イフライン・レコード ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!

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第二章

067「ボーナスステージ、キターーーっ!(※いいえ、魔物暴走《スタンピード》です)」

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——時を戻そう。『関東B6』1時間前

「ああ、まかせろ! すぐに応援を要請して駆けつける! だから⋯⋯だから⋯⋯死ぬなよ!」
「当たり前だ」
「ソラ君っ!! 絶対に! 絶対にすぐ駆けつけるから!!」
「わかった。頼んだぞ、胡桃沢」
「うん!」
「よし、それじゃ行け! 俺がお前が転移するまでの時間を稼いでやる!」
「わかった! 行くぞ、胡桃沢!」
「う、うん!」

 唐沢と胡桃沢が『転移水晶』を使って地上へと転移したのを見届ける俺。

「⋯⋯行ったか」

 そして、

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯

「よっしゃぁぁぁぁ~~~~っ!!!!!!」

 テンション爆上がりの俺。なぜか?

「だって、これで心置きなくレベリングできるじゃな~い?」

 そう、ソラは現在この状況を『危機的状況』と思っているのではなく『レベリング祭り』と思っていた。

「ボーナスステージ、キターーーーーーーーーーっ!!!!」

 グガァァァァァァァァァァァァァァァ~~~~~っ!!!!!!

 そんな、テンション爆上がり中のソラにCランク上位の魔物たちが一斉に襲いかかる。本来、D級ランカーがCランク上位の魔物相手に一人で勝てるわけがない。まして、魔物は数で圧倒しているのだ。普通なら瞬殺も良いところだ。しかし、

 パーーーン!

「お? Cランク上位の魔物でも一撃なんだ?」

 実際は、ソラのほうが魔物を瞬殺していた。

 ソラが拳の一撃だけで葬る姿を見たるや否や、勢いよく突っ込んできた魔物たちが一斉にその場に留まった。しかし、

「あれ? 来ないの? じゃあ、今度はこっちから行くよ?」


 パパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパーーーーーーンっ!!!!!!


 そう言って、ソラが無差別に両拳を振るう。ダンジョン内に乾いた音が軽快に響く。

「⋯⋯蹂躙開始(ニチャァ)」

 ソラが瞬く間に周囲の魔物を一撃で葬っていく。

「あ、そうだ! せっかくだから二刀流の練習をしようジャマイカ!」

 そう言って、ソラは腰の鞘から『二つの剣』を抜き「フン!」と言って構える。剣術は特に習ったことはないので完全なる独学オリジナルだ。

 ちなみに構えはアニメの『二刀流使いの主人公』をマネた。

「い、いいっ!! すごくいいっ!! かっこいいじゃないかっ!!! 控えめに言って最高っ!!!! いや、やっぱ二刀流はロマンだよな~! ウヒョォォォォォ~~~~っ!!!! やべ⋯⋯スクショ撮りたい」

 一人、ハイテンションで語るソラに、魔物暴走スタンピードで興奮・狂乱状態であるはずの魔物が⋯⋯⋯⋯ドン引きしていた。

 そんな、魔物にドン引きされていることも知らないソラは「ムフフフ⋯⋯」と気持ち悪い奇声を上げながら、2つの剣を眺めている。

「よーし、よしよし⋯⋯。そ、それでは、ささ、早速、切れ味を⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯ん、試してみようジャマイカ(ペロリ)」

 ごくり⋯⋯

 気のせい⋯⋯⋯⋯かもしれない。だが、はっきりと魔物が生唾を飲んだ音がした。

 グギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァ~~~っ!!!!

 そんなソラを見て、恐怖と緊張のあまり魔物が次々と襲いかかってくる。しかし、


 スパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパーーーーンっ!!!!


 ソラは、まるで華麗な舞を踊っているかのような軽やかなステップを刻みながら、魔物に刃を食い込ませては鋭く引き抜き、また食い込ませては引き抜き⋯⋯と魔物の体をまるで紙切れのようにパラパラパラパラと切り刻んでいく。

「うっわ?! すっごい切れ味っ!! こんなの一度経験したら⋯⋯⋯⋯クセになりそう(ニチャァ)」

 襲ってきた魔物をすべて切り刻むと、今度はソラのほうから全方位に魔物を切り刻んでいく。その姿は上から見ればソラが中心から少しずつ外に向けて螺旋状に回っている感じだ。これまたすべて一撃(一刀?)で無力化していく。目の前の魔物を倒していくとその死体が雪だるま式に増えていく。しかし、

 スーーーーーーーコトン、コトン⋯⋯。

 魔物の死体が全て消え、魔石やドロップアイテムを落としていく。

「いや~、大漁、大漁!」

 魔石やドロップアイテムを拾いつつも、30分後には38階層の魔物すべてを駆逐した。

「あれ? この階層の魔物はすべて倒した⋯⋯のかな? それじゃあ、次は39階層だな⋯⋯」

 そう言って、ソラは39階層へと降りていった。


********************


——39階層

「ふむふむ。さっきの38階層よりかは魔物の数は少ないようだな⋯⋯数は」

 39階層の魔物は数自体は38階層より少ない。しかし、

「魔物がすべてBランク⋯⋯⋯⋯といったところかな?」

 目の前にはBランクの魔物がひしめき合っていた。あと、1匹1匹がデカい魔物が多い。

「こりゃ、さすがに一撃ってわけにはいかないだろう。倒し甲斐があるのではっ?!」

 ソラは新人ルーキーデビューしてからずっと想っていることがあった。それは「一撃で沈まない魔物に出会ってみたい」という想いだ。

 これまでは『Cランク上位種』が相手だったが、この39階層には見た限り、すべてBランクの魔物。ソラは期待を込めて魔物の群れの中へ突っ込んで剣を振るった。


 スパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパパーーーーンっ!!!!


「あ、あれ? これ⋯⋯Bランクの魔物だよね?」

 ソラは大小関係なくBランクの魔物をまたも一瞬で屠っていく。目の前には倒した魔物の魔石やドロップアイテムなどが散らばっており、その中のドロップアイテムには様々な高価なアイテムや貴重な魔法書・スキル書などもあった。

「ま、まーいいだろう。苦戦しているわけじゃないし⋯⋯。それに、魔石やドロップアイテムもこんなにたくさんあるし、しかもかなり貴重なアイテムもあるっぽいぞ。おっ! あれ『転移水晶』じゃないか、ラッキー!」

 そう言って、ソラは39階層の魔物すべてを屠った後、地面に落ちている魔石やドロップアイテムを拾い集め、ストレージリュックへ放り込む。

「それにしても、今の俺のレベルって相当やばいな⋯⋯。なんせ、Bランクの魔物相手でも一撃で屠れるんだもの」

 と、一通り39階層の魔石やアイテムを回収した後、38階層と39階層で拾った魔法書やスキル書を出して魔法とスキルを獲得したあと、自分のステータスを広げて現状を確認した。

——————————————————

名前:新屋敷ソラ

レベル:81

魔法:<初級>ファイヤバレット/ファイヤランス/ウィンドバレット/サンダーバレット/サンダーランス/ソードウィンド/コールドブレス/サンドアタック<中級>魔炎豪雨ファイヤスコール風刀豪雨ウィンドスコール雷刀豪雨サンダースコール氷塊豪雨スノースコール
スキル:<初級>身体強化/縮地/怪力/忍足<中級>魔力洗浄マナクリーン小規模索敵スモールサーチ気配遮断インビジブル
恩寵ギフト自動最適化オートコンプリート共有化シェアリング

——————————————————

「うーむ、なるほど。レベル80を超えると、Bランクの魔物でもワンパンでいけるのか」

 見ると、探索者シーカーレベルが『62』から『81』へと約20近くも上がっていた。他にも先ほど獲得した中級の魔法やスキルもちゃんと追加されている。

「さて、いよいよ次は40階層⋯⋯最下層だな」



 そう言って、俺は40階層への階段を降りていった。
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