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1.喜びの世界
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「うわーーーー」と叫びながら空から落下している、社会人になって初のスカイダイビング体験がこれかよ。
なんて思いながらパラシュートなんてあるはずもなく。
「まずいまっず~い!!」
地上が近くになって走馬灯が見えはじめた。
「橋がある、爺ちゃん婆ちゃんごめんな、今そっちに行くからな」
自分がぐちゃぐちゃになるのを見たくないから目を瞑った。
地上に叩き出されるかと覚悟をしたが足が付くかどうかの所で何か足に風を感じ着地をした。
「???」
目を開き自分の体を確認した、どこも怪我がなく5体満足であった。
「よかった~」
安堵をしたのか膝から崩れ落ちた。
それにしてもここはどこなんだ、周りには何もない。
先程は真っ白な世界だったが、ここはいたって普通の風景。
ただRPGゲームに出てくるような森や川がある。
あの少年は旅と言っていた、まぁ何もやらないよりはと少し周りを歩いてみることにした
高い所に向けて歩き、高台に着いた。
「おおーーー」
周りを見渡して、街があった。
誰かいるのかと思い、高台から降り街に向けて歩き始めた。
すんなり街に入れた、街は活気に満ち溢れていた。
またどこに行っても笑い声が聞こえてくる。
周りの人の服装を見ると西洋っぽい服装をしている。
ここがどんな街なのかよくわからないから通行人に聞いてみることにした。
「ここは喜びの街、みんな笑顔で、毎日色んな人がプレゼントをしている。あれを見なよ。」と指した先には
いつもありがとうねと老婆にプレゼント贈ってる子供がいた。
「他にもゴミを拾ったり、タダで買い物が出来る。人が喜ぶことをこの街の人々はしているんだ」
「君も出来ることはやってみるといいよ、それじゃあね」
と通行人は立ち去っていった。
あの少年は変なとこに僕を飛ばしたなと思い、早く違う所に行こう。
その前に腹ごしらえをしたいが金が無い、どうしたものかと屋台の前で困っていたが店主が3本を自分の前に差し出してくれた。
「あんた腹減ってるんだろう、いいよお駄賃は」
「本当かい!?」
「ああ、あんたが喜んでくれるならそれでいいよ」
そういえばと先程の通行人の説明を思い返してた
「ありがとうございます」
1本を食べ終わると足の裾を後ろで引っ張る感じがした。
後ろを振り向くと小さい子供がいた、容姿は小学生1年生ぐらいでボロボロの布1枚を身に纏っていた。ずっと引っ張っていたので「どうしたの?」と訊ねたら串を指差したので1本をあげた。
「美味いかい?」と聞くと「お、美味しい」と嬉しそうに言ってくれた。
もう1本もその子に渡して店主に「この町で見たり行ったりした方がいい場所はあるかい?」と訊ねた。
笑いながら店主は「そりゃあたくさんあるけど、ここは喜びの街だからその象徴である喜びの壁画を見に行くといいよ、ここから東に歩いた先にあるから見てきたらどうだい」
「ほう、そんなものがあるのか
ありがとう行ってみるよ」
「串美味かったよ。」と言い立ち去ろうとして周りを見たが先ほどの子供がいなくなっていた。
まぁ、お腹が減っただけだったんだろうな
また会えたら何か買ってあげようと思い壁画に向かうのであった。
壁画に着いて、見た瞬間驚いたそれは僕が初めて誕生日プレゼントで友人からもらった腕時計の画だった
見間違えるはずがない、あの時嬉しくて毎日のように付けていて友人達にも自慢したのだ。
ただ何故今ここにこの画が
周囲にいる人にこの画がなんなのか聞いてようとベンチに座っているお爺さんにこの画を訊ねた。
「お爺さんこの画はなんなんだい?」
「この画は王様がある人にプレゼントを贈ってその人が大層喜んでおった画なのじゃ」
「王様?」
「そうじゃ、この町は王様がいるんじゃ」
ということはその王様は僕の友人なのか
「王様に会うにはどうしたらいいんだい?」と訊ねた。
「ここから真っ直ぐ行き突き当たりを左に曲がった先に城がある、門番がいるから話すと良い」
「わかった、ありがとうお爺さん」と言ったら「いえいえ、喜んでもらえて何よりじゃ」と言いトボトボと立ち去っていった。
お爺さんに教えともらった通りに行ってみたらお城があった、門番の人に王様と会いたいと言ったら快く受け入れて中に入れてもらえた。
普通こういうのは追い払われるものだと思うのだが、気にはしなかった
王様がいる部屋のドアの前で待つように言われた。
「中に入りたまえ」
「失礼いたします」
緊張をして中に入った。
中に入ると想像通りな広々とした部屋だった。
煌びやかでシャンデリア・玉座・赤のカーペット・玉座までのちょっとした階段RPGに出てくるようなものばかり。
「久しぶりだな愁」
懐かしい声が広々とした部屋に響き渡る。
「轍!!」
そう先程の壁画に描かれていた腕時計をプレゼントしてくれたのは織鷲轍なのだ
轍は中学生の時の友達、ただ今目の前にいる轍は中学生時代よりも外見が少し変わっている。
「なんで轍がここにいるんだよ?」
「あぁー、説明すると長くなるぞ」
「いいよ、話せよ」
「そうだな、僕は君の知ってる轍ではないってことかな」
「は、何言ってるんだよ」
「ここは君の街なんだ、僕はその偶像みたいなものなんだ」
さっきの少年といい意味わからないことを轍も言っている。
「多分謎の少年には会っているよね?」
「あぁ、なんか薄いやつだろ?」
「そう、その少年は僕も正体がわからない
ただ、この街・他の世界は君の精神世界を具現化したものではある」
轍はこんな難しいことを言うやつだったか。
「他にも色んな世界があるのか?」
「あるよ、少年から説明があったと思うが精神世界が異常をきたしている。」
「特に喜怒哀楽が」
「喜怒哀楽?」
「そうだ、君は社会人になって喜んだり怒ったり泣いたり楽しいと思ったことはあるかい」
「.....無いな」
「だろうね、それを君には取り戻してほしいんだ」
「どうやって?」
「それは僕にもわからない、ごめんな」
「いいんだ、久々に轍に会えたんだ」
「あと、なんで轍がこの街の王様なんだ」
「あぁこれは、愁と深く絆がある人はキーパーソン的な役になるらしい。
王様って序盤でゲームの説明する役みたいだろ」
なるほどなと頷いた
「それにしても轍が王様とか似合わないな」
「自分でもそう思うよ」
「喜びの街は嬉しさに関連している、他の街・世界もそうなんだ」
「何がキーで解決するのか僕にはわからない、ただ愁の何かの記憶と関連していると僕は思うんだ」
「記憶か」
「昔の記憶に関しては少し朧げなんだよな」
「そうか、思い出せるといいな」
「轍、ありがとう。
助かったよ」
「あぁ、いつでも来てくれ」
じゃあと手を振り轍と別れた
城外に出た、周りを見渡してやはり何人かがプレゼントを贈っている。
これが僕の喜びってことなのか
さてと、喜びの街は僕の精神世界でそれを解決するのは不明か
他にも友人とか親友がいるのか、まぁぼっちの自分にはいないか
轍も中学生の時の親友だからな、それにしても大人になってたな。
「あ、轍になんで喜びの街なのか聞くの忘れた」
いつでも来てくれと言っていたしもう一回聞きに行こうと思ったら、また足の裾を引っ張られた。
後ろを振り向くと先程串を渡した子供だった。
「あ、さっきの子。どうしたんだい?」と訊ねると城から離れた所に観覧車を指差した。
「あんな所に観覧車があるのか」
西洋の風景には馴染んでいない観覧車
「あそこで遊びたいのかい?」と訊ねると縦に頷いた。
「よし、この街がどういうのかわからないが遊んだ方がストレス解消になるか」と子供をおんぶして観覧車に向かった。
観覧車に近づくにつれて遊園地があることを知った。
遊園地の入り口に着き、「大人1人と子供1人で、あ」
金がない事を思い出した。
「子供1人?喜びの街はお客様が喜んでもらえるだけでいいんです、いってらっしゃいませ!」
とタダで入場させてもらえた
何か調子が狂うがせっかくの遊園地なのでこの子に名一杯遊んでもらおう。
まずは先程指差していた観覧車
目を星にしてキラキラさせながら高い場所から色々見渡していた。
「お兄ちゃん見て見てあそこさっきまでいたお城があるよ」
「ホントだね」
子供はなんて健気なんだろと思った。
「そういえば君の名前聞いてなかったね。僕は縁愁って言うんだ。君は?」
「ラヴィ」
西洋人だからそういう名前なのかな?
ただ、周りからみても日本人みたいな姿をしている。
「ラヴィかっこいい名前だね」
「ありがとう、僕も気に入ってるんだ。
あ、次あれ乗りたい」
「いいぞ、お兄さんが今日は一日付き合ってやるからな」
「わ~い!」
そしてメリーゴーランド、お化け屋敷、ジェットコースター等時間を忘れて全てを遊び尽くした。
何故お化け屋敷とかあるのかはきっと僕の精神世界だからなんだろう
空が暗くなりだんだん人が退園しているので閉園の時間なのだろうと思いラヴィに退園するよと声をかけた
ラヴィは「いやだ、もっと遊んでよ
1日遊んでくれる約束じゃん」
自分は困ってしまった、確かに約束はしたが閉園するからここでは遊べない。
他の場所は夜になるにつれ開いていない
ラヴィを見ると涙ぐんでいた
するとある情景が浮かんだ、それは昔自分が家で1人留守番をしている所である。
両親は仕事人間だったため家におらず、1人で遊ぶことが多かった。
1人で人生ゲームをしていた、それも車には3人乗っている車と1人だけ乗っている車を1人で遊んでいた。
その子供はラヴィと同じように涙ぐみながら遊んでいた。
自分はそれを見て寂しかったんだと思った。
誰かにかまって欲しかったんだ。
その情景が消え、目の前には涙ぐんでいるラヴィがいる。
僕は
「よし、なら色んな所に行こう」と言いラヴィをおんぶして夜の街を繰り出した。
玩具屋、屋台、最後は高台と連れていった。
「どうだ、ラヴィ楽しかったか」
「とっても楽しかったよ、こんな時間まで一緒にいてくれたのお兄ちゃんが初めてだよ」
「お父さんとお母さんは?」と訊ねると
「いるけどいないよ、基本お家で1人だし」
自分と同じだった。この子に昔の自分を重ねてたから放って置けなかったのかもしれない。
「でも今日はお兄ちゃんと一緒だったから嬉しかった。」
というとラヴィは目の前から薄くなり始めた。
「ラヴィ!? これは!?」
「僕はお兄ちゃんの子供の時の分身みたいなものなんだ、だから周りの人には見えていなかったんだ」
確かに違和感はあった、店主はなぜこの子に串をあげていなかったのか。
遊園地の受付の人は子供?と疑問を持ったこと。
城前にここまでボロボロ容姿の子供がいたら轍なら放っておくわけがない
「でもどうして僕の前に現れたんだい?」
「お兄ちゃんだけだったんだ、僕のこと見てくれたの。お兄ちゃんに会うまで誰も僕のことを見てくれなかった。」
そうかラヴィは誰からも見えないから構ってもらえないからずっと寂しかったんだ。
「お兄ちゃんが僕のこと見てくれて嬉しかった!」
「嬉しい?」
「うん、だって誰かから自分を認められた気分になったんだ」
「僕はここにいていいって、今まで誰も僕を見ていなかった」
そうだ、僕の両親も僕を置物か何かのように見ていた。
社会に出てもそれは同じだった、誰かに認めてもらいたかったんだ。
ただ、僕はそれを諦めてしまったんだ。
「お腹が減っても誰も僕にはくれなかった。お兄ちゃんは違った、串をくれた」
「当たり前だろ、お腹空かしてる子供を放っておくかよ」
「その当たり前が僕には嬉しかったんだ」
そうか、僕は根本を間違っていたんだ。
プレゼントを渡したりして嬉しいとかではなく誰かと一緒にいたり認めあうそれだけで嬉しかったんだ
子供の時はそれだけで嬉しかったが大人になるにつれその事を忘れてしまっていたのだ。
ラヴィがどんどん薄れていく
「ラヴィお前消えるのか?」
「うーん消えるんじゃなくて元に戻る感じかな」
「元に戻る、全然わからないよ。今日会ったばかりで消えるなんて!!」
「だよね、僕も怖いもん
でもお兄ちゃんを見れてよかったと思った」
「よかった?」
「うん、子供の時のお兄ちゃんは寂しい気持ちでいっぱいだったけど今のお兄ちゃんを見てちゃんと喜ぶ感情を持ってる事を見れて安心した」
「今日は約束通り一日中一緒に遊んでくれて嬉しかった。」
「ありがとうお兄ちゃん、またどこかで会おうね、今度は僕からの約束だね」
「あぁ、約束だ。
また1日中遊びまわるからな覚悟しろよ」
というとラヴィは笑顔で消えていってしまった
それがラヴィの最初で最後の笑顔だった。
いや、また会えるから最後ではない。
徐々に西洋風な風景が消失していき、急に黒い穴が出現した。
これで解決ってわけなのか、いつかまたラヴィに会えると信じて黒い穴に自ら進んで落ちていった。
「ありがとうラヴィ」
なんて思いながらパラシュートなんてあるはずもなく。
「まずいまっず~い!!」
地上が近くになって走馬灯が見えはじめた。
「橋がある、爺ちゃん婆ちゃんごめんな、今そっちに行くからな」
自分がぐちゃぐちゃになるのを見たくないから目を瞑った。
地上に叩き出されるかと覚悟をしたが足が付くかどうかの所で何か足に風を感じ着地をした。
「???」
目を開き自分の体を確認した、どこも怪我がなく5体満足であった。
「よかった~」
安堵をしたのか膝から崩れ落ちた。
それにしてもここはどこなんだ、周りには何もない。
先程は真っ白な世界だったが、ここはいたって普通の風景。
ただRPGゲームに出てくるような森や川がある。
あの少年は旅と言っていた、まぁ何もやらないよりはと少し周りを歩いてみることにした
高い所に向けて歩き、高台に着いた。
「おおーーー」
周りを見渡して、街があった。
誰かいるのかと思い、高台から降り街に向けて歩き始めた。
すんなり街に入れた、街は活気に満ち溢れていた。
またどこに行っても笑い声が聞こえてくる。
周りの人の服装を見ると西洋っぽい服装をしている。
ここがどんな街なのかよくわからないから通行人に聞いてみることにした。
「ここは喜びの街、みんな笑顔で、毎日色んな人がプレゼントをしている。あれを見なよ。」と指した先には
いつもありがとうねと老婆にプレゼント贈ってる子供がいた。
「他にもゴミを拾ったり、タダで買い物が出来る。人が喜ぶことをこの街の人々はしているんだ」
「君も出来ることはやってみるといいよ、それじゃあね」
と通行人は立ち去っていった。
あの少年は変なとこに僕を飛ばしたなと思い、早く違う所に行こう。
その前に腹ごしらえをしたいが金が無い、どうしたものかと屋台の前で困っていたが店主が3本を自分の前に差し出してくれた。
「あんた腹減ってるんだろう、いいよお駄賃は」
「本当かい!?」
「ああ、あんたが喜んでくれるならそれでいいよ」
そういえばと先程の通行人の説明を思い返してた
「ありがとうございます」
1本を食べ終わると足の裾を後ろで引っ張る感じがした。
後ろを振り向くと小さい子供がいた、容姿は小学生1年生ぐらいでボロボロの布1枚を身に纏っていた。ずっと引っ張っていたので「どうしたの?」と訊ねたら串を指差したので1本をあげた。
「美味いかい?」と聞くと「お、美味しい」と嬉しそうに言ってくれた。
もう1本もその子に渡して店主に「この町で見たり行ったりした方がいい場所はあるかい?」と訊ねた。
笑いながら店主は「そりゃあたくさんあるけど、ここは喜びの街だからその象徴である喜びの壁画を見に行くといいよ、ここから東に歩いた先にあるから見てきたらどうだい」
「ほう、そんなものがあるのか
ありがとう行ってみるよ」
「串美味かったよ。」と言い立ち去ろうとして周りを見たが先ほどの子供がいなくなっていた。
まぁ、お腹が減っただけだったんだろうな
また会えたら何か買ってあげようと思い壁画に向かうのであった。
壁画に着いて、見た瞬間驚いたそれは僕が初めて誕生日プレゼントで友人からもらった腕時計の画だった
見間違えるはずがない、あの時嬉しくて毎日のように付けていて友人達にも自慢したのだ。
ただ何故今ここにこの画が
周囲にいる人にこの画がなんなのか聞いてようとベンチに座っているお爺さんにこの画を訊ねた。
「お爺さんこの画はなんなんだい?」
「この画は王様がある人にプレゼントを贈ってその人が大層喜んでおった画なのじゃ」
「王様?」
「そうじゃ、この町は王様がいるんじゃ」
ということはその王様は僕の友人なのか
「王様に会うにはどうしたらいいんだい?」と訊ねた。
「ここから真っ直ぐ行き突き当たりを左に曲がった先に城がある、門番がいるから話すと良い」
「わかった、ありがとうお爺さん」と言ったら「いえいえ、喜んでもらえて何よりじゃ」と言いトボトボと立ち去っていった。
お爺さんに教えともらった通りに行ってみたらお城があった、門番の人に王様と会いたいと言ったら快く受け入れて中に入れてもらえた。
普通こういうのは追い払われるものだと思うのだが、気にはしなかった
王様がいる部屋のドアの前で待つように言われた。
「中に入りたまえ」
「失礼いたします」
緊張をして中に入った。
中に入ると想像通りな広々とした部屋だった。
煌びやかでシャンデリア・玉座・赤のカーペット・玉座までのちょっとした階段RPGに出てくるようなものばかり。
「久しぶりだな愁」
懐かしい声が広々とした部屋に響き渡る。
「轍!!」
そう先程の壁画に描かれていた腕時計をプレゼントしてくれたのは織鷲轍なのだ
轍は中学生の時の友達、ただ今目の前にいる轍は中学生時代よりも外見が少し変わっている。
「なんで轍がここにいるんだよ?」
「あぁー、説明すると長くなるぞ」
「いいよ、話せよ」
「そうだな、僕は君の知ってる轍ではないってことかな」
「は、何言ってるんだよ」
「ここは君の街なんだ、僕はその偶像みたいなものなんだ」
さっきの少年といい意味わからないことを轍も言っている。
「多分謎の少年には会っているよね?」
「あぁ、なんか薄いやつだろ?」
「そう、その少年は僕も正体がわからない
ただ、この街・他の世界は君の精神世界を具現化したものではある」
轍はこんな難しいことを言うやつだったか。
「他にも色んな世界があるのか?」
「あるよ、少年から説明があったと思うが精神世界が異常をきたしている。」
「特に喜怒哀楽が」
「喜怒哀楽?」
「そうだ、君は社会人になって喜んだり怒ったり泣いたり楽しいと思ったことはあるかい」
「.....無いな」
「だろうね、それを君には取り戻してほしいんだ」
「どうやって?」
「それは僕にもわからない、ごめんな」
「いいんだ、久々に轍に会えたんだ」
「あと、なんで轍がこの街の王様なんだ」
「あぁこれは、愁と深く絆がある人はキーパーソン的な役になるらしい。
王様って序盤でゲームの説明する役みたいだろ」
なるほどなと頷いた
「それにしても轍が王様とか似合わないな」
「自分でもそう思うよ」
「喜びの街は嬉しさに関連している、他の街・世界もそうなんだ」
「何がキーで解決するのか僕にはわからない、ただ愁の何かの記憶と関連していると僕は思うんだ」
「記憶か」
「昔の記憶に関しては少し朧げなんだよな」
「そうか、思い出せるといいな」
「轍、ありがとう。
助かったよ」
「あぁ、いつでも来てくれ」
じゃあと手を振り轍と別れた
城外に出た、周りを見渡してやはり何人かがプレゼントを贈っている。
これが僕の喜びってことなのか
さてと、喜びの街は僕の精神世界でそれを解決するのは不明か
他にも友人とか親友がいるのか、まぁぼっちの自分にはいないか
轍も中学生の時の親友だからな、それにしても大人になってたな。
「あ、轍になんで喜びの街なのか聞くの忘れた」
いつでも来てくれと言っていたしもう一回聞きに行こうと思ったら、また足の裾を引っ張られた。
後ろを振り向くと先程串を渡した子供だった。
「あ、さっきの子。どうしたんだい?」と訊ねると城から離れた所に観覧車を指差した。
「あんな所に観覧車があるのか」
西洋の風景には馴染んでいない観覧車
「あそこで遊びたいのかい?」と訊ねると縦に頷いた。
「よし、この街がどういうのかわからないが遊んだ方がストレス解消になるか」と子供をおんぶして観覧車に向かった。
観覧車に近づくにつれて遊園地があることを知った。
遊園地の入り口に着き、「大人1人と子供1人で、あ」
金がない事を思い出した。
「子供1人?喜びの街はお客様が喜んでもらえるだけでいいんです、いってらっしゃいませ!」
とタダで入場させてもらえた
何か調子が狂うがせっかくの遊園地なのでこの子に名一杯遊んでもらおう。
まずは先程指差していた観覧車
目を星にしてキラキラさせながら高い場所から色々見渡していた。
「お兄ちゃん見て見てあそこさっきまでいたお城があるよ」
「ホントだね」
子供はなんて健気なんだろと思った。
「そういえば君の名前聞いてなかったね。僕は縁愁って言うんだ。君は?」
「ラヴィ」
西洋人だからそういう名前なのかな?
ただ、周りからみても日本人みたいな姿をしている。
「ラヴィかっこいい名前だね」
「ありがとう、僕も気に入ってるんだ。
あ、次あれ乗りたい」
「いいぞ、お兄さんが今日は一日付き合ってやるからな」
「わ~い!」
そしてメリーゴーランド、お化け屋敷、ジェットコースター等時間を忘れて全てを遊び尽くした。
何故お化け屋敷とかあるのかはきっと僕の精神世界だからなんだろう
空が暗くなりだんだん人が退園しているので閉園の時間なのだろうと思いラヴィに退園するよと声をかけた
ラヴィは「いやだ、もっと遊んでよ
1日遊んでくれる約束じゃん」
自分は困ってしまった、確かに約束はしたが閉園するからここでは遊べない。
他の場所は夜になるにつれ開いていない
ラヴィを見ると涙ぐんでいた
するとある情景が浮かんだ、それは昔自分が家で1人留守番をしている所である。
両親は仕事人間だったため家におらず、1人で遊ぶことが多かった。
1人で人生ゲームをしていた、それも車には3人乗っている車と1人だけ乗っている車を1人で遊んでいた。
その子供はラヴィと同じように涙ぐみながら遊んでいた。
自分はそれを見て寂しかったんだと思った。
誰かにかまって欲しかったんだ。
その情景が消え、目の前には涙ぐんでいるラヴィがいる。
僕は
「よし、なら色んな所に行こう」と言いラヴィをおんぶして夜の街を繰り出した。
玩具屋、屋台、最後は高台と連れていった。
「どうだ、ラヴィ楽しかったか」
「とっても楽しかったよ、こんな時間まで一緒にいてくれたのお兄ちゃんが初めてだよ」
「お父さんとお母さんは?」と訊ねると
「いるけどいないよ、基本お家で1人だし」
自分と同じだった。この子に昔の自分を重ねてたから放って置けなかったのかもしれない。
「でも今日はお兄ちゃんと一緒だったから嬉しかった。」
というとラヴィは目の前から薄くなり始めた。
「ラヴィ!? これは!?」
「僕はお兄ちゃんの子供の時の分身みたいなものなんだ、だから周りの人には見えていなかったんだ」
確かに違和感はあった、店主はなぜこの子に串をあげていなかったのか。
遊園地の受付の人は子供?と疑問を持ったこと。
城前にここまでボロボロ容姿の子供がいたら轍なら放っておくわけがない
「でもどうして僕の前に現れたんだい?」
「お兄ちゃんだけだったんだ、僕のこと見てくれたの。お兄ちゃんに会うまで誰も僕のことを見てくれなかった。」
そうかラヴィは誰からも見えないから構ってもらえないからずっと寂しかったんだ。
「お兄ちゃんが僕のこと見てくれて嬉しかった!」
「嬉しい?」
「うん、だって誰かから自分を認められた気分になったんだ」
「僕はここにいていいって、今まで誰も僕を見ていなかった」
そうだ、僕の両親も僕を置物か何かのように見ていた。
社会に出てもそれは同じだった、誰かに認めてもらいたかったんだ。
ただ、僕はそれを諦めてしまったんだ。
「お腹が減っても誰も僕にはくれなかった。お兄ちゃんは違った、串をくれた」
「当たり前だろ、お腹空かしてる子供を放っておくかよ」
「その当たり前が僕には嬉しかったんだ」
そうか、僕は根本を間違っていたんだ。
プレゼントを渡したりして嬉しいとかではなく誰かと一緒にいたり認めあうそれだけで嬉しかったんだ
子供の時はそれだけで嬉しかったが大人になるにつれその事を忘れてしまっていたのだ。
ラヴィがどんどん薄れていく
「ラヴィお前消えるのか?」
「うーん消えるんじゃなくて元に戻る感じかな」
「元に戻る、全然わからないよ。今日会ったばかりで消えるなんて!!」
「だよね、僕も怖いもん
でもお兄ちゃんを見れてよかったと思った」
「よかった?」
「うん、子供の時のお兄ちゃんは寂しい気持ちでいっぱいだったけど今のお兄ちゃんを見てちゃんと喜ぶ感情を持ってる事を見れて安心した」
「今日は約束通り一日中一緒に遊んでくれて嬉しかった。」
「ありがとうお兄ちゃん、またどこかで会おうね、今度は僕からの約束だね」
「あぁ、約束だ。
また1日中遊びまわるからな覚悟しろよ」
というとラヴィは笑顔で消えていってしまった
それがラヴィの最初で最後の笑顔だった。
いや、また会えるから最後ではない。
徐々に西洋風な風景が消失していき、急に黒い穴が出現した。
これで解決ってわけなのか、いつかまたラヴィに会えると信じて黒い穴に自ら進んで落ちていった。
「ありがとうラヴィ」
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