この気持ちに気づくまで

猫谷 一禾

文字の大きさ
47 / 62
そして回る

《47》 ♡

しおりを挟む


 テスト期間が終わり、皇輝は緋縁を部屋に連れ込んでいた。このまま、また逃げられでもしたらたまらない。洗いざらい話してもらうつもりだ。緋縁は何に心を囚われているのか。

(どう切り出すべきか…)

緋縁はソワソワしていた。最近の優しい雰囲気の皇輝と少し違っていた。

「緋縁、何か悩んでるのか?」
「…………」

なんと答えたら良いか、先送りにしたぐちゃぐちゃの気持ちをどう言葉で伝えれば良いのか、歯がゆいのに伝えられない。

「なんとか、言ってくれ…」
「俺、お…れ…」
「緋縁!」

皇輝の必死な顔なんて初めて見た。

「お前を…緋縁をやっと手に入れたと思ってたのに…こんなに傍にいるのに…手に入れた感じがしない……思い悩んでいるようだし…何なんだ?」
「そう……言われても…なんて言ったら…」
「俺は、俺は緋縁の事となると…今までの俺とはまるで違くなるんだ。余裕がなくなる。傍に繋ぎ止めておきたくてたまらない!自分じゃどうしようもないんだよ!」
「コウ……」
「俺のこと、好きなんだろ?好きなんだよな?
認めたんだろ!?」
「っ!……好きだよ……」
「緋縁が掴めなくて…俺も苦しい」

皇輝の弱気がヒシヒシと伝わって来る。

「……好きってなに?」

(あ、これ聞いちゃいけないこと聞いた気がする)

「……は?…何だって?」
「あ、あ~…えと……」
「緋縁、俺はお前が好きだ。何度も言ってるよな。分かるだろ!?好きなんだよ…理屈じゃないんだ」

ストンと緋縁の心の奥深くに皇輝の言葉が入ってきた。

「理屈……じゃ、ないの?」
「頭でいくら考えたって心が言うことが聞かなくなるだろ。あんな事件もあったし、困った顔よくしてる…もっとゆっくり歩んでいくべきなのは分かってる。でも止まらないんだよ。困った顔も笑った顔も怒った顔も…緋縁の涙も……全部、全部愛おしくて可愛くて…触れたくて仕方ない」

緋縁の鼓動がドンドン大きくなる。皇輝に聞こえてしまいそうだ。両腕を強い力で握りしめられる。緋縁の肩に皇輝が頭をつけて切実に訴えてくる。

「何か……言ってくれ、緋縁」
「コ……ウ……」

泣きそうだ。

「コ、コウを見てると……独り占めしたく…なって……独占欲?っていうの?……ずっと、傍にいればいいのにって…依存してんじゃないかって…」

皇輝がゆっくりと頭を上げて緋縁を正面から見る。

「誰にも取られたくないし……」

(ヤバい、これ……めっちゃ恥ずかしい……)

「傍にいると……こぅ……ぽかぽかする気持ちっていうか……」

(でも、伝えないと……ダメなんだよな…)

「きゅぅって……お腹の…中……とか……胸?
とか、えっと……心…が……なって」

見つめてくる皇輝の瞳が揺れる。

「理屈じゃなくて、これ……これが、好きって……恋してる好きってこと?」
「あぁもうっ……緋縁!」

キツく抱きしめられる。今はその少し苦しいくらいのキツさが嬉しいと思ってしまう。

「そっか……そうなんだ……
これが好きってことなんだ…俺の」

皇輝は無性に緋縁の顔が見たくなって少し離れて両頬を掌で包み込むように上向かせる。
瞳と瞳が絡み合う。

「でも…………これ…って……は、恥ずかしい…」

ほんのり赤くなってくる頬、その移り変わりを目の当たりにした皇輝は

「う"っ……くそ…………今すぐ食いてぇ…」

熱い熱いキス。触れるだけのキスが濃密なものに思える。

「ダメか?」

(今すぐ!?)

今まで見た中で一番熱く、強く見つめられる。
緋縁はその瞳を見返すことしか出来ない。

「…時間切れ……」

今度は深い、とろけるキス。
口内を余すことなく舐められる。舌と舌とが絡み合い強く吸われてしまう。皇輝の手が緋縁の後頭部と腰に回り抱きすくめる。緋縁は顔を上げ、腰を反らすようにしてなんとかキスに応える。

「んっ……ふぅ……」
「はぁ……緋縁…緋縁…」
「コ、ウ…」

息苦しさと込み上げる何かで涙ぐむ緋縁。腰に回った手が服を避けて素肌の背中を撫でる。ぴくりと反応する素直な身体。皇輝の唇が首筋を通って鎖骨に行く。唇で愛撫をしながらソファーまで誘導する。あっと思うまでも無く押し倒され、のしかかられている。一気に服をたくし上げ一度上から眺めると、胸の小さな突起を口に含む。

(本当に、食べられちゃいそう……)

「あっ……あ、コウ……」

胸元にある皇輝の顔、髪の中に指を入れるように皇輝の頭を抱きしめる。皇輝の舌は止まらず舐めたり吸ったり緋縁の身体をどんどん熱くする。腰を撫でていた手はズボンの前を緩め中に侵入して来た。

(ぅわっ……なんだ…これ……なんか…今までと)

緋縁は戸惑っていた、皇輝に触れられる場所がぞわりぞわり、としてじっとしていられなくなる。

「はっ……ん……コウ……待って、なんか……」
「待てない、時間切れだって言った」
「やっ……だって……んんっ……あっ」

モゾリとくねりだす身体。執拗に舐めてくる皇輝の舌、ズボンを軽くずり下げ足の内側を撫で回してくる手。緋縁は足を撫でられる度、胸の突起を吸われる度、ぴくぴくとしてしまう。

「あっ……あぁ……なんか、変。今日、変だ」
「緋縁……可愛い……」

ふと顔を上げて緋縁の顔を見る皇輝。

「はっ……えっろい顔……煽ってんの?」
「えぇ?……はっ……んぅ…」

皇輝に触られると、蕩けてしまう。もっと触って欲しくなる。身体をひらいてしまいたくなる。

(どうしよ……前、触って欲しい……)

恥ずかしくて、片手で顔を半分隠す。

「隠すな、見せろよ……全部」
「やだよ……変、だし……恥ずかしいって…」
「我慢したかいがあったな。トロトロ、ここ」

きゅっと緋縁の下半身の中心を握られてしまう。そこは既にパンツも濡れていて握られると湿った感触がした。

「ああっ……ふぅん……だめ…動かしちゃ……」

緋縁の指に指を絡ませてくる皇輝。その指をぎゅっと握って皇輝の手の甲にキスをする緋縁。自分も皇輝に触れたくなったのだ。

「ばかっ…そんな可愛いことすんな…」
「俺も……触れたい……」
「優しくしたいんだよ……」

皇輝もズボンの前を寛げ、中心を出す。緋縁のパンツもずらしお互いの分身を重ね合わせる。

「一度、一緒に……」
「あっあっ……んっんっふぁ……」

気持ちが高まっている2人はすぐに快感の頂点に到達し、緋縁の腹を濡らした。
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

天啓によると殿下の婚約者ではなくなります

ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。 フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。 ●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。 性表現は一切出てきません。

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~

無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。 自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ※第33話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

若頭と小鳥

真木
BL
極悪人といわれる若頭、けれど義弟にだけは優しい。小さくて弱い義弟を構いたくて仕方ない義兄と、自信がなくて病弱な義弟の甘々な日々。

2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~

青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」 その言葉を言われたのが社会人2年目の春。 あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。 だが、今はー 「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」 「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」 冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。 貴方の視界に、俺は映らないー。 2人の記念日もずっと1人で祝っている。 あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。 そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。 あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。 ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー ※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。 表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。

大嫌いなこの世界で

十時(如月皐)
BL
嫌いなもの。豪華な調度品、山のような美食、惜しげなく晒される媚態……そして、縋り甘えるしかできない弱さ。 豊かな国、ディーディアの王宮で働く凪は笑顔を見せることのない冷たい男だと言われていた。 昔は豊かな暮らしをしていて、傅かれる立場から傅く立場になったのが不満なのだろう、とか、 母親が王の寵妃となり、生まれた娘は王女として暮らしているのに、自分は使用人であるのが我慢ならないのだろうと人々は噂する。 そんな中、凪はひとつの事件に巻き込まれて……。

処理中です...