イフライン・レコード ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!

mitsuzoエンターテインメンツ

文字の大きさ
43 / 157
第二章

043「探索者集団《シーカー・クラン》を結成しよう!」

しおりを挟む


「えー、では⋯⋯第1回探索者集団シーカー・クランの名前どうするか会議を始めます」
「イエーイ!」
「はーい!」
「⋯⋯⋯⋯」

 探索者シーカーギルドで二人が探索者シーカー身分証を受け取った翌日のお昼——身分証を手ににした二人はだいぶ浮かれていた。

 今日はお昼時間を使って、これから三人で『どんな探索者集団シーカー・クラン名にするのか?』という話をしている。

「まーよくあるクラン名は『四字熟語』って印象だな~」

 と、唐沢。

「そうね。でも外国だと『神様の名前』とか入れるのもあるわよ。『ネプチューン』とか⋯⋯」

 と、胡桃沢。

「なるほど。まー個人的には『わかりやすさ』と『カッコよさ』が同居する感じの名前がいいけどな」
「「たしかに」」

 まー大概、こういう名前付けネーミングの場合、厨二病言語2ndシンドロームワードが火を吹くものである。


********************


「これ何か、どう?!⋯⋯『天衣無縫』!」

 胡桃沢がテンション高くクラン名を挙げる。

「すでにいるわっ!」
「ええー! そうなんだー⋯⋯」
「いや、よく覚えているな⋯⋯唐沢」
「まーこんくらいは探索者シーカーとして当然の嗜みだよ、ソラ君?」
「(イラ)」
「そうだな~⋯⋯⋯⋯ありきたりだけど『一騎当千』とか『疾風迅雷』かな?」
「ベタかな~」
「あと、そんなクランとか既にいそうよね」
「「たしかに」」

 とはいえ、唐沢は元々『探索者シーカーオタク』で、尚且つ俺と同じ『アニメ・マンガ・ラノベ好き』なので、探索者集団シーカー・クラン名をつけるこの会ではその才能を遺憾なく発揮し、いくつも候補を挙げていた。

「いや~、意外と探索者集団シーカー・クラン名を作るのって難しいな~」
「まーな。ここで決めた探索者集団シーカー・クラン名をこの先ずっと使い続けるって考えるとな」
「そうね~。そう言われたら、結構責任重大ね⋯⋯⋯⋯名前付けネーミング
「ずっと単独探索者ソロ・シーカーで気楽にやってたから、いきなり探索者集団シーカー・クラン名を作るってなるとなかなか⋯⋯な」
「そういや、その話なんだけど⋯⋯改めて考えると、お前のその強さってやっぱり異常だと思うぞ、ソラ?」

 と、ここで唐沢が話を変えてきた。

「そうね。いくら何でも新人ルーキーデビューして2ヶ月ちょっとで『レベル62』とかおかしいでしょ? ていうか、このレベルで『D級ランカー』って、探索者シーカーランクと探索者シーカーレベルがあってなさ過ぎよ!」
「そう?」

 ちなみに、唐沢も胡桃沢も俺のステータスを知っているので俺の強さも理解している。もちろん『恩寵ギフト』についてもだ。ただ、『恩寵ギフト』については二人には「今はしゃべらないでほしい」とだけは言っている。

 とはいえ、胡桃沢の父親が俺の父親の上司みたいなものらしいから、そこから『身バレ』と同時に『恩寵ギフト』についてバレても、まーそれはそれで別に構わないと思っている。父さんなら俺の敵になるなんてこと絶対にあり得ないからな。

「やっぱ、この『恩寵ギフト』ってやつが異常な成長スピードの原因なんだろうなぁ~」
「まーたぶんな」
「ソラ君⋯⋯この『恩寵ギフト自動最適化オートコンプリート』の能力の全容って、まだ正確にわかってないんでしょ?」
「ああ。今、わかっていることは『周囲の情報や俺の記憶・知識から自動で計算して最適な効果を生み出す』というのと『一度、意識したものは全て記憶される』くらいかな?」
「いやいや⋯⋯『くらいかな?』じゃねーよ! それだけでもかなりチートじゃねーか?!」
「何? チートって?」

 ここで、アニメやラノベに造詣のない胡桃沢に唐沢が『チート』について説明をする。

「つまり、ソラ君の能力があまりにも強力過ぎるってこと?」
「まー、単純にまとめるとそういうことだな」
「いいじゃない、強いんだから。これから一緒にやっていく私たちにとってはすごい頼りになるってことじゃない!」
「いや、ま、そうなんだけど⋯⋯⋯⋯」
「つまり、唐沢はソラ君のこのチート能力が羨ましいってことかしら?」
「当たり前じゃね~かぁぁ~~~っ!!!! そんなの『男の子』なら誰でも憧れるっつーのぉぉ~~~!っ!!!」

 唐沢が涙を流しながら胡桃沢に切なる想いを訴える。しかし、

「うざいっ!!!!」

 ゴン!

「ぎゃふん!?」

 言い寄ってきた唐沢に鉄拳制裁をお見舞いする胡桃沢。

「私たちはこれから・・・・でしょ?! これから強くなるんでしょ!! だったら、ソラ君に負けないくらいに努力すればいいだけじゃないっ!!!!」
「! く、胡桃沢⋯⋯」
「『恩寵ギフト』って能力は確かにソラ君だけが使える唯一の力だし、すごい力なのはわかるけど、これからダンジョンで私たちもソラ君のような『すごい能力』を手に入れることができるかもしれないでしょっ!!」
「⋯⋯ああ」
「ダンジョンなのよ! 今も謎だらけの! そして、私たちはそのダンジョンの探索を許された探索者シーカーになったのよ! これからじゃないのっ!!」
「⋯⋯ああ。そうだな」
「そんなしょうもない愚痴を言うくらいなら、少しでも多くダンジョンに潜って探索すればいいのよ! 強くなればいいの! あとは行動に結果がついてくるだけよ、フンッ!!」

 と、一気に捲し立てた胡桃沢はそのおかげで少しハァハァと肩で息をしていた。

「すげー。やっぱすげーよ⋯⋯胡桃沢は」
「フンッ! 当たり前でしょ!!」

 そう言って、二人がニッと笑う。

 何と言うか『息ぴったり』という感じだ。

「息ぴったりだな、二人とも」
「なっ?! ソ、ソラ!! お、お前⋯⋯」
「な、なななな、何を言ってるのよ、ソラ君っ!! どうしてそうなるのよっ!!」

 その後、二人からやいのやいの・・・・・・と説教を喰らった。

 何だろう⋯⋯ただのイチャイチャにしか見えないのは?



 あ、ちなみに⋯⋯⋯⋯結局、俺たちの探索者集団シーカー・クラン名は『新進気鋭アップスタート』となりました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

社畜生活に疲れた俺が転生先で拾ったのは喋る古代ゴーレムだった。のんびり修理屋を開店したら、なぜか伝説の職人だと勘違いされている件

☆ほしい
ファンタジー
過労の末に命を落とした俺、相田巧(アイダタクミ)が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界だった。神様から授かったスキルは「分解」と「再構築」という、戦闘には向かない地味なもの。 もうあくせく働くのはごめんだと、静かな生活を求めて森を彷徨っていると、一体の小さなゴーレムを発見する。古代文明の遺物らしいそのゴーレムは、俺のスキルで修理すると「マスター」と喋りだした。 俺はタマと名付けたゴーレムと一緒に、街で小さな修理屋を開業する。壊れた農具から始まり、動かなくなった魔道具まで、スキルを駆使して直していく日々。ただのんびり暮らしたいだけなのに、俺の仕事が完璧すぎるせいで、いつの間にか「どんなものでも蘇らせる伝説の職人」だと噂が広まってしまい……。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~

みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった! 無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。 追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

処理中です...