イフライン・レコード ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!

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第二章

068「関東B6のダンジョンボス」

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——関東B6 40階層(最下層)

「うわぁ⋯⋯私の年収低すぎ! あ、違った。ウジャウジャ魔物多すぎ!」

 関東B6最下層40階層に降りると、所狭しと魔物がウジャウジャといた。それはもう、DランクからBランク上位種の魔物までいる。特にBランク上位種では『強敵』と言われている『ロックジャガー』という岩のような表皮に包まれた防御力特化のネコ科の魔物が多く見られた。

「おお、ロックジャガーだ。硬そうだなぁ~。この剣通用するかぁ~?」

 とはいえ、今ある武器でやるしかない。

 ということで、俺は早速ロックジャガーに向かっていった。

「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~っ!!!!!!!」

 パキーン!

「あら?」

 はい、見事に剣が二本とも砕けましたよ。

「ちょ、ちょぉぉぉ~~っ!? 買ったばかりなんですけどぉぉぉ~~~~っ!!!!」
『グルルゥゥゥゥゥ~~⋯⋯(ニチャァ)』

 剣が砕けた俺を見て、ロックジャガーの集団がまるで「どういたぶって殺してやろうか」とでも言っているかのようなニヤついた笑顔を向けていた。

「あ? 何笑ってんだ、コラ?」

 スパーン!

 そう言って、俺は近くにいたロックジャガーに拳を入れる。ロックジャガーの頭が吹っ飛び、その場で絶命する。それを見た周囲のロックジャガーの集団は「は?」という目の前の状況が信じられなかったのかキョトンとしていた。

 しかし、しばらくすると目の前の人間が『いかに危険な奴なのか』ということを察知したのか逃げ出そうとした⋯⋯⋯⋯が、

「逃さねえよ?」

 スパパパパパパパパパパパパパパ~~~~~~~ンっ!!!!!!

 時すでに遅し——目の前にいたロックジャガーの集団はあっという間に瞬殺され、魔石やドロップアイテムと変わった。

「⋯⋯ったく! 魔物のくせに、あんな『いやらしく笑う奴』もいるなんてな。知性が高い⋯⋯てことかな?」

 俺は物思いにふけながら周囲の魔物を屠り続けていく。すると、


『⋯⋯何者だ、貴様?』


 目の前に巨人が現れ、俺に尋ねてきた。

「へぇ~。関東B6のダンジョンボスって『アシュラオーク』なんだ」

 アシュラオーク——Bランク上位種の中でも『最強』と言われる魔物。『アシュラ=阿修羅』ということで腕が六本あり、体躯が全長8~10メートルほどあるオークの最上位種。

 魔物はランクが上がるごとに『知性』を持つものが多く、Bランクで人型の魔物であればこのように人間と会話ができる魔物も存在する。

 このような会話ができるほどの知性を持つ魔物の場合、これまでの魔物と違って『駆け引き』も要求されるため、A級ランクの探索者シーカーでも苦戦するほどである。

『邪魔をするな、人間。⋯⋯殺すぞ?』

 と、アシュラオークが威圧してきた。

 あ、しゃべれるんだ⋯⋯こいつ。知能の高い魔物ってやつか。

「はっはっは! やってみろ、このや⋯⋯」

 俺がそんなセリフを吐き終える前に、アシュラオークはでっかい拳で殴りかかってきた。


 ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴォォーーーーーーーーーンッ!!!!


『ふん⋯⋯口だけか、人間』

 どうやらアシュラオークは俺を殺したと思ったのか、そんな見当違い・・・・なセリフを吐く。

「は? お前、何言ってんの?」
『⋯⋯なっ?!』

 俺はアシュラオークの『頭の上』に立って、そんなセリフを吐いた。

『ぐ、ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~~~~っ!????』

 パァーーン!

 アシュラオークは、俺がいつの間にか『頭の上』に移動したことに気づかなかったことにだろうか⋯⋯怯えた表情を隠さぬまま、雄叫びを上げながら俺を両手で潰そうとする。⋯⋯が、そんなので俺が潰せるわけなどなく、俺はジャンプで軽々とかわすと、

「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~っ!!!!!!」

 ズドドドドドドドドドドドドーーーーーーーっ!!!!!!!

 そのジャンプした位置から奴のでっかい手を足蹴にして地面へと着地するや否や、奴の足元に拳や蹴りを打ち込んでいく。

『うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~っ!!!!!!!』

 ズズーーーーーー⋯⋯ン。

 7メートル近いアシュラオークの巨躯を支えていた足が俺の攻撃でグシャグシャになったため、踏ん張りが効かなくなりそのまま前に倒れた。

『あ、足が⋯⋯私の足がぁぁぁ~~⋯⋯っ?!!!!!』

 そんな悲鳴をあげるアシュラオーク。そんなアシュラオークの顔のところに行く俺。

「よう?」
『ヒ、ヒィィ⋯⋯っ!?』

 どうやら、アシュラオークは俺の強さを理解したようで今は目の前でただただ怯えていた。

「いや~、さすがBランク上位種最強なだけあるな! 一撃で倒せないなんて初めてだよ。ハッハッハ!」
『あ、ああ⋯⋯ああああ⋯⋯』

 ソラのセリフを聞いて、アシュラオークはただただ恐怖に怯えている。

『い、命⋯⋯だけ⋯⋯は⋯⋯』
「ハッハッハ、何言ってんの? 最初、あれだけ俺のこと雑魚呼ばわりしたくせに⋯⋯⋯⋯見逃すわけないじゃん?」
『え⋯⋯あ⋯⋯』
「それじゃあ⋯⋯⋯⋯殺すね?」
『あ、あああああああああああああああああああ~~~~~っ!!!!!!』


********************


「ふ~⋯⋯。さてと、残りの魔物たちを⋯⋯⋯⋯⋯⋯あれ?」

 関東B6のダンジョンボスであるアシュラオークを倒した俺は、周囲にいる残りの魔物に目を向けた。すると、


 ザザザザザザザザザザザザザザザザザザ⋯⋯っ!!!!!!


 魔物たちが一斉に俺から距離を取り始めた。

「え? どゆこと?」

 魔物の目を見ると、皆が俺に怯えているような⋯⋯そんな目をしていた。

「いやいや、そんなわけないっか! 魔物が人間ごときに怯えるなんて!」

 俺はついそんな勘違い・・・をしてしまった。いや~お恥ずかしい。

 しかし、心なしか⋯⋯魔物が皆、首をフルフルと動かしている。まるで「いや勘違いじゃないから~!」とでも言っているかのように。

 あ、いかん、いかん。

 それこそ勘違いじゃないか。魔物がそんなこと思うわけないよね。

 危ない、危ない。

「さてと、じゃあ、残りの魔物たちも片付けるか~!(るん)」

 俺は全速力で上の階層に移動しようとする魔物たちを追いかけた。

「待て、待て~(キャッキャ、ウフフ)」



 魔物たちにとって『悪夢の時間』が始まった。
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