【完結】全ては王子の手のひらの上

天冨 七緒

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本題

それは突然

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「ファルビアンクス、生徒の温室への出入りを一時的に禁止となった」

 リルコットの言葉には納得してしまう。
 私はいつものようにお昼を終え温室へ入ると、昨日と花の様子が違うことに気付く。
 数日前に私が植えた花が片付けられ、土が目立つ状態となっている。

「先生…何かあったんですか?私の植え方が悪く、花が枯れてしまったんでしょうか?」

「…いや。昨日の放課後、温室が荒らされていた…ここに植えてあった花は折られ、道具も散乱していたんだ。犯人はまだ分かっていない。念のため温室は生徒の手伝いを禁止し、私のみで管理することになった」

 花にそんなことをするのは許せない。
 観察中に誤って折ってしまったというにはかなりの広範囲が被害にある。
 誰かが故意に花に八つ当たりしたとしか思えない。
 八つ当たり
 もしかしたら、私を嫌いな誰かが私への不満をぶつけるために私が植えた花を狙った……

「先生……ごめんなさい」

「……それはどういう事だ?」

「私のせいですよね……私が……皆に嫌われていて、私が植えた花が犠牲になった。私が手伝わなければ花が荒らされることはなかったと思います」

 これは過去のスカーレット? それとも私の責任? それとも私達…

「いやっ、犯人が分からない状況で動機なんて分かっていない。ただ単に花が嫌いな人物かもしれないし、単にむしゃくしゃして感情の捌け口にしただけかもしれない。なんの証拠もないのに自分を責めるのはやめなさい」

「…はぃ」

「今回は花が犠牲になったが、その場にファルビアンクスがいたら君が危険だったかもしれない。念のため温室は生徒の出入りを禁止という決定になった」

「はぃ」

 今日の私は何もせず温室を後にした。
 昼休みに温室以外行ったことがないので、何処に行けば良いのか分からず彷徨ってしまう。

「ファルビアンクス嬢」

 私に用がある時、大抵の人は怯えたように呼ぶか機械的に呼ぶかの二択。
 私の名前を優しく呼んでくれるのはリルコットとこの人だけ。

「…王子様…」

「元気がないな、体調が悪いのか?」

「いぇっ体調は問題ないです」

「なら、元気がないのは何故だ?」

「…それは…」

 温室が荒らされたのを王子は知らない様子。
 私が皆に恨まれていると知ったら、この人は婚約者を心配する? それとも失望する?

「…場所を変えて少し話さないか?」 

 王子も周囲の視線に気付き居心地が悪くなったのだろう…

「…はぃ」

 温室以外の逃げ場を知らない私は王子の提案を受け入れ、後を着いていく。
 すれ違う生徒達は、私や王子の様子から噂話を始めていく。

 あぁ……やっぱりスカーレット……いや、私は多くの人に嫌われているんだ。
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