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10日目 雪を見たがるピュアなベトナム人大学生

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快晴の空からの光が雪の地面に反射して眩しい午前8時半

みーさん 23歳 ベトナム人

みーさんの第一印象 
可愛らしい女の子 少しシャイ

「こんにちは~」

「先生こんにちは」

「(スカイプ)聞こえますか~?」

「(スカイプ)聞こえますが(画面が)見えません」

「あ、見えませんか?」

カメラの調整をする。

「あ、見えます。エリ先生~」

嬉しそうに私の名前を呼ぶ。

「良かった! はじめまして~」

「はじめまして、宜しくお願いします~」

「今日は初めてのレッスンご予約ありがとうございます」

「いえいえ」

「私は講師のエリです。趣味は読書とスキーです」

「あ、はい。私はミーです。ベトナムのハノイに住んでいます。大学の...4年。4年生です」

「そうなんですね~」

「はい。今はハノイの大学で勉強しながら化粧品の店で働いています」

「そうなんですね~、お呼びするときはミーさんで大丈夫ですか?」

「はい、ミーて呼んでください」

「わかりました。大学4年生ってことは...21歳か22歳あたりですか?」

「23歳です」

「あ、そうなんですね」

「ハノイの大学では何を学んでいるんですか?」

「えーと...経済」

「経済なんですね。あとは、化粧品のお店でも働いてるんですね」

「はい。えーと...デパート! デパートでアルバイトしてます。午後1時から5時まで」

「うんうん。なるほど」

「はい」

「みーさんは日本語上手いですね。もう長く勉強されてるんですか?」

「去年から日本語の勉強を始めました」

「じゃあ、勉強し始めて2年目なんですね」

「...。はい。2年です」

「なるほど。みーさんはこれからどんな風に日本語の勉強をしていきたいですか?何か希望はありますか?」

「えーと...会話と、文法を教えてほしいです」

「はい、わかりました。じゃあ、会話してて、ミーさんが間違った文法を使った時に私がそれを直して教えるって感じで大丈夫ですかね?」

「はい、お願いします~」

「ちなみに私の日本語の話す速さはどうですか?早かったり遅かったりしますか?」

「いえ、先生の話す速さはとても丁度いいと思います~」

「わかりました。ちなみにミーさんのプロフィールの写真の人は歌手ですか?」

みーさんのプロフィール画像はミュージシャンのような男性の写真が設定されている。

「はい。Bùi Anh Tuấnという歌手です」

「へー、そうなんですね。この人はベトナムでは有名なんですか?」

「はい。この歌手の声はとっても良いとおもいます」

「それは気になりますね~、みーさんは音楽はどんな風に楽しむんですか?ライブに参加したりしますか?」

「あ、はい。一度だけ彼のコンサートに参加したことがあります」

「なるほど...」

私はチャットにベトナム語でタイプされた文字を検索してみる。特徴的な顔をしている彼の写真がずらりと出てきた。ベトナム語が書かれているがさっぱりわからない。

「それにしてもベトナム語は難しいですよね~笑」

「はい笑」

「みーさんは今は日本語を問題なく話せてるけど、勉強始めの頃とかは日本語は難しく感じました?」

「はい。ベトナム人にとって日本語は難しいと思います笑」

「ちなみにどういう所が難しく感じますか?」

「うーん...。ベトナム語と日本語の文法は全然違いますから」

「あー、そうなんですね~。でも日本語と似てる言語ってあまりないと聞きました。単語とかも日本語とベトナム語には共通点は全くないんですか?」

「日本語とベトナム語で似てる単語は沢山あります」

「本当ですか?笑」

「はい笑」

「それは驚きですね」

「はい。私も勉強していてビックリしました」

「例えばどんな単語が似ていますか?」

「例えば、日本語の結婚(けっこん)はベトナム語でkết hôn(けっとほん)です」

声調言語であるベトナム語の方が音の強弱が激しいものの、みーさんの発音を聞く限り、お互いにとても似ていた。

「確かに似てますね~。ベトナム語の文法はどんな感じなんですか?英語や中国語とも違うのかな」

「ベトナム語の文法は英語に似てると感じます」

「英語に似てるんですね。あとベトナム語の特徴として顕著なのは声調ですよね。以前調べた際には6つくらいトーンがありますよね」

「...」

「わかりませんか?声調」

「はい...すみません。わかりません」

「全然大丈夫ですよ。声調っていうのはトーンの事ですね。言語において、意味の区別に用いる音の高低のパターンです。例えば中国語なら4つの声調がありますよね。どのトーンで発声するかによって単語の意味が異なってきます」

「ああ、わかります」

「良かった! ベトナム語にも声調が沢山ありますよね」

「はい。先生はよく知っていますね笑」

「いえ全然笑 私は中国語を勉強しているので声調言語には馴染みがあったんです」

「そうなんですね。なんで中国語を学んでいますか?」

「元々中華圏の文化や言語が好きなんですよね。中国語って言っても派生はキリがないですが、普通話を話せれば中国本土や台湾、それに華僑が多い東南アジアでもコミュニケーションが取れますから」

「確かに中国語が母語の人は多いですからね」

「中国語の声調が軽声を除いて4つだけなのに対してベトナム語の声調はそれ以上だと知って、ベトナム語にも興味が湧きました。なんていうか、声調言語って美しいと思います。多様なトーンで楽器を奏でる様な感じ」

それからみーさんはベトナム語の声調をいくつか試していた。

「5つかな。ベトナム語の声調は5つあります」

「そうなんですね。声調言語はやはり発音の種類が多いから学ぶのは楽しいですが、習得するとなると難しいですね」

「はい。難しいと思います」

「ちなみにみーさんにとって日本語の発音はどうですか?難しいと感じますか?」

「なんとも言えません。簡単な発音もありますし、難しい発音もあります」

「そうですか。みーさんは日本に来たことはありますか?」

「いえ、ありません。でも将来日本に住みたいです」

「本当ですか」

「はい。沢山の親族が日本にいますから」

「へー、そうなんですか。親族はどこに住んでいるんですか?」

「名古屋に住んでいます」

「名古屋なんですね~。私は一回だけ行ったことがあります。味噌カツが美味しかったです」

「美味しいですよね。先生はどこに住んでいますか?」

「私は北海道に住んでいます。知っていますか?北海道」

「はい。名古屋からとても遠いです笑」

「そうですね笑」

「はい笑」

「北海道と名古屋は全然違いますよ笑 北海道は冬はとても寒い」

「あ、はーい笑 寒いと聞きました。雪が降った後の街の景色の写真を見たことがあります。とっても綺麗です」

「そうですか。確かに綺麗ですよね。でも沢山雪が降ると色々と大変ですね」

「あ、はい笑 不便なこともありますよね」

「みーさんは温かい場所と寒い場所ならどちらが好きですか?」

「うーん、どうでしょう。私は雪を見たことがありませんから...」

「そうか。ベトナムでは雪は降らないですものね」

「はい~。雪の写真がありますか?」

雪が降った後の札幌の街の綺麗な写真を送る。

「わ、綺麗ですね。見てみたい...ですが、やっぱり寒そうです。こんなに寒いと死んでしまいそうです」

「それは大袈裟ですよ笑 名古屋でも雪は降りますよね?確か」

「はい。降ると聞きました。少しだけ」

「沖縄とかでは滅多に雪は降らないと思いますけどね。北海道と沖縄はどちらも離島ですが気温は真逆ですからね」

「あ、沖縄にも親族がいます」

「そうなんですか。沢山の親族が日本にいるんですね」

「はい。叔母さんや従兄弟がいます」

「なるほど」

「はい」

「今大学4年生なら、大学を卒業して直ぐに日本に来る予定なんですか?」

「はい、その予定です」

「そうですか。それは楽しみですね。親族もいるなら渡日も安心ですしね」


レッスンの終わりの時間

「みーさん、今日は初めてのレッスンありがとうございました。お話しできて楽しかったです~」

「はい、こちらこそ。ありがとうございました」

「またお話ししましょうね。それではまた~」

「はーい、さようなら」

みーさんと話した感想
緊張していたのか最初は口数が少なかったが、話していくうちに楽しそうにしてくれて嬉しかった。雪を見たことがないみーさんには是非日本で雪を見てもらいたいと思った。
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