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本題
レオナルド・ヴァン・ガランディオール
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最近ある噂が学園に広まりだしていた。
それは、スカーレット・ファルビアンクスがある女生徒に対して嫌がらせをしているというもの。
過去の令嬢であれば「またか」と納得してしまうが、今の令嬢がそんなことをするとは私は考えていない。
嘘か、人違いか、誰かが故意に広めたか…
噂の対象となっている生徒を調査すると、学園入学時から人気のある平民のメイリーだと分かった。
私もその人物とは何度か会話をしたことがあるが、人当たりが良い印象で他人を、ましてや貴族令嬢を陥れるような突拍子もない人物には見えなかった。
私が平民のメイリーと会話しているのを目撃したファルビアンクスは、烈火の如く怒る姿を見せたのを今でも鮮明に覚えている。
相手が貴族であっても遠慮を知らない令嬢が、平民のメイリーに何をするのか。
あの頃は令嬢から彼女を遠ざけることに重きを置くようになった。
彼女は平民特有というか、多少相手との距離間が近いように感じ男子生徒相手では誤解を生む可能性はあるとは感じていたが指摘することはなかった。
私は彼女を…利用していた。
令嬢が暴走し貴族としてあるまじき行動を積み重ねていけば、婚約解消できるだけの正当な理由になると。
様子を見ていると令嬢はそれから私とは関係なく、彼女に対して必要以上に淑女のマナーを説くようになった。
私は平民に貴族のマナーを押し付けるものではないと考えている。
学園内で貴族と平民は平等に扱われ、お互いの価値観を尊重し相手の立場を学ぶ場でもあるので本人が気付くか貴族から注意を受け改めるかするべきだと判断していた。
傍から見て誤解を受けるような行為だと気付いたとしても、私は苦言を呈することはない。
平民であれば相手が貴族の場合どのように人々に映るのか勉強するべきで、貴族側にとっては誤解を招く行為は命取りにもなりかねない。
厳しいことなのかもしれないが、学生とはいえ責任のある立場になる者は「隙を見せない」「全ての責任は本人もしく家門の名誉に関わる」というのは他者から教えられるまでもない。
全ては自己責任なので、令嬢が執拗に平民に貴族のマナーを押し付ける事はないと内心思っていた。
私は自身の事を冷酷ではないと思っている。
それらの事は王族として学んできた事もあり、貴族全員がとは言わないが側近の彼らだけでもそうあるべきと考えている。
私には側近として、現宰相の令息ヘルマンルイス・ディカバルと王族の第一騎士団長の令息リオネル・パーソンズがいる。
彼らも平民の彼女とは面識があり貴族や平民という隔たりは無いようだ。
私としては気難しいヘルマンルイスとも良好な関係を築いているのには驚いた。
彼は笑わない事で有名だったが、彼女に対して会話中に笑顔を見せていた。
一方のリオネルは、騎士の訓練の見学を許しているようだ。
訓練中に黄色い声援を送られると気が散るので、ある程度令嬢達が満足すると訓練場から追い出していたのに、彼女の事は追い出す事がなかった。
静かに見学していたので存在に気が付いていなかったのかもしれない。
だからといって、彼らの関係が親密だと疑ったことはない。
二人は既に決められた婚約者がいるので、その関係を破綻させるような間違いを犯すような愚行はないだろう。
そして今のところ未定たが、二人以外にもう一人の側近を増やそうか熟考中だ。
二人だけでは不十分ということではない。
候補の彼は優秀な人材であり柔らかい雰囲気が令嬢を引き付け、情報を聞き出すのが上手い。
自身より爵位の低い令息に声をかけられるのを不快と感じ令嬢は少なくなく、高位貴族の令嬢から情報を引き出すのは容易ではない。
だが、彼は伯爵令息でありながら言葉巧みに引き出してしまう。
そのように調査能力に長けている人材は是非とも側近として傍にいて欲しい。
事前に身辺調査し分かったことだが、彼もまた平民のメイリーと面識があるようだ。
彼女の社交性なのか、彼の調査なのか興味がある。
そんな彼は伯爵令息のジャンマルク・ラスウェル、同じ伯爵位の婚約者がいる。
平民が下位貴族だけでなく、王子の側近貴族まで虜にするのは彼女が単に物怖じしない性格で学園が掲げる平等の象徴的存在なのか、なにか目的があっての行動なのか…
だとしても評判の良い彼女を、果たして今のファルビアンクスが敵意を向けるだろうか?
己の状況を理解し人との関わりを極端に避け、存在を消すようにしている令嬢が…
一つ一つの噂を確認するべく目撃者を探すのだが、事件後の二人を目撃する者はいても決定的瞬間の目撃者はいない事が分かった。
そして、今回問題になっている温室を荒らした人物についても犯行がいつなのかも分からないのに、昼休みに温室から出てきたファルビアンクスを目撃したという証言により一気に令嬢が犯人のように広まった。
確かにその目撃情報は嘘ではない。
ファルビアンクスは昼休みは毎日花の世話をしているのを私も知っている。
私が令嬢を犯人ではないと言いきれるのは、昼休みは必ずと言って良い程、教師のリルコットも温室にいるからだ。
リルコットを追い掛けていた令嬢達はその事を知っているにも関わらず、誰もそこを訂正するものはいない。
他人を陥れる為なら口を噤む姿に不快感を感じる。
更に詳しく調査していくと、令嬢を目撃したと報告した人間が判明。
それは周囲から評判の良い平民のメイリー。
彼女の人柄もあり証言には信憑性があると言われスカーレット・ファルビアンクス犯人説が広まった。
「…もう少し調査する必要があるな」
それは、スカーレット・ファルビアンクスがある女生徒に対して嫌がらせをしているというもの。
過去の令嬢であれば「またか」と納得してしまうが、今の令嬢がそんなことをするとは私は考えていない。
嘘か、人違いか、誰かが故意に広めたか…
噂の対象となっている生徒を調査すると、学園入学時から人気のある平民のメイリーだと分かった。
私もその人物とは何度か会話をしたことがあるが、人当たりが良い印象で他人を、ましてや貴族令嬢を陥れるような突拍子もない人物には見えなかった。
私が平民のメイリーと会話しているのを目撃したファルビアンクスは、烈火の如く怒る姿を見せたのを今でも鮮明に覚えている。
相手が貴族であっても遠慮を知らない令嬢が、平民のメイリーに何をするのか。
あの頃は令嬢から彼女を遠ざけることに重きを置くようになった。
彼女は平民特有というか、多少相手との距離間が近いように感じ男子生徒相手では誤解を生む可能性はあるとは感じていたが指摘することはなかった。
私は彼女を…利用していた。
令嬢が暴走し貴族としてあるまじき行動を積み重ねていけば、婚約解消できるだけの正当な理由になると。
様子を見ていると令嬢はそれから私とは関係なく、彼女に対して必要以上に淑女のマナーを説くようになった。
私は平民に貴族のマナーを押し付けるものではないと考えている。
学園内で貴族と平民は平等に扱われ、お互いの価値観を尊重し相手の立場を学ぶ場でもあるので本人が気付くか貴族から注意を受け改めるかするべきだと判断していた。
傍から見て誤解を受けるような行為だと気付いたとしても、私は苦言を呈することはない。
平民であれば相手が貴族の場合どのように人々に映るのか勉強するべきで、貴族側にとっては誤解を招く行為は命取りにもなりかねない。
厳しいことなのかもしれないが、学生とはいえ責任のある立場になる者は「隙を見せない」「全ての責任は本人もしく家門の名誉に関わる」というのは他者から教えられるまでもない。
全ては自己責任なので、令嬢が執拗に平民に貴族のマナーを押し付ける事はないと内心思っていた。
私は自身の事を冷酷ではないと思っている。
それらの事は王族として学んできた事もあり、貴族全員がとは言わないが側近の彼らだけでもそうあるべきと考えている。
私には側近として、現宰相の令息ヘルマンルイス・ディカバルと王族の第一騎士団長の令息リオネル・パーソンズがいる。
彼らも平民の彼女とは面識があり貴族や平民という隔たりは無いようだ。
私としては気難しいヘルマンルイスとも良好な関係を築いているのには驚いた。
彼は笑わない事で有名だったが、彼女に対して会話中に笑顔を見せていた。
一方のリオネルは、騎士の訓練の見学を許しているようだ。
訓練中に黄色い声援を送られると気が散るので、ある程度令嬢達が満足すると訓練場から追い出していたのに、彼女の事は追い出す事がなかった。
静かに見学していたので存在に気が付いていなかったのかもしれない。
だからといって、彼らの関係が親密だと疑ったことはない。
二人は既に決められた婚約者がいるので、その関係を破綻させるような間違いを犯すような愚行はないだろう。
そして今のところ未定たが、二人以外にもう一人の側近を増やそうか熟考中だ。
二人だけでは不十分ということではない。
候補の彼は優秀な人材であり柔らかい雰囲気が令嬢を引き付け、情報を聞き出すのが上手い。
自身より爵位の低い令息に声をかけられるのを不快と感じ令嬢は少なくなく、高位貴族の令嬢から情報を引き出すのは容易ではない。
だが、彼は伯爵令息でありながら言葉巧みに引き出してしまう。
そのように調査能力に長けている人材は是非とも側近として傍にいて欲しい。
事前に身辺調査し分かったことだが、彼もまた平民のメイリーと面識があるようだ。
彼女の社交性なのか、彼の調査なのか興味がある。
そんな彼は伯爵令息のジャンマルク・ラスウェル、同じ伯爵位の婚約者がいる。
平民が下位貴族だけでなく、王子の側近貴族まで虜にするのは彼女が単に物怖じしない性格で学園が掲げる平等の象徴的存在なのか、なにか目的があっての行動なのか…
だとしても評判の良い彼女を、果たして今のファルビアンクスが敵意を向けるだろうか?
己の状況を理解し人との関わりを極端に避け、存在を消すようにしている令嬢が…
一つ一つの噂を確認するべく目撃者を探すのだが、事件後の二人を目撃する者はいても決定的瞬間の目撃者はいない事が分かった。
そして、今回問題になっている温室を荒らした人物についても犯行がいつなのかも分からないのに、昼休みに温室から出てきたファルビアンクスを目撃したという証言により一気に令嬢が犯人のように広まった。
確かにその目撃情報は嘘ではない。
ファルビアンクスは昼休みは毎日花の世話をしているのを私も知っている。
私が令嬢を犯人ではないと言いきれるのは、昼休みは必ずと言って良い程、教師のリルコットも温室にいるからだ。
リルコットを追い掛けていた令嬢達はその事を知っているにも関わらず、誰もそこを訂正するものはいない。
他人を陥れる為なら口を噤む姿に不快感を感じる。
更に詳しく調査していくと、令嬢を目撃したと報告した人間が判明。
それは周囲から評判の良い平民のメイリー。
彼女の人柄もあり証言には信憑性があると言われスカーレット・ファルビアンクス犯人説が広まった。
「…もう少し調査する必要があるな」
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