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「…気付いてないな…」
頭を下げてる俺の上の方から金守くんの声が聞こえたけど聞き取れなくて。
頭を上げながら、「なんか言った?」って聞けば、
「なんでもないです。よろしくお願いします」
って満面の笑みで答えられた。
眩しい笑顔。今の俺には眩しすぎてクラクラする。
そんな彼をボーっと見てると、彼が壁にかけてある時計を見て、
「そろそろお店開けるんですよね?」
時計を指差しながら俺に尋ねてきた。
振り返って時計を見れば…
「ヤバっ、もう10分前じゃん。開ける、あける。
来て早々悪いけど手伝って」
カウンターと彼の間をすり抜けようとした時、急に動いたせいか立ち眩みがして身体に力が入らなくなった。
ヤバい…倒れる…
スローモーションのように身体が前に倒れるのが分かる。
このまま倒れたら痛そう…なんて考えながら目をつむった。
-ギュッ…-
痛みを意識してたのに、その衝撃はなくてゆっくり目を開ければ彼に身体を支えられてたようで。
「あっぶねぇー。大丈夫っすか?」
カウンターに片手を付き、もう片方はしっかり俺の身体を支えてくれてた。
ただ支えられてるだけなのに…
『大丈夫』言葉と同時に顔を覗き込まれ、心臓がドキドキしてる。
「あぁー大丈夫。ご、ごめんね…。
支えてくれてたありがとう」
「いえ。店長はここにいてください。
僕がシャッター開けるんで。間違ってたら指示ください」
歩けるのに、気付けば抱き抱えられて。
「お、おい!歩ける…から」
「倒れられるよりいいです。今倒れられたら、僕この店開けられないし…回せないので…
なので座っててください」
レジカウンター裏の椅子に座らされた。
「でも…」
俺が座ってるから必然的に上目使いになって、彼を見上げれば。
少し雰囲気が変わって。
「Sit」
-ビク、ビクッ-
Playしてるわけじゃないのに、ただ一言聞いただけで身体が反応し止まってしまった。
頭を下げてる俺の上の方から金守くんの声が聞こえたけど聞き取れなくて。
頭を上げながら、「なんか言った?」って聞けば、
「なんでもないです。よろしくお願いします」
って満面の笑みで答えられた。
眩しい笑顔。今の俺には眩しすぎてクラクラする。
そんな彼をボーっと見てると、彼が壁にかけてある時計を見て、
「そろそろお店開けるんですよね?」
時計を指差しながら俺に尋ねてきた。
振り返って時計を見れば…
「ヤバっ、もう10分前じゃん。開ける、あける。
来て早々悪いけど手伝って」
カウンターと彼の間をすり抜けようとした時、急に動いたせいか立ち眩みがして身体に力が入らなくなった。
ヤバい…倒れる…
スローモーションのように身体が前に倒れるのが分かる。
このまま倒れたら痛そう…なんて考えながら目をつむった。
-ギュッ…-
痛みを意識してたのに、その衝撃はなくてゆっくり目を開ければ彼に身体を支えられてたようで。
「あっぶねぇー。大丈夫っすか?」
カウンターに片手を付き、もう片方はしっかり俺の身体を支えてくれてた。
ただ支えられてるだけなのに…
『大丈夫』言葉と同時に顔を覗き込まれ、心臓がドキドキしてる。
「あぁー大丈夫。ご、ごめんね…。
支えてくれてたありがとう」
「いえ。店長はここにいてください。
僕がシャッター開けるんで。間違ってたら指示ください」
歩けるのに、気付けば抱き抱えられて。
「お、おい!歩ける…から」
「倒れられるよりいいです。今倒れられたら、僕この店開けられないし…回せないので…
なので座っててください」
レジカウンター裏の椅子に座らされた。
「でも…」
俺が座ってるから必然的に上目使いになって、彼を見上げれば。
少し雰囲気が変わって。
「Sit」
-ビク、ビクッ-
Playしてるわけじゃないのに、ただ一言聞いただけで身体が反応し止まってしまった。
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