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朝チュン(2)
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十分後、なんやかんやで私も衣服を身に着けて、食堂で会う約束をしてから自分の部屋へ一旦戻ることにした。
キースに見送られながら扉を開けたのだが……、廊下にはマキアとちょっと遠くにルパートとエリアスが居た。誰にも会わずに戻りたかったがタイミングが悪かったようだ。
まず近くのマキアが私へ挨拶しようとした。
「ロックウィーナ、おは……」
そして私が開けた扉がキースの部屋のものだと気づき、横へ吹っ飛んで壁に体当たりした。
「おいマキア、朝っぱらから何してんだ?」
激突音を聞いてこちらを注目したルパートとエリアスは、やはりキースの部屋から出てきた私を見て目を剥いた。すっげぇ気まずい。まんま朝帰りをシスコン兄貴達に見つかった妹の図だ。
そろそろと歩いて自分の部屋へ向かおうとしたのだが、
「待て、ウィー!」
私を応援すると言った約束を覆した男に呼び止められた。
「……おはようございます。何でしょうか、ルパート先輩」
「おまえまさか……、ついにキースさんと……ヤッたのか?」
どストレートに聞いてきたよ。もっと言葉を選んでよ。マキアが涙目になっているじゃない。
「違うよなロックウィーナ。朝の挨拶をしに、チョロッとキース殿の部屋へお邪魔しただけだよな? それだけだよな?」
エリアスにもいつもの余裕が無い。彼らの声を聞き付けて他の部屋の扉がバンバンバンと開いた。出てきたのはアルクナイト、エン、ユーリだ。
ぎゃあああ。私に迫っていた男性陣が全員揃っちゃったよぉ。この中で昨晩のことを説明する勇気は流石に無い。
しかしそこへキースが登場した。
「まったくキミ達は……。女のコを寄ってたかって責めるんじゃないよ。聞きたいことが有るなら僕に直接聞けって言ったろ?」
庇ってくれてありがとう、大好き♡ でも野郎どもが殺気立っています。独りで立ち向かうのは危険では?
「じゃあ聞くがな白、まさかロックウィーナに無体なことはしていないよな?」
「何だよ魔王。僕らの交際を認めてくれたんじゃなかったのか?」
「交際は認めてやる」
何様だ。声に出して聞くと絶対に「魔王様」と返ってくるのでやらない。
「だが急ぐな白。コイツは男女のイロハを知らんお子ちゃまだからな?」
アルクナイト……、アンタだって私を部屋へ連れ込んで既成事実を作ろうとしたじゃないか。元賢者のくせに都合の悪いことはすぐ忘れるなコイツ。
「そうだ! キス一つで動揺するロックウィーナにえっちはまだ早い!!」
「我々は深夜デートの即時撤廃を要求する!」
ユーリとエンが拳を振り上げている。何処の労働者デモだ。
場がカオスとなりかけた時、キースの隣の部屋の扉が開いた。出てきたのは……隣人エロ医師マーカスだった。非常に嫌な予感がした。
マーカスはニタリと嫌な笑みを浮かべてキースの肩を叩いた。
「おっめでと~、キースちゃんにウィー。これで名実ともに恋人同士だね~」
言いやがった。やっぱり声と音が届いてた──!! 壁薄いな独身寮!
「あ、ちなみに俺はアノ声が聞こえてきても、リラックスサウンドに変換して安眠できるから遠慮しなくていいからね? 昨夜はかなり抑えたろ?」
更にとんでもないことを言いやがった。安眠じゃなくて永眠しとれ。
私に言い寄っていた男達が顔に「絶望」の二文字を浮かべ、私は恥ずかしさでその場にしゃがみ込み、キースはマーカスのふくらはぎにローキックを叩き込んだ。
☆☆☆
「ど、どうしたの?」
やや遅れて食堂へ来た鈴音はお通夜状態の男性陣を見て怯えた。
「気にしなくていいよ」
キースが笑顔でイスを引いてあげて鈴音を座らせた。
「我が王は何故朝から酒をあおっていらっしゃるのだ!?」
近所の宿屋から冒険者ギルドへ通っているソルもまた、自棄酒に溺れる男達を見て驚いた。ほぼ下戸のマキアはもう潰れている。
『あーソルさん、こっちの兄さんと姉さんがついに寝たみたいですよ』
そのものズバリ言い放ったのは、少年の姿になって堂々と食事をしている使い魔アナシスだった。食堂の料理人は彼の猫耳や尻尾をアクセサリーだと思っているっぽい。
「キースとロックウィーナが……?」
恋愛面では純情なソルが目を泳がせた。アナシスは続けた。
『魔王様の次に俺はキース兄さんを推していたから、二人がくっ付くのはいいんだけどさ……』
そうだったのか。れつごーとか応援……、野次を飛ばしてくれたっけ。
『現場を見届けられなかったことが口惜しいんだよ。くっそ、兄さんは奥手っぽいからもっと時間がかかると思ったのに』
覗く気だったんかよエロ長男。させるか。コイツら保護色になれるから部屋に入れないよう注意が必要だな。
『ま、でも幸せそうで良かったなお二人さん。何はともあれオメデト!』
実年齢は私達よりだいぶ高い美少年に祝福された。
『これで絶対に死ねなくなったな。式には呼べよ? 俺達兄弟が猫の姿でベール持ってやるから』
ネコにゃんのベールボーイか。それは嬉しいかも。
「指輪を運ぶ役もお願い!」
『任せろー。花びらも撒いてやる』
「ハハッ、これはホント、死ねないね」
私とキースも笑った。この時は浮かれていて、幸せな未来が待っていることを疑っていなかった。
だから鈴音の固い表情を、大人の会話を聞かされて照れているだけだと思ったんだ。
キースに見送られながら扉を開けたのだが……、廊下にはマキアとちょっと遠くにルパートとエリアスが居た。誰にも会わずに戻りたかったがタイミングが悪かったようだ。
まず近くのマキアが私へ挨拶しようとした。
「ロックウィーナ、おは……」
そして私が開けた扉がキースの部屋のものだと気づき、横へ吹っ飛んで壁に体当たりした。
「おいマキア、朝っぱらから何してんだ?」
激突音を聞いてこちらを注目したルパートとエリアスは、やはりキースの部屋から出てきた私を見て目を剥いた。すっげぇ気まずい。まんま朝帰りをシスコン兄貴達に見つかった妹の図だ。
そろそろと歩いて自分の部屋へ向かおうとしたのだが、
「待て、ウィー!」
私を応援すると言った約束を覆した男に呼び止められた。
「……おはようございます。何でしょうか、ルパート先輩」
「おまえまさか……、ついにキースさんと……ヤッたのか?」
どストレートに聞いてきたよ。もっと言葉を選んでよ。マキアが涙目になっているじゃない。
「違うよなロックウィーナ。朝の挨拶をしに、チョロッとキース殿の部屋へお邪魔しただけだよな? それだけだよな?」
エリアスにもいつもの余裕が無い。彼らの声を聞き付けて他の部屋の扉がバンバンバンと開いた。出てきたのはアルクナイト、エン、ユーリだ。
ぎゃあああ。私に迫っていた男性陣が全員揃っちゃったよぉ。この中で昨晩のことを説明する勇気は流石に無い。
しかしそこへキースが登場した。
「まったくキミ達は……。女のコを寄ってたかって責めるんじゃないよ。聞きたいことが有るなら僕に直接聞けって言ったろ?」
庇ってくれてありがとう、大好き♡ でも野郎どもが殺気立っています。独りで立ち向かうのは危険では?
「じゃあ聞くがな白、まさかロックウィーナに無体なことはしていないよな?」
「何だよ魔王。僕らの交際を認めてくれたんじゃなかったのか?」
「交際は認めてやる」
何様だ。声に出して聞くと絶対に「魔王様」と返ってくるのでやらない。
「だが急ぐな白。コイツは男女のイロハを知らんお子ちゃまだからな?」
アルクナイト……、アンタだって私を部屋へ連れ込んで既成事実を作ろうとしたじゃないか。元賢者のくせに都合の悪いことはすぐ忘れるなコイツ。
「そうだ! キス一つで動揺するロックウィーナにえっちはまだ早い!!」
「我々は深夜デートの即時撤廃を要求する!」
ユーリとエンが拳を振り上げている。何処の労働者デモだ。
場がカオスとなりかけた時、キースの隣の部屋の扉が開いた。出てきたのは……隣人エロ医師マーカスだった。非常に嫌な予感がした。
マーカスはニタリと嫌な笑みを浮かべてキースの肩を叩いた。
「おっめでと~、キースちゃんにウィー。これで名実ともに恋人同士だね~」
言いやがった。やっぱり声と音が届いてた──!! 壁薄いな独身寮!
「あ、ちなみに俺はアノ声が聞こえてきても、リラックスサウンドに変換して安眠できるから遠慮しなくていいからね? 昨夜はかなり抑えたろ?」
更にとんでもないことを言いやがった。安眠じゃなくて永眠しとれ。
私に言い寄っていた男達が顔に「絶望」の二文字を浮かべ、私は恥ずかしさでその場にしゃがみ込み、キースはマーカスのふくらはぎにローキックを叩き込んだ。
☆☆☆
「ど、どうしたの?」
やや遅れて食堂へ来た鈴音はお通夜状態の男性陣を見て怯えた。
「気にしなくていいよ」
キースが笑顔でイスを引いてあげて鈴音を座らせた。
「我が王は何故朝から酒をあおっていらっしゃるのだ!?」
近所の宿屋から冒険者ギルドへ通っているソルもまた、自棄酒に溺れる男達を見て驚いた。ほぼ下戸のマキアはもう潰れている。
『あーソルさん、こっちの兄さんと姉さんがついに寝たみたいですよ』
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「キースとロックウィーナが……?」
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『現場を見届けられなかったことが口惜しいんだよ。くっそ、兄さんは奥手っぽいからもっと時間がかかると思ったのに』
覗く気だったんかよエロ長男。させるか。コイツら保護色になれるから部屋に入れないよう注意が必要だな。
『ま、でも幸せそうで良かったなお二人さん。何はともあれオメデト!』
実年齢は私達よりだいぶ高い美少年に祝福された。
『これで絶対に死ねなくなったな。式には呼べよ? 俺達兄弟が猫の姿でベール持ってやるから』
ネコにゃんのベールボーイか。それは嬉しいかも。
「指輪を運ぶ役もお願い!」
『任せろー。花びらも撒いてやる』
「ハハッ、これはホント、死ねないね」
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