共がいっておった。さらに不具合も出始めている。双子や三つ子が多く生まれる。どんなに調整しても男子が生まれるのじゃ……」
手にもつワイングラスに口をつけ、モルガン教皇はくびりとあおる。
少し中身の残ったそのワイングラスを僕に差し出す。
僕はそれを受け取り、ワインを一息にのんだ。
酒が苦手な僕の喉は焼けるように傷んだ。
すぐに顔が赤くなる。
「いい飲みっぷりじゃのう」
モルガン教皇は楽しそうだ。
「余は賢者の一人ロジャー・ベーコンにきいた。このままでは多くの疾患を抱えた子供が多く生まれるようになる。それを食い止めるには異界の血を入れるとよいと。五百年の間にこのアヴァロンに住むものの血は近くなりすぎた。かつてウーサーのお陰でわずかに延命できたが、聖杯が限界を迎える日も近い」
そこでモルガン教皇はふーと息を吐く。
どことなく目が潤んでいる。
目を潤ませた美女は絵になる。
「このアヴァロン王国を存続させるには元の社会のように男子が必要なのじゃ。そのためにはアーサーそなたらの遺伝子が必要なのじゃ。遠い血を入れることが肝要なのじゃよ」
そっと僕の手にモルガン教皇は手を重ねる。
「我が配下にはそれに反対するものが多くいる。聖女主義のものたちは男子を悪魔の子と呼び忌み嫌う。男子がいなければこの国自体の存続が危ういというのにだ」
僕の手に重ねられた手に熱がこもる。
「アーサー、余と約束してほしい。余はこの国が好きじゃ。この国を保つために力を貸してほしい」
その言葉を聞き、僕はモルガン教皇の手を握りかえす。
アヴァロン王国の女の子たちと仲良くなり、エッチなことをして子供をつくるのは僕の望むところだ。
「ええ、約束しますよ」
僕の返事にモルガン教皇は満面の笑みを浮かべた。
優勝者であるアヤメに軍旗が授けられた。
アヴァロン王家の紋章である方舟がデザインされたものだ。それは約五百年前にはじめてこの地に降りたった百人の女性たちが乗っていた宇宙船がデフォルメされたものだ。
さらにアヤメには王家の秘宝でおるロンゴミニアドの槍が与えられることになった。
だが、アヤメはその槍を受けとることを断った。
「なぜですか?」
僕の手を握り、アヤメの前に立つギネビア女王は静かに尋ねた。
「わたくしにはすでに魔剣アロンダイトを所持しています。これ以上伝説の武器を持つのは正直荷が重いのです。アルタイル・パーシバルならばきっとその神槍ロンゴミニアドを使いこなすでしょう」
アヤメはそう言い、アルタイルの手を取る。
「さあ、貴君ならばいずれわたくしをも凌駕する騎士になるでしょう。この神槍ロンゴミニアドの持ち主にふさわしいのはあなたです」
さらにアヤメは言った。
「そんな私は負けた身です。このようなものを受けとる資格はありません……」
アルタイルは恐縮している。
「アルタイル、君はよく戦った。君にはこれを受けとる資格は十分にあると思うよ」
僕が言うと観客席から割れんばかりの拍手がおこった。
背後ではうんうんと頷きながら教皇モルガンが泣いていた。
この武術大会を楽しんでもらえたならなによりだ。
「我が君がそう言われるならば……」
アルタイルはうやうやしくギネビア女王から神槍ロンゴミニアドを受け取った。
これよりアルタイルは槍のパーシバルという異名を持つことになる。
武術大会のあと、円卓の騎士たちの戦いをねぎらうために、盛大な宴が行われた。
王宮の大広間のテーブルには豪華な料理が並べられ、ワインやエール酒もふるまわれた。
文武の高官や高位の貴族、モルガン教皇とその側近たちも招待された。
楽団が優雅な音楽をかきならしている。
クロネは二日酔いになることなど気にせずにガバガバとワインを飲んでいる。
アルコールが主食のベアトリクスはぷはーっと気持ちよさそうにエール酒をあおっていた。
僕はアルタイルをダンスに誘った。
皆が楽しそうなので、踊りたい気分だ。
「踊りなんて私には……」
アルタイルが断ろとしたが、僕は無理に彼女の手をひく。
「僕もダンスなんてできないよ。楽しかったらそれで良いじゃないか」
なんてったって僕は学生時代の体育の成績は一だからね。特技で補正しているけど元の僕は運動音痴なんだ。
でも運動とかスポーツって楽しむためにするものだろう。
僕はアルタイルの手を握り、くるくると回り社交ダンスまがいを踊る。
アルタイルは身体能力が高いので、適当に音楽にあわせるだけで様になった。
僕はそれについていくのに精一杯だったけど、楽しかった。
「我が君、とても楽しいですね」
にこりとアルタイルは微笑む。
「そうだろう」
僕は答えた。
ちらりと横を見るとモードレッドとシーアが踊っていた。こちらはプロ並みだ。めちゃくちゃ絵になる。
まあ、僕たちは気にせずに楽しむだけだ。
「ロンゴミニアドを授けられたことよりも、我が君とこうしていられる方が私には最大の褒美です」
アルタイルは言った。
喜んでもらえてなによりだ。
この後、ギネビアに頼まれて、一曲踊った。さらにリリィとユリコとヒメノ姉さんとも踊った。
かなり疲れたので、僕はバルコニーで休むことにした。
バルコニーで夜風に当たっていると誰かが僕の横に立った。
その横顔はギネビア女王に似ている。ギネビアよりはふっくらしている。
モルガン教皇だ。
モルガン教皇はバルコニーの手すりにもたれかかる。彼女の巨乳が手すりにのっているので良い眺めだ。
僕はその横に立つ。
「今日はとても楽しかったぞよ。アーサー褒めてつかわす」
にこりとモルガン教皇は微笑む。
「ありがたき幸せ」
僕は下手な役者みたいなセリフを言う。
それを聞き、モルガン教皇はふふっと微笑む。
「少し酔った。夜風に当たり余の話しを聞け、アーサー」
モルガン教皇がそう言うので僕は「ははあっ」と時代劇みたいに返事した。
「実はのう、我らが秘宝聖杯の寿命はもって後百年もないのじゃ。女だけで人の世を繋ぐのはどんなに長く見積もっても百年が限界と賢者共がいっておった。さらに不具合も出始めている。双子や三つ子が多く生まれる。どんなに調整しても男子が生まれるのじゃ……」
手にもつワイングラスに口をつけ、モルガン教皇はくびりとあおる。
少し中身の残ったそのワイングラスを僕に差し出す。
僕はそれを受け取り、ワインを一息にのんだ。
酒が苦手な僕の喉は焼けるように傷んだ。
すぐに顔が赤くなる。
「いい飲みっぷりじゃのう」
モルガン教皇は楽しそうだ。
「余は賢者の一人ロジャー・ベーコンにきいた。このままでは多くの疾患を抱えた子供が多く生まれるようになる。それを食い止めるには異界の血を入れるとよいと。五百年の間にこのアヴァロンに住むものの血は近くなりすぎた。かつてウーサーのお陰でわずかに延命できたが、聖杯が限界を迎える日も近い」
そこでモルガン教皇はふーと息を吐く。
どことなく目が潤んでいる。
目を潤ませた美女は絵になる。
「このアヴァロン王国を存続させるには元の社会のように男子が必要なのじゃ。そのためにはアーサーそなたらの遺伝子が必要なのじゃ。遠い血を入れることが肝要なのじゃよ」
そっと僕の手にモルガン教皇は手を重ねる。
「我が配下にはそれに反対するものが多くいる。聖女主義のものたちは男子を悪魔の子と呼び忌み嫌う。男子がいなければこの国自体の存続が危ういというのにだ」
僕の手に重ねられた手に熱がこもる。
「アーサー、余と約束してほしい。余はこの国が好きじゃ。この国を保つために力を貸してほしい」
その言葉を聞き、僕はモルガン教皇の手を握りかえす。
アヴァロン王国の女の子たちと仲良くなり、エッチなことをして子供をつくるのは僕の望むところだ。
「ええ、約束しますよ」
僕の返事にモルガン教皇は満面の笑みを浮かべた。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
昼寝部
ファンタジー
2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる