私立桜妃女学院ラビリンス【R18】

水無月礼人

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藤宮と三枝

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 留守番役として寮に留まった藤宮は、レクレーションルームで備品のチェックをしていた。足りない物はまた学院警備室へ連絡し、補充を頼んでおかなくてはならない。
 そんな彼の元を三枝菜々緒が訪れた。

「お、先生。診察お疲れさん。生徒達の容体はどうだった?」
「良くは無いね。七十人以上の生徒が不調を訴えてる」

 三枝はコリをほぐす為に肩を回した。その度に彼女の豊かな胸元が揺れた。正直、それは藤宮にとって勘弁して欲しい光景だった。
 藤宮はまだ三十代の男盛り。性欲だってそれなりに有る。しかし現在は任務の為に、一週間以上も女の園に閉じ込められている。
 幸い彼はロリコンではないので問題を起こしていないが、それでも薄着の少女達の姿を見ると、雄の本能で性欲が搔き立てられてしまう。数日前の、ブラジャー無しの世良を目撃した時は特に危なかった。それに加えて昨夜のシャワー室騒動である。仕切り板で肝心の部分が隠されてはいたが、全裸の少女達と同じ空間に存在してしまったのだ。
 個室である寮母室を使える時に自分で処理をしているが、今の彼は常に悶々とした状態なのである。

「アハ、藤宮、アナタ溜まってんでしょ?」

 藤宮がらした視線の意味を察して、三枝は楽しそうに挑発してきた。

「……解ってんなら胸元閉めろ淫乱」
「この程度で興奮するなんて、アハハ、何処の男子中学生よ」

 既に一度関係を持った男女同士、物言いに全く遠慮が無かった。

「おい……!」

 三枝がしなやかな指を藤宮の股間に伸ばした。久し振りに女の手に触れられたソレは、熱を持ち硬くなった。

「んふ、すぐにっちゃったね」
「こん畜生が……! この始末どうするんだよ」
「アタシが面倒見てあげよっか?」
「アンタは同じ男と何度も寝ない主義だろう?」
「大丈夫よ。アナタとはまだ一回だけだし、アナタは恋をしない主義みたいだからね」
「………………」

 藤宮にはかつて妻子が居た。正確には、子供はまだ妻のはらの中だった。海上自衛隊時代、藤宮が艦に乗って海に出ている間に、妊娠していた妻は暴走車にかれてこの世を去ったのだ。
 同時に失われた尊い二つの命。またそうなるのではないかと恐れ、藤宮は特定の誰かを愛することができなくなってしまった。

「先生だって、恋愛はしたくないんだろう?」
「そうよ。だから一人の男に長くは関わらない」

 三枝は白衣のボタンを外して前をはだけた。そして柔らかい胸を藤宮の筋肉へ押し付けた。

「…………くそっ!」

 三枝の腕を掴んで、藤宮は彼女を寮母室へ連れていった。後ろ手で扉を閉めて、内鍵をかけたのは三枝であった。
 悪戯いたずらっぽく笑う女医を抱きかかえて、藤宮は彼女をベッドへ寝かせた。しかし、

「駄目よ、アタシが上」

 すぐにマウントポジションを奪われてしまった。
 上になった三枝はスカートを脱いで生脚を披露した。藤宮が感想を漏らした。

「意外。絶対にガーターベルトでストッキング吊ってると思った。前はそうだったよな?」
「ストッキングってね、蒸れるのよ? 夏場は靴が臭くなっちゃうから、カバーソックス履いてるの」

 カバーソックスとは、足の裏をなんとか覆えるくらいの浅い靴下のことである。これを使用すると素足に靴を履いているように見える。
 ぷっと笑った藤宮に対して三枝は片眉を上げた。

「何よ? 色気が無いとか思ってる?」
「いや、気持ちは解るよ。俺らもブーツの蒸れに苦労してるから」
「ホント、この職業にはこの服装とか、そういう概念が面倒臭いよね」
 
 喋りながらも三枝は藤宮のベルトを外し、藤宮に腰を浮かせてもらって、彼のズボンとボクサーパンツを膝まで下ろした。

「んふふふ、お久しぶり」
「そんなモンに挨拶するな」

 すっかりそそり立っていた藤宮の肉棒を、三枝は躊躇ちゅうちょなく口に含んだ。

「…………んっ」

 まずは舌で舐めあげ、そして強めに吸った。

「くそ……相変わらず上手いな……」

 三枝は上目遣いで藤宮の反応を確かめながら、わざといやらしい音を立てて彼の硬いモノを刺激した。

「あ……んん……」

 早くも藤宮は三枝の口の中に射精しそうになった。それを察した三枝は止める為にキツめに指で握った。

「いてっ」
「何さっさと自分だけイこうとしてんのよ」
「仕方がねーだろ、女とするの久々なんだよ!」
「馬鹿、もう少し頑張りなさい」

 三枝もショーツを脱いで下半身を露出した。そしてゆっくりと藤宮のモノを体内へ沈めていった。

 ずぶ……ずぶ……。

「おい先生、ナマでヤルのかよ……」
「アフターピル飲むから大丈夫。病気も持ってないよ。……あっ」

 身体の一番深い部分に到達したようだ。三枝はニンマリとした。

「藤宮、簡単にイクんじゃないわよ?」
「それは約束できな……くっ」

 返事が終わる前に三枝は腰を動かし始めた。
 始めから激しく。
 三十代後半に入ってもまだまだ美しい三枝の肉体が揺れた。

「あ、イイ。アナタの凄くイイ!」
「く、はぁっ……」

 よろこびの表情を浮かべながら、更に女医は腰の動きを早くした。
 藤宮も便乗して下から腰を突き上げた。

「んあ、ああ」
「……ふっ、ふぅっ」

 不規則にぶつかり合う男女の腰。
 寮母室の隣の食堂へ、食料を取りに誰か生徒が来ているかもしれない。むつみ合う音が漏れ聞こえているかもしれない。
 しかし藤宮と三枝は止まれなかった。我を忘れて快感を、互いの身体をむさぼり合ったのだった。

 男の熱い熱い精のほとばしりが、女の中へ注がれるまで。 
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