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迷いの末の決断(3)
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何だか凄く居心地が悪かったのだが、私は気になっていることをみんなに聞いた。
「スズネの姿が見えないけど、もうご飯を済ませたんでしょうか?」
マキアがボソボソ声だが教えてくれた。
「彼女はたぶん……食欲が無くて部屋に引き籠もってるんじゃないかな。昨日、ルパート先輩とギルさんが争ったのは設定のせいだって、酷く自分を責めて泣いていたから」
「そっか……。後で私、様子を見てくるよ」
スズネも落ち込んでいた。
私は大きく息を吸って肺に空気を送りこんでから、意を決してもう一人のことを話題に出した。
「ルパート先輩は……あれからどうなったんでしょう? 彼もずっと部屋に閉じ籠ったままでしょうか?」
その瞬間、「え?」と言う顔で男達が一斉に私を見た。何だ何だ。
「アンタは……ルパート先輩とずっと一緒に居たんだよな?」
エンが確認してきたがそんな事実はない。
「ううん。昨日は私も部屋に引き籠もっていたから……」
「自分の部屋に? 独りでか!?」
食いつき気味の忍者に少し恐怖を感じた。
「そ、そうだけど……?」
「本当に? 誓って?」
「うん」
「ハハ……、そうだったんだ……」
エン、そしてマキアがフ~ッと大きな息を吐いた。気のせいか、キース、エリアス、アルクナイトから発生していた闇オーラも薄らいだような。
「何なの……?」
「ゴメンゴメン。キミとルパート先輩、二人とも昨日の夕食時に現れなかったからさ、てっきり一緒に……どちらかの部屋で過ごしてると思ったんだよ」
心底ホッとしたようにマキアが打ち明けて、私はみんなの態度に合点がいった。
あああああ、そういうことか。
「ふ。おまえも少しは冷静な行動ができるようになったようだな」
アルクナイトが嫌味を言ってきたが、言われても仕方の無いことだと受け入れた。
これまでの私だったら確実に、後々のことを考えずにルパートの元を訪れて、容易く彼との間に既成事実を作ってしまっていただろうから。
忠告してくれた魔王と聖騎士達にはしばらく頭が上がらないな。
「良かった……」
キースが安堵の表情でイスの背もたれに身体を倒した。心配させてしまったんだと胸が痛んだ。無理してでも昨日は夕食の席に着くべきだった。
「ご心配をかけたようですみません。でもそうなると、昨夜は誰もルパート先輩と会わなかったということになりますかね?」
「そうだな……。キミが一緒だと思ったから遠慮した」
エリアスが苦々しく言った。私を好きなはずの彼。それでも邪魔をしないように気を遣ってくれたんだ。キースもエンもアルクナイトも。
昨夜は彼らにとってもつらい夜になったのだろう。全て私の曖昧な態度のせいだ。
「ルパート先輩の所には俺とエンがこの後お邪魔してくるよ。昨日一緒に行動したAチーム仲間だし。いいよな? エン」
明るい表情となったマキアが立候補して、エンも頷いた。
「問題無い。ロックウィーナはスズネのケアを頼む。女同士だからこそ話せることも有るだろう」
「うん。ルパート先輩のこと、宜しく」
「……俺は大丈夫だ」
頭上から声がして、驚いた私とマキアはイスをガタガタッと鳴らしてしまった。
そこには全く気配を感じさせなかったルパートが静かに佇んでいた。目が少し腫れている。
「先輩……」
「……おはよ」
ルパートはカウンターへ食事を取りに行き、テーブルへ戻ってきた。席に着いた彼にまずキースが声をかけた。
「ケイシーには話を通しておくからルパート、おまえは今日一日ゆっくり休むんだ。いいな?」
「大丈夫だって」
「噓を吐け。キース殿の言うことを聞かないのなら、力づくで部屋に閉じ込めて外からバリケードを築く」
エリアスも乱暴な提案をしつつルパートを心配した。
「ったく、その場合トイレはどうするんだよ」
ルパートは呆れ顔でテーブル上のみんなの皿を見渡した。私とルパート以外は早く食堂へ来ていたので、もうあらかた食べ終わっていた。
真面目な顔つきになって、ルパートは頼みごとをした。
「みんな、わりぃが俺とウィーを二人だけにしてくれないか?」
「……………………」
男達は顔を見合わせたが、自分の皿を持って静かに席を立った。エリアスが軽くルパートの肩を叩いた。
「今回だけだぞ」
男達が去り、まだ一般客が入っていない食堂はガランとした。マーカス先生と事務の女性が一緒に食事をしているが、こちらからだいぶ離れた席なのでお互いの会話は聞こえないだろう。
「スズネの姿が見えないけど、もうご飯を済ませたんでしょうか?」
マキアがボソボソ声だが教えてくれた。
「彼女はたぶん……食欲が無くて部屋に引き籠もってるんじゃないかな。昨日、ルパート先輩とギルさんが争ったのは設定のせいだって、酷く自分を責めて泣いていたから」
「そっか……。後で私、様子を見てくるよ」
スズネも落ち込んでいた。
私は大きく息を吸って肺に空気を送りこんでから、意を決してもう一人のことを話題に出した。
「ルパート先輩は……あれからどうなったんでしょう? 彼もずっと部屋に閉じ籠ったままでしょうか?」
その瞬間、「え?」と言う顔で男達が一斉に私を見た。何だ何だ。
「アンタは……ルパート先輩とずっと一緒に居たんだよな?」
エンが確認してきたがそんな事実はない。
「ううん。昨日は私も部屋に引き籠もっていたから……」
「自分の部屋に? 独りでか!?」
食いつき気味の忍者に少し恐怖を感じた。
「そ、そうだけど……?」
「本当に? 誓って?」
「うん」
「ハハ……、そうだったんだ……」
エン、そしてマキアがフ~ッと大きな息を吐いた。気のせいか、キース、エリアス、アルクナイトから発生していた闇オーラも薄らいだような。
「何なの……?」
「ゴメンゴメン。キミとルパート先輩、二人とも昨日の夕食時に現れなかったからさ、てっきり一緒に……どちらかの部屋で過ごしてると思ったんだよ」
心底ホッとしたようにマキアが打ち明けて、私はみんなの態度に合点がいった。
あああああ、そういうことか。
「ふ。おまえも少しは冷静な行動ができるようになったようだな」
アルクナイトが嫌味を言ってきたが、言われても仕方の無いことだと受け入れた。
これまでの私だったら確実に、後々のことを考えずにルパートの元を訪れて、容易く彼との間に既成事実を作ってしまっていただろうから。
忠告してくれた魔王と聖騎士達にはしばらく頭が上がらないな。
「良かった……」
キースが安堵の表情でイスの背もたれに身体を倒した。心配させてしまったんだと胸が痛んだ。無理してでも昨日は夕食の席に着くべきだった。
「ご心配をかけたようですみません。でもそうなると、昨夜は誰もルパート先輩と会わなかったということになりますかね?」
「そうだな……。キミが一緒だと思ったから遠慮した」
エリアスが苦々しく言った。私を好きなはずの彼。それでも邪魔をしないように気を遣ってくれたんだ。キースもエンもアルクナイトも。
昨夜は彼らにとってもつらい夜になったのだろう。全て私の曖昧な態度のせいだ。
「ルパート先輩の所には俺とエンがこの後お邪魔してくるよ。昨日一緒に行動したAチーム仲間だし。いいよな? エン」
明るい表情となったマキアが立候補して、エンも頷いた。
「問題無い。ロックウィーナはスズネのケアを頼む。女同士だからこそ話せることも有るだろう」
「うん。ルパート先輩のこと、宜しく」
「……俺は大丈夫だ」
頭上から声がして、驚いた私とマキアはイスをガタガタッと鳴らしてしまった。
そこには全く気配を感じさせなかったルパートが静かに佇んでいた。目が少し腫れている。
「先輩……」
「……おはよ」
ルパートはカウンターへ食事を取りに行き、テーブルへ戻ってきた。席に着いた彼にまずキースが声をかけた。
「ケイシーには話を通しておくからルパート、おまえは今日一日ゆっくり休むんだ。いいな?」
「大丈夫だって」
「噓を吐け。キース殿の言うことを聞かないのなら、力づくで部屋に閉じ込めて外からバリケードを築く」
エリアスも乱暴な提案をしつつルパートを心配した。
「ったく、その場合トイレはどうするんだよ」
ルパートは呆れ顔でテーブル上のみんなの皿を見渡した。私とルパート以外は早く食堂へ来ていたので、もうあらかた食べ終わっていた。
真面目な顔つきになって、ルパートは頼みごとをした。
「みんな、わりぃが俺とウィーを二人だけにしてくれないか?」
「……………………」
男達は顔を見合わせたが、自分の皿を持って静かに席を立った。エリアスが軽くルパートの肩を叩いた。
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