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本題
全力の悲鳴
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正面を向き、勝利を確信しながすれ違う。相手は私に声を掛けることなく通りすぎていく。
…勝った。私が別人であることに誰も気付かない。
「ファルビアンクス嬢」
「ひゃっ」
絶対に声を掛けられることはないと自信満々にすれ違い、完全に油断しきっていたので心臓が飛び跳ねる程驚いた。
恐怖と対峙しながら恐る恐る振り向く。
有利な賭けに負けたと言うことと、またしても貴族のマナーを私は無意識に犯していた事への指摘なのかと震えていた。
「ファルビアンクス嬢、大丈夫か?普段と様子が違うように見えるが何かあったのか?」
この人は知り合いだったの?
歩いていただけで私の変化に気付いてしまうなんて鋭い。
私の頭はパニックになりかけ、なんて返事をすれば良いのか頭の中はフル回転だった。
「はっはい。問題ありません。いっいいつも通りです」
緊張のあまり吃ってしまい、何度も瞬きを繰り返す。
「まだ体調が悪いのか?」
まだ体調が悪いのか?まだ?
私が体調悪かった事はない。
もしかしたらこの人は誰かと勘違いしているのかもしれない。
「ぁっあの…」
「私とのお茶会を欠席するのは初めてだろう?」
お茶…会?私はそんなものに呼ばれたことはない…はっ…まさか…
私はある一つの可能性に辿り着き震えた。
私がスカーレットになってすぐ、母からある一つの予定に対し断りの連絡をしていたことを思い出す。
…王子との月一の…お茶会…
今私の目の前にいる人は、レオナルド・ヴァン・ガランディオール。
ガランディオール王国の第一王子、スカーレット・ファルビアンクスの婚約者。
そんな人を騙せるわけがない。
婚約するくらいだから二人は親密な関係だと誰でも予測できる。
「も…申し…訳…ありません。体調の方が…」
「あぁ、今も辛いようだね」
「…はぃ」
辛い?
分からない。
ただいち早くこの場から去りたい…この人の前から逃げないと…
「心配だから先生に診てもらうと良い。私も一緒に行こう」
「いえっ、王子様のお時間を頂くわけにはいきませんので一人で平気です」
私は急いで彼から離れ、場所も分からない保健室を目指す。
体調が悪いと訴えていながら、確りとした足取りで早歩きすることに対して考える余裕もない。
いち早く彼の記憶から、私を忘れてもらう為に視界から消えることにした。
「はぁビックリした」
私は角を曲がる直前、後方を確認し彼の存在が無いことを確かめた。
足を止めて一息吐く。
まさか、これだけ広い学園で偶然出会ってしまうとは思わなかった。
王子の名前は聞いていたが、特徴は知らなかったので目の前に現れ人物が王子とは気付かなかった。
王子は絵本に出てくるように金髪で青い目をした美しい青年だった。
ほんの少ししか会話していないが、穏和で優しい印象を受ける。
あんなに心配してくれるのだからスカーレットと王子は良好な関係なのだろう。
そんな人に嘘を吐き、婚約者の身体を奪ってしまった事を私の意思ではなかったとしても後ろめたさがある…
「どうにか元の身体に戻らないと…」
「それはどういう事だ?」
「きゃーーーーーー」
誰もいないと思っていたのに突然話しかけられ、反射的に振り向き相手に向かって全力で叫び声をあげてしまった。
…勝った。私が別人であることに誰も気付かない。
「ファルビアンクス嬢」
「ひゃっ」
絶対に声を掛けられることはないと自信満々にすれ違い、完全に油断しきっていたので心臓が飛び跳ねる程驚いた。
恐怖と対峙しながら恐る恐る振り向く。
有利な賭けに負けたと言うことと、またしても貴族のマナーを私は無意識に犯していた事への指摘なのかと震えていた。
「ファルビアンクス嬢、大丈夫か?普段と様子が違うように見えるが何かあったのか?」
この人は知り合いだったの?
歩いていただけで私の変化に気付いてしまうなんて鋭い。
私の頭はパニックになりかけ、なんて返事をすれば良いのか頭の中はフル回転だった。
「はっはい。問題ありません。いっいいつも通りです」
緊張のあまり吃ってしまい、何度も瞬きを繰り返す。
「まだ体調が悪いのか?」
まだ体調が悪いのか?まだ?
私が体調悪かった事はない。
もしかしたらこの人は誰かと勘違いしているのかもしれない。
「ぁっあの…」
「私とのお茶会を欠席するのは初めてだろう?」
お茶…会?私はそんなものに呼ばれたことはない…はっ…まさか…
私はある一つの可能性に辿り着き震えた。
私がスカーレットになってすぐ、母からある一つの予定に対し断りの連絡をしていたことを思い出す。
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今私の目の前にいる人は、レオナルド・ヴァン・ガランディオール。
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そんな人を騙せるわけがない。
婚約するくらいだから二人は親密な関係だと誰でも予測できる。
「も…申し…訳…ありません。体調の方が…」
「あぁ、今も辛いようだね」
「…はぃ」
辛い?
分からない。
ただいち早くこの場から去りたい…この人の前から逃げないと…
「心配だから先生に診てもらうと良い。私も一緒に行こう」
「いえっ、王子様のお時間を頂くわけにはいきませんので一人で平気です」
私は急いで彼から離れ、場所も分からない保健室を目指す。
体調が悪いと訴えていながら、確りとした足取りで早歩きすることに対して考える余裕もない。
いち早く彼の記憶から、私を忘れてもらう為に視界から消えることにした。
「はぁビックリした」
私は角を曲がる直前、後方を確認し彼の存在が無いことを確かめた。
足を止めて一息吐く。
まさか、これだけ広い学園で偶然出会ってしまうとは思わなかった。
王子の名前は聞いていたが、特徴は知らなかったので目の前に現れ人物が王子とは気付かなかった。
王子は絵本に出てくるように金髪で青い目をした美しい青年だった。
ほんの少ししか会話していないが、穏和で優しい印象を受ける。
あんなに心配してくれるのだからスカーレットと王子は良好な関係なのだろう。
そんな人に嘘を吐き、婚約者の身体を奪ってしまった事を私の意思ではなかったとしても後ろめたさがある…
「どうにか元の身体に戻らないと…」
「それはどういう事だ?」
「きゃーーーーーー」
誰もいないと思っていたのに突然話しかけられ、反射的に振り向き相手に向かって全力で叫び声をあげてしまった。
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