【完結】全ては王子の手のひらの上

天冨 七緒

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本題

なんとか一日目を終えて…

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 学園の前では馬車が何台も停車していたが、ジャメルを目印に歩いていく。

「お帰りなさいませ、お嬢様」

「ただいま」

 馬車の扉が開かれ乗り込む。
 すぐにでも今日の事をジャメルに聞いてほしかったが、ここで話せばジャメル以外にも聞かれてしまう。
 馬車の扉が閉まり動き出すまで我慢した。
 ゆっくりと馬車が揺れだすのを確認し話し出す。

「お嬢様学園は大丈夫でしたか?」

「…わかんない…目立たず動いたつもりなんだけど…常に視線を感じて…」

「喩えばどんなです?」

「えっと…」

 私は食堂での件から学園で道に迷った事、更には放課後も視線を感じたことを話した。

「…それはですね、お嬢様。高位貴族であろうと学園内での使用人の出入りは許可がない限り禁止されております。生徒の自主性を育てるための措置ですが、庭・食堂・清掃などは学園側で雇っている従業員が存在します。彼らのほとんどは平民の方ですから貴族の生徒に指示されては従うしかありません。全ての貴族とはいいませんが爵位が高ければ高いほど従業員に命令する貴族生徒は存在します。学園側は今のところ黙認ですが、由しとはしておりません」

「なら、間違って…なかった?」

「はい。それに食堂での座席は基本自由ですが、日当たりが良い場所やロフトは貴族の方優先となっております。平民の方は入口付近やロフトへの階段下、明かりの行き届かない場所が暗黙の了解ですね」

「そうなんだ…」

 だからカリーナだけでなく周囲にいた生徒は私が隣に座った事に驚いた… 

「学園内の地図はご用意致しましょう。配慮が行き届かず申し訳ありません」

「いえ、私も気付かなかったので…えっと…そこで一人の先生に道を尋ねたのですが、お礼をするにもその先生の名前も分からず…」

「教師一覧表も手配致します」

「お願いします」

「…それとお嬢様と婚約者のガランディオール王子ですが、お二人は…節度ある適切な距離を保っておりました。ですので、本日の対応で間違いはないかと…」

「私が記憶を失っていることに気付いてはないですが、不審には思われたかもしれないんですが…大丈夫ですかね?」

「…それは、旦那様の判断を仰ぎましょう」

「…はい」

「お嬢様の放課後ですが、とても行動的で興味があると自らの足で調査しておりました」

 興味があるものに対して公爵令嬢自らの足で調査って行動力ありますね。

「はぁ…それは凄いですね」

「…はい。ですので、授業終了直後に帰宅する事は皆さん驚いたのかもしれません」

 私は無気力な人間だからそんな行動力はない。
 それに前世ではネットで調べれは私程度が疑問に感じるものは既に誰かが調べているので大体のものは答えがのっている。
 自らの足で調査する必要がない。

「本物のスカーレットは優秀だったんですね」

「…行動的な方でした」

「この分だと私が記憶を失っているのに気付く方が現れそうですね…」

 今日疑問に思ったことをジャメルに尋ねていると、既に屋敷に到着していた。
 王都の学園は貴族街からも近いので、会話をしていればあっという間だ。
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