47 / 52
【第二章 ハズレモノ旺盛編】
048「桃色ツインテールちゃん」
しおりを挟む「いや~、こんなセインは初めて見るよ~(ルンルン)! エイジって面白いね!」
「ど、どうも⋯⋯」
どうやら、この『セイン・クリストファー』という男の普段の様子からすれば、俺とのやり取りで見せた姿はかなり『レアもの』だと、途中から話しかけられた『リアム・シャオロン』という奴が感心していた。
「そうね。確かにこんなセインは初めてだわ⋯⋯やるじゃない、元救世主」
「はあ⋯⋯」
それにしても、この今話しかけた『桃色ツインテールちゃん』は美少女に変わりはないが性格は『高飛車』な感じだな。まさに『じゃじゃ馬娘』という感じ⋯⋯。
「⋯⋯あんた、今何か失礼なこと考えてたでしょ?」
「滅相もない」
おっと、危ない、危ない。
「さて、改めてエイジ。ちょっと質問⋯⋯いいかな?」
「ん? なんだ?」
「さっきのジュード君との決だけど⋯⋯⋯⋯どうして、手を抜いた上で降参したんだい?」
「⋯⋯⋯⋯」
全員が一斉に俺に視線を向ける。
「ソンナコトナイヨ。アレガ実力ダヨ(棒)」
「嘘つけ、この野郎! 他の生徒たちがわからなくても俺たちの目はごまかせねーぞ!」
シラを切った棒返事をすると、即座にあの『赤髪短髪短気ヤロー』のジェイクが突っかかってくる。しかし、
「いいかげんにしろ、ジェイク。また場を荒らすな! これ以上やると、いくらジェイクでも⋯⋯⋯⋯黙っていないぞ?」
キッ!
そう言って、セインがジェイクに向かって魔力を込めた『威圧』を放つと、
「うっ!?⋯⋯す、すま⋯⋯ねえ⋯⋯」
その影響で、突っかかってこようとしたジェイクの体が止まる。おそらくセインの威圧が原因だろうが、それはつまり⋯⋯この二人にはそれだけの魔力差があるのだろう。
見た感じ、ジェイクも⋯⋯いや、四人全員が余裕で『実力者』の部類に入るだろうことはすぐにわかっていたが、セインはその中でも『別格』のようだ。
「ごめんね、エイジ」
「いいよ、気にしてないから」
セインがジェイクの反省の言葉を聞いて『威圧』を解除すると、俺にしおらしく謝ってきた。⋯⋯こいつ、やっぱ良い奴だよな。
「でも、どうしてエイジは⋯⋯⋯⋯そんな面倒くさいことをしているんだい?」
「⋯⋯⋯⋯」
なるほど。セインは鼻っから俺の言葉を信用していないわけね。まあ、今もそうだがワザとバレバレな対応をしているからな。
「友達が欲しくてそうしているんだよ」
「友達?」
「ああ。だって俺は『救世主』としては使い物にならないということで『平民』になった。そうなると元の世界に戻れない俺はこの異世界で生きなきゃいけないだろ? で、それにはこの世界の知識も得る必要があるし、お金も必要になる。そして、そういった諸々を得るにはこの世界の『友達』や『知り合い』が多ければ多いほうがいいと思ったんだよ」
「なるほど。その話は納得いくけど、でも、なぜ手を抜く必要があるんだ?」
セイン、ワザと堂々と『手を抜く』と言いやがった。⋯⋯食えない奴だな。前言撤回⋯⋯こいつが『良い奴』かどうかは棚上げだな。
「これから仲良くしたい相手に、しかも女性相手に手を出すわけにはいかないだろ?⋯⋯少なくとも、俺のいた世界では『男性が女性に手を出す』ってのは『無し』だ」
俺はとりあえず、『もっともらしい理由』を説明した。すると、
「なるほど。とりあえず、その理由なら『及第点』かな⋯⋯」
「そりゃ、どうも」
「フフ⋯⋯そんなところも私は君を買ってるよ、エイジ」
「さいですか」
よし。とりあえず、何とか話を終わらせそうだな。⋯⋯⋯⋯と思ったら、
「は? 何それ? 意味わかんないんだけど?」
「え?」
「あ⋯⋯⋯⋯リーゼかぁ~」
セインが俺の理由に意を唱えた『リーゼ』という桃色ツインテールちゃんを見て、白々しく頭を抱えた仕草を見せる。
「え? 何が?」
とりあえず、セインの『茶番』に乗っかって理由を聞こうとした⋯⋯⋯⋯が、
「おい、元救世主。お前がほざいた『本気を出さない理由』は私にも言えるのか? あ?」
え、何⋯⋯めっちゃキレてるんですけど?
「ハッハッハ! やっちまったな~、元救世主! リーゼは特に『男性至上主義な発言』は大嫌いだからな! お前、死んだぞ?」
ジェイクが横から大笑いしながら嫌味を放つ。⋯⋯うぜぇ。
「い、いや、別に、そういうわけじゃ⋯⋯」
「ほう? じゃあ、今ほざいた理由は『嘘』なのか?」
「⋯⋯⋯⋯」
うぜぇ。顔は好みなのに性格は最悪だ。
それにしても怒った顔も可愛いな~。
「おい、お前⋯⋯今、私に対して心の中で舐めた口聞いていただろ」
「滅相モナ⋯⋯⋯⋯っ!!」
俺が返事を返そうとしたとき、桃色ツインテールちゃんが俺との間合いを一瞬で詰めて殴りかかってきた。⋯⋯速い!
パシッ!
「えっ!?」
俺は桃色ツインテールちゃんが不意打ちで仕掛けた拳をうっかり本気で払いのけると同時にバックに回って彼女の両肩を掴んだ。
「「「「「っ!!!!!!!!!」」」」」
すると、その場にいた生徒はもちろん、ケイティ先生やジュード、そして『四大公爵』含めた全員が驚きの表情を浮かべる。
「な、なんだ、今の動き! 全然、見えなかったぞ⋯⋯」
「え? え? さっきのジュード様との決闘より全然速いんだけどっ?!」
周囲の生徒たちが動揺を口にする。しかし、それよりも、
「ま、まさか⋯⋯あのリーゼが後ろを取られるなんて⋯⋯」
意外にも、ジェイクが今のエイジの動きに特に驚いた様子を見せた。そして、
「う、嘘⋯⋯? 私が⋯⋯後ろを取られるだなん⋯⋯て⋯⋯」
実際に後ろを取られた桃色ツインテールちゃん本人が、この状況を顔面蒼白になりながらショックを受けていた。
ちなみに、セインはその様子をニヤニヤと眺めているのであった。
11
あなたにおすすめの小説
最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~
華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』
たったこの一言から、すべてが始まった。
ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。
そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。
それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。
ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。
スキルとは祝福か、呪いか……
ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!!
主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。
ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。
ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。
しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。
一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。
途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。
その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。
そして、世界存亡の危機。
全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した……
※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
アイテムボックス無双 ~何でも収納! 奥義・首狩りアイテムボックス!~
明治サブ🍆スニーカー大賞【金賞】受賞作家
ファンタジー
※大・大・大どんでん返し回まで投稿済です!!
『第1回 次世代ファンタジーカップ ~最強「進化系ざまぁ」決定戦!』投稿作品。
無限収納機能を持つ『マジックバッグ』が巷にあふれる街で、収納魔法【アイテムボックス】しか使えない主人公・クリスは冒険者たちから無能扱いされ続け、ついに100パーティー目から追放されてしまう。
破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?
はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~
さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。
キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。
弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。
偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。
二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。
現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。
はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。
これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる