【あらすじ動画あり / 室町和風歴史ファンタジー】『花鬼花伝~世阿弥、花の都で鬼退治!?~』

郁嵐(いくらん)

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20話(2)【室町和風ファンタジー / あらすじ動画あり】

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■お忙しい方のためのあらすじ動画はこちら↓
https://youtu.be/JhmJvv-Z5jI

■他、作品のあらすじ動画
『【和風ファンタジー小説 あらすじ】帝都浅草探しモノ屋~浅草あきんど、妖怪でもなんでも探します~』

-ショート(1分)
https://youtu.be/AE5HQr2mx94
-完全版(3分)
https://youtu.be/dJ6__uR1REU    
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「そんな……朝日様は知っていたんですか? 自分の父親が南朝と内通していたと?」
「気づいてなかった。俺が気づかせないように仕向けたからな。四六時中傍において、贈り物や言葉も惜しみないほど与えて。あれは本職に負けないほどの名演技だったな。おかげで朝日の方もすっかり信じ込んで、まるでもう女主人になったかのような行動を取り始めた。その頃、丁度、父親の方も尻尾を出したところだったし、適当な理由をつけて放免した。今思うと、さすがに香の匂いがうんぬんっていうのは、強引過ぎたかと思うが、考えるが面倒でな。まぁ、俺の気まぐれは御所でも有名だから、誰も不審には思わないだろう」

今になって、ようやく気がついた。
義満の奔放な振る舞いは、ただ気まぐれなのではなく、幕府内部を──しいては南朝を欺くためのものだったらしい。

「……高橋殿は? 管領様は知っていたんですか、そのことを?」
「頼之は知っている。あいつは潔癖だから、俺のやり方には不満げだったが、最後には渋々了承した」
「では、高橋殿は?」
「知らない。あいつには伏せておいた。知ったら絶対に止められていただろうからな。朝日の面倒を見ていたのも高橋だから。だが、俺はこの機会を逃したくはなかった。南朝打倒に一歩近づくためにも」

知らず知らず、藤和の眉が寄っていた。

義満も義満なりに御所──あの伏魔殿で採り得る限りの手段を取っているのはわかっている。
でも、諸手を挙げて賛成することはできなかった。人を『もの』として利用することなど。

「そう怖い顔をするな」
義満がふっと息をはき、肩をそびやかした。

「俺にもわかっている。非道なことをしていると。父親は自業自得とはいえ、朝日を駒のように使ったのは誉められたことではない。だが、誰かがやらなくてはいけないんだ。今の幕府や武家、公家は長年の内乱のせいで秩序が崩れ、乱れきっている。もはや正攻法で正せるものではない。物語に描かれるような綺麗な理想だけでは、いつまでたっても現実は変えられないんだ。誰かが手を汚さなければならない。悪役をやらねばいけない。頼之や高橋にそれをやらせるくらいなら、将軍である俺が率先してやる。それで、一刻も早くこの戦乱の世から抜け出せるのであれば」
「…………」

何も返すことができなかった。
義満の言っていることが、正しいかどうかはわからない。ただ思うのだ。理不尽に切り捨てられた者たちの気持ちは、魂は、一体どこへ行くのだろう。
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